寝取られ令嬢は氷の貴公子様に愛されております?!

くま

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強くなりたいらしい

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「あ、あの‥‥ありがとうございます」

そう小さな声で、ギル様はレイモンドにお礼を言っていた。レイモンドは

「自分は特に何もしていません」

そう冷たく言い放っていたけれど、女の勘だわ!まさか、ギル様はレイモンドにホの字!?マリアだけではなく、まさかの婚約者までも!?しかも男!

私はすかさず、レイモンドを守るよう前に出ると、ギル様はハッ!としてから、首を横に振る。

「え、エマ様!ちがいますっ、あの、そういう目で見てたんじゃねぇですっ!」

「レイモンドに惚れてるのではなくて?」

「‥‥あ、憧れで!勉強もできて、強くて‥‥。ずっと学園に通ってなかったんですけど、マリア嬢と婚約してから、通えって親に言われで‥‥あの‥エマ様すいません」

何度も何度も謝るギル様。話を聞くと、マリアはギル様を完全に無視をしているらしい。

「‥‥マリアがすいません‥嫌な思いをさせてしまい」

「い、いんや、オラみたいな田舎にはマリア嬢は嫌に決まってますから、、」

近くで聞いていたジョアンナはギル様に質問をする。

「あなた、悔しくありませんの?馬鹿女に、馬鹿にされて」

「‥‥で、でも、レイモンド様のような強さもないですし、オラ、見た目が悪くて‥‥」

自分に自信がないギル様は、ヘラヘラと笑っている。レイモンドは心底どうでも良いという顔をしているのが、ものすごーく、伝わっているわ。

ギル様はキッと何かを一大決心をしたかのように、レイモンドの方を見てお願いをする。

「レイモンド様!無理は承知ですけど、オ、オラを鍛えてもらえねーですか!?マリア嬢を見返したぐて!!」

うるうると、涙目になりながら必死にすがるギル様にレイモンドが困っていると、マルコ王子がやってきた。

「レイモンド!ここにいたのかい?やあ、なんだい、この男がレイモンドに土下座して泣いてる光景、、レイモンド、君は‥‥そういう趣味が?」

「違います」

マルコ王子に説明をすると、マルコ王子は私達に解決案があると言い出す。

「ギル、君にはもっと適任者がいるよ。レイモンドよりもつよ~い人さ!ただ、レイモンドもエマ嬢も、そしてその強い人は二週間後にはステラ国へ行かなければならないから、短期だがよいかい?」

「いいのですか!?」

「「「‥‥‥」」」

マルコ王子、それは‥‥まさか‥‥さすがに‥


「マルコ王子、姉上が教えるとなると死にますよ。彼」

「‥‥いやあー、彼さ、騎士に向いてそうなんだけどねえ」

「根拠は?」

「直感さ!」

レイモンド、エマ、ジョアンナは、マルコ王子の発言に呆れていた。子犬が虎の巣穴へ投げこまれるのだから‥。


因みに剣術稽古時間、やっぱりレイモンドが圧勝だった。

「やっぱりレイモンド様はかっこいいわ!」

そうレイモンドに頬を染めて応援していたマリアを見かける。いや、自分の婚約者を応援してあげたらいいのに‥‥。





「クシュン!寒くなってきたわ。誰かが私の噂でもしてるかしら?それにしてもお前達‥‥
弱いわ。もっと励みなさい」

「「ソフィア様あああ‥‥そんな無茶な!」」

「おだまり!」

ステラ国の騎士達はボロボロで半泣きになっていた。ペイリン王子が来ると、喜び泣いていた。

「ソフィア~お茶にしよぉ?あれ?どうしたの?」

「ふふ、騎士の方がどんな訓練をされているか、怪我をしていないか心配でして」

「そうなんだ!」


こうして地獄の特訓が終わるのだから。
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