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え?恋は嵐のようらしい!
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周りの空気が重い中、更に重くなるような空気を出す人物が現れた。
スター国の国王だった。
エリオスも皆国王に頭を下げる中、サン国の王子アスラだけは頭を下げずに国王を見て笑顔で睨んでいた。
「…母親に似ているな」
国王はアスラを見て懐かしそうにただ見つめていた。
「父上、マリアが具合悪そうなので少しこの場から抜けます」
エリオスはマリアの手を引っ張り出してその場を去ろうとしたときアスラはマリアに
「私はマリアと同じ学園に留学しに行く事になったよ。
…またね」
「う、うん。またね」
エリオスとマリアがいなくなり、アスラはマリエを見て
「君がマリアの姉か…」
マリアがいた時とは違う雰囲気をだすアスラにマリエはお辞儀をし挨拶をした。
「マリエ・クリスタルティーンでございますわ。具合が悪くなった妹のマリアの面倒を見て頂きありがとうございます」
「美しく礼儀正しいのだな。お転婆なマリアとは正反対…
とても壊したくなるタイプだ」
不気味な笑顔でマリエに近づくもマリエはアスラに
「まあ、そんな壊したくなるタイプだなんて物騒な…
クリスタルティーン家は常に鋼の精神力を持ち国の安泰の為動いていますわ」
クロはマリエを庇うように前にでた。
トムもいつもニコニコ顔なのにマリエの隣に立ち無表情だった。
ニッコリ微笑むマリエとその周りにいるクロやスクアーロを見渡しアスラのそばにいた従者三人は今にでも攻撃しようと殺気だっていた。
「…生意気な者は邪魔だがマリアの願いが優先だ。何もするな」
「…はい、アスラ王子」
はい、マリアです。え?いま何をしているかって?ベッドの上で正座をしています。
目の前には腕を組んで真っ黒な笑顔を向けているエリオスがいます。メインヒーローなのに、なんかもう悪役ポジションが一番合うのではないかと思います。
「マリア、君はどうして自分が正座をさせられているかわかってる?」
「あの、チョコレートを食べ過ぎました」
「そうだね。パーティーでまたお菓子を食べに行ったね。皆んなとはぐれはするし、隣国の王子には声をかけられ…」
「エリオス…?」
エリオスは私に近づき、力強く私を押し倒した。
「君は余りにも無防備すぎる。もっと自分を大事にしろ」
真剣な顔で見つめてくるエリオス。
「今もこうして密室に男女がいることに違和感はないかな。ホイホイ付いて行くのも危ないんだよ」
「わ、私ね、自分より姉様を守るのが宿命というか運命なんだよ。だから、だいじょー…」
なんだろ。なんか何も言えない。
エリオスはただ黙って私を見つめてくる。
あれ、なんか、動悸がヤバイ。
風邪か!?また風邪引いたかな!!?
よくわからないけど、エリオスの顔が見れない!
目を逸らして顔をそっぽ向いたらエリオスはうれしそうな顔をした。
「‥へぇ。あの王子が顔近づけてもなんともない顔をしていたのに…その表情は脈ありって事かな」
「へぁ!?脈!?脈は今正常だよ!?」
「ふーん。そっか、そっか」
さっきまですごく怖かったのに、次はヘニャンとした顔をするエリオス。いや、なんか獲物狙っているトラに見えてきたかも。これはこれでこわいよ!?
バンッ!!
急に部屋のドアが開けられ、ヒュンとエリオスに向かって薔薇の扇が投げつけられた。
エリオスは薔薇の扇を上手く手にとり
「二人っきりの時間はおしまいみたいだ」
そう呟いた。
姉様やスクアーロ、クロ、レオ君、トムとカナちゃん達だ。
姉様は
「ふふ、エリオス様ごめんなさい。手元が狂ってましたの」
「あははは、その割には見事に僕に向かってたけどね?」
「エリオス様!そーいうのは付き合ってからなんですよ!?こ、こんな密室で!!」
顔を赤くしながらプンスカ怒っているレオ君。
「よし、エリオス。お前ちょっと外でろ!」
剣をエリオスに向けて勝負しようとするスクアーロ。
「マリアお嬢様大丈夫ですか?なにもされてませんよね?」
私をなにやら心配しているクロ。
「エリオス様は一体何を考えてらっしゃるのかしら?マリアはまだ貴方の婚約者ではありませんわ」
「ん?今でも婚約者だと僕は思ってるけど?」
「エリオス様それは昔のお話でしょう?今は
ただの候補者という立場なんですから」
「僕はこういうのは良くないかと思います!」
何やら皆んな騒いで揉めている模様。
カナちゃんがきて
「疲れた…。マリアあんたいつ隣国の王子とのフラグ立てちゃったのよ。あー、もう恋は嵐のようなもんだわ」
そうカナちゃんは私に言ってお腹が空いたと嘆いてた。
エリオスはふと私のほうを見て微笑んでいた。
これがまたなんだか、くすぐったい感じだった。
…風邪かな!!?
スター国の国王だった。
エリオスも皆国王に頭を下げる中、サン国の王子アスラだけは頭を下げずに国王を見て笑顔で睨んでいた。
「…母親に似ているな」
国王はアスラを見て懐かしそうにただ見つめていた。
「父上、マリアが具合悪そうなので少しこの場から抜けます」
エリオスはマリアの手を引っ張り出してその場を去ろうとしたときアスラはマリアに
「私はマリアと同じ学園に留学しに行く事になったよ。
…またね」
「う、うん。またね」
エリオスとマリアがいなくなり、アスラはマリエを見て
「君がマリアの姉か…」
マリアがいた時とは違う雰囲気をだすアスラにマリエはお辞儀をし挨拶をした。
「マリエ・クリスタルティーンでございますわ。具合が悪くなった妹のマリアの面倒を見て頂きありがとうございます」
「美しく礼儀正しいのだな。お転婆なマリアとは正反対…
とても壊したくなるタイプだ」
不気味な笑顔でマリエに近づくもマリエはアスラに
「まあ、そんな壊したくなるタイプだなんて物騒な…
クリスタルティーン家は常に鋼の精神力を持ち国の安泰の為動いていますわ」
クロはマリエを庇うように前にでた。
トムもいつもニコニコ顔なのにマリエの隣に立ち無表情だった。
ニッコリ微笑むマリエとその周りにいるクロやスクアーロを見渡しアスラのそばにいた従者三人は今にでも攻撃しようと殺気だっていた。
「…生意気な者は邪魔だがマリアの願いが優先だ。何もするな」
「…はい、アスラ王子」
はい、マリアです。え?いま何をしているかって?ベッドの上で正座をしています。
目の前には腕を組んで真っ黒な笑顔を向けているエリオスがいます。メインヒーローなのに、なんかもう悪役ポジションが一番合うのではないかと思います。
「マリア、君はどうして自分が正座をさせられているかわかってる?」
「あの、チョコレートを食べ過ぎました」
「そうだね。パーティーでまたお菓子を食べに行ったね。皆んなとはぐれはするし、隣国の王子には声をかけられ…」
「エリオス…?」
エリオスは私に近づき、力強く私を押し倒した。
「君は余りにも無防備すぎる。もっと自分を大事にしろ」
真剣な顔で見つめてくるエリオス。
「今もこうして密室に男女がいることに違和感はないかな。ホイホイ付いて行くのも危ないんだよ」
「わ、私ね、自分より姉様を守るのが宿命というか運命なんだよ。だから、だいじょー…」
なんだろ。なんか何も言えない。
エリオスはただ黙って私を見つめてくる。
あれ、なんか、動悸がヤバイ。
風邪か!?また風邪引いたかな!!?
よくわからないけど、エリオスの顔が見れない!
目を逸らして顔をそっぽ向いたらエリオスはうれしそうな顔をした。
「‥へぇ。あの王子が顔近づけてもなんともない顔をしていたのに…その表情は脈ありって事かな」
「へぁ!?脈!?脈は今正常だよ!?」
「ふーん。そっか、そっか」
さっきまですごく怖かったのに、次はヘニャンとした顔をするエリオス。いや、なんか獲物狙っているトラに見えてきたかも。これはこれでこわいよ!?
バンッ!!
急に部屋のドアが開けられ、ヒュンとエリオスに向かって薔薇の扇が投げつけられた。
エリオスは薔薇の扇を上手く手にとり
「二人っきりの時間はおしまいみたいだ」
そう呟いた。
姉様やスクアーロ、クロ、レオ君、トムとカナちゃん達だ。
姉様は
「ふふ、エリオス様ごめんなさい。手元が狂ってましたの」
「あははは、その割には見事に僕に向かってたけどね?」
「エリオス様!そーいうのは付き合ってからなんですよ!?こ、こんな密室で!!」
顔を赤くしながらプンスカ怒っているレオ君。
「よし、エリオス。お前ちょっと外でろ!」
剣をエリオスに向けて勝負しようとするスクアーロ。
「マリアお嬢様大丈夫ですか?なにもされてませんよね?」
私をなにやら心配しているクロ。
「エリオス様は一体何を考えてらっしゃるのかしら?マリアはまだ貴方の婚約者ではありませんわ」
「ん?今でも婚約者だと僕は思ってるけど?」
「エリオス様それは昔のお話でしょう?今は
ただの候補者という立場なんですから」
「僕はこういうのは良くないかと思います!」
何やら皆んな騒いで揉めている模様。
カナちゃんがきて
「疲れた…。マリアあんたいつ隣国の王子とのフラグ立てちゃったのよ。あー、もう恋は嵐のようなもんだわ」
そうカナちゃんは私に言ってお腹が空いたと嘆いてた。
エリオスはふと私のほうを見て微笑んでいた。
これがまたなんだか、くすぐったい感じだった。
…風邪かな!!?
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