上 下
31 / 64

ヒロインの声

しおりを挟む



いつも一人ぼっちだった。


「及川さんってマジで暗いよねえーなんで学校きてんのぉ?都会からきたから自慢とかいらないからねえ?」

東京から引っ越ししてきた転校生の私はクラスの皆の標的となった。
クラスで一番の美人の子は今日も私に嫌味を言ってくる。別に一人は慣れていたから平気、中途半端に仲良くもなりたくないし。


「お母さん、私アニヌメッティ店行ってくるね」

私はアニメや小説、漫画がとても好きだった。だってその世界へ行ったように感じるから。

フとゲームコーナーを見て回ると気になるゲームを見つけて手をとると同時に他校の女子高校生もそのゲームを気になったようだった。

お互い目が合って笑ってしまった。

「ねえーあなたもこうゆうゲーム好きなの?なら私オススメあるよ!」


乙女ゲーム“胸キュンラブ♡王子と星降る物語“


彼女は私にオススメをしてきた。

「攻略対象者より悪役令嬢のマリエ様がね!すっごい素敵なんだよ!これやるとハッピーなれるよ!」

ニコニコ笑顔で私に話かけるその少女と一時間色々なアニメや漫画など話をした。
とても楽しい一時間だった。

彼女は「来週ね!ここでこのゲームのイベントあるんだって!もし興味があるならきてね!あっ、やば、お兄ちゃんからだ。んじゃまたね!」


またね、って言われた事がとても嬉しかった。

名前もしらないその少女にオススメされたゲームを買って、見事に私はハマった。

「あの子にお礼を言わなきゃなあ」

来週この乙女ゲームのイベントがあるらしいから、もしかしたら会えるかな?



当日イベントに参加していたら、彼女がいた。隣にはカッコいい人が荷物持ちをされていた。

「ほら!兄ちゃん!早く!」

あ、あの子だ。

横断歩道が赤から青になり私は彼女の元へ走った。
彼女も私の存在に気づいたようで

「あ、兄ちゃん、ちょいこれ持ってて!

おーい!きてくれたんだ!ゲーム攻略した??」

彼女も私の元へきてくれた。


「すぐに、攻略できたわよ。た、楽しかった」

彼女はニッコリ笑った瞬間、大きなトラックに私は轢かれて死んでしまった。


目を覚ましたら別な世界。
気づいたら、私はヒロイン。

あのゲームの中へ転生したんだ。

皆んな私を好いてくれるんだ!

あの子みたく明るく振る舞って笑顔でいよう。

だけど全然シナリオ通りじゃない。
もう、わかっていた。彼らは私を見ていないし、周りにいる令嬢達も私を使って悪役令嬢マリエを貶めたいだけ。

知ってた。


主人公とか、なれないもの。

わかりきってた。

ただの真似事。



そして銀髪の少女と出会った。
自分と同じ転生者だと私に伝えた。

マリアは私に笑顔で
ハッピーな方法を考えようと言ってた。



一瞬、あの名前も知らない少女と重なったの。


もう一度会えたら、友達なれたかな…
しおりを挟む
感想 90

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢ってこれでよかったかしら?

砂山一座
恋愛
第二王子の婚約者、テレジアは、悪役令嬢役を任されたようだ。 場に合わせるのが得意な令嬢は、婚約者の王子に、場の流れに、ヒロインの要求に、流されまくっていく。 全11部 完結しました。 サクッと読める悪役令嬢(役)。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

悪役令嬢は伝説だったようです

バイオベース
恋愛
「彼女こそが聖女様の生まれ変わり」 王太子ヴァレールはそう高らかに宣言し、侯爵令嬢ティアーヌに婚約破棄を言い渡した。 聖女の生まれ変わりという、伝説の治癒魔術を使う平民の少女を抱きながら。 しかしそれを見るティアーヌの目は冷ややかだった。 (それ、私なんですけど……) 200年前に国を救い、伝説となった『聖女さま』。 ティアーヌこそがその転生者だったのだが。

王子からの縁談の話が来たのですが、双子の妹が私に成りすまして王子に会いに行きました。しかしその結果……

水上
恋愛
侯爵令嬢である私、エマ・ローリンズは、縁談の話を聞いて喜んでいた。 相手はなんと、この国の第三王子であるウィリアム・ガーヴィー様である。 思わぬ縁談だったけれど、本当に嬉しかった。 しかし、その喜びは、すぐに消え失せた。 それは、私の双子の妹であるヘレン・ローリンズのせいだ。 彼女と、彼女を溺愛している両親は、ヘレンこそが、ウィリアム王子にふさわしいと言い出し、とんでもない手段に出るのだった。 それは、妹のヘレンが私に成りすまして、王子に近づくというものだった。 私たちはそっくりの双子だから、確かに見た目で判断するのは難しい。 でも、そんなバカなこと、成功するはずがないがないと思っていた。 しかし、ヘレンは王宮に招かれ、幸せな生活を送り始めた。 一方、私は王子を騙そうとした罪で捕らえられてしまう。 すべて、ヘレンと両親の思惑通りに事が進んでいた。 しかし、そんなヘレンの幸せは、いつまでも続くことはなかった。 彼女は幸せの始まりだと思っていたようだけれど、それは地獄の始まりなのだった……。 ※この作品は、旧作を加筆、修正して再掲載したものです。

悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています

窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。 シナリオ通りなら、死ぬ運命。 だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい! 騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します! というわけで、私、悪役やりません! 来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。 あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……! 気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。 悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。

なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。 本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!

侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw

さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」  ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。 「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」  いえ! 慕っていません!  このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。  どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。  しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……  *設定は緩いです  

処理中です...