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え?甘やかしもいいけど大ピンチ発生だよ!
しおりを挟む「マリアお嬢様、本日のデザートはチョコレートケーキですよ」
「わあ!クロありがとう!美味しそー!」
「マリア!もう少し元気になったら外行こうぜ!あとこれマシュマロ持ってきた!」
「マシュマロの色がカラフル!可愛いー!ありがとうね!スクアーロ!」
「皆さん、甘やかしすぎですよ!まったく…ほら、休んでる間の宿題や課題の分わかりやすく解説も書いたから勉強しなよっ」
「レオ君、助かるよ!ありがとう!」
さてあれから私は学園は休学しちゃって通えずじまいだったけど、少し体調も良くなり来月の春には高等学部には通える許可をお医者さんに貰ったからラッキーだよ!
やっぱチョコレートいっぱい食べたからだと思う!ほんのり、薔薇の香りをするチョコレートで美味しいのよね!!
ただ、今少し気になることがある。
「ねえエリオス?」
「なんだい?」
「なんで私エリオスの膝の上にいなきゃならないの?一人で座れるよ?」
そう、今現在何故か私はエリオスの膝の上に座りチョコレートをもぐもぐ食べてます。
なんだか少しむずかゆいんだけど。
あ、このビターチョコレートうまっ!
「マリアがまた倒れたらいけないからね、僕がささえてるんだよ」
笑顔で答えるエリオスにスクアーロは
「んなわけないだろっ!エリオスずりーっ!」
え!?ズルイの?!そうなの?
私はエリオスの膝から降りてトコトコとスクアーロの元へ行き、スクアーロの手を引っ張っりだして
エリオスの膝の上にスクアーロを座らせる。
「これでよし!」
「「全然よくない」」
コンコン
私の大好きな大好きなマリエ姉様が部屋へ入ってきた。
「マリア、体調は大丈夫かしら?あまり無茶をしては……エリオス様とスクアーロ様は何をしているのです?」
姉様は二人を見て真顔で引いてた。うん、ヤバイ!美しさが磨きかかってるわ!!
因みに姉様とエリオスの婚約は無しになったようです!!ただ、私はエリオスの婚約者候補の一人と何故か候補としてされている。
私が婚約者だーと叫んだのが原因となり私がエリオスに片想いしてる設定になっちゃった。療養中、沢山の令嬢から応援の手紙を貰った。ふふ、沢山手紙貰えて嬉しかったなあ。
もしかしたら、学園生活始まったら新しいお友達できるかもね!
一番気になるのはヒロインのカナリアさん。
彼女はどうなったんだろう??
やっぱ気になる、私はこっそり抜け出して高等学部へ向かった。
「姉様達も学園にいるから見つからないようにしなきゃだよねーっと。何処だろーカナリアさん」
コソコソと見つからないよう歩いていたら、カナリアさんを見つけた。ん?トムも一緒だー。
「トム先輩、昨日の緑化委員の書類です。それと委員の方がトム先輩にもクッキー焼いたみたいなのでおそすわけにどうぞ」
「えーと…カナリアさん、それが素なの?うん、こっちの君がいいと僕思うよ」
「…ありがとうございます」
「お、お待ちなさい!!」
おや、姉様だ。顔真っ赤にしてるけど大丈夫かな??頭に以前トムのお手製の薔薇の飾りを付けている。お気に入りなんだねえー今度私も何か作って姉様に渡したいなあ。
姉様は二人がクッキーを渡してるとこを見て青ざめる。
「ト、トム!ま、ままままま、まさか貴方…あなたは…」
「え?マリエお嬢様?ちがいますよ?なんか勘違いしてませんかって、お嬢様!!?」
うるうる目をした姉様は何処かへ走り出した。
そんな姉様を追いかけるトム。
姉様…そんなにクッキー食べたいのなら私が作るわよ!?
「ふむ…なるほど二人はそーゆことなのね。全然シナリオ通りでないわけだ。あーはいはい」
何やらメモをしてぶつぶつ言ってるカナリアさん。
そーゆことってどういう事??
とりあえず声をかけよう!
「カナリアさん!」
カナリアさんは振り向いて私の姿を見て目を丸くした。
「あ」
二人で人目につかないところへ移動し、近くにあるベンチに座る。
「体調はもう大丈夫なの?」
「うん!大丈夫っ。てかカナリアさんの素ってそんなんだねー?」
「誰だって好きなゲームの世界転生したらテンション高くなってアホになるわよ!でも私ぶりっ子無理だったわ。アホになりきれなかったかも」
あーわかるわかる。アホなるのわかるー。
「この可愛らしい容姿よ!?女の子ならテンションあがるわよ!?」
そうだね、可愛らしい姿で生まれ変わると嬉しーよね!私は姉様に会えてテンション上がったし!
「だけど、全然違うのよ、シナリオ通りうまくいかないし…そもそも私にはヒロインなんて無理だったのよ。
皆んな誰かさんに夢中だし」
姉様かっ!?わかるわ!私も姉様に夢中だもの!
カナリアさんは私の顔をジッと見て
「…私に何もするなってあの攻略対象者達と悪役令嬢に言ったらしいわね…私貴女があの人達止めてくれなかったら多分殺されてたわっ!」
「あははは!大げさな!」
「あははじゃないわよ!?特にあの王子はヤバイわよ!あの目!奴は私をどう殺すか考えてるもの!私ヒロインなのにあの王子怖いわよ!」
エリオスは魔王だからしょうがない。うん、怒ると怖いもん。姉様もだけどね。
「ごめん…なさい」
「え?」
「死にキャラとか、モブとか、言って…ごめんなさい」
カナリアさんはプルプル震えた声で本当に申し訳なさそうに謝ってきた。
私はカナリアさんの頭を撫でてあげた。
「うん、“また会えた“ねー!私達!」
「…っ知ってたの?私の事」
「いんや!今思い出した!あの時の子だよね!名前とかお互いわからずじまいだったね!」
私はカナリアさんに握手を求めた
「ハイ!握手!カナちゃんこれから仲良くしようね」
「え、それは嫌」
「なななんで!?」
「貴女と一緒にいるとあの人達すご~く殺気だつもの。
まあ、たまにここで会うぐらいはいいけど…。ここの世界電話とか携帯というのがないのよね」
「「ラインとかあればねー」」
私達二人はハモってしまいお互い笑った。
「因みにさ」
「うん?」
カナちゃんは衝撃的な事を告げた。
「ファンディスクの特番で悪役令嬢死刑になるやつあるけど、知ってた??隣国の王子とエリオス王子に死刑宣告されるのよ。あ、私ヒロインだから二人に愛される設定だけどまずエリオスに殺されるから無理だけどねー。
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「え、私それやってないの…あのね、お小遣い五百円だから…買えなくて、それで…」
なんてこった!!!!!
まだ姉様の断罪回避してなかったのかああああああ!
「あとさ、ほら貴女が薬として飲んでるスターローズが豊富なのもその国なのよ。スターローズももう無くなりそうなんでしょ?シナリオ通りじゃなくても関わりあうかもしれない、あわよくばさ!私ヒロインだから隣国の王子様とラブラブゲットで玉の輿かも!っていないし!!!」
これまた大ピンチ!!!!姉様はどこだあ!!!
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