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実家に帰らせていただきます
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アルテミスは自分の部屋で仮眠をとっていた。
目を覚ますとほんのり甘いシナモンの匂いと、紅茶の香りがし目が覚めたら、もぐもぐと何やら食べているルナがそこにいた。ルナはアルテミスが起きたのを知りニコッと笑顔で
「実家に帰らせていただきます」
「……色々言いたいことがあるが、まず何故主である俺より先にアップルパイを食べてるな」
「アルテミス王子…これは毒味です。この前と同じ事があると大変ですからね!」
「いや…もう一口しか残ってないんだが」
「シナモンがほんのりと入っており、ほどよい甘さで美味しかったです。どうぞ」
「いらん!お前がもう食べろ!」
ハアと溜息をしながら、紅茶を飲むアルテミスは頰を赤くしながら幸せそうにアップルパイを食べてるルナを見つめていた。
「…で?」
「はい?」
「実家に帰ると言ってただろうが」
「はい、明日ですねぇ。あ、アルテミス王子も行きます?」
ニッコリと笑いながら、いい明案だと言うルナにアルテミスは呆れた顔で
「何故、お前の実家にいかなきゃならないんだよ、そんなに俺は暇じゃないーって何もう支度してるんだ。だー!もう!しかも…ぐちゃぐちゃにいれやがって」
と、アルテミス王子はぶつぶつ文句を言いながら、自分で自分の服をたたみ荷物をまとめていた。
次の日アルテミスとルナはルナの実家へ馬車で向かった。城から一時間ほどかかる、少し王都より離れている田舎寄りだが緑豊かな場所にルナが幼少期から過ごしていた屋敷へついた。
「さあさあさあ!アルテミス王子!ようこそっ!我が家へ!さあ!肉ですぞ!肉!子供は肉が大好きですからな!」
「………」
「アルテミス王子?食べないんですか?」
「…肉ばかりだな」
私と父はいつもこれぐらいの量を食べるんだけど、多かったかな?そう考えていたら
バン!とドアが勢いよく開いた。そこには私を昔から可愛がってくれているメイド長のラテがやってきた。
「ルナ様!まー!なんですか!その格好は!さあ着替えますよ!さあさあ!」
「え?いや、私は普段この格好…んぐっ」
ラテは私を引っ張りだし、久しぶりにドレスを着替えないと!と言いながら無理やり私は着替えさせられた。
ルナが部屋から出ていき、ルナの父は
「さて、アルテミス王子…私の娘ルナは良い執事ですかな?」
「……使いものにならん執事だな」
「あっはっはっ!よく食べるでしょう?!」
「…俺のおやつの分をよく食べる」
「いやー可愛いらしいですな!」
「令嬢としてはマナーは習ってないのか?」
「習ってますよ?完璧に!」
アルテミスは嘘つけと呆れていた顔をしていた。
「…ただ………まあ…悪いやつではないな」
そう呟くアルテミスをニヤニヤと笑っていたルナの父親だった。アルテミスは顔を赤くし、慌てて
「少し、外にでる!」
と言いながら屋敷の庭の方へ歩いていると、
「アルテミス王子、ここにいたんですね」
声のほうに振り向くと、そこには髪を下ろして可愛らしいワンピース姿のルナだった。
「………」
アルテミス王子が固まっているわ。お肉食べすぎたんですかね??
「あの…どうしました?お腹痛くなりましたか?」
デザートにチョコレートムースがあるけど、大丈夫かしら。
あ、屋敷の庭の案内したほうが良いよね。
「アルテミス王子、私が小さい頃よく行っていた秘密基地へいきましょう」
「は?秘密基地?」
「そうです、秘密基地ですよー」
私はアルテミス王子の手を握ると、アルテミス王子は何故か顔を赤くしながら俯いたけど風邪でも引いたのかな?あとで薬を渡そう。
「ルナ……秘密基地って…この木の上か」
「この木高くて、ほら!少し向こうの王都が薄ら見えますよね?よくここに登ってお菓子食べながら歌を歌ってましたね」
「…お前の小さい頃は…いや…もうつっこむのはやめる」
私とアルテミス王子は木に登り、一緒に遠い見える王都を眺めていた。アルテミス王子は何を考えているかわからないけれどただずっと無言のまま遠く見つめていた。
あら、アルテミス王子の頬っぺたにソースがついてるわ。
まだまだ子供ですね!
私はそっとアルテミス王子の頬っぺたを触ろうとしたら、アルテミス王子は急に赤くなりながら
「な!なんだ?!急に顔を近づけて…!」
「アルテミス王子の頬っぺたにソースが…って、あっ」
「ルナ!」
グラッと私は体のバランスが崩れて地面に落ちそうになりアルテミス王子は慌てて私の手を握ったが、そのまま私達は地面へ落ちていった。アルテミス王子は目をつぶりながら、私を守るようにギュッと抱きしめてくれた。
ふふ、なんだかんだアルテミス王子は優しい人ね。
クルクル…ストン…
「アルテミス王子、大丈夫ですか?」
「………なんか違うぞ」
「何がです?」
「何故俺がお姫様抱っこで助かる」
「え、だって私は執事ですし、主であるアルテミス王子をお守りしないと」
「落ちたと覚悟したのに、いきなり、俺を抱っこして、クルクル…ストン…って普通静かに落ちるか!?」
「慣れですよ、慣れ。さあ、デザートにチョコレートムースです、そろそろ中へ戻りましょう」
「まて!このまま行くきか!降ろせ!」
「我儘な方ですねえ」
私は渋々アルテミス王子をおろした。
赤くなったり、怒ったり、焦ったり、忙しい王子様だけど…
「ふふ…」
「…何笑ってる」
私はニッコリ笑いながら
「……でもさっきのアルテミス王子は私を庇おうと抱きしめてくれたのはカッコ良かったですよ」
そう褒めたら、アルテミス王子は急にムスッと怒りだした。
え?褒めたのになんでまた怒るのかしら??
謎だわ。
目を覚ますとほんのり甘いシナモンの匂いと、紅茶の香りがし目が覚めたら、もぐもぐと何やら食べているルナがそこにいた。ルナはアルテミスが起きたのを知りニコッと笑顔で
「実家に帰らせていただきます」
「……色々言いたいことがあるが、まず何故主である俺より先にアップルパイを食べてるな」
「アルテミス王子…これは毒味です。この前と同じ事があると大変ですからね!」
「いや…もう一口しか残ってないんだが」
「シナモンがほんのりと入っており、ほどよい甘さで美味しかったです。どうぞ」
「いらん!お前がもう食べろ!」
ハアと溜息をしながら、紅茶を飲むアルテミスは頰を赤くしながら幸せそうにアップルパイを食べてるルナを見つめていた。
「…で?」
「はい?」
「実家に帰ると言ってただろうが」
「はい、明日ですねぇ。あ、アルテミス王子も行きます?」
ニッコリと笑いながら、いい明案だと言うルナにアルテミスは呆れた顔で
「何故、お前の実家にいかなきゃならないんだよ、そんなに俺は暇じゃないーって何もう支度してるんだ。だー!もう!しかも…ぐちゃぐちゃにいれやがって」
と、アルテミス王子はぶつぶつ文句を言いながら、自分で自分の服をたたみ荷物をまとめていた。
次の日アルテミスとルナはルナの実家へ馬車で向かった。城から一時間ほどかかる、少し王都より離れている田舎寄りだが緑豊かな場所にルナが幼少期から過ごしていた屋敷へついた。
「さあさあさあ!アルテミス王子!ようこそっ!我が家へ!さあ!肉ですぞ!肉!子供は肉が大好きですからな!」
「………」
「アルテミス王子?食べないんですか?」
「…肉ばかりだな」
私と父はいつもこれぐらいの量を食べるんだけど、多かったかな?そう考えていたら
バン!とドアが勢いよく開いた。そこには私を昔から可愛がってくれているメイド長のラテがやってきた。
「ルナ様!まー!なんですか!その格好は!さあ着替えますよ!さあさあ!」
「え?いや、私は普段この格好…んぐっ」
ラテは私を引っ張りだし、久しぶりにドレスを着替えないと!と言いながら無理やり私は着替えさせられた。
ルナが部屋から出ていき、ルナの父は
「さて、アルテミス王子…私の娘ルナは良い執事ですかな?」
「……使いものにならん執事だな」
「あっはっはっ!よく食べるでしょう?!」
「…俺のおやつの分をよく食べる」
「いやー可愛いらしいですな!」
「令嬢としてはマナーは習ってないのか?」
「習ってますよ?完璧に!」
アルテミスは嘘つけと呆れていた顔をしていた。
「…ただ………まあ…悪いやつではないな」
そう呟くアルテミスをニヤニヤと笑っていたルナの父親だった。アルテミスは顔を赤くし、慌てて
「少し、外にでる!」
と言いながら屋敷の庭の方へ歩いていると、
「アルテミス王子、ここにいたんですね」
声のほうに振り向くと、そこには髪を下ろして可愛らしいワンピース姿のルナだった。
「………」
アルテミス王子が固まっているわ。お肉食べすぎたんですかね??
「あの…どうしました?お腹痛くなりましたか?」
デザートにチョコレートムースがあるけど、大丈夫かしら。
あ、屋敷の庭の案内したほうが良いよね。
「アルテミス王子、私が小さい頃よく行っていた秘密基地へいきましょう」
「は?秘密基地?」
「そうです、秘密基地ですよー」
私はアルテミス王子の手を握ると、アルテミス王子は何故か顔を赤くしながら俯いたけど風邪でも引いたのかな?あとで薬を渡そう。
「ルナ……秘密基地って…この木の上か」
「この木高くて、ほら!少し向こうの王都が薄ら見えますよね?よくここに登ってお菓子食べながら歌を歌ってましたね」
「…お前の小さい頃は…いや…もうつっこむのはやめる」
私とアルテミス王子は木に登り、一緒に遠い見える王都を眺めていた。アルテミス王子は何を考えているかわからないけれどただずっと無言のまま遠く見つめていた。
あら、アルテミス王子の頬っぺたにソースがついてるわ。
まだまだ子供ですね!
私はそっとアルテミス王子の頬っぺたを触ろうとしたら、アルテミス王子は急に赤くなりながら
「な!なんだ?!急に顔を近づけて…!」
「アルテミス王子の頬っぺたにソースが…って、あっ」
「ルナ!」
グラッと私は体のバランスが崩れて地面に落ちそうになりアルテミス王子は慌てて私の手を握ったが、そのまま私達は地面へ落ちていった。アルテミス王子は目をつぶりながら、私を守るようにギュッと抱きしめてくれた。
ふふ、なんだかんだアルテミス王子は優しい人ね。
クルクル…ストン…
「アルテミス王子、大丈夫ですか?」
「………なんか違うぞ」
「何がです?」
「何故俺がお姫様抱っこで助かる」
「え、だって私は執事ですし、主であるアルテミス王子をお守りしないと」
「落ちたと覚悟したのに、いきなり、俺を抱っこして、クルクル…ストン…って普通静かに落ちるか!?」
「慣れですよ、慣れ。さあ、デザートにチョコレートムースです、そろそろ中へ戻りましょう」
「まて!このまま行くきか!降ろせ!」
「我儘な方ですねえ」
私は渋々アルテミス王子をおろした。
赤くなったり、怒ったり、焦ったり、忙しい王子様だけど…
「ふふ…」
「…何笑ってる」
私はニッコリ笑いながら
「……でもさっきのアルテミス王子は私を庇おうと抱きしめてくれたのはカッコ良かったですよ」
そう褒めたら、アルテミス王子は急にムスッと怒りだした。
え?褒めたのになんでまた怒るのかしら??
謎だわ。
応援ありがとうございます!
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