寝取られ令嬢は氷の貴公子様に愛されております?!

くま

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ビンタ

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シンと静かになる食堂で、マリアは俯くばかり。そんなマリアを、宥めている取り巻き達に、女子学生達は深い溜め息を出し、取り巻き達に告げる。

「ギル様も婚約破棄なのであれは、私達も貴方達とは婚約無しよ」

「私も」

「私達を馬鹿にしすぎよ!家同士の婚約をなんだと思ってるのかしら」

マリアの取り巻き男性達は青ざめて、去っていく婚約者達を追っていく。マリアはポツンと一人になり、ギル様ではなく少し離れた私の方を見て睨む。

「エマ、たぶらかしたのね?」

「はい???マリア‥貴女なにいってーー」

「婚約者がいながら、私の婚約者をたぶらかしたのねと言ってるの!!」

人の事を言える立場じゃないような‥‥というよりも、ジョアンナがマリアの首を締め出す勢いだわ!レイモンドは冷静‥‥じゃなかった。

マリアを私に向かわせないようにギル様は、マリアの腕を掴む。

「マ、マリア嬢!オラに怒るのはいーけどよ、エマ様は違う!」

「なんでいつもエマばかり!!幸せになるの!?」

ギル様は私達を見て【逃げて】という目で合図をしてくれたので、私達はその場から立ち去る。

「私、エマの事ゆるさないんだからぁあぁ!!」

昔は、それなりに仲良くやっていたのに‥‥いつからマリアは曲がってしまったのだろうか。

「エマ嬢、今日は早く帰りましょう」

「レイモンド‥‥そうね。そうするわ」

そう心配をするレイモンドに、確かにまたマリアが突っかかってくるだろうし‥‥こんな終わり方というか、別れ方で良かったのか、また少し不安がよぎる。

ジョアンナが用意してくれた、お別れ会がやってきた。

「エマ様、お元気での。時々お手紙をだしますわ」

「エマ嬢がいなくなったら、ジョアンナ嬢と僕達だけで生徒会をやらなければならないのが、はあー寂しいというより、先が不安だよ」

生徒会の人達や、親しかった友人達が次々と挨拶にやってくる。隣りにいるレイモンドは‥‥相変わらず無表情だけど‥‥

「エマ嬢、飲み物をもってきますか」

優しく微笑む姿を皆拝見すると、次々と鼻血が出てる令嬢達だった。


「レイモンド様!エマ嬢!」

何故か慌ててやってきたギル様に私達は首を傾げる。

「ギル様どうしたんです?そんなに慌てて」

「ま、マリア嬢がーー」

「マリアがどうしたの?」

ギル様は青ざめた顔で、話そうとしたときーー

ガシャん!と何かが割れる音がする。

メイド服姿のマリアだった。
マリアはナイフを持ってフラフラと私の元へ走ってくる。

「全部!全部エマのせいなんだからね!!」

そう泣いて叫び、護衛の者達がすぐに取り押さえる。

「離して!エマは痛いめにならないと、わからないのよ!なんで私ばかり!」

‥‥カチンときた。

なんで私ばかり?

それは私の台詞だ。また、色々と台無しにやってきて‥‥。

「エマ嬢?」

私は無言でマリアの元へ行き、思いっきり

パァン!!!と頬を思いっきり、叩いた。

パァン!と両頬を。






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