【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま

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アデライト  逆行復讐編

マカロン家大掃除前

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とある茶会に参加していたオスカーは、か弱く愛らしいアデライトがおかしいと心配をし上の空だった。

「‥‥はあ。僕は少し席を外すよ」

そうオスカーは席から離れてぶつぶつと呟いていた。

「あんなのアデライトじゃない‥彼女は可愛いくて美しくて‥守ってあげたくなるような僕の運命の恋人なんだ‥‥なんであんな薬とか馬鹿げた事を‥頭がおかしくなったのかな‥いったいどうすれば」

「あはは、確かに今の彼女はよくないよねー俺の知っている美しい彼女らしくない」

「だ、誰だ!?」

悩むオスカーの前にフードを被っていた見るからに怪しい少年が話しかけてきた。オスカーは最初怪しんだものの、段々とその少年と話し打ち解けていた。





私はルカに会う前に、太陽教会へと立ち寄っていった。ここ太陽教会は少し遠い場所にあり神やらなんやらと信仰心がある人達がいくところだけど、私は神に祈るだけとかそんなつまらない人生は嫌ね。でもここへ来た理由は早く殺すべき女を見つけないと思っていたのに神父から予想外の事を言われた。

「女の子を引き取っていない?アイラという名前の筈よ」

「申し訳ありません。確かに孤児院へ行き何人かこの教会の見習いとして引き取りましたがそのようなものは存じておりません。あの、個人情報や教会の事の話はご法度で、、、」

「‥‥そう‥わかったわ。拾いなさいな」

そう金貨一枚を地面に落とすと神父は誰にも見られないように、すぐに自分の懐へといれた。

「ア、アデライト嬢、神のご加護がありますように」

そうニッコリとお金を貰ったからなのか、機嫌よく神父は去っていった。神に身も心も捧げてる筈なのに金貨一枚で目が眩んで‥‥。

「ここは汚く醜いわ。建物も壊して、教会の者全員始末した方がいいわね」

そう私はルカとルカのお母様を探していた時ルカがすぐそばにいた。

「アディー、何処へいってたの?母さんも僕も探してたんだよ」

「ふふ、少し神父様と話しをしてたの。ルカ達は何をしてたの?」

「お祈りしてたよ。やっぱり太陽教会は国一番大きい教会でビックリだよ。素敵な場所だだけど、ここから近い村は毎年干ばつ問題があるらしくて、どこもみんな大変だよね‥‥。あ、さっき教会に置いてある本があって、沢山あるから全部読むのに数年かかりそうかも」

そうルカが楽しそうに話しているのを、隣にいたルカのお母様も楽しんでいたようだった。

「太陽教会周辺に薬草もちらほらあったから素敵よね。何よりも物が安いの!アデライトちゃん、口に合うかわからないけれどお弁当を持ってきたの。一緒に食べましょう!」

ルカは私の手を握り心配そうな顔をしていた。

「アディー、今更だけどいいの?本当は貴族のお茶会があるって聞いたけど」

「大丈夫よ。見え透いた嘘のお茶会ほど、つまらないものはないわ。私は‥‥ルカがいればよいもの」

「僕は嬉しいけど、お茶会に美味しいお菓子沢山ある筈なのになあ。へへ、アディー、ランチ食べたら一緒に本を読もう」

「えぇ」

それにしても二人はここが好きみたいだから‥‥始末するのはまた後にした方がよさそうだわ。

近くにあったベンチに座り、ルカからお母様御手製のサンドウィッチを渡されたたけれど私が知っているサンドウィッチじゃないわ。
まず、パンではないもの。小麦粉を薄く伸ばして茹でたキャベツやトマトとじゃがいもが挟んであっただけ。

‥‥質素ね。なにかしら?このかたまり‥‥見たことがないわ。

私は高貴な人間よ。高貴な人間である私がこの得体の知れないものを食べろと?

この食べ物は、庶民はこれを食べてるというの?
高級のチキンや卵がない‥‥というか、地味に人参を細かくして隠してるのがわかるわね。

「アデライトちゃん。ごめんなさいね、食パンとかは、あまり買えないのよ。小麦粉が高くて‥それに卵やお肉もなくて。薬草入り野菜サンドウィッチよ!栄養満点よ」

「‥‥今度‥薬草ドリンク代含め私の家からお肉や卵も差し上げますわ」

そう私がルカのお母様に言うと、お母様は首を横に振って断った。

「優しいのね、気持ちだけはいただくわ。月に一度は贅沢として卵とお肉を少し買う事にしてるのよ。大丈夫!」

なるほど‥‥ルカに美味しい物を食べさせられないこの状況の生活‥‥。

「ルカ、ルカのお母様‥‥多分これからお店は忙しくなるから卵も小麦粉も買えるはずよ」

「え?なんで?安くなるの?」

キョトンとした顔で私に質問をするルカに私は微笑む。

「ふふふ‥‥明日、我が家は『大掃除』が始まるのよ」

そう話すと、二人はまた首を傾げていた。
反 

ルカのお母様が作ったサンドウィッチは、やっぱり口に合わない。味はなにもないのだもの。口に合わないけれど‥‥

なんとなく美味しく感じた。あまり食べ物を美味しいと感じなかったのに、何故か美味しいと感じたのが不思議でしょうがないわ。

母の味と呼べるものなんでしょうね。

さて、明日は忙しくなりそうだわ。


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