【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま

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アメリー 下克上編

勝利と姉様の心臓

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アメリーは『ワザと』急所を外し、ヒューゴ王子に何度も何度も攻撃する。ヒューゴ王子側の兵達が一気にアメリーに剣を向けて攻撃するものの、軽い動きであっというまに全て全滅させた。

そんなアメリーにフレデリック殿下とリリアン姫はフラフラと立ち上がりながら話す。

「‥‥お兄様、あのヒューゴが‥‥あっというまに倒されたのが今でも信じられない。ホワイト国の方はとても強いかたばかりだわ」

「‥‥そうだな。でもあの子は‥強いとかそんなレベルじゃないみたいだ」



血だらけのヒューゴ王子は笑いながらアメリーを見つめて話す。

「‥‥‥ガハッ‥その強さ‥‥隠して‥ハハ!お前化け物だな!」

「うん、化け物と呼ばれても別にいい。誰かがアナタを殺さないとまた誰かが死ぬもの」

私はビュンとヒューゴ王子の首を切ろうとした時、後ろから私の手を止め大好きな人の声が聞こえた。


「‥‥未来の妃となると言ってたわりには、感情的になり過ぎだよ。君の手が汚れる」

甘い香りにハッと我に返り後ろを振り向くと、血だらけでボロボロの姿の彼だ。

「ルチータ‥‥王子‥‥」

涙がでた。生きてる。目の前に彼がいる。無事だったんだ!ルチータ王子はニッコリ笑い、私はホッとしたまま彼に抱きついた。

「ルチータ王子!よかった‥‥ぐすっ‥よかっ…」

「あまり強く抱きしめないでくれる?」

「ハッ!ごめんなさい!傷が広がるよね」

アメリーはバッと離れようとするがルチータ王子は彼女を再度抱き寄せた。

「‥‥いや、理性失うからなんだけどね」

ルチータ王子はフラフラになりながらも、アメリーをそばに、抱えアメリーが持っていた剣をヒューゴ王子に剣を拾い向ける。

ヒューゴ王子は周りを見渡すと、すでに自分の配下がやられた事に気づいた。余裕ある笑顔を見せるルチータ王子にヒューゴ王子は冷や汗を垂らしながら話しかける。

「何故捕まっていたのに動けるのか謎だわー」

「最初からワザと捕まってたんだよ。君は知らないけれど‥‥随分前から君の周りに少しずつ私の味方を増やして忍ばせてたんだ。なかなかスリルで面白かったよ。でももうお遊びはお終いだ」


そうルチータ王子は口笛を吹くと一気に騎士団数十人が沢山現れた。騎士団だけではなく、ヒューゴ王子にやられて恨みを持っていた他国の貴族達も追いかけてやってきた。

ヒューゴ王子は沢山の人達に捕まえられて、フレデリック殿下の元へと倒れこみフレデリック殿下は冷たい目をヒューゴ王子に向けた。

「‥この愚かものが!反逆者ヒューゴ!この罪は重いぞ!」

「あははは!甘い兄上が俺を殺すのか!?」

フレデリック殿下は涙目になりながら、

「‥‥お前とは‥‥家族とさよならだな」


ヒュン!と剣がヒューゴ王子の首をめがけた。

その時、ルチータ王子の手が私の目を隠した。‥‥多分フレデリック殿下の方をみせないようにしたんだ。

‥‥ヒューゴ王子を殺したのだから。


「‥‥ルチータ王子、私は子供じゃありません。大丈夫ですよ」

「それでも見るものでないよ。慣れてても人が死ぬところを見るのは気分は良くないからね」


‥‥‥温かい手だ。やっぱりね、私はルチータ王子が好きだよ。

「反逆者ヒューゴの首を打ちとったぞぉ!!!」

ワァアと歓声の声がした。喜んでいるものもいるけど、亡くなった人もいる為泣いてる人もいる。…‥みんなボロボロの状態だ。

「アメリー!!」

ソフィア姉様が涙目になりながら、私を抱きしめた。

「‥‥ソフィア姉様‥‥心配かけてごめんなさい」

ぎゅっと強く私を抱きしめているソフィア姉様の後ろには、私を睨む‥‥いや、信じられないという顔をしているアデライト姉様だった。私はアデライト姉様に勝ち誇った顔をしながら話しかけた。

「‥‥何を期待していたかわからないけれど、私はアデライト姉様じゃないの。残念だね」

「あら、そう…」

そう言うとアデライト姉様は少しだけ‥‥一瞬少しだけ‥‥微笑んでくれた。‥‥いつもの作りの仮面の顔じゃなくて‥‥。

「アデライト姉様‥‥?」

そう話しかけた時


「ヒューゴ様が死んだってどういうごどよぁあああ!?!」

顔の原型もないまま、髪はほぼ無くボロボロ状態の‥‥アイラさん?!アイラさんは剣を握りしめながら、ソフィア姉様と私を狙ってビュン!と投げた。

「アメリー!」

ソフィア姉様やルチータ王子が庇おうとした時

グサッと重く突き刺さる音がした。

ポタポタと血が流れていた。


ソフィア姉様はプルプル震える。

「‥‥なぜ‥‥‥何故、私達を助けてくれたの‥‥‥‥アデライト姉様っ‥‥」


アデライト姉様の心臓に剣は突き刺さっていた。








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