34 / 64
え?甘やかしもいいけど大ピンチ発生だよ!
しおりを挟む「マリアお嬢様、本日のデザートはチョコレートケーキですよ」
「わあ!クロありがとう!美味しそー!」
「マリア!もう少し元気になったら外行こうぜ!あとこれマシュマロ持ってきた!」
「マシュマロの色がカラフル!可愛いー!ありがとうね!スクアーロ!」
「皆さん、甘やかしすぎですよ!まったく…ほら、休んでる間の宿題や課題の分わかりやすく解説も書いたから勉強しなよっ」
「レオ君、助かるよ!ありがとう!」
さてあれから私は学園は休学しちゃって通えずじまいだったけど、少し体調も良くなり来月の春には高等学部には通える許可をお医者さんに貰ったからラッキーだよ!
やっぱチョコレートいっぱい食べたからだと思う!ほんのり、薔薇の香りをするチョコレートで美味しいのよね!!
ただ、今少し気になることがある。
「ねえエリオス?」
「なんだい?」
「なんで私エリオスの膝の上にいなきゃならないの?一人で座れるよ?」
そう、今現在何故か私はエリオスの膝の上に座りチョコレートをもぐもぐ食べてます。
なんだか少しむずかゆいんだけど。
あ、このビターチョコレートうまっ!
「マリアがまた倒れたらいけないからね、僕がささえてるんだよ」
笑顔で答えるエリオスにスクアーロは
「んなわけないだろっ!エリオスずりーっ!」
え!?ズルイの?!そうなの?
私はエリオスの膝から降りてトコトコとスクアーロの元へ行き、スクアーロの手を引っ張っりだして
エリオスの膝の上にスクアーロを座らせる。
「これでよし!」
「「全然よくない」」
コンコン
私の大好きな大好きなマリエ姉様が部屋へ入ってきた。
「マリア、体調は大丈夫かしら?あまり無茶をしては……エリオス様とスクアーロ様は何をしているのです?」
姉様は二人を見て真顔で引いてた。うん、ヤバイ!美しさが磨きかかってるわ!!
因みに姉様とエリオスの婚約は無しになったようです!!ただ、私はエリオスの婚約者候補の一人と何故か候補としてされている。
私が婚約者だーと叫んだのが原因となり私がエリオスに片想いしてる設定になっちゃった。療養中、沢山の令嬢から応援の手紙を貰った。ふふ、沢山手紙貰えて嬉しかったなあ。
もしかしたら、学園生活始まったら新しいお友達できるかもね!
一番気になるのはヒロインのカナリアさん。
彼女はどうなったんだろう??
やっぱ気になる、私はこっそり抜け出して高等学部へ向かった。
「姉様達も学園にいるから見つからないようにしなきゃだよねーっと。何処だろーカナリアさん」
コソコソと見つからないよう歩いていたら、カナリアさんを見つけた。ん?トムも一緒だー。
「トム先輩、昨日の緑化委員の書類です。それと委員の方がトム先輩にもクッキー焼いたみたいなのでおそすわけにどうぞ」
「えーと…カナリアさん、それが素なの?うん、こっちの君がいいと僕思うよ」
「…ありがとうございます」
「お、お待ちなさい!!」
おや、姉様だ。顔真っ赤にしてるけど大丈夫かな??頭に以前トムのお手製の薔薇の飾りを付けている。お気に入りなんだねえー今度私も何か作って姉様に渡したいなあ。
姉様は二人がクッキーを渡してるとこを見て青ざめる。
「ト、トム!ま、ままままま、まさか貴方…あなたは…」
「え?マリエお嬢様?ちがいますよ?なんか勘違いしてませんかって、お嬢様!!?」
うるうる目をした姉様は何処かへ走り出した。
そんな姉様を追いかけるトム。
姉様…そんなにクッキー食べたいのなら私が作るわよ!?
「ふむ…なるほど二人はそーゆことなのね。全然シナリオ通りでないわけだ。あーはいはい」
何やらメモをしてぶつぶつ言ってるカナリアさん。
そーゆことってどういう事??
とりあえず声をかけよう!
「カナリアさん!」
カナリアさんは振り向いて私の姿を見て目を丸くした。
「あ」
二人で人目につかないところへ移動し、近くにあるベンチに座る。
「体調はもう大丈夫なの?」
「うん!大丈夫っ。てかカナリアさんの素ってそんなんだねー?」
「誰だって好きなゲームの世界転生したらテンション高くなってアホになるわよ!でも私ぶりっ子無理だったわ。アホになりきれなかったかも」
あーわかるわかる。アホなるのわかるー。
「この可愛らしい容姿よ!?女の子ならテンションあがるわよ!?」
そうだね、可愛らしい姿で生まれ変わると嬉しーよね!私は姉様に会えてテンション上がったし!
「だけど、全然違うのよ、シナリオ通りうまくいかないし…そもそも私にはヒロインなんて無理だったのよ。
皆んな誰かさんに夢中だし」
姉様かっ!?わかるわ!私も姉様に夢中だもの!
カナリアさんは私の顔をジッと見て
「…私に何もするなってあの攻略対象者達と悪役令嬢に言ったらしいわね…私貴女があの人達止めてくれなかったら多分殺されてたわっ!」
「あははは!大げさな!」
「あははじゃないわよ!?特にあの王子はヤバイわよ!あの目!奴は私をどう殺すか考えてるもの!私ヒロインなのにあの王子怖いわよ!」
エリオスは魔王だからしょうがない。うん、怒ると怖いもん。姉様もだけどね。
「ごめん…なさい」
「え?」
「死にキャラとか、モブとか、言って…ごめんなさい」
カナリアさんはプルプル震えた声で本当に申し訳なさそうに謝ってきた。
私はカナリアさんの頭を撫でてあげた。
「うん、“また会えた“ねー!私達!」
「…っ知ってたの?私の事」
「いんや!今思い出した!あの時の子だよね!名前とかお互いわからずじまいだったね!」
私はカナリアさんに握手を求めた
「ハイ!握手!カナちゃんこれから仲良くしようね」
「え、それは嫌」
「なななんで!?」
「貴女と一緒にいるとあの人達すご~く殺気だつもの。
まあ、たまにここで会うぐらいはいいけど…。ここの世界電話とか携帯というのがないのよね」
「「ラインとかあればねー」」
私達二人はハモってしまいお互い笑った。
「因みにさ」
「うん?」
カナちゃんは衝撃的な事を告げた。
「ファンディスクの特番で悪役令嬢死刑になるやつあるけど、知ってた??隣国の王子とエリオス王子に死刑宣告されるのよ。あ、私ヒロインだから二人に愛される設定だけどまずエリオスに殺されるから無理だけどねー。
まあー別にもうそーいうのは関係ないだろけど、スターローズと隣国の話でてきたから、気になってるんだよねえーってどうしたの?」
「え、私それやってないの…あのね、お小遣い五百円だから…買えなくて、それで…」
なんてこった!!!!!
まだ姉様の断罪回避してなかったのかああああああ!
「あとさ、ほら貴女が薬として飲んでるスターローズが豊富なのもその国なのよ。スターローズももう無くなりそうなんでしょ?シナリオ通りじゃなくても関わりあうかもしれない、あわよくばさ!私ヒロインだから隣国の王子様とラブラブゲットで玉の輿かも!っていないし!!!」
これまた大ピンチ!!!!姉様はどこだあ!!!
21
お気に入りに追加
3,331
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
築地シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
前世は婚約者に浮気された挙げ句、殺された子爵令嬢です。ところでお父様、私の顔に見覚えはございませんか?
柚木崎 史乃
ファンタジー
子爵令嬢マージョリー・フローレスは、婚約者である公爵令息ギュスターヴ・クロフォードに婚約破棄を告げられた。
理由は、彼がマージョリーよりも愛する相手を見つけたからだという。
「ならば、仕方がない」と諦めて身を引こうとした矢先。マージョリーは突然、何者かの手によって階段から突き落とされ死んでしまう。
だが、マージョリーは今際の際に見てしまった。
ニヤリとほくそ笑むギュスターヴが、自分に『真実』を告げてその場から立ち去るところを。
マージョリーは、心に誓った。「必ず、生まれ変わってこの無念を晴らしてやる」と。
そして、気づけばマージョリーはクロフォード公爵家の長女アメリアとして転生していたのだった。
「今世は復讐のためだけに生きよう」と決心していたアメリアだったが、ひょんなことから居場所を見つけてしまう。
──もう二度と、自分に幸せなんて訪れないと思っていたのに。
その一方で、アメリアは成長するにつれて自分の顔が段々と前世の自分に近づいてきていることに気づかされる。
けれど、それには思いも寄らない理由があって……?
信頼していた相手に裏切られ殺された令嬢は今世で人の温かさや愛情を知り、過去と決別するために奔走する──。
※本作品は商業化され、小説配信アプリ「Read2N」にて連載配信されております。そのため、配信されているものとは内容が異なるのでご了承下さい。
記憶を失くした代わりに攻略対象の婚約者だったことを思い出しました
冬野月子
恋愛
ある日目覚めると記憶をなくしていた伯爵令嬢のアレクシア。
家族の事も思い出せず、けれどアレクシアではない別の人物らしき記憶がうっすらと残っている。
過保護な弟と仲が悪かったはずの婚約者に大事にされながら、やがて戻った学園である少女と出会い、ここが前世で遊んでいた「乙女ゲーム」の世界だと思い出し、自分は攻略対象の婚約者でありながらゲームにはほとんど出てこないモブだと知る。
関係のないはずのゲームとの関わり、そして自身への疑問。
記憶と共に隠された真実とは———
※小説家になろうでも投稿しています。
至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます
下菊みこと
恋愛
至って普通の女子高生でありながら事故に巻き込まれ(というか自分から首を突っ込み)転生した天宮めぐ。転生した先はよく知った大好きな恋愛小説の世界。でも主人公ではなくほぼ登場しない脇役姫に転生してしまった。姉姫は優しくて朗らかで誰からも愛されて、両親である国王、王妃に愛され貴公子達からもモテモテ。一方自分は妾の子で陰鬱で誰からも愛されておらず王位継承権もあってないに等しいお姫様になる予定。こんな待遇満足できるか!羨ましさこそあれど恨みはない姉姫さまを守りつつ、目指せ隣国の王太子ルート!小説家になろう様でも「主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます」というタイトルで掲載しています。
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
当て馬の悪役令嬢に転生したけど、王子達の婚約破棄ルートから脱出できました。推しのモブに溺愛されて、自由気ままに暮らします。
可児 うさこ
恋愛
生前にやりこんだ乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。しかも全ルートで王子達に婚約破棄されて処刑される、当て馬令嬢だった。王子達と遭遇しないためにイベントを回避して引きこもっていたが、ある日、王子達が結婚したと聞いた。「よっしゃ!さよなら、クソゲー!」私は家を出て、向かいに住む推しのモブに会いに行った。モブは私を溺愛してくれて、何でも願いを叶えてくれた。幸せな日々を過ごす中、姉が書いた攻略本を見つけてしまった。モブは最強の魔術師だったらしい。え、裏ルートなんてあったの?あと、なぜか王子達が押し寄せてくるんですけど!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる