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元ユリアンの彼女※ユリアン視点

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「身体も弱く勉強もできず、愛想笑いもできやしない。産むんじゃなかった」

母にはいつもそんな事を言われ、あの人は他の男性と体の関係をもって遊んでいた。


「姫は可愛いよね!誰とも仲良くなれて!」

「顔可愛いーし!スタイルいーし!モデルなれるよ!」

「イヤミもなく、いい女って姫澤みたいなやつだよな!」

クラスの女子に言われるけど、そんなこと知ってるわよ?

あの母親に感謝すべきことは一つだけある。
こんなにも可愛い顔で産んでくれた事。

馬鹿な取り巻き。私といると男子が寄るから近寄ってくるのがみえみえ。男子も可愛い私と親しくすると自慢したいからなのがわかる。
学校では私が女王。絶対的存在だもの!

隣のクラスで王子と騒がれていた西園寺君に声をかけてみた。
彼は目が笑っていなくてなんだか怖いという感じだわ。‥‥そう、なんだか逆らってはいけない‥‥危険な人な気がする。

「君は空っぽなこだね」

そう言われて腹が立った。なんなのアイツ…。


学校から帰ると醜い小さな猫が母猫を探していた。

無駄無駄無駄。私はその小さな猫を川に捨てようとした。汚いからね。その時学校で嫌われ者の如月紫苑が私を小馬鹿にするように笑っていた。

「うっわ、弱いやつしか八つ当たりできないアンタさー。ブスだわ」

「はああ?!」

そう言って私が掴んでいた子猫を奪い去っていった。


‥‥親は私を見てくれない、親しい友人なんていない。
でもね、いつか本当に私を好きになってくれる人が現れる。
お金持ちでイケメンで優しくしてくれる人!!

そうフラフラ歩き考え事をしていたら目の前にトラックが走ってきた。


あ、これ。死ぬ。





そう思い目が覚め瞬間なぜか見知らぬ、ベットの上で寝ていた。

「ユリアンちゃん!おはよう!今日は貴女の好きなパンケーキよ」

別な世界で私は生まれ変わった。とても可愛らしい顔立ち。とても優しい母親と暮らしており、親にとても恵まれていた。



とても幸せだわ!私のためにこの世界があるのね!
そしてこの国の王子ルイ様に一目惚れをした。

どうしてもあの人が欲しい。

だから婚約者が邪魔だった。

自作自演の嫌がらせや泣き落とし、皆んなに同情を引くように仕向けた。最初はルイ様は彼女を庇っていたけど、優しい眼差しは私を見つめてくれるようになった。

この幸せはずっとこの人生が続くのね!
私が本物の女王様になるのね!



「シルベリア・リリー!今夜を持って婚約を破棄する!おまえは嫉妬に狂い、愛しのユリアンに酷い嫌がらせをしていると報告を受けた!悪役令嬢めが!」

ルイ様は私を選んでくれた。

婚約者リリーを追い詰めたわ。

殺したわ。

それなのに、あのリリーという女の「義弟」だけは私を疑っていた。

「君の悪業は全て殿下に報告済みだよ。殿下は相当馬鹿だとは思うけど、君は醜く腐ってるようだから土に還してやるよ。でも楽に死ぬとは思うな。‥‥お仕置きは必要だね」

毎晩毎晩何度も彼は私に苦痛を与えた。

笑顔で私に話しかけ、そして急に目の前が真っ暗になった。


私は殺された。最悪よ。


目が覚めたら日本だった。
病院のベットで私は寝ていた。頭は混乱した。あれ?今までの出来事は夢だったの?


学校へ戻ると、私は一年生からやり直し。
学校には王子様と呼ばれる人はいるけど、ルイ様のほう素敵。

周りのみんなは私を姫と讃えるけど、あの世界にもう一度戻りたい。

体の体調が悪くフラフラと倒れてしまい、他の生徒が心配をしてくれて声をかけてくれた。

その中に、いたの。

リリーが。


なんで?

わかるわよ。

見た目違えど、中見は私から幸せを奪ったあの令嬢リリーだわ。いつも凛としていて、自分は悪くないみたいな感じが嫌い。

勉強できて自慢しない、当たり前よ、というツンツンした態度が気に食わなかった。

ルイ様を一番わかっているのは私よという顔が出ていて腹が立った。


しかも、あの問題児の如月紫苑としてこの日本にいる。なら、本物の如月紫苑はどこ?
いや、そんなことよりも!

嫌い嫌い嫌い、一番貴女が嫌いよ!

私が殺したはずの女が目の前にいた。

あぁ、神様も酷い人。あの女はどうしていつも邪魔するの?

また貴女を孤立させてやるんだから‥‥。
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