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保健室にて
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「‥‥‥ん?」
目を覚ますと私は保健室で寝ていた。
どうやら、ユリアン様らしき人物と出会いそのまま気絶をしてしまったようね。
「目が覚めたみたいだね」
そう私に声をかけ睨んでいる女子生徒が隣りのベットにいた。
「ふん、貴女リリー様でしょ?!」
彼女は語り始めた。元々日本人で事故にあったとき、ルイ様や私がいたあの世界へ転生していたこと。
私が亡くなった後、義弟のリオンに殺されてしまい、気づいたら、何故かここ日本へ戻ってしまったことを私に説明してくる。
義弟のリオンが?リオンはそんな事するような子だったかしら‥?
でも、そう‥。あの子がシルベリア家を継ぐようになったのね。
成長してからあまり関わってなかったけどあの子ならしっかりと家を守ってくれるでしょうね。頼もしいわ。
「ねえ!リリー様!聞いてるの?私あんたのこと嫌いだから!」
「え?あぁ、はい。嫌われて結構ですわ。それと今の私はリリーではないわ、如月紫苑です」
ハハッと嫌笑みを浮かべるユリアン様。
いや、今はなんと呼べばいいのかしら。
「そういう澄ました顔するからルイ様にも飽きられるのよ。私はルイ様に愛されていたんだから!あんたがいなければ、私とルイ様は幸せだったのに!」
‥‥‥ズキンと突き刺さる言葉だわ。
保健室には次々とユリアン様を心配する友人が沢山お見舞いへやって来た。‥‥あぁ彼女はこの世界でも沢山の友人に囲まれた生活をしているのね。
「姫ー!大丈夫?」
「お、俺送ろうか?」
「え?なんで姫泣いてるの!?誰かに何かされた?」
彼女は涙目になりながらちらっと私を見る。
「誰かって…えと…」
‥何故私を見るのかしら??
「げっ、如月紫苑…なんでここに」
「あの子に何かされたわけ?」
「姫、可愛いから嫉妬してるんだよ」
周りにいる生徒達は私が何かしたと思っているのかヒソヒソと話こんでこちらを睨んでいるわ。
前世でもそうだけど、何故近くにいるのに直接話をかけてこないのが不思議な集団ね。
ガラッ!
真斗が息を切らして保健室に入ってきた。
その瞬間、ほかの生徒達は真斗に釘付けだった。
「え、もしかして真斗君、姫を心配したとか?」
キャーキャー騒ぎはじめていたが真斗は
「は?うるさい、邪魔。散れ」とほかの生徒を追い出した。
真斗は私の元へきて椅子にすわり
「‥倒れたと聞いた。大丈夫か」
「真斗、心配かけてごめんなさい。もう大丈夫よ」
ジッと私を見つめながら頭に手を置く。
「ん。まだ安静してろ」
ふふ、なんだかわたしが妹みたいね。
ユリアン様はポカンと口を開けているけど私何かおかしなことしたかしら?
廊下から、また何やら黄色い声が聞こえてきた。
ガラッ!!
青ざめたまま保健室へ入ってきた西園寺さんだわ。
「如月さん!さっき倒れたって聞いたんだけど大丈夫?」
「あら、西園寺さん」
西園寺さんも心配で見にきてくれたみたい。有難いわね。
ガラガラ!!
そして、次は沢山の苺やお菓子をもって入ってきた鬼頭さん。
「紫苑ちゃん!倒れたって聞いたからイチゴを買ってきたよ!」
いや、何処で買ってきたのかしら。明らかに学校を抜け出したわよね?
「はい、あーん」
鬼頭さんは私の口にイチゴを入れてきた。
「んぐっ」
食べさせられるのはなんだか恥ずかしいけれど、このイチゴ美味しいわね。
「紫苑ちゃん、幸せそうに食べてるねえ。リスみたいで可愛い」
何故鬼頭さんは私の頰を撫でてくるのかしら。
「おい、鬼頭。いいかげんにしろ」
「如月さん、イチゴはまたあとでにしようか。僕がまた別なイチゴやフルーツを買ってくるよ」
三人はなんだか言い争いをはじめてるわ。
ガラガラ
「紫苑ー!」
「紫苑ちゃん!大丈夫!?」
由美と文香だわ!友人が心配しにきてくれて嬉しくて二人のほうへ駆け寄り私は抱きついた。
由美は何故か勝ち誇った顔しながら、西園寺さん鬼頭さん真斗に向かって話す。
「ま、こーゆことよね!」
高笑いする由美に男性三人はポカンとしていた。
保健室にいたユリアン様、いや元ユリアン様は私を睨む。
「そーゆポジションは私の筈だったのにっ!」
そう呟いて保健室から出ていった。
私はユリアン様が出ていった方向を見つめていた。
文香は首を傾げる。
「紫苑ちゃん、姫澤さんと知り合い?」
「姫澤・・?」
「姫澤えりか、今一年生としてやり直してる子だよ。確か真斗君と同じクラスじゃなかったっけ」
「同い年で去年男女人気で西園寺君の女子バージョンって感じだったよねえーでも私あの子少し苦手だわ」
「もう放課後だ。おい、馬鹿女帰るぞ」
真斗は私の手を引っ張り帰ろうとすると西園寺さんは私の腕を引っ張りだし
「僕も途中まで一緒に」
「あ、なら俺も」
三人はまた火花を散らしているけど、意味がわからないわ。
そのあとクラスの子達も私の様子を見に来てくれて
帰りは何故か校門まで集団下校で賑やかだったわね。
その日の帰り
「如月紫苑は自分のクラスや王子達を従わせて帰っていた」
と噂はあっというまに広まった。
目を覚ますと私は保健室で寝ていた。
どうやら、ユリアン様らしき人物と出会いそのまま気絶をしてしまったようね。
「目が覚めたみたいだね」
そう私に声をかけ睨んでいる女子生徒が隣りのベットにいた。
「ふん、貴女リリー様でしょ?!」
彼女は語り始めた。元々日本人で事故にあったとき、ルイ様や私がいたあの世界へ転生していたこと。
私が亡くなった後、義弟のリオンに殺されてしまい、気づいたら、何故かここ日本へ戻ってしまったことを私に説明してくる。
義弟のリオンが?リオンはそんな事するような子だったかしら‥?
でも、そう‥。あの子がシルベリア家を継ぐようになったのね。
成長してからあまり関わってなかったけどあの子ならしっかりと家を守ってくれるでしょうね。頼もしいわ。
「ねえ!リリー様!聞いてるの?私あんたのこと嫌いだから!」
「え?あぁ、はい。嫌われて結構ですわ。それと今の私はリリーではないわ、如月紫苑です」
ハハッと嫌笑みを浮かべるユリアン様。
いや、今はなんと呼べばいいのかしら。
「そういう澄ました顔するからルイ様にも飽きられるのよ。私はルイ様に愛されていたんだから!あんたがいなければ、私とルイ様は幸せだったのに!」
‥‥‥ズキンと突き刺さる言葉だわ。
保健室には次々とユリアン様を心配する友人が沢山お見舞いへやって来た。‥‥あぁ彼女はこの世界でも沢山の友人に囲まれた生活をしているのね。
「姫ー!大丈夫?」
「お、俺送ろうか?」
「え?なんで姫泣いてるの!?誰かに何かされた?」
彼女は涙目になりながらちらっと私を見る。
「誰かって…えと…」
‥何故私を見るのかしら??
「げっ、如月紫苑…なんでここに」
「あの子に何かされたわけ?」
「姫、可愛いから嫉妬してるんだよ」
周りにいる生徒達は私が何かしたと思っているのかヒソヒソと話こんでこちらを睨んでいるわ。
前世でもそうだけど、何故近くにいるのに直接話をかけてこないのが不思議な集団ね。
ガラッ!
真斗が息を切らして保健室に入ってきた。
その瞬間、ほかの生徒達は真斗に釘付けだった。
「え、もしかして真斗君、姫を心配したとか?」
キャーキャー騒ぎはじめていたが真斗は
「は?うるさい、邪魔。散れ」とほかの生徒を追い出した。
真斗は私の元へきて椅子にすわり
「‥倒れたと聞いた。大丈夫か」
「真斗、心配かけてごめんなさい。もう大丈夫よ」
ジッと私を見つめながら頭に手を置く。
「ん。まだ安静してろ」
ふふ、なんだかわたしが妹みたいね。
ユリアン様はポカンと口を開けているけど私何かおかしなことしたかしら?
廊下から、また何やら黄色い声が聞こえてきた。
ガラッ!!
青ざめたまま保健室へ入ってきた西園寺さんだわ。
「如月さん!さっき倒れたって聞いたんだけど大丈夫?」
「あら、西園寺さん」
西園寺さんも心配で見にきてくれたみたい。有難いわね。
ガラガラ!!
そして、次は沢山の苺やお菓子をもって入ってきた鬼頭さん。
「紫苑ちゃん!倒れたって聞いたからイチゴを買ってきたよ!」
いや、何処で買ってきたのかしら。明らかに学校を抜け出したわよね?
「はい、あーん」
鬼頭さんは私の口にイチゴを入れてきた。
「んぐっ」
食べさせられるのはなんだか恥ずかしいけれど、このイチゴ美味しいわね。
「紫苑ちゃん、幸せそうに食べてるねえ。リスみたいで可愛い」
何故鬼頭さんは私の頰を撫でてくるのかしら。
「おい、鬼頭。いいかげんにしろ」
「如月さん、イチゴはまたあとでにしようか。僕がまた別なイチゴやフルーツを買ってくるよ」
三人はなんだか言い争いをはじめてるわ。
ガラガラ
「紫苑ー!」
「紫苑ちゃん!大丈夫!?」
由美と文香だわ!友人が心配しにきてくれて嬉しくて二人のほうへ駆け寄り私は抱きついた。
由美は何故か勝ち誇った顔しながら、西園寺さん鬼頭さん真斗に向かって話す。
「ま、こーゆことよね!」
高笑いする由美に男性三人はポカンとしていた。
保健室にいたユリアン様、いや元ユリアン様は私を睨む。
「そーゆポジションは私の筈だったのにっ!」
そう呟いて保健室から出ていった。
私はユリアン様が出ていった方向を見つめていた。
文香は首を傾げる。
「紫苑ちゃん、姫澤さんと知り合い?」
「姫澤・・?」
「姫澤えりか、今一年生としてやり直してる子だよ。確か真斗君と同じクラスじゃなかったっけ」
「同い年で去年男女人気で西園寺君の女子バージョンって感じだったよねえーでも私あの子少し苦手だわ」
「もう放課後だ。おい、馬鹿女帰るぞ」
真斗は私の手を引っ張り帰ろうとすると西園寺さんは私の腕を引っ張りだし
「僕も途中まで一緒に」
「あ、なら俺も」
三人はまた火花を散らしているけど、意味がわからないわ。
そのあとクラスの子達も私の様子を見に来てくれて
帰りは何故か校門まで集団下校で賑やかだったわね。
その日の帰り
「如月紫苑は自分のクラスや王子達を従わせて帰っていた」
と噂はあっというまに広まった。
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