【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま

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アメリー 下克上編

綺麗になった

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学園で銀髪の少女が歩くたびに、誰もが振り返るほどとても美しい子がいた。美しさだけでなく、勉学に置いても注目をされるほどの知識が豊富でよく、学者達の間でも評判が高い

アメリー・マカロンだった。

「おい、アメリー!」

「ルーカス君、おはよう」

「色々言いたいけど、毎日女からのラブレターはなんだ?男からも婚約者がいないことを言い事に次から次へと‥‥」

アメリーとルーカスが並び歩くと、みんな赤く頬を染めて眺めていた。

「アメリー様美しい」

「笑顔も可愛いよな。嫌味もないし」

「私が困ってた時助けてくれて優しい人だわ」

「いつも学年一位ですごいし、裁縫も得意だとか」

「伯父上から聞いたがこの前のフォース国からきた難民問題をアメリー様が助言していたらしいぞ」

「太陽教会の方から信頼もされてて、貴族なのに炊き出しの手伝っていたり‥‥俺見たけど汚れていた服を着ていたアメリー様も美しかったな!」


そんなアメリーを皆見つめているのを、ルーカスはジロッと周囲を睨んでいた。


「だから早く俺と婚約した方がいいとあれほど言ってるのに‥‥」

ぶつぶつ文句を言っているルーカス君もかなり人気なのは知らないのかな?

あれから7年‥‥7年が過ぎた。

ソフィア姉様はどんどんと功績をあげて今では騎士団1番隊の隊長をつとめており評判もとても良く、忙しそうだけど毎週かならず一回はジェイコブお兄様が作ってくれたお菓子(今はコブさんと名前だけれど)そのお菓子を一緒に食べるのが決まりなのよね。

ジェイコブお兄様もどんどん腕を上げて美味しいお菓子を沢山作ってくれるし、色々と編んだ物もプレゼントしてくれてる。

マカロン家はまだ悪名高いと一部の人には言われてはいるけれど、太陽教会の方や貴族達が味方になってくれてるのが大きく特に嫌がらせとかは無くなった。


「あ、ルーカス君の屋敷に用事があるから明日シリウス伯父様と一緒に行く事になったの」

「とか言いながら、いつもあのコブというやつに会いに行くんだろ!お前はあれか?歳上好きなのか!?お、俺よりも‥‥あの編み物得意でメイド達にモテて気に食わない‥あのコブの方がーー」

「ふふ、そうね。コブさんは素敵な男性よね」

ニッコリと笑いながら私が話すとルーカス君は青ざめて固まっていた。

そして、私は見事にアデライト姉様にそっくりへと成長していった。成長していって気づいた事がある。


「やあ、アメリー嬢。昨日のテストの結果はまた一位とは凄いな。そして今日も人気者だね」

「先生おはようございます」

「あぁ‥その笑顔は本当にアデライト様に似ていて‥‥懐かしいよ」

まだこの国にはアデライト姉様を崇拝している一部の者がいる事なのよね。私を通してアデライト姉様を見ている事がよくある。

フォース国は完全にあの第二王子が実権を握り政治を行っているけれど、国民の反発の声も大きい。

王の証である指輪がないので説得力が欠けているし、何よりも私利私欲の為に動いてる王を国民だけではなく、ごく一部の貴族達も反対している。


「そういえば、来月ルチータ殿下の誕生日だな」

「生誕祭パーティーよね」


あれから7年、1年に一回会えればいいほうかもしれない。生誕祭パーティーは必ず顔を合わす事ができるもの。

ルチータ王子は私を避けている。だから今まではあえて追わなかったし、声をかけなかった。私は私でやるべき事をしていたし。


「‥‥ルチータ殿下もう良い歳なのに婚約者を作らないしおかしいよな。一部ではアルフレッド殿下に王位を譲ると話しがでてるし」

「‥‥噂はあくまでも噂でしかないから大丈夫よ」

そう私が話すとルーカス君はじっと私を見つめながら話し続ける。

「‥‥‥まだルチータ殿下を好いてるのか?」


「‥‥うん。私結構諦めが悪い子だからね。もう授業遅れちゃうから行こう」


そうみんなに笑顔で挨拶をして歩くアメリーの姿を眺めていたルーカスは自分の頭をくしゃくしゃとしながら

「‥‥俺だって諦め悪いんだけどな」

そう呟いていた。


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