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幼馴染と一夜限りの人
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屋敷から、白と薄い青い色のグラデーションのドレスはレイモンドから送られてきた。
「飾りもあるわ」
黒の真珠の耳飾りとシンプルなネックレスね。
そしてもう片方は‥‥金色のドレスが送られてきた。ルノーからだった。
私はルノーから送られてきたドレスをジッと見つめてから、そばにいたメイドに声をかける。
「金色のドレスは返却してちょうだい」
そうドレスを試着をしようとした時だ。
別のメイドがやってきた。
「エマお嬢様、当主様がお呼びです」
帰ってきて早々、呼びだしみたいね。ハアと溜息を出した後、私はすぐにお父様の書斎へと向かう。
部屋へ入ると、久しぶりに会うお父様は相変わらず私と同じ青い色の髪に、吊り目な中年男性‥‥また白髪が増えたみたいね。
「お父様」
「エマか‥‥婚約破棄の経緯を聞いた。‥‥はあ。ルノー君は将来、有望な男だ。マリアも反省をしているし、もう少し目を瞑ってもいいのではないか?」
「あら、ならばお父様はお母様が浮気をしていても許すのですね!なんて寛大なこと」
「人をからかうな!亡くなった母親を出してくるな!」
「からかってるのは、お父様でしょう。マリアの意見ばかり聞いて呆れます。とにかく私は、もうルノーとは関係もありませんわ。それと学園卒業後、私は家を出ます」
「は!?何を言ってる!家を継ぐのはーー」
マリアがやればいいと私は思ってる。もう私は誰かの為に、動くのは嫌だもの。
私はキッと、父を睨んで書斎を出る。
「‥‥顔を合わせればマリア、マリアって‥‥早く卒業したいわ」
卒業をしたら、教員の資格を取り歴史の先生になるのも良いかもしれないわね。少しずつ貯めていた資金もあるしね。
次の日ーー
学園のお昼休みがやってきた。
以前は、ランチBOXを持ち、ルノーと食べていたけれど‥‥
友人であるジョアンナは、生徒会の仕事がまだあるらしくランチは一緒に出来ないみたいだったので、仕方なく一人で行く事にした。
沢山の学生がいる中、私はランチを頼み、外にあるテラスへと足を運びそこで食べようと決め座る。
「今更だけど、前世である日本の学食とは違くフレンチ料理を、お昼からって‥‥。普通にカレーやトンカツが恋しいわ」
とはいえ、牛肉が美味しい!たまには学食で食べるのもいいわね!
そう食べていた時だ。
「エマ嬢がここで食べているのは珍しいですね」
「レイモンド」
たまたま通りかかったのか、レイモンドがやってきた。周りの女子学生からの視線が痛い。
「レイモンドも昼食?」
「食べませんよ。たまたまマルコ王子がここに貴女がいると聞いて。この前の集計した資料だけ渡そうかと」
「まって。資料はいいわ。いや、食べないとダメよ?」
本当に食に興味がないというか、無関心というか‥‥毎日コーヒーって‥。私はすかさずレイモンドに椅子に座らせて、ランチをもうひとつ頼む。
「お節介かもしれないけれど、美味しいわよ」
「‥ありがとうございます」
レイモンドは黙って食べる。‥‥氷の貴公子がめったに現れないのか、一気にレイモンドが食べている姿をみた女子学生達は、頬赤らめながら、ガッツポーズをしていたものもいた。やっぱり、モテるのね。
「確かに美味しいですね」
「ふふ、そうでしょう。私も久しぶりに食べて良かったもの」
「‥いえ、エマ嬢と一緒に食べれる事がより美味しくなるかと」
「‥え、あ、ありがと。お肉、すきなのね」
「好きかどうかはわかりませんが、今は‥美味しいです」
そう彼が微笑んだ瞬間、周りにいた女子学生達は固まっていた。黄色い歓声をあげるのかと思いきや、氷のように固まっていた。
そうレイモンドと話していた時、いつのまにかルノーがやってきて、私の隣りに座りだす。
「‥っ、ルノー」
ルノーはレイモンドを睨むが、レイモンドは眼中にないのか、お肉を堪能していた。リスみたいに頬張ってるわね。
ルノーは私が食べていたランチのお皿から、トマトを取り出す。
「エマは昔から、トマトが嫌いだったろう?俺が食べるよ」
ニッコリと私に微笑む姿が‥‥なんできたのよ。また周りになんて言われるか‥‥。
「氷の貴公子さんは暇みたいだな?人の女を口説く時間があるんだから。俺は昔からエマの好きなものや、嫌いなものも知っているんだ」
「その割には悲しませてるように、みえますが」
そうレイモンドが言うと、周りの学生達がクスッと笑っていた。
「小さい頃のエマを知らないくせに」
「‥‥いや、自分は神でもないので知らないのは当然かと」
「エマは、無口なやつとか苦手なんだよ」
私はプチッとキレた。
「ルノー!いいかげんにして!なんなのさっきから!」
「エマが、俺が送ったドレスを返すからだろう!?パートナーは昔から俺だろ!?まさか一人でいくのか!?」
そうルノーが私の腕を強く握ると、騒いでるルノーの顔の横に、ビュン!とフォークが当たりそうになった。
「‥‥なっ!!?お前、俺に喧嘩を売ってるのか?」
「いえ、エマ嬢の近くに虫がいたもので追い払ったほうがいいと判断したもので」
「‥‥っ、虫、だと!?」
レイモンドの表情も、サアと冷たい顔にり、レイモンドとルノーはお互い睨んでいた。
‥‥ご飯がまったく進まないわ!
「飾りもあるわ」
黒の真珠の耳飾りとシンプルなネックレスね。
そしてもう片方は‥‥金色のドレスが送られてきた。ルノーからだった。
私はルノーから送られてきたドレスをジッと見つめてから、そばにいたメイドに声をかける。
「金色のドレスは返却してちょうだい」
そうドレスを試着をしようとした時だ。
別のメイドがやってきた。
「エマお嬢様、当主様がお呼びです」
帰ってきて早々、呼びだしみたいね。ハアと溜息を出した後、私はすぐにお父様の書斎へと向かう。
部屋へ入ると、久しぶりに会うお父様は相変わらず私と同じ青い色の髪に、吊り目な中年男性‥‥また白髪が増えたみたいね。
「お父様」
「エマか‥‥婚約破棄の経緯を聞いた。‥‥はあ。ルノー君は将来、有望な男だ。マリアも反省をしているし、もう少し目を瞑ってもいいのではないか?」
「あら、ならばお父様はお母様が浮気をしていても許すのですね!なんて寛大なこと」
「人をからかうな!亡くなった母親を出してくるな!」
「からかってるのは、お父様でしょう。マリアの意見ばかり聞いて呆れます。とにかく私は、もうルノーとは関係もありませんわ。それと学園卒業後、私は家を出ます」
「は!?何を言ってる!家を継ぐのはーー」
マリアがやればいいと私は思ってる。もう私は誰かの為に、動くのは嫌だもの。
私はキッと、父を睨んで書斎を出る。
「‥‥顔を合わせればマリア、マリアって‥‥早く卒業したいわ」
卒業をしたら、教員の資格を取り歴史の先生になるのも良いかもしれないわね。少しずつ貯めていた資金もあるしね。
次の日ーー
学園のお昼休みがやってきた。
以前は、ランチBOXを持ち、ルノーと食べていたけれど‥‥
友人であるジョアンナは、生徒会の仕事がまだあるらしくランチは一緒に出来ないみたいだったので、仕方なく一人で行く事にした。
沢山の学生がいる中、私はランチを頼み、外にあるテラスへと足を運びそこで食べようと決め座る。
「今更だけど、前世である日本の学食とは違くフレンチ料理を、お昼からって‥‥。普通にカレーやトンカツが恋しいわ」
とはいえ、牛肉が美味しい!たまには学食で食べるのもいいわね!
そう食べていた時だ。
「エマ嬢がここで食べているのは珍しいですね」
「レイモンド」
たまたま通りかかったのか、レイモンドがやってきた。周りの女子学生からの視線が痛い。
「レイモンドも昼食?」
「食べませんよ。たまたまマルコ王子がここに貴女がいると聞いて。この前の集計した資料だけ渡そうかと」
「まって。資料はいいわ。いや、食べないとダメよ?」
本当に食に興味がないというか、無関心というか‥‥毎日コーヒーって‥。私はすかさずレイモンドに椅子に座らせて、ランチをもうひとつ頼む。
「お節介かもしれないけれど、美味しいわよ」
「‥ありがとうございます」
レイモンドは黙って食べる。‥‥氷の貴公子がめったに現れないのか、一気にレイモンドが食べている姿をみた女子学生達は、頬赤らめながら、ガッツポーズをしていたものもいた。やっぱり、モテるのね。
「確かに美味しいですね」
「ふふ、そうでしょう。私も久しぶりに食べて良かったもの」
「‥いえ、エマ嬢と一緒に食べれる事がより美味しくなるかと」
「‥え、あ、ありがと。お肉、すきなのね」
「好きかどうかはわかりませんが、今は‥美味しいです」
そう彼が微笑んだ瞬間、周りにいた女子学生達は固まっていた。黄色い歓声をあげるのかと思いきや、氷のように固まっていた。
そうレイモンドと話していた時、いつのまにかルノーがやってきて、私の隣りに座りだす。
「‥っ、ルノー」
ルノーはレイモンドを睨むが、レイモンドは眼中にないのか、お肉を堪能していた。リスみたいに頬張ってるわね。
ルノーは私が食べていたランチのお皿から、トマトを取り出す。
「エマは昔から、トマトが嫌いだったろう?俺が食べるよ」
ニッコリと私に微笑む姿が‥‥なんできたのよ。また周りになんて言われるか‥‥。
「氷の貴公子さんは暇みたいだな?人の女を口説く時間があるんだから。俺は昔からエマの好きなものや、嫌いなものも知っているんだ」
「その割には悲しませてるように、みえますが」
そうレイモンドが言うと、周りの学生達がクスッと笑っていた。
「小さい頃のエマを知らないくせに」
「‥‥いや、自分は神でもないので知らないのは当然かと」
「エマは、無口なやつとか苦手なんだよ」
私はプチッとキレた。
「ルノー!いいかげんにして!なんなのさっきから!」
「エマが、俺が送ったドレスを返すからだろう!?パートナーは昔から俺だろ!?まさか一人でいくのか!?」
そうルノーが私の腕を強く握ると、騒いでるルノーの顔の横に、ビュン!とフォークが当たりそうになった。
「‥‥なっ!!?お前、俺に喧嘩を売ってるのか?」
「いえ、エマ嬢の近くに虫がいたもので追い払ったほうがいいと判断したもので」
「‥‥っ、虫、だと!?」
レイモンドの表情も、サアと冷たい顔にり、レイモンドとルノーはお互い睨んでいた。
‥‥ご飯がまったく進まないわ!
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