【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

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アメリー 下克上編

早く大人になりたいアメリー

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あの悪名高いマカロン家が干ばつ問題を解決した事と太陽教会の一部の人間が不正を暴いたと一斉に広まった。

可愛らしい小さな女の子であり、名前はアメリー・マカロンのおかげだと声もでてきたが、太陽教会のシスターであり聖女のような女性と慕われているアイラ・ソレイユの励ましに人々は癒されたとの声も同時にあった。


「ふうー‥ようやくお家に着いた!」

「おかえりなさいませ、アメリー様。旦那様もアメリー様のご活躍に鼻が高いと喜んでおりましたよ」

「セバスチャン!ただいま!」

沢山頭を使ったようなそうでもないような‥でもこれで少しはみんな認めてくれたかな?
太陽教会は沢山の人々達との接点があるから、一番効率よく自分達の存在をアピールするには太陽教会の人達と仲良くするのが早いもんね。

「ご褒美に人参のスティックと甘い人参のお茶をご用意しました」

「ががーん!」

セバスチャン!そこはプリンじゃなかったのね!?その笑顔やめてー。でもせっかく用意してくれたから‥‥我慢して渋々と私は全部食べた。せめてシフォンケーキとかにして欲しかったけど、セバスチャンは素材そのものを味わって欲しいと話していた。



次の日シリウス伯父様が嬉しい知らせを教えてくれた。

「アメリー、いい知らせだ。もう少しでソフィアが帰ってくるらしい。新人騎士としての最終試験も合格したとのことだ」

「本当?‥ソフィア姉様が!?」

三年ぶりくらいかな!?嬉しい!ずっとソフィア姉様は寮生活でなかなか会えなかったし!少し身長伸びた私を見てビックリするかもね!


「それと来週王家主催のパーティーが開かれる。アメリーも少し顔を出そうか」

どうやら干ばつ問題を解決したことや、他の協力した方達を招待して大々的に開かれるパーティーだ!

ルチータ王子も、もちろんいるよね!

「一緒に踊れるかなあ‥‥」

ルチータ王子には、まだ正式な婚約者がいない。普通は小さい頃から決められてもいいのにルチータ王子は公務で忙しいと色々と断ってる。

シリウス伯父様は新しいドレスを新調しようとしていたけど、今から新しいドレスを作っても時間はないし、何よりも‥‥

「お金がかかるもの!ということで、アデライト姉様のドレスを拝見!!!」

ほぼ開かずの間のような部屋だったアデライト姉様が大事にしていた宝石は売ったりしたけど、まだ少し残っている。ドレスは幼少期からのもあるし。

「少しデザイン変えれば古さは無くなるかな?」

そう私が用意しようとした時、シリウス伯父様は眉間にシワを寄せて

「セバスチャン!全財産使ってでもアメリーに良いドレスを!!」

「かしこまりました。旦那様」

「んー。でもお金‥‥」

そう私がシリウス伯父様に言うと、シリウス伯父様は私の頭を撫でて微笑む。

「君はたまに一人でなんでもやろうとするのは良くないことだよ。まだ子供なんだ。甘えたいときは甘えなさい」

そうシリウス伯父様は私に素敵なドレスを用意してくれるようになったけど‥‥アデライト姉様の沢山のドレスをぐちゃぐちゃにしちゃった!ハサミもいれちゃったし!

「アデライト姉様のドレス‥‥‥ごめんなさい。いつかあやまろう」


パーティー当日沢山の人達が国王陛下達とルチータ王子に挨拶をしていた。

ルチータ王子の隣にいるアルフレッドはいつも無表情なのに、今は爽やかな笑顔で挨拶をするものだから一部の令嬢達は頬を赤らめていた。

「我が弟よ。顔に出すぎだ。そんなにソフィア嬢が帰ってくるのが嬉しいのかい?」

「当たり前だ。ほら、俺のことはいいから」

やれやれと笑いながら溜息をするルチータの前に、太陽教会神父二人とシスターであるアイラ・ソレイユ、数人が挨拶をしにやってきた。

白と淡い青色のリボンのドレスと薄い白のベール姿にアイラは聖女のようだと、みんな釘付けだった。

「国王陛下及び王妃様にご挨拶を。アイラ・ソレイユでございます」

「君は太陽教会の!そうか、ご苦労だった。君の噂は皆から聞いてる」

国王陛下達はアイラを褒めていたがルチータは周りを見渡して、アルフレッドに質問をしていた。

「小さなレディはまだみたいだね。やはり夜のパーティーはまだ早かっただろうね」

「‥‥お前はアメリーを好いてるのか?。あの子は本気だぞ」

「まさか。面白い子だとは思ってるけどね。私は変態王子になりたくないさ。それに、よくある小さな時の淡い憧れだろう」


そう話していると、ザワザワと人が会場の入り口の方へ集中して見ていた。マカロン家の代理人であるシリウスとシリウスの隣にはピンク色のドレスを着ていたアメリーが現れた。



うん。みんな悪名高いマカロン家と見る者、今回の功績で興味を示してくれる貴族の人達もいる。ここは堂々としていた方がよいよね!シリウス伯父様と一緒に国王陛下達に挨拶をすると、ルチータ王子と目が合った。

ドレス褒めてくれるかな?

なんでアル兄様は私を見て頑張れ!って目をしているのだろう?緊張してると思われたかな?

広いホールから音楽が流れると、ルチータ王子はあの可愛いらしいシスターのアイラさんと踊り始めた。そんな二人の姿に、みんなお似合いだと言っていた。

「アメリー!」

「あ、ルーカス君」

ルーカス君もこのパーティーに呼ばれて参加してたみたいだね。そうルーカス君と話しをしていても、ルチータ王子とアイラさんが綺麗に踊ってる姿を見て思った。

このプニプニした頬っぺたより、シュッとした顔になりたいし、手足は短い!だから、沢山人参食べないといけないね!!

「あ、あのさ。お、俺達も踊ろうぜ!!っていない!どこだよ!?」

ルーカスはそうウロチョロとアメリーを探してると父親に見つかり捕まっていた。

ある程度有力な貴族の人達にも挨拶をして、顔を売ったから問題なし!ただ、大好きなプリンも置いてないし、眠くて疲れちゃったかも。

私は少しだけテラスの方へと出て空を見上げた。ジェイコブ兄様や、アデライト姉様、ソフィア姉様達も同じ星を見てるかな?

「‥‥‥はやくソフィア姉様に会いたいなあ」

「小さなレディ。君もソフィア嬢が恋しいんだね」

くるっと振り向くとルチータ王子だった。

「ルチータ王子!」

「あまり一人で出歩かない方がいい。城が安全という保証はないのだからね」

そうニッコリ話すルチータ王子に私はコクンと頷いた。ルチータ王子は私に甘いプリンを渡してくれた。

「プリンだ」

「好きだろう?ご褒美だよ」

私はニッコリ笑って、テラスにある椅子に座りプリンを食べた。

「やきもちを妬いて、拗ねてるわけじゃないんだね」

「んー。やきもちなんて妬く理由ないもの。あのアイラさんは、アデライト姉様と同じ人種だもん」

そう私が話すとルチータ王子は笑っていた。
あの太陽教会で会った時から、違和感を感じていた。一人だけ異様に冷静で、更に器用に涙を流し、優しい人を演じる人。アデライト姉様並みだなあと思ってた。

「なるほどね」

「うん。アデライト姉様のほうが悪いこだけどね」


ルチータ王子は私の前に座り、プリンを食べたいのかずっと見てきた。

手足が長いルチータ王子を見て、まだ手足短い自分と比べる。

やっぱりまだ人参を沢山食べないといけないんだなあとしみじみ思った。


早く大人になりたいよ!




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