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アデライト 逆行復讐編
悪夢 ※ルカ視点
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‥‥暗闇の中、沢山の鏡が僕の周りにあった。
これは‥‥記憶?夢?に近い感覚‥。
君が見てきたもの、感じてきたものが鏡を通して映っていた。
君はまだあの頃のままでいてくれているのか。終わらない苦しみと沢山の罪を背負う君には、もう優しく手を伸ばす事も抱きしめることも出来ない。
何度声をかけても届かない。
だけど僕はいつもそばにいたんだよ。
『‥‥ヒック‥うっ‥‥なん‥‥私を置いて‥‥‥殺してやる‥‥!ルカを殺した奴は全員皆殺しにしてやる』
そんな事を望んでない。ただ‥‥笑顔でいて欲しいんだよ。
『ふふ、命乞いをしても無駄よ。‥‥このドレス気に入ってたのに、残念だわ』
叫び声と共に返り血を浴びる君は、誰よりも残酷だった。
『ソフィアも私を馬鹿にした奴らも殺したいわ』
本当は‥‥兄妹を羨ましいだけなくせに意地になってるだけなのに‥‥駄目だよ。
ひまわりの花が似合う君が真っ赤に染まる姿をただ感じ、見るだけしか出来なかった。
『ギャァアァ!痛い痛い痛い!!私の美しい顔が!!半分‥‥いやぁああ!!何てことなの!美しい顔が!私の美しい顔が!!』
悲痛な叫び声しか聞こえず、何もしてあげられない自分が悔しくて、悲しくて‥‥。
ドクン!と突き刺さる痛みを感じた。
『‥‥ふ‥‥ふ。ザマァ‥‥み‥ろ』
駄目だ。生きる事に諦めては駄目だよ。
僕は君に生きてて欲しい。笑ってて欲しい。
もし神様がいるなら‥‥もう一度‥‥あの子に会わせてください。あの日に戻りたい。大きな代償があっても構わない。
彼女を助けたい。この悪夢から。
もう二度と悲しまず済むように‥‥もう一度手を掴むんだ。
目を覚ますと‥‥病院にいた。夢なのか?混乱していると、パタパタと足音が聞こえた。この足音は‥‥平静を装って本を読むふりをした僕は緊張していた。
多分、彼女だ。何十年ぶりの‥‥
ドアが開くと、とても会いたかった君がいたんだから。
ふわふわと緩い巻いている銀髪に可愛らしくリボンを頭に飾っている女の子‥‥
「アディー‥‥?どうしたの?」
泣くのを必死に堪えた。なのに何故か彼女が泣いていた。この日は何か嫌な事があっただろうか?
僕の大切な初恋の君を今度こそ助けたい。
もう泣かないで欲しい。
君の為に何かできる事があるだろうか。
君は知らないだろう過去と未来を僕が知っているのを知られたくない。
‥未来の君がずっと探していた僕の心臓は、ずっと君の心臓としてそばにいた。
君は沢山影で泣いていたのを知っている。
僕は死なないよ。
「そうだ、アディ。これプレゼント」
「‥‥‥ひまわりの花束だわ」
「うん、アディは薔薇とかよりもひまわりが似合う子だよ」
「‥‥ふふ。ありがとうっ‥‥ルカ、あそこにいる人達は無視して私達は一緒に本を読みましょう」
「本もいいけれど、せっかくピクニックにきたんだから楽しもうよ、ね」
そう彼女に言うと、嬉しそうに笑っていた。
「その笑顔は、なんか‥ずるいなあ」
僕の初恋の君は今日も美しいと思うよ。
これは‥‥記憶?夢?に近い感覚‥。
君が見てきたもの、感じてきたものが鏡を通して映っていた。
君はまだあの頃のままでいてくれているのか。終わらない苦しみと沢山の罪を背負う君には、もう優しく手を伸ばす事も抱きしめることも出来ない。
何度声をかけても届かない。
だけど僕はいつもそばにいたんだよ。
『‥‥ヒック‥うっ‥‥なん‥‥私を置いて‥‥‥殺してやる‥‥!ルカを殺した奴は全員皆殺しにしてやる』
そんな事を望んでない。ただ‥‥笑顔でいて欲しいんだよ。
『ふふ、命乞いをしても無駄よ。‥‥このドレス気に入ってたのに、残念だわ』
叫び声と共に返り血を浴びる君は、誰よりも残酷だった。
『ソフィアも私を馬鹿にした奴らも殺したいわ』
本当は‥‥兄妹を羨ましいだけなくせに意地になってるだけなのに‥‥駄目だよ。
ひまわりの花が似合う君が真っ赤に染まる姿をただ感じ、見るだけしか出来なかった。
『ギャァアァ!痛い痛い痛い!!私の美しい顔が!!半分‥‥いやぁああ!!何てことなの!美しい顔が!私の美しい顔が!!』
悲痛な叫び声しか聞こえず、何もしてあげられない自分が悔しくて、悲しくて‥‥。
ドクン!と突き刺さる痛みを感じた。
『‥‥ふ‥‥ふ。ザマァ‥‥み‥ろ』
駄目だ。生きる事に諦めては駄目だよ。
僕は君に生きてて欲しい。笑ってて欲しい。
もし神様がいるなら‥‥もう一度‥‥あの子に会わせてください。あの日に戻りたい。大きな代償があっても構わない。
彼女を助けたい。この悪夢から。
もう二度と悲しまず済むように‥‥もう一度手を掴むんだ。
目を覚ますと‥‥病院にいた。夢なのか?混乱していると、パタパタと足音が聞こえた。この足音は‥‥平静を装って本を読むふりをした僕は緊張していた。
多分、彼女だ。何十年ぶりの‥‥
ドアが開くと、とても会いたかった君がいたんだから。
ふわふわと緩い巻いている銀髪に可愛らしくリボンを頭に飾っている女の子‥‥
「アディー‥‥?どうしたの?」
泣くのを必死に堪えた。なのに何故か彼女が泣いていた。この日は何か嫌な事があっただろうか?
僕の大切な初恋の君を今度こそ助けたい。
もう泣かないで欲しい。
君の為に何かできる事があるだろうか。
君は知らないだろう過去と未来を僕が知っているのを知られたくない。
‥未来の君がずっと探していた僕の心臓は、ずっと君の心臓としてそばにいた。
君は沢山影で泣いていたのを知っている。
僕は死なないよ。
「そうだ、アディ。これプレゼント」
「‥‥‥ひまわりの花束だわ」
「うん、アディは薔薇とかよりもひまわりが似合う子だよ」
「‥‥ふふ。ありがとうっ‥‥ルカ、あそこにいる人達は無視して私達は一緒に本を読みましょう」
「本もいいけれど、せっかくピクニックにきたんだから楽しもうよ、ね」
そう彼女に言うと、嬉しそうに笑っていた。
「その笑顔は、なんか‥ずるいなあ」
僕の初恋の君は今日も美しいと思うよ。
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