76 / 100
アデライト 逆行復讐編
冷たい空気でした
しおりを挟む
シリウスは応接間で眉間の皺を寄せながら、そばに控えている執事のセバスに声をかけた。
「子供達は無事茶会へ行ったのか?」
「ハイ、アデライトお嬢様も遅れてお茶会へ参加しに行ったとご報告を受けましたぞ。旦那様?どうなさいましたか?」
シリウスは手元にある書類を机に置き、腕を組みながら窓の外を眺めながら話す。
「‥‥お前は子供達をどう思う?」
「おや?ほっほっ、何を急に?‥そうですねぇ、ジェイコブお坊ちゃまは、趣味は乙女でございますが、若いながらも次期マカロン家当主としての威厳もあり剣術の腕は優れております故、安心できますな。たまに妹様達に振り回されてはいますがね。次女のソフィアお嬢様はとても物腰が柔らかいですが、意外と自分に厳しく、他人にも厳しい面をおもちです。あの親達と別れてから少しずつ自信がついてきたみたいですな、剣術の習いをし始めてジェイコブお坊ちゃま以上の剣の才能がおありです」
「確かに、あの子は凄く呑み込みが早い。今まで何もしてやれなかったぶん、やりたい事をさせるべきだな。ソフィアの剣術は王族のものなのが不思議だ。誰に教わったのか調べる必要がありそうだ」
シリウスはまたフウとため息をだした。
「‥‥セバスチャン、一番気になるのはアデライトだ。あの子はあまり食べていないだろう。この前、皆で一緒に食事をした時食事に手を出してなどいなかった」
「えぇ、そうですな。ナタリアに聞くといつもスープ類とパンをひと口ふたくちくらいとしか‥‥それに‥」
「それに、なんだ?」
「月に一度見に来てくれる医者に聞くと、かなり体の体力が衰えていると。元々心臓が弱いせいなのか食も細いですし。例の薬屋の少年の薬を飲むと体調が良くなるみたいで、今度医者とともに伺ってみます」
「あぁ、そうしてくれ」
セバスチャンはシリウスに頭を下げて部屋へでていった。
コンコンとドアを叩く音がした。ナタリアっアメリーだった。アメリーを見てシリウスは先程の眉間の皺は無くなり、アメリーを優しく抱く。
「君は天使だな!」
「うーあーー」
ナタリアはクスクス笑っていると、シリウスは顔を真っ赤にしながら照れ臭そうにしていた。
「シリウス様、最近アメリーお嬢様はハイハイが出来るようになりました」
「この子は‥‥天才だな!」
シリウスはアメリーを褒めたあと、また外を眺めていた。
「‥‥最初は危険な子だと警戒はしていたが、体もそうだが‥‥‥何かの拍子に崩れてしまいそうな子だな」
そうシリウスは聞こえないように小さく呟いていた。
「ふふ、とても楽しそうな雰囲気ね」
やはりアイラはいた。聖女だとかもてはやされ、私の取り巻きの一部の人間がアイラ側についてるし‥‥調子に乗ってるわね。
「あの、はじめまして。アイラです。私一度アデライト様とお会いしたいと思っておりましたわ」
「ふふ。我が家は悪名高い犯罪者一家で私の事怖いんじゃなくて?」
「あ、いや、そういうわけじゃないです!私は‥‥本当にどんな方かずっと学園で聞いてて、なかなかアデライト様は体調が良くないと心配をしていたのです」
あらまあ、よくも白々しい事をペラペラと‥前回も今回も相変わらずなようね。でも、アイラは記憶がないようね。だけど妙に私に関心を持っているような‥‥。それに流行りの病を知っているなんて何処から‥‥可能性として‥‥そう、一番頭に思い浮かんだ人物が一人だけいるわ。
「アデライトお姉様」
「ソフィア、何を突っ立っているのかしら?さあ、私達はもう少し前のテーブルへ座りましょうか」
「アデライト?そこの席は‥まあ、いいか。ソフィア座るぞ」
「ジェイコブお兄様、アデライトお姉様?そこは‥」
‥‥あらあら赤い薔薇の席がワザとらしくあるわね。
あの腹黒王子はまた遠くから見て、皆がどう動くのかあざ笑っているのでしょうね。
一番華やかなテーブルがあるのは位が高い貴族とそれと同等な立場の者が座る席。
そして、『王子と親しいもの』である事。婚約者のものが座る場所の意味。
それ故にみんなあまり座りたがらない。無難な席へ座るのだから。以前の私も座らなかった。謙虚な女神を演じていたもの。
ソフィアは少し戸惑っており、ジェイコブお兄様は編み物をしてスッキリしたのか堂々としているわね。ジェイコブお兄様は私に
「アデライトわかっている。実はあのテーブルの席だけ、紅茶のシフォンケーキが沢山あるんだ。ケーキ職人としては食べたいよな」
「‥‥‥‥一人で食べてくださいな」
ケーキ職人としてって‥‥いちいち突っ込むのは疲れるから無視しましょう。
「ジェイコブお兄様、ケーキ職人ではないですよ?まだ」
そうソフィアがジェイコブお兄様に話しをしていた。私は少し遠く離れていたオスカー様と目が合ったものの、話しかけなかった。
私の取り巻き達は久しぶりに私と会えた事に喜んでいてくれていた。
「アデライト様!やっぱり美しいですね!」
「‥‥良かった!お元気そうで‥‥それよりもマカロン家3人兄妹が揃うのって珍しい」
「‥‥アデライト様が一番だけど‥‥やっぱりみんな揃うと‥‥凄いわね」
そう皆がマカロン兄妹を見つめていると、アイラはアデライトの腕に手をまわしながら話しかけた。
「アデライト様、私もご一緒に座ってもよろしいかしら?椅子は四つありますもの。それに‥あの席を皆さんだけ座るというのは悪目立ちしますわ?」
‥‥この子は本当に腹が立つ女ね。
「ふふ、もう席は無いわ」
「へ?」
私は用意していた白いウサギのぬいぐるみを椅子に置いた。
「我が末の妹のアメリーの代理人が座ってるから」
「‥‥は?いや、ぬいぐるみって‥‥」
私はウルウルした目で皆の前で話した。
「本当は兄妹仲良く四人で王子様のお茶会に参加したかったのだけど‥‥アメリーが風邪を引いてて(すこぶる元気)‥‥変な事をしているかもしれないけれど、アメリーの代わりに、と」
そうこんな馬鹿くさい事をして話すと、私の周りは「なんて妹思いな!」と感動し、ジェイコブお兄様まで涙目になってる。ソフィアはだけ呆れている顔をしていた。
私はニッコリとアイラに微笑む。
「私達マカロン家は大きな過ちを犯したわ。今日は王家に改めて忠誠を誓う意味を込めて、兄妹仲良く揃って参加しているの」
「‥‥な、なにを言ってるんですか?ぬいぐるみで」
そうアイラと話すとざわざわと声がした。騎士団達を護衛従えさせ歩く今日のお茶会の主催者であるルチータ王子がようやくやってきた。
「「「我が栄光の太陽ーールチータ王子に挨拶を」」」
皆ルチータ殿下に頭を下げて挨拶をする。
そんな中アイラはルチータ殿下を見て頬を赤らめて、ぶつぶつと何かを言っていた。
「‥‥‥素敵素敵素敵素敵。私の物。人形にしなくちゃ、あんな綺麗な男の子素敵、私の王子様だわ‥‥」
‥‥‥まだ小さいから、あの趣味はまだだと思っていたけれど‥‥もうその歳であんな醜い趣味を持っていたようね。
ガッツリとジェイコブお兄様とソフィアはアイラの発言を聞いていて引いていた。
ルチータ殿下は私を見て、笑っていた。目が笑っていないのよ。私達がこの席に座ろうとしていたのを見ていたでしょうに。
「やあ、マカロン家の皆様。お茶会は楽しんでるかい」
「ハイ、ルチータ王子様。楽しんでいます、特に王宮しかないようなお菓子があり、妹達も喜んでおります!」
『いや、それはジェイコブお兄様でしょう』とアデライトとソフィアは呆れて見ていた。
ルチータはソフィアを見て少し驚きながらも、ホッとした顔をしてソフィアに話しかけた。
「‥‥君が、あの‥ソフィア嬢か。そうか、今日初めて会うね。会えて嬉しいよ!君の剣の腕は城で聞いている。今度手合わせをお願いしても?」
「私とでしょうか?ハイ、喜んで」
ルチータ殿下はアルフレッド殿下の想い人のソフィアと出会うのはもっと先のはずだけど‥‥まあ、正直そのへんはどうでもよいわ。
私は今頬を赤らめ、ルチータ殿下に夢中になっているあの女に、美しい者が上だとみせないといけないもの。
私はジッとルチータ殿下を見ていると、ルチータ殿下はニッコリ笑いながら私に手を差し伸べる。
「やはりアデライト嬢の美しさは一番輝いているね。席までエスコートをしても?」
「そんな、私なんて‥‥照れますわ」
お互い冷ややかな目が全く笑っていない二人なのにも関わらず、周りは頬を赤らめながら
「二人共お似合いだわ」
「まさか、婚約者候補としてアデライト様を!?」などと騒いでいた中、アイラはプルプルと体を震えながら固まっていた。
嫉妬する視線をアデライトはニッコリと微笑みながらアイラに聞こえるように囁いた。
「おブスは早くお帰りなられたらいかがかしら?」
そう囁いたあと、アイラは悔しそうにその場から立ち去っていった。
ルチータはアデライトをエスコートしながら席へ座らせて話しかけた。
「‥‥それで?君の望む事をしたけれど見返りはあるのかい?まさか本当に私の婚約者になりたいのかい」
「ふふ、吐き気が出るほど嫌ですわ」
「はは、良かったよ。私もだ」
そんな二人の会話についていけないジェイコブとソフィアはどう反応をすればよいかわからずにいた。
「ルチータ王子様、貴方の未来の婚約者はあちらですわ」
「ソフィア嬢かい?素敵な子だが彼女は駄目さ」
「ハッ!まさか、アデライト!僕か!?」
「‥‥ジェイコブお兄様は菓子でも食べ黙っててくださいな」
私はウサギのぬいぐるみを指すとルチータ殿下は一瞬固まった。ニッコリ微笑みながら
「‥‥ははは。面白い冗談だ。うん、なるほどね。やっぱりアデライト嬢。私は君とは合わないようだ」
周りは暖かい目で見つめていたが、そのテーブルの空気だけは異常に冷たいのはジェイコブとソフィアと‥‥小さなぬいぐるみしか知らない。
「子供達は無事茶会へ行ったのか?」
「ハイ、アデライトお嬢様も遅れてお茶会へ参加しに行ったとご報告を受けましたぞ。旦那様?どうなさいましたか?」
シリウスは手元にある書類を机に置き、腕を組みながら窓の外を眺めながら話す。
「‥‥お前は子供達をどう思う?」
「おや?ほっほっ、何を急に?‥そうですねぇ、ジェイコブお坊ちゃまは、趣味は乙女でございますが、若いながらも次期マカロン家当主としての威厳もあり剣術の腕は優れております故、安心できますな。たまに妹様達に振り回されてはいますがね。次女のソフィアお嬢様はとても物腰が柔らかいですが、意外と自分に厳しく、他人にも厳しい面をおもちです。あの親達と別れてから少しずつ自信がついてきたみたいですな、剣術の習いをし始めてジェイコブお坊ちゃま以上の剣の才能がおありです」
「確かに、あの子は凄く呑み込みが早い。今まで何もしてやれなかったぶん、やりたい事をさせるべきだな。ソフィアの剣術は王族のものなのが不思議だ。誰に教わったのか調べる必要がありそうだ」
シリウスはまたフウとため息をだした。
「‥‥セバスチャン、一番気になるのはアデライトだ。あの子はあまり食べていないだろう。この前、皆で一緒に食事をした時食事に手を出してなどいなかった」
「えぇ、そうですな。ナタリアに聞くといつもスープ類とパンをひと口ふたくちくらいとしか‥‥それに‥」
「それに、なんだ?」
「月に一度見に来てくれる医者に聞くと、かなり体の体力が衰えていると。元々心臓が弱いせいなのか食も細いですし。例の薬屋の少年の薬を飲むと体調が良くなるみたいで、今度医者とともに伺ってみます」
「あぁ、そうしてくれ」
セバスチャンはシリウスに頭を下げて部屋へでていった。
コンコンとドアを叩く音がした。ナタリアっアメリーだった。アメリーを見てシリウスは先程の眉間の皺は無くなり、アメリーを優しく抱く。
「君は天使だな!」
「うーあーー」
ナタリアはクスクス笑っていると、シリウスは顔を真っ赤にしながら照れ臭そうにしていた。
「シリウス様、最近アメリーお嬢様はハイハイが出来るようになりました」
「この子は‥‥天才だな!」
シリウスはアメリーを褒めたあと、また外を眺めていた。
「‥‥最初は危険な子だと警戒はしていたが、体もそうだが‥‥‥何かの拍子に崩れてしまいそうな子だな」
そうシリウスは聞こえないように小さく呟いていた。
「ふふ、とても楽しそうな雰囲気ね」
やはりアイラはいた。聖女だとかもてはやされ、私の取り巻きの一部の人間がアイラ側についてるし‥‥調子に乗ってるわね。
「あの、はじめまして。アイラです。私一度アデライト様とお会いしたいと思っておりましたわ」
「ふふ。我が家は悪名高い犯罪者一家で私の事怖いんじゃなくて?」
「あ、いや、そういうわけじゃないです!私は‥‥本当にどんな方かずっと学園で聞いてて、なかなかアデライト様は体調が良くないと心配をしていたのです」
あらまあ、よくも白々しい事をペラペラと‥前回も今回も相変わらずなようね。でも、アイラは記憶がないようね。だけど妙に私に関心を持っているような‥‥。それに流行りの病を知っているなんて何処から‥‥可能性として‥‥そう、一番頭に思い浮かんだ人物が一人だけいるわ。
「アデライトお姉様」
「ソフィア、何を突っ立っているのかしら?さあ、私達はもう少し前のテーブルへ座りましょうか」
「アデライト?そこの席は‥まあ、いいか。ソフィア座るぞ」
「ジェイコブお兄様、アデライトお姉様?そこは‥」
‥‥あらあら赤い薔薇の席がワザとらしくあるわね。
あの腹黒王子はまた遠くから見て、皆がどう動くのかあざ笑っているのでしょうね。
一番華やかなテーブルがあるのは位が高い貴族とそれと同等な立場の者が座る席。
そして、『王子と親しいもの』である事。婚約者のものが座る場所の意味。
それ故にみんなあまり座りたがらない。無難な席へ座るのだから。以前の私も座らなかった。謙虚な女神を演じていたもの。
ソフィアは少し戸惑っており、ジェイコブお兄様は編み物をしてスッキリしたのか堂々としているわね。ジェイコブお兄様は私に
「アデライトわかっている。実はあのテーブルの席だけ、紅茶のシフォンケーキが沢山あるんだ。ケーキ職人としては食べたいよな」
「‥‥‥‥一人で食べてくださいな」
ケーキ職人としてって‥‥いちいち突っ込むのは疲れるから無視しましょう。
「ジェイコブお兄様、ケーキ職人ではないですよ?まだ」
そうソフィアがジェイコブお兄様に話しをしていた。私は少し遠く離れていたオスカー様と目が合ったものの、話しかけなかった。
私の取り巻き達は久しぶりに私と会えた事に喜んでいてくれていた。
「アデライト様!やっぱり美しいですね!」
「‥‥良かった!お元気そうで‥‥それよりもマカロン家3人兄妹が揃うのって珍しい」
「‥‥アデライト様が一番だけど‥‥やっぱりみんな揃うと‥‥凄いわね」
そう皆がマカロン兄妹を見つめていると、アイラはアデライトの腕に手をまわしながら話しかけた。
「アデライト様、私もご一緒に座ってもよろしいかしら?椅子は四つありますもの。それに‥あの席を皆さんだけ座るというのは悪目立ちしますわ?」
‥‥この子は本当に腹が立つ女ね。
「ふふ、もう席は無いわ」
「へ?」
私は用意していた白いウサギのぬいぐるみを椅子に置いた。
「我が末の妹のアメリーの代理人が座ってるから」
「‥‥は?いや、ぬいぐるみって‥‥」
私はウルウルした目で皆の前で話した。
「本当は兄妹仲良く四人で王子様のお茶会に参加したかったのだけど‥‥アメリーが風邪を引いてて(すこぶる元気)‥‥変な事をしているかもしれないけれど、アメリーの代わりに、と」
そうこんな馬鹿くさい事をして話すと、私の周りは「なんて妹思いな!」と感動し、ジェイコブお兄様まで涙目になってる。ソフィアはだけ呆れている顔をしていた。
私はニッコリとアイラに微笑む。
「私達マカロン家は大きな過ちを犯したわ。今日は王家に改めて忠誠を誓う意味を込めて、兄妹仲良く揃って参加しているの」
「‥‥な、なにを言ってるんですか?ぬいぐるみで」
そうアイラと話すとざわざわと声がした。騎士団達を護衛従えさせ歩く今日のお茶会の主催者であるルチータ王子がようやくやってきた。
「「「我が栄光の太陽ーールチータ王子に挨拶を」」」
皆ルチータ殿下に頭を下げて挨拶をする。
そんな中アイラはルチータ殿下を見て頬を赤らめて、ぶつぶつと何かを言っていた。
「‥‥‥素敵素敵素敵素敵。私の物。人形にしなくちゃ、あんな綺麗な男の子素敵、私の王子様だわ‥‥」
‥‥‥まだ小さいから、あの趣味はまだだと思っていたけれど‥‥もうその歳であんな醜い趣味を持っていたようね。
ガッツリとジェイコブお兄様とソフィアはアイラの発言を聞いていて引いていた。
ルチータ殿下は私を見て、笑っていた。目が笑っていないのよ。私達がこの席に座ろうとしていたのを見ていたでしょうに。
「やあ、マカロン家の皆様。お茶会は楽しんでるかい」
「ハイ、ルチータ王子様。楽しんでいます、特に王宮しかないようなお菓子があり、妹達も喜んでおります!」
『いや、それはジェイコブお兄様でしょう』とアデライトとソフィアは呆れて見ていた。
ルチータはソフィアを見て少し驚きながらも、ホッとした顔をしてソフィアに話しかけた。
「‥‥君が、あの‥ソフィア嬢か。そうか、今日初めて会うね。会えて嬉しいよ!君の剣の腕は城で聞いている。今度手合わせをお願いしても?」
「私とでしょうか?ハイ、喜んで」
ルチータ殿下はアルフレッド殿下の想い人のソフィアと出会うのはもっと先のはずだけど‥‥まあ、正直そのへんはどうでもよいわ。
私は今頬を赤らめ、ルチータ殿下に夢中になっているあの女に、美しい者が上だとみせないといけないもの。
私はジッとルチータ殿下を見ていると、ルチータ殿下はニッコリ笑いながら私に手を差し伸べる。
「やはりアデライト嬢の美しさは一番輝いているね。席までエスコートをしても?」
「そんな、私なんて‥‥照れますわ」
お互い冷ややかな目が全く笑っていない二人なのにも関わらず、周りは頬を赤らめながら
「二人共お似合いだわ」
「まさか、婚約者候補としてアデライト様を!?」などと騒いでいた中、アイラはプルプルと体を震えながら固まっていた。
嫉妬する視線をアデライトはニッコリと微笑みながらアイラに聞こえるように囁いた。
「おブスは早くお帰りなられたらいかがかしら?」
そう囁いたあと、アイラは悔しそうにその場から立ち去っていった。
ルチータはアデライトをエスコートしながら席へ座らせて話しかけた。
「‥‥それで?君の望む事をしたけれど見返りはあるのかい?まさか本当に私の婚約者になりたいのかい」
「ふふ、吐き気が出るほど嫌ですわ」
「はは、良かったよ。私もだ」
そんな二人の会話についていけないジェイコブとソフィアはどう反応をすればよいかわからずにいた。
「ルチータ王子様、貴方の未来の婚約者はあちらですわ」
「ソフィア嬢かい?素敵な子だが彼女は駄目さ」
「ハッ!まさか、アデライト!僕か!?」
「‥‥ジェイコブお兄様は菓子でも食べ黙っててくださいな」
私はウサギのぬいぐるみを指すとルチータ殿下は一瞬固まった。ニッコリ微笑みながら
「‥‥ははは。面白い冗談だ。うん、なるほどね。やっぱりアデライト嬢。私は君とは合わないようだ」
周りは暖かい目で見つめていたが、そのテーブルの空気だけは異常に冷たいのはジェイコブとソフィアと‥‥小さなぬいぐるみしか知らない。
3
お気に入りに追加
5,802
あなたにおすすめの小説
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。