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え?風邪を引いてしまいました!

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「ハアハアハア…もうこのへんで大丈夫かな?…ケホッ…」
私はうさぎさんと町の方へ戻り隣にいたうさぎさんは何やら震えて俯いていた。

「あれ?うさぎさんどうしたの?」

「ぷっ…あははは!マリア!君本当面白いねっ!私が敵を前にして逃げて…ははっ!しかもマリアの道具で」

なんかツボって笑い始めるうさぎさん。そんな笑ってるうさぎさんに私も釣られて笑った。

「へへへ!逃げも勝ちなんだよ!」

うさぎさんは私の頭を撫でて褒めてくれた。
「君は私を守ってくれたんだね。ありがとう。勇気あるレディ。さてそろそろ私は国へ帰るよ」

「え?!もう!!?せっかくお友達になれたのに…」

しょんぼりしている私にうさぎさんは手紙を出すと言ってくれた。

「えと、私の住所というか私クリスタルティーン家だから多分わかるよ!」

うさぎさんは少し驚いた表情で
「この国の三大貴族の内の一人クリスタルティーン家の娘だったんだ…なるほどね。場所は調べればわかるし。私にはここに送ってね」
私はうさぎさんにメモを渡された。名前はうさぎさん宛てで伝わるらしい。

「サン国のごはん情報まってる!」

「ははっ!うん、そうだね」

私は新しい友達となったうさぎさんに目一杯手を振り

「またね!!」




マリアの後ろ姿を見守るうさぎ青年。

「…王子そろそろ国へ帰る準備を」

「なんや、もう用足しは終わったんか?」

「…?なんか機嫌がいいけどいい事ありましたか?」

黒い身を纏っていた忍者のような格好をした青年と髪の毛が紺色の青年と薄ピンク色の髪色をした青年、三人が突然現れた。

「あぁ、君達か。うんまあね、とても面白い事があったよ」

三人は首を傾げながらうさぎさんを見る。


「さて…先程の“雑魚“は排除しろ」


「「「…御意」」」






マリアです。はい、突然風邪を引きました。私が屋敷にいない事が母様父様、愛しい姉様、皆んなに脱走した事バレました。

そして熱が出始め現在寝込んでますよ!暇だよ!
学校行きたいよ!!


「ケホケホッ…姉様私も学校行きたい」

「マリア我儘な子は私嫌いよ?」

「いいこで寝てます!!」

姉様は笑顔で私の頭を撫でて学校へ向かった。クロやトム、レオ君も少しだけ朝挨拶しにきてくれて、カナちゃんは手紙で
「早く元気なりなさい。アンタの取り柄はそれだけなんだからね!」と可愛らしい便箋をくれた。

体ダルいしなあ…熱もなかなか下がらない。

天井の上をボーと見つめた。

最近やたらと食欲もない気がする。

昔は沢山走れたのに直ぐに息を切らすし、少しずつだけど…そう少しずつ…


「…私、死ぬんかなあ……」


「…マリアは死なせないよ」


え?あれ?!ハッ!と声をする方へ見ると、ベッドの横にはエリオスが本を読んで座っていた。


「…エリオス…サボり?」

エリオスは笑顔で

「そうだよ。サボり」

「あは。悪い王子さんだね」

エリオスは林檎の皮を剥いて食べさせてくれた。甘くてシャリシャリな林檎は美味しい!


「リンゴ、おいしゅうございます。王子さまー」

ヘラヘラ笑う私にエリオスはまだ熱があるかオデコに手をあてた。

「まめに水分とらないとね。今メイドを呼ぶよ。汗も沢山かいてるから着替えなきゃね」

エリオスはメイドを呼ぶとその場を立ち部屋を出ようとした。

エリオスは元々このゲームのメインヒーロー。本来ならヒロインのカナちゃんとラブラブなるはず。
腹黒で魔王さんのエリオス。

でもなんだかんだ優しいよね。


「エリオス…」


「ん?何?なんか欲しいものある?」



「…さっきの私の弱っちぃ台詞は姉様には言わないでね…」

エリオスはいつもの余裕ある笑顔で私に

「もちろん」

そう告げて部屋から出ていった。


あ、エリオスにクッキー持ってきてと頼めばよかった。






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