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ヒロインの声
しおりを挟むいつも一人ぼっちだった。
「及川さんってマジで暗いよねえーなんで学校きてんのぉ?都会からきたから自慢とかいらないからねえ?」
東京から引っ越ししてきた転校生の私はクラスの皆の標的となった。
クラスで一番の美人の子は今日も私に嫌味を言ってくる。別に一人は慣れていたから平気、中途半端に仲良くもなりたくないし。
「お母さん、私アニヌメッティ店行ってくるね」
私はアニメや小説、漫画がとても好きだった。だってその世界へ行ったように感じるから。
フとゲームコーナーを見て回ると気になるゲームを見つけて手をとると同時に他校の女子高校生もそのゲームを気になったようだった。
お互い目が合って笑ってしまった。
「ねえーあなたもこうゆうゲーム好きなの?なら私オススメあるよ!」
乙女ゲーム“胸キュンラブ♡王子と星降る物語“
彼女は私にオススメをしてきた。
「攻略対象者より悪役令嬢のマリエ様がね!すっごい素敵なんだよ!これやるとハッピーなれるよ!」
ニコニコ笑顔で私に話かけるその少女と一時間色々なアニメや漫画など話をした。
とても楽しい一時間だった。
彼女は「来週ね!ここでこのゲームのイベントあるんだって!もし興味があるならきてね!あっ、やば、お兄ちゃんからだ。んじゃまたね!」
またね、って言われた事がとても嬉しかった。
名前もしらないその少女にオススメされたゲームを買って、見事に私はハマった。
「あの子にお礼を言わなきゃなあ」
来週この乙女ゲームのイベントがあるらしいから、もしかしたら会えるかな?
当日イベントに参加していたら、彼女がいた。隣にはカッコいい人が荷物持ちをされていた。
「ほら!兄ちゃん!早く!」
あ、あの子だ。
横断歩道が赤から青になり私は彼女の元へ走った。
彼女も私の存在に気づいたようで
「あ、兄ちゃん、ちょいこれ持ってて!
おーい!きてくれたんだ!ゲーム攻略した??」
彼女も私の元へきてくれた。
「すぐに、攻略できたわよ。た、楽しかった」
彼女はニッコリ笑った瞬間、大きなトラックに私は轢かれて死んでしまった。
目を覚ましたら別な世界。
気づいたら、私はヒロイン。
あのゲームの中へ転生したんだ。
皆んな私を好いてくれるんだ!
あの子みたく明るく振る舞って笑顔でいよう。
だけど全然シナリオ通りじゃない。
もう、わかっていた。彼らは私を見ていないし、周りにいる令嬢達も私を使って悪役令嬢マリエを貶めたいだけ。
知ってた。
主人公とか、なれないもの。
わかりきってた。
ただの真似事。
そして銀髪の少女と出会った。
自分と同じ転生者だと私に伝えた。
マリアは私に笑顔で
ハッピーな方法を考えようと言ってた。
一瞬、あの名前も知らない少女と重なったの。
もう一度会えたら、友達なれたかな…
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