黒幕一家の悪女は溺愛フラグが立ってしまった!

くま

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私の可愛いウサギちゃん ※メリダ視点

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『また攻撃を全部かわしてない!!メリダ!あなたは呪われた子よ。弟であるルイガノに負けてはだめ!長男だから!もう一度いうわ!あなたは双子‥つまり呪われた子供だったのよ。双子の妹様が弱くすぐに亡くなって良かったものの‥‥はあー、私だって長女なのに、なんで弟が継いで。ほら!もっと動いて!」

「伯母様‥‥わかりました」

いつもそう言われ続けていた。
双子は忌み嫌われる存在であり、呪われているとも言われていた。

記憶になんてないけれど、私が生まれた時、もう一人私がいたけどすぐに亡くなったらしい。

私は強いから生き残れたのだ。お母様も私が強くて喜んでいる筈!

そう、私は母に沢山の花束と見せたいのと、今日の練習でどれだけ頑張っていたかを話そうと会いに行った時ーー


「‥‥‥私の可愛い娘‥‥ごめんなさい‥‥弱い母でごめんなさい‥‥ヒック‥‥」

もう何年も前に亡くなった双子の妹など、忘れたかと思っていたのに、お母様はいつも写真を見て泣いていた。

お母様は‥‥私がいらない?
可愛いらしい娘のほうが良かった?

お母様の容体はルイガノを産んで更に悪くなり、遠く綺麗な森の奥で療養する事になった。

私は自分の鏡を見つめた。

「‥‥‥そうか、可愛い女の子になればいいんだ」

可愛い娘が欲しいのだ。それならば‥‥お母様のために可愛いらしい格好をしなければ。

そうすれば、私を認めてくれるかな。

体調がよくなり、屋敷へ戻った時‥‥可愛い子だと褒めてくれるかな。

毎日毎日‥‥周りは次期魔塔主は私だから弟達を殺せと囁く。私と弟達にあえば、欲深い大人達がやってくる。これ以上関わりを持たない方が良いと思っていたのに‥‥

いつも人に無関心なルイガノが小さな女の子と一緒にいると聞いて驚いた。

デローザ‥‥何故か我が家に来た謎の養女。あのお父様の考えはわからない。お母様はなんと思っているのか。

妹など邪魔な存在は、いらない。だから大人になり後で始末したほうが良いと思っていたのに


「んーん!おねーさん、すごくキレイでね、デロ、ドキドキしちゃったよ!お人形さんみたいねー!」

白い髪に赤い色の瞳、可愛いらしい笑顔を私に向けてきた。

女装している私を可愛いと褒めてくれた。
一緒にいると楽しくて、穏やかな気持ちになれる。

彼女中心で弟達も集まってきた。いつも会わないのに‥年に一度親との食事会くらいしかないのに。

この子は、何者なのか、いえ‥‥私の可愛い妹だわ。

生意気な弟達と可愛い妹‥‥

この一瞬の楽しい時間が崩れないように。

「‥‥‥そろそろ、来月あたりにお父様が戻ってくる筈‥‥いや、その前に、叔母様がくるはず。面倒だわ」

お父様がどう考えているかわからないけれど、あの子達に何かしようとするのならば‥‥

「可愛い娘らしく抵抗しなくちゃあねえー」

そう屋敷に侵入してきた者を、毒虫で攻撃する姿のメリダがそこにおり、屋敷にいた騎士達はそんなメリダの姿に怯えていた。






最初はただの興味本位だったのに、いつのまにか、私は可愛いらしい妹が出来て毎日が楽しいわ!
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