7 / 32
我儘次男はチョロい!
しおりを挟む
最近、屋敷のメイド達から虐められない。チェリーも私も首を傾げるほどだ。
「と、いうか‥‥チェリー以外、メイドさん新しー人ばかりなきがする」
私のお屋敷を管理していたメイド長や、みんなも長いお休みを取ってるらしいと、新しい料理長が教えてくれた。チェリーは不思議だと言っていたのに次の日、大人の事情もあるんだと言葉を濁していた。
とにかく今は食事も腐った物ではなく、美味しいパンや、野菜やお肉も出てくる!最初は毒かもしれないとか疑っていたけど、特に問題はないし嬉しい!
ポカポカ日和なので、私はルイガノの屋敷の庭へと遊びにやってきた。堂々と遊びにいけるのがとても嬉しい!
「‥‥‥‥嬉しそうだね」
「うん!きょうのご飯ね、分厚いお肉!お肉なの!」
そう私がニコニコと嬉しそうに話すと、ルイガノは聞くだけ聞いて何も言わずにそのまま本を読み始める。
「あら、ここにいたわね」
「メリダお姉さま!おかーりなさい!学園たのしかた!?」
「うふふー。楽しくないわよ」
そう何人かのメイド達を引き連れてきたのはメリダお姉様だ。うん、長男だけど、お姉様なのだ!
ここ最近、メリダお姉様も会いに来てくれる。メリダお姉様は学園に通ってて、毎日は会えないけど週に一回ペース会いにきては、こうやって私の髪を三つ編みにしたり、お団子頭にしたり、楽しいみたいで良かった!ルイガノはメリダお姉様が来ても無視をしているけど、メリダお姉様は気にしていない様子。
学園かあ。10歳になってからじゃないと通えないんだっけ。
ハッ!!ルイガノは12歳の時に学園でヒロインと出会うんだった!そして同い年の王太子もだ。
私も10歳になれば、学園に通えるとは思うけど‥‥ヒロインに振られて泣く姿のルイガノを見るのは嫌かなあ。
私はそっとクッキーをルイガノの口へと運ばせた。
「‥‥‥?」
コテンと首を傾げる可愛い仕草のルイガノに百点満点をあげたい!
ルイガノとメリダと三人で久々に会ってお茶をしていた時だったーー
雷のようなドン!!と大きな音と共に剣を私に向けてきた少年が現れ、ルイガノとメリダは私を庇ってくれた。
そのおかげで私は怪我はないんだけど。
「はあー?!なんでそんな家族でもないやつ庇うんだよ!?」
そう大きな声で騒ぐ青い色の髪で毛先は黒く、瞳は紫色で八重歯が見える子‥‥この子は‥
ブラック家次男であるスコット・ブラックだ!!暴れん坊だと有名で、剣の腕がピカイチで、狼を連れてるんだっけ。
「キャウ!」
スコットの隣には小さなワンちゃんがいた。多分狼なんだろうけど、可愛いワンちゃんしか見えない!
「‥‥えと、わたしね、デローザです!よおしくね!」
そう私が挨拶をすると、スコットはプィッと私を無視して、メリダお姉様を見て冷たい目で睨んでいた。
「うおい!兄貴!いつまでそんな格好してんだよ!?クソ気持ちわりいんだよ!」
「うふふ。可愛いでしょ?デローザにはお人形みたいだって褒められたのよ」
「普通に戻れよ!!」
「普通ってなあに?美味しいのかしら」
「あぁ?!そりゃ、普通ってあれだ。あれ!!美味しいに決まってんだろ!」
「‥‥相変わらず兄上は頭が悪いようですね」
「ゲッ!ルイガノ!やめろ!鴉が邪魔だ!シッシ!」
という三人兄弟のやり取りを見て、慣れないメイド達はただ肩をプルプルと震えていた。でも久しぶりに兄弟揃ったなら、ハグくらいしたらよいのに、となんだかこの状況にすぐ慣れてしまう自分が怖わいぞ。
その時だーー
森の奥から来た猪が突然現れた。
「ぎゃ!!いのたん!?」
そうビックリしたら、スコットは自分が持っていた剣で一瞬で猪を倒した。
は、速い‥‥!!なんも見えなかった!!私はスコットの元へ走って彼の手を握った。
「すごいの!!すごいぞ!スコット兄さまは、つおくてカッコいいのね!」
「‥あ?」
「うん!カッコいーの!しゅぱん!って早い!みんなを助けてくれたおーじさまみたいだよ!デロのヒーローだ!」
そう褒めるとスコットは何故か顔を赤くしていた。
「は?え?そーか!?格好いいのか!うんまあなー!あははは!!猪の肉でも焼くか!」
「デロ、肉すき!だいすき!」
更に肉をプレゼントしてくれるって、スコット君よ。君は良い子だぞ!
その後上機嫌でスコットは沢山お肉を焼いては私にくれた。メリダお姉様はおやつに肉は要らないと拒否し、ルイガノは‥‥‥
「‥ルイ?どたの?」
ハムスター並みに頬を膨らませて、何故かいじけているように見えた。
「‥‥‥‥‥僕には可愛いとか言ってばかりです」
「うん?そんなことないよー!ルイもかっこいいもん!」
そう私が答えると、ルイガノはスコットに地味に鴉の攻撃をしていた。お肉食べないのかな?
少し離れた甘いお菓子を食べているメリダは
「‥‥スコット、チョロすぎー」
と馬鹿にしながら呟いていた。
「と、いうか‥‥チェリー以外、メイドさん新しー人ばかりなきがする」
私のお屋敷を管理していたメイド長や、みんなも長いお休みを取ってるらしいと、新しい料理長が教えてくれた。チェリーは不思議だと言っていたのに次の日、大人の事情もあるんだと言葉を濁していた。
とにかく今は食事も腐った物ではなく、美味しいパンや、野菜やお肉も出てくる!最初は毒かもしれないとか疑っていたけど、特に問題はないし嬉しい!
ポカポカ日和なので、私はルイガノの屋敷の庭へと遊びにやってきた。堂々と遊びにいけるのがとても嬉しい!
「‥‥‥‥嬉しそうだね」
「うん!きょうのご飯ね、分厚いお肉!お肉なの!」
そう私がニコニコと嬉しそうに話すと、ルイガノは聞くだけ聞いて何も言わずにそのまま本を読み始める。
「あら、ここにいたわね」
「メリダお姉さま!おかーりなさい!学園たのしかた!?」
「うふふー。楽しくないわよ」
そう何人かのメイド達を引き連れてきたのはメリダお姉様だ。うん、長男だけど、お姉様なのだ!
ここ最近、メリダお姉様も会いに来てくれる。メリダお姉様は学園に通ってて、毎日は会えないけど週に一回ペース会いにきては、こうやって私の髪を三つ編みにしたり、お団子頭にしたり、楽しいみたいで良かった!ルイガノはメリダお姉様が来ても無視をしているけど、メリダお姉様は気にしていない様子。
学園かあ。10歳になってからじゃないと通えないんだっけ。
ハッ!!ルイガノは12歳の時に学園でヒロインと出会うんだった!そして同い年の王太子もだ。
私も10歳になれば、学園に通えるとは思うけど‥‥ヒロインに振られて泣く姿のルイガノを見るのは嫌かなあ。
私はそっとクッキーをルイガノの口へと運ばせた。
「‥‥‥?」
コテンと首を傾げる可愛い仕草のルイガノに百点満点をあげたい!
ルイガノとメリダと三人で久々に会ってお茶をしていた時だったーー
雷のようなドン!!と大きな音と共に剣を私に向けてきた少年が現れ、ルイガノとメリダは私を庇ってくれた。
そのおかげで私は怪我はないんだけど。
「はあー?!なんでそんな家族でもないやつ庇うんだよ!?」
そう大きな声で騒ぐ青い色の髪で毛先は黒く、瞳は紫色で八重歯が見える子‥‥この子は‥
ブラック家次男であるスコット・ブラックだ!!暴れん坊だと有名で、剣の腕がピカイチで、狼を連れてるんだっけ。
「キャウ!」
スコットの隣には小さなワンちゃんがいた。多分狼なんだろうけど、可愛いワンちゃんしか見えない!
「‥‥えと、わたしね、デローザです!よおしくね!」
そう私が挨拶をすると、スコットはプィッと私を無視して、メリダお姉様を見て冷たい目で睨んでいた。
「うおい!兄貴!いつまでそんな格好してんだよ!?クソ気持ちわりいんだよ!」
「うふふ。可愛いでしょ?デローザにはお人形みたいだって褒められたのよ」
「普通に戻れよ!!」
「普通ってなあに?美味しいのかしら」
「あぁ?!そりゃ、普通ってあれだ。あれ!!美味しいに決まってんだろ!」
「‥‥相変わらず兄上は頭が悪いようですね」
「ゲッ!ルイガノ!やめろ!鴉が邪魔だ!シッシ!」
という三人兄弟のやり取りを見て、慣れないメイド達はただ肩をプルプルと震えていた。でも久しぶりに兄弟揃ったなら、ハグくらいしたらよいのに、となんだかこの状況にすぐ慣れてしまう自分が怖わいぞ。
その時だーー
森の奥から来た猪が突然現れた。
「ぎゃ!!いのたん!?」
そうビックリしたら、スコットは自分が持っていた剣で一瞬で猪を倒した。
は、速い‥‥!!なんも見えなかった!!私はスコットの元へ走って彼の手を握った。
「すごいの!!すごいぞ!スコット兄さまは、つおくてカッコいいのね!」
「‥あ?」
「うん!カッコいーの!しゅぱん!って早い!みんなを助けてくれたおーじさまみたいだよ!デロのヒーローだ!」
そう褒めるとスコットは何故か顔を赤くしていた。
「は?え?そーか!?格好いいのか!うんまあなー!あははは!!猪の肉でも焼くか!」
「デロ、肉すき!だいすき!」
更に肉をプレゼントしてくれるって、スコット君よ。君は良い子だぞ!
その後上機嫌でスコットは沢山お肉を焼いては私にくれた。メリダお姉様はおやつに肉は要らないと拒否し、ルイガノは‥‥‥
「‥ルイ?どたの?」
ハムスター並みに頬を膨らませて、何故かいじけているように見えた。
「‥‥‥‥‥僕には可愛いとか言ってばかりです」
「うん?そんなことないよー!ルイもかっこいいもん!」
そう私が答えると、ルイガノはスコットに地味に鴉の攻撃をしていた。お肉食べないのかな?
少し離れた甘いお菓子を食べているメリダは
「‥‥スコット、チョロすぎー」
と馬鹿にしながら呟いていた。
44
お気に入りに追加
1,148
あなたにおすすめの小説


婚約破棄されて追放されたけど、守護竜に愛されてます 〜ドラゴンの花嫁〜
有賀冬馬
恋愛
マイアーレ王女は非常に優秀だが、ちょっとばかり内向的な性格をしている。そして、活発な妹がいるせいで、自己評価がとても低い。
この物語は、彼女が国を追放される所から始まる。
彼女はこの国の守護竜と呼ばれるドラゴンに見初められ、ドラゴンの花嫁として王宮に復帰を遂げる……。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。

『壁の花』の地味令嬢、『耳が良すぎる』王子殿下に求婚されています〜《本業》に差し支えるのでご遠慮願えますか?〜
水都 ミナト
恋愛
マリリン・モントワール伯爵令嬢。
実家が運営するモントワール商会は王国随一の大商会で、優秀な兄が二人に、姉が一人いる末っ子令嬢。
地味な外観でパーティには来るものの、いつも壁側で1人静かに佇んでいる。そのため他の令嬢たちからは『地味な壁の花』と小馬鹿にされているのだが、そんな嘲笑をものととせず彼女が壁の花に甘んじているのには理由があった。
「商売において重要なのは『信頼』と『情報』ですから」
※設定はゆるめ。そこまで腹立たしいキャラも出てきませんのでお気軽にお楽しみください。2万字程の作品です。
※カクヨム様、なろう様でも公開しています。

私のかわいい旦那様
Rj
恋愛
優秀だが変わり者とよばれる王太子ダレンに嫁いだシャーリーは、「またやってしまった……」落ち込む夫に愛おしさを感じる。あなたのためなら国を捨てることもいといません。
一話完結で投稿したものにもう一話加え全二話になりました。(10/2変更)
『次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛』に登場するグレイスの長女と次男の話ですが未読でも問題なくお読み頂けます。

【完結】私を嫌ってたハズの義弟が、突然シスコンになったんですが!?
miniko
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢のキャサリンは、ある日突然、原因不明の意識障害で倒れてしまう。
一週間後に目覚めた彼女は、自分を嫌っていた筈の義弟の態度がすっかり変わってしまい、極度のシスコンになった事に戸惑いを隠せない。
彼にどんな心境の変化があったのか?
そして、キャサリンの意識障害の原因とは?
※設定の甘さや、ご都合主義の展開が有るかと思いますが、ご容赦ください。
※サスペンス要素は有りますが、難しいお話は書けない作者です。
※作中に登場する薬や植物は架空の物です。

彼女がいなくなった6年後の話
こん
恋愛
今日は、彼女が死んでから6年目である。
彼女は、しがない男爵令嬢だった。薄い桃色でサラサラの髪、端正な顔にある2つのアーモンド色のキラキラと光る瞳には誰もが惹かれ、それは私も例外では無かった。
彼女の墓の前で、一通り遺書を読んで立ち上がる。
「今日で貴方が死んでから6年が経ったの。遺書に何を書いたか忘れたのかもしれないから、読み上げるわ。悪く思わないで」
何回も読んで覚えてしまった遺書の最後を一息で言う。
「「必ず、貴方に会いに帰るから。1人にしないって約束、私は破らない。」」
突然、私の声と共に知らない誰かの声がした。驚いて声の方を振り向く。そこには、見たことのない男性が立っていた。
※ガールズラブの要素は殆どありませんが、念の為入れています。最終的には男女です!
※なろう様にも掲載

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる