寝取られ令嬢は氷の貴公子様に愛されております?!

くま

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冷たい空気

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「マ、マリア嬢‥‥!ま、まってけれ」

少しふくよかな体型の男子学生が、やってきた。マリアはその学生を見ると嫌な顔をする。

男子学生はレイモンドを見ると萎縮して、頭をペコリと下げてから、マリアに声をかける。

「マ、マリア嬢、あ、あの、レイモンド君は婚約者いるし‥‥あまりベタベタ‥」

「はあ、貴方みたいな人が私の婚約者だなんて!‥‥レイモンド様、またお会いしましょう」

「いえ、二度と会わないことを願ってます」

「ふふ、ツンツンな人ー!」

マリアとマリアの婚約者と名乗っていた男子学生はその場から立ち去ってしまった。

隣りにいたレイモンドは、冷たい空気を漂わせており、周りにいた者達はサーッと避けて歩いていた。

「すいません、エマ嬢」

「私は気にしてないわ、早く自分のクラスにいきましょう」

「いえ、送ります。制服があまりにも汚くなってしまいましたし、替えの制服があるので、あとで着替えてきます」

いや、そこまでバイ菌扱いするのも凄いわね。あからさまに不機嫌なレイモンドに、少し戸惑っているとレイモンドは、無言で私の頭を優しく撫でてくれて私達をクラスまで送った後、レイモンドはジョアンナに声をかける。

「ジョアンナ様、あとはよろしくお願いします」

「わかったわ」

いや、ジョアンナはいつから私の保護者的立場になったんだろう?二人は目と目で会話をし、コクンと頷いていた。

「ジョアンナ、なんだか頼もしいわね」

「そうかしら?」

私が教室へ入り机に座った瞬間、クラスメイト達からの質問の嵐がやってきた。

「エマ様!ほんとーに、レイモンド様と婚約したんですの!?」

「いつから!?そんな関係に!?」

「ルノーが捕まったって本当か!?!」

「ステラ国へ行くということかしら?!!」

バン!と机を叩いて睨むジョアンナに、皆黙って自分の席に戻る。確かに、頼もしい。


「ジョアンナ、ありがとう。ジョアンナも大変なのに」

「わたくしは大丈夫ですわ。とりあえずマリアには要注意ですわね!まだあの子に魅入られてる阿保な男もいますもの」

マリアは容姿は、確かに可愛らしいからね。それ故に、婚約者がいようがいまいが、寄ってくる人達がいるとのこと。それで、女子からの嫌がらせ(主に注意)があるとマリアは騒いでいたみたい。

「ちなみに、朝会った男子学生がマリアの婚約者?」

「みたいですわね。確か、男爵家のギル様だったかしら?交流はないからどんな方か、わからないわ。エマももう向こうの家とは関係ないのですから、とりあえず今日、全学年の男子学生対象、剣術の稽古を見に行きましょう!レイモンド様を応援しに。ふふ」


「あれ?マルコ王子は?」

「あら、、、忘れてましたわ。はあ、レイモンド様が倒してくれるかしら」

婚約者にも毒舌なジョアンナに、私は少し笑ってしまった。




























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