13 / 16
ヴァイオレット・スカーレット編①中身はすみれ
初めてのパーティーの夜
しおりを挟む
パーティー当日、私はレオン君が送ってくれたドレスを着た。周りにいたメイド達は歓声をあげていたけれど、そんなに凄いドレスなのだろうか?やっぱり‥‥うん、高そうだ。
落ちついた青というか、紺色に近い色のドレスに、星空のようにキラキラと小さな宝石が飾りつけてあり、シンプルだけど可愛いらしいデザインだった。鏡越しで見る自分の姿に改めてヴァイオレットさんは美女だなあと感じてしまう。本来の私なら似合わないもの。
「ヴァイオレット、準備はできたかーー」
「セシリスお兄様、‥‥あの?セシリスお兄様?」
「わ、私が用意した薄い青色のドレスは‥‥おい!お前達!これはどういうことだ!?」
と、何故かセバスチャンさんやメイド達に何か騒いでいた。
「あ、あの‥‥似合わなくてすいません」
「違う!ヴァイオレット!君は世界一美しい!この私が断言する!ただ、そのドレスの色はーー」
「あ、このドレスはレオン君が送ってくれて‥‥色々とダンスを教えてもくれて」
「ふぁー!?ゲホゲホッ!!」
そう説明をするとセシリスさんは、深く息を吸っていた。セバスチャンさんはそんなセシリスさんの背中をさすっていた。
馬車の中では、また独り言を言っているセシリスさん‥‥ドレスを用意してたみたいだったから‥気を悪くしちゃったかもしれない。王宮へ着くとセシリスさんにエスコートをされて中へ入ると‥‥煌びやかなシャンデリアと豪華な食事、飾り、全てが凄かった。
「やあ、ヴァイオレット。セシリス様もご機嫌よう」
そう私達に話しかけてきたのはレオン君だった。セシリスさんは何故か私の前に出て話し出す。レオン君が見えない。
「やあやあやあやあ、レオン様ではないですか。レオン様ほどの方に、可愛い妹に素敵なドレスを送っていただいて!自分と同じ瞳の色のドレスをね!?」
「セシリス様は相変わらず妹想いな方ですね。今まで溜まっていたものが爆破しているようで見てて、まあ面白いですよ」
二人は笑って話し合っているのに、何故かここだけ寒いのは気のせい‥‥かな。
音楽が流れ始める。レオン君は私にダンスを申し込む。
「ヴァイオレット、ダンスの成果をお兄様に見せてもいいんじゃないかな」
「なっ!?ダダンス!?ヴァイオレットと君がか!?このドレスを着て君とダンスを踊るなんてーー」
私はレオン君に頭を下げて丁寧に断る。
「ごめんなさい、ダンスを教えてくださったし、ドレスを送ってくれて‥‥だけど‥」
沢山ダンスを練習をしたのは、セシリスさんの為だった。いつも妹想いで仕事が忙しくても私のために時間を作ってくれているそんなセシリスさんが本当の兄のように感じていた。
「セシリスお兄様にビックリさせたくて‥‥一緒に踊りたいです」
私には家族というものに憧れていた。いつも一緒にいてくれる家族をーー
「ヴァイオレット‥そうか。君は私が1番なんだね、わかっているさ。可愛い妹の頼みだ、レオン様、妹は貴方ではなく、私、のようです!はははは!!さあ!踊ろう!」
無邪気な少年のように、私の手を取るセシリスさんに私も釣られて笑った。
こんな人がお兄ちゃんだなんて、ヴァイオレットさんが羨ましいな。
ダンスを断られたレオンは、ただジッとヴァイオレット達を見つめていた。銀髪で瞳が紫色の青年がレオンの耳元で甘く囁く。
「フラれちゃったかなあ?レオン」
「ヘメロ‥‥耳元で囁くのはやめて下さい。気分が悪くなります」
「なあんだよ?お前もこのかっこいい兄ちゃんと踊るか?!なっ」
「兄でもなんでもないでしょう。ただの従兄弟関係ですよ」
王太子であるヘメロカリスは、ヴァイオレットを興味津々に見つめる。
「へえーなんか雰囲気変わったな?」
そんなヘメロカリスに笑顔で話しかけるレオン。
「ヘメロカリス、自分のその王太子の座にずっと付きたいのならば彼女だけは手を出すのは許しませんよ」
「‥‥レオン‥‥お前‥‥可愛いやつめ!!おーい!セシリス!!」
そうダンスを終えた二人に話しかけにいくヘメロカリス王太子だった。
銀髪で紫色の瞳‥‥この方がヘメロカリス王太子。この国の次期国王となる方‥‥。
「ねえねえ、ヴァイオレット嬢、君本当に記憶無くしたんだって?いやあーウチのセシリスがね、いつもいつも自慢げに話すわけよ。君の事を。嫌われてても健気で馬鹿だなあと思ってたけど、これまた急に仲良くなるものだから、隠れたシスコンがもう今じゃ凄いわけよ!あ、それと、今度デートしない?」
「「しません!!」」
私が何も言わずにいると、セシリスさんとレオン君はヘメロカリス王太子に向かって止めてくれた。
なんというか‥‥チャラチャラした人、かな?
「はは‥‥」
ヘメロカリス王太子とセシリスさんは、色々な人に挨拶へとまわり、私は人目が気になったので静かな場所を探していた。
景色を見たかったので、誰もいない事を確認してバルコニーへと出た。
うん、風が程よく気持ちいい‥‥。
「ヴァイオレット」
「レオン君」
レオン君は私を探していたようで、ブドウジュースを渡してくれた。
「ダンスを踊ってから、何も飲んでいないでしょ?ヘメロも来て、従兄弟とはいえ、ごめんね」
「そんな事、えっと明るい方かと‥。あ、ジュース、ありがとうございます」
私はもう一度夜の景色を見る。
「へえ。以前の君は賑やかな方を好んでたけど、今は違うみたいだね」
「え、そうなんですか?‥‥えーと‥‥
私‥‥‥夜が1番好きなんです。静かな場所が好きで‥‥」
「僕も好きだよ。特に誰も来ないような庭園で本を読むのが好きかな」
「あ、だから以前あの場所にーー」
「うん、花を育てたりするのも好きかな」
「素敵ですね」
そう私が褒めると、レオン君は何やら困った顔をしていた。
「男性が花を育ててるんだよ?」
「好き嫌いに男女は関係ないかと‥‥」
「はは、そっか。ありがとう」
私達はまた夜空を見上げる。特にこの後何も話さずただ黙って景色を見ていた。
屋敷へ戻り、真夜中になる。
私は光る手鏡を見てパーティーは無事終わった事を告げる。
「ところでヴァイオレットさん、学校生活はどうですか?あの‥‥静かに暮らしてますか?」
最近、こちらの暮らしに慣れるのにいっぱいいっぱいだったけれど、正直周りのあの視線を感じる限りヴァイオレットさんは‥‥
『大丈夫よ。私はいつでも完璧よ』
「良かった、静かに過ごしてくれてるんですね」
『ふふ、下僕共が数人できたわよ』
「な、なななな、何してるんですかー!!?」
そう私が悲鳴をあげているのに、彼女は得意げな顔をしていた。
落ちついた青というか、紺色に近い色のドレスに、星空のようにキラキラと小さな宝石が飾りつけてあり、シンプルだけど可愛いらしいデザインだった。鏡越しで見る自分の姿に改めてヴァイオレットさんは美女だなあと感じてしまう。本来の私なら似合わないもの。
「ヴァイオレット、準備はできたかーー」
「セシリスお兄様、‥‥あの?セシリスお兄様?」
「わ、私が用意した薄い青色のドレスは‥‥おい!お前達!これはどういうことだ!?」
と、何故かセバスチャンさんやメイド達に何か騒いでいた。
「あ、あの‥‥似合わなくてすいません」
「違う!ヴァイオレット!君は世界一美しい!この私が断言する!ただ、そのドレスの色はーー」
「あ、このドレスはレオン君が送ってくれて‥‥色々とダンスを教えてもくれて」
「ふぁー!?ゲホゲホッ!!」
そう説明をするとセシリスさんは、深く息を吸っていた。セバスチャンさんはそんなセシリスさんの背中をさすっていた。
馬車の中では、また独り言を言っているセシリスさん‥‥ドレスを用意してたみたいだったから‥気を悪くしちゃったかもしれない。王宮へ着くとセシリスさんにエスコートをされて中へ入ると‥‥煌びやかなシャンデリアと豪華な食事、飾り、全てが凄かった。
「やあ、ヴァイオレット。セシリス様もご機嫌よう」
そう私達に話しかけてきたのはレオン君だった。セシリスさんは何故か私の前に出て話し出す。レオン君が見えない。
「やあやあやあやあ、レオン様ではないですか。レオン様ほどの方に、可愛い妹に素敵なドレスを送っていただいて!自分と同じ瞳の色のドレスをね!?」
「セシリス様は相変わらず妹想いな方ですね。今まで溜まっていたものが爆破しているようで見てて、まあ面白いですよ」
二人は笑って話し合っているのに、何故かここだけ寒いのは気のせい‥‥かな。
音楽が流れ始める。レオン君は私にダンスを申し込む。
「ヴァイオレット、ダンスの成果をお兄様に見せてもいいんじゃないかな」
「なっ!?ダダンス!?ヴァイオレットと君がか!?このドレスを着て君とダンスを踊るなんてーー」
私はレオン君に頭を下げて丁寧に断る。
「ごめんなさい、ダンスを教えてくださったし、ドレスを送ってくれて‥‥だけど‥」
沢山ダンスを練習をしたのは、セシリスさんの為だった。いつも妹想いで仕事が忙しくても私のために時間を作ってくれているそんなセシリスさんが本当の兄のように感じていた。
「セシリスお兄様にビックリさせたくて‥‥一緒に踊りたいです」
私には家族というものに憧れていた。いつも一緒にいてくれる家族をーー
「ヴァイオレット‥そうか。君は私が1番なんだね、わかっているさ。可愛い妹の頼みだ、レオン様、妹は貴方ではなく、私、のようです!はははは!!さあ!踊ろう!」
無邪気な少年のように、私の手を取るセシリスさんに私も釣られて笑った。
こんな人がお兄ちゃんだなんて、ヴァイオレットさんが羨ましいな。
ダンスを断られたレオンは、ただジッとヴァイオレット達を見つめていた。銀髪で瞳が紫色の青年がレオンの耳元で甘く囁く。
「フラれちゃったかなあ?レオン」
「ヘメロ‥‥耳元で囁くのはやめて下さい。気分が悪くなります」
「なあんだよ?お前もこのかっこいい兄ちゃんと踊るか?!なっ」
「兄でもなんでもないでしょう。ただの従兄弟関係ですよ」
王太子であるヘメロカリスは、ヴァイオレットを興味津々に見つめる。
「へえーなんか雰囲気変わったな?」
そんなヘメロカリスに笑顔で話しかけるレオン。
「ヘメロカリス、自分のその王太子の座にずっと付きたいのならば彼女だけは手を出すのは許しませんよ」
「‥‥レオン‥‥お前‥‥可愛いやつめ!!おーい!セシリス!!」
そうダンスを終えた二人に話しかけにいくヘメロカリス王太子だった。
銀髪で紫色の瞳‥‥この方がヘメロカリス王太子。この国の次期国王となる方‥‥。
「ねえねえ、ヴァイオレット嬢、君本当に記憶無くしたんだって?いやあーウチのセシリスがね、いつもいつも自慢げに話すわけよ。君の事を。嫌われてても健気で馬鹿だなあと思ってたけど、これまた急に仲良くなるものだから、隠れたシスコンがもう今じゃ凄いわけよ!あ、それと、今度デートしない?」
「「しません!!」」
私が何も言わずにいると、セシリスさんとレオン君はヘメロカリス王太子に向かって止めてくれた。
なんというか‥‥チャラチャラした人、かな?
「はは‥‥」
ヘメロカリス王太子とセシリスさんは、色々な人に挨拶へとまわり、私は人目が気になったので静かな場所を探していた。
景色を見たかったので、誰もいない事を確認してバルコニーへと出た。
うん、風が程よく気持ちいい‥‥。
「ヴァイオレット」
「レオン君」
レオン君は私を探していたようで、ブドウジュースを渡してくれた。
「ダンスを踊ってから、何も飲んでいないでしょ?ヘメロも来て、従兄弟とはいえ、ごめんね」
「そんな事、えっと明るい方かと‥。あ、ジュース、ありがとうございます」
私はもう一度夜の景色を見る。
「へえ。以前の君は賑やかな方を好んでたけど、今は違うみたいだね」
「え、そうなんですか?‥‥えーと‥‥
私‥‥‥夜が1番好きなんです。静かな場所が好きで‥‥」
「僕も好きだよ。特に誰も来ないような庭園で本を読むのが好きかな」
「あ、だから以前あの場所にーー」
「うん、花を育てたりするのも好きかな」
「素敵ですね」
そう私が褒めると、レオン君は何やら困った顔をしていた。
「男性が花を育ててるんだよ?」
「好き嫌いに男女は関係ないかと‥‥」
「はは、そっか。ありがとう」
私達はまた夜空を見上げる。特にこの後何も話さずただ黙って景色を見ていた。
屋敷へ戻り、真夜中になる。
私は光る手鏡を見てパーティーは無事終わった事を告げる。
「ところでヴァイオレットさん、学校生活はどうですか?あの‥‥静かに暮らしてますか?」
最近、こちらの暮らしに慣れるのにいっぱいいっぱいだったけれど、正直周りのあの視線を感じる限りヴァイオレットさんは‥‥
『大丈夫よ。私はいつでも完璧よ』
「良かった、静かに過ごしてくれてるんですね」
『ふふ、下僕共が数人できたわよ』
「な、なななな、何してるんですかー!!?」
そう私が悲鳴をあげているのに、彼女は得意げな顔をしていた。
11
お気に入りに追加
142
あなたにおすすめの小説
夫が「愛していると言ってくれ」とうるさいのですが、残念ながら結婚した記憶がございません
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
【完結しました】
王立騎士団団長を務めるランスロットと事務官であるシャーリーの結婚式。
しかしその結婚式で、ランスロットに恨みを持つ賊が襲い掛かり、彼を庇ったシャーリーは階段から落ちて気を失ってしまった。
「君は俺と結婚したんだ」
「『愛している』と、言ってくれないだろうか……」
目を覚ましたシャーリーには、目の前の男と結婚した記憶が無かった。
どうやら、今から二年前までの記憶を失ってしまったらしい――。
政略結婚のハズが門前払いをされまして
紫月 由良
恋愛
伯爵令嬢のキャスリンは政略結婚のために隣国であるガスティエン王国に赴いた。しかしお相手の家に到着すると使用人から門前払いを食らわされた。母国であるレイエ王国は小国で、大人と子供くらい国力の差があるとはいえ、ガスティエン王国から請われて着たのにあんまりではないかと思う。
同行した外交官であるダルトリー侯爵は「この国で1年間だけ我慢してくれ」と言われるが……。
※小説家になろうでも公開しています。
王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました
鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と
王女殿下の騎士 の話
短いので、サクッと読んでもらえると思います。
読みやすいように、3話に分けました。
毎日1回、予約投稿します。
王太子殿下の執着が怖いので、とりあえず寝ます。【完結】
霙アルカ。
恋愛
王太子殿下がところ構わず愛を囁いてくるので困ってます。
辞めてと言っても辞めてくれないので、とりあえず寝ます。
王太子アスランは愛しいルディリアナに執着し、彼女を部屋に閉じ込めるが、アスランには他の女がいて、ルディリアナの心は壊れていく。
8月4日
完結しました。
夫と親友が、私に隠れて抱き合っていました ~2人の幸せのため、黙って身を引こうと思います~
小倉みち
恋愛
元侯爵令嬢のティアナは、幼馴染のジェフリーの元へ嫁ぎ、穏やかな日々を過ごしていた。
激しい恋愛関係の末に結婚したというわけではなかったが、それでもお互いに思いやりを持っていた。
貴族にありがちで平凡な、だけど幸せな生活。
しかし、その幸せは約1年で終わりを告げることとなる。
ティアナとジェフリーがパーティに参加したある日のこと。
ジェフリーとはぐれてしまったティアナは、彼を探しに中庭へと向かう。
――そこで見たものは。
ジェフリーと自分の親友が、暗闇の中で抱き合っていた姿だった。
「……もう、この気持ちを抑えきれないわ」
「ティアナに悪いから」
「だけど、あなただってそうでしょう? 私、ずっと忘れられなかった」
そんな会話を聞いてしまったティアナは、頭が真っ白になった。
ショックだった。
ずっと信じてきた夫と親友の不貞。
しかし怒りより先に湧いてきたのは、彼らに幸せになってほしいという気持ち。
私さえいなければ。
私さえ身を引けば、私の大好きな2人はきっと幸せになれるはず。
ティアナは2人のため、黙って実家に帰ることにしたのだ。
だがお腹の中には既に、小さな命がいて――。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる