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毒入りジャスミン茶は美味

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スター王立学園。王族や貴族は特別棟で一般庶民は普通棟と呼ばれて分けられている。
ティラミス王子は一つ下なのに、成績が優秀ということで特別にアルテミス王子と同じく入学するとのこと。
多分王妃様のゴリ推しでしょうね。

「来週から王立学園ですね、良き友人できるといいですね」

「別に友人など俺に必要ない。それより…おまえも通うのか?」

「え?勿論ですよ。王立学園での学食楽し…アルテミス王子の執事ですからねっ」

「…学園の学食目当てかよ…因みにどっちの制服だ?」

「へ?」

「マヌケな顔するな。だから…男子制服か女子制服かと聞いてるんだよ」

「勿論、執事姿で通しますよ。ふっふっ!王様に許可もらいましたもの」

小説でも執事のルナだけは執事姿で学園へ通っていたみたいだし、問題はないでしょう!

アルテミス王子はなんだか納得してない様子だけど、小説では私はあくまでも脇役だもの。

「因みに本日のおやつはスイートポテトケーキです。紅茶はジャスミン茶…」

なんだろう…匂いがおかしい?
ペロッとジャスミン茶を舐めてみると、、、なるほど。

「…まったく、お前は少しも自分が女だという自覚が」

「あー、うんうん。アルテミス王子ストップです」

「あ?何がだ」

「…そのジャスミン茶飲まないで下さい」

「は?」

「毒が入ってます」

そう私はアルテミス王子が飲もうとしていたティーカップを止めた。

硬直したアルテミス王子はハッと気付いて私の手を握り慌てる。

「ルナ!おまえっ…体は!?大丈夫なのか!?」

「少量なので大丈夫ですよ」

少し遠く離れた執事とメイドが騒ぎだす中、木の木陰にこそこそと隠れている気配がしたのですかさず私はテーブルにあるフォークとナイフなどをそこへ目掛けて投げる。


ビュン!!!


私が投げたフォークとナイフをかわして出てきたのは黒いマントに身を包みプルプル震えた太ったおじさんだった。
スタスタと私は歩き胸倉を掴むと、後ろにいたアルテミス王子は

「ルナ…落ちつけ!」

「んー、アルテミス王子はどんな拷問がお好みで?」

「ハァ…笑顔で語りかけるな…とりあえずそいつを縛るだけにしろ」

「かしこまりした」

とりあえず…この毒を盛ったであろうおじさんは多分王妃様が依頼したに違いない。小説では何度か王妃がアルテミス王子を亡きものにしようとしているのだから…自分の息子を殺そうとするなんて頭おかしい。

「あらら、ティータイム台無しになりましたね」

「……あぁ…そうだな……」

少し暗い表情のアルテミス王子は少し震えていた。
私はギュッと手を握り彼に微笑む。

「…大丈夫ですよ。私は貴方の味方です」

少し頰を赤らめてプイッと顔を背けるアルテミス王子はちょっぴり可愛いですね!

「…ところでルナ……お前…スイートポテトケーキ全部食べただろ」

「ふっ、毒味です!」

「さっきまで置いてあったやつを一瞬で食うとか!おまえ執事とかの以前の問題だろ!それと薬を今飲め!さっき毒をのんだろう!」


本日のおやつはスイートポテトケーキと毒入りジャスミン茶!!

ごちそうさまでした。





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