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最後の納豆爆弾!

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一際輝く白い王冠を被っているうさぎさん。

「あの王冠こそが王位継承者でしか許されないようだね」

そううさぎさんの様子を見て教えてくれたエリオス。
え?じゃあ今のサン国の王は??

クスっと笑いながらエリオスは
「先を越されたよ。マリア、あの王冠は亡き女王が被っていたものでどうやら王位を渡したくなかった現在の国王は隠してたみたいだね」


…もしかして木の下に埋めてあった木箱の中身は王冠だったんだ。

「マリア!」

愛しの姉様が可愛らしく走ってきて私を抱きしめてくれた。

「姉様っ!ごめんなさい、心配ばかりかけてっ…私これからはちゃんとお利口になるようにするわ」

「本当に貴女は色々と無茶ばかりして…帰ったらみっちりお説教とレディーへのレッスンを強化するわ」

涙声で厳しい事を言っている姉様。
姉様、よかった!断罪も何もされなくて!!
みんな無事だったみたいだし!


サン国の兵達はうさぎさんを見て武器を捨て膝まずいた。

「なっ!?わ、私が王なのだっ…私がっ!!」

「父上、もうやめましょう。これ以上事を大きくしたくありません」

サン国の元王となったうさぎさんのお父さんはうさぎさんを睨み、

「お前にっ…父上と!呼ばれたくないわ!!!
お前の実の父親は今向こう側にいるだろうが!!」



「「…えっ!!!?」」

周りの空気はピリピリと一気に凍りついた。

皆声を出してビックリしていた。え?え?本当の父親はって、指している方向は…

スター国の王なのだから、皆ビックリするわよ!!?

「お、王様!二股!!?」

「は!?エリオスとサン国の王子が兄弟ってなるじゃねえか!」

「私そんな裏設定ゲームで知らないっ!」

カナちゃんも知らなかった模様。

スクアーロもクロも姉様達もビックリしていた。

「マリア、僕らの国は一夫多妻の国だよ。でも、そうだね…隣国の女王となると話は別だけどね…」

エリオスはいたって冷静だった。え?知ってたの?いつから?

「…エ、エリオス…」

ぎゅっと手を握ってあげエリオスの様子を見ているとエリオスは私の視線に気付きただ笑顔を見せて頭を撫でてくれた。

うさぎさんとエリオスは一瞬見つめあったが直ぐにお互い視線を外しスター国の王に皆集中していた。


サン国の元王は囚われ、スター国の王はそれを眺めていただけだった。


「マリア、ここはもう私達に任せて。あとあの国王とも話さなきゃならないこともあるから」

うさぎさんは申し訳なさそうに話しをし


「うん、マリア僕も残って色々と仕事をしなきゃならないから先に屋敷へ戻るといいよ」

エリオスも淡々と話を進める。

「え?でも…っ」

うさぎさんとエリオスは大丈夫だと言っているけど、二人とも笑顔がひきつってるよ??


「マリア、私達は先に帰りましょう。町の様子、学園も心配だもの」

「マリアお嬢様行きましょう」

「おし、あとはエリオスに任せようぜ!俺らは早く帰るぞ!俺は町の様子見に行ってくるけど」
スクアーロは肩痛いとかいいながらぼやき町の方へ行こうと進んだ。


「僕はまた病院へ戻るよ、父上が今会議の中不在だしね」

レオ君も病院へ戻ると少しふらふらしながら歩き始めた。


父様やスクアーロのお父様、レオ君のお父様三人ようやく集まり色々と話し合いが必要だと残る。



「マリアっ!」

「カナちゃんっ」

「あんたは本当!バカ!」

「へへ、ごめんね」

カナちゃんとトム達とも合流し、一件落着…なのかな?
私達は用意された馬車へと向かう。うん、ゆっくりお風呂も入りたいし、周りの町の様子も気になるしね。うん。でもなんだろ

なんだろ、すっごく、すっごく、


腹が立ってるのは私だけかな!!?みんなはもうサン国の王を捕らえてちゃんちゃん!と終わってるようだけど……そもそも、、、



私の足取りはピタッと止まった。

「そもそも…」

足を止めたマリアを皆首を傾げる。

「…マリア?」


「マリアお嬢様?」


「マリア?どうしたんだよ?」


「マリア嬢?どうしたのさ、ボーとして」


「…マリア?貴女何考えてるの…」

感の鋭いマリエはマリアを見つめる。


「姉様!やっぱそもそもスター国王が悪いよ!!腹たつわ!!虐待するサン国王も!!やっぱりお仕置きが必要だもの!」


「「「…えっ?……」」」


私はエリオス達の元へ戻って走った。


「うさぎさん!」


私が戻ってきたことに驚いたうさぎさん達。

「あぁ、やっぱり戻ってきたんだね」

クスッと笑い私が戻ってくることを予想していたかのようにエリオスは笑った。


「エリオス!やっぱりお仕置きは必要だと思う!皆んなを巻き込んで!王様達には私腹たつわ!だから!!」

「あぁ、そうだね。僕も彼らには本当に腹ただしいよ」


スター国の王と元サン国の王が何やら話して揉めていた。父様達はおらず、最後に二人っきりで話しをしているようだけど…


「お前がっ!お前さえいなければっ!」


「ふん、もう過ぎた事を…」

まーだなんかいってるわ!
私は両ポケットから沢山取り出した。


「二人とも!!!いいかげんにしてください!」


二人は私の声に反応し、振り向いた瞬間。私は納豆爆弾を二人に向け投げた。

「改良版!納豆爆弾よ!目を覚ませい!!」




ドドンッ!!!!!!



茶色い煙がモクモクと出た。


それはこの世の物でない臭いだと、誰もが囁いた。
スクアーロは絶望の顔をしていたと、カナリアは語った。

スター国とサン国の境にある南の森は当分立ち入り禁止となった。







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