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極妻は誉め言葉
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なんやかんやと真斗、西園寺さん、鬼頭さんと一緒に廊下を歩いていると学校で部活をしている生徒がいて、視線がいつもより倍痛いわね。やはり、真斗と西園寺さんは女子生徒から人気もあるようだし仕方ないわね。ふふ、弟が人気がある事は姉としては誇らしいわ。
「黒王子と白王子二人が並んで歩いてる…やばい、写メとろ」
「鬼頭千も一緒ってどういうこと?あまり学校来ないのに、あぁでもなんか危ない男って感じで、素敵なんだけど!」
廊下を歩くたびに周りの生徒は避けて道を作ってくれる。みんなは私を見ては青ざめて金魚のように口をパクパクしていた。
「そんな三人と一緒にいるのが…」
「如月紫苑よ」
「なんつーか雰囲気変わって、めちゃくちゃ可愛いよな」
元々嫌われ者である私がこんな目立つ三人と一緒にいるんだもの、真斗はいいとして、やっぱりみんな驚くわよね。
「貴方達といると、目立つみたいね」
モテる男性の側にいると女の嫉妬とかあるし。
「いやあー多分俺らより紫苑ちゃんが一番目立ってるよ」
さり気なく私の肩を触り寄ってくる鬼頭さん。
ムスッとした顔をしながら真斗は鬼頭に膝蹴りをしたが紫苑は気付かず部活案内書を見ていた。
「如月さんはどんな部活か考えてるのかな?」
「華道部に興味あります」
華道部の部活案内書を三人に見せて説明をしていたら鬼頭さんは私の肩を掴み前へと歩きだした。
「お!華道部か!いーね!紫苑ちゃん、着物似合う似合う。よし!いこう」
「なんでてめぇが…先頭きってんだ」
ブツブツ文句を言ってる真斗とただ黙って笑顔である西園寺さん。
私達は華道部へ見学しに行った。
華道部の部長は何故か顔が赤くなったり青くなったり、他の生徒も慌てて生けていたお花がかなり乱れていました。
「きっ!きききき如月さんが華道部見学!??
えあ!?西園寺君達までいる!え?へ?」
とまあ混乱中な部長の方は怯えながら私に着物とやらを着せてくれました。ドレスとは違い、この日本の文化とやらを味わえるキッカケになったわ。ピシッと背筋も伸びていいし、着物を何着か着ているのもいいわね。
「部長さんと他の生徒さん達」
「ふへ!はい!?!」
「え、私達なんか如月さん怒らせた!?!」
何故か涙目になる彼女達。ビクビク怯えながら私がなんだか虐めてるみたいね。
「いえ?ただ素敵な着物を着させてくれてありがとうございます。着付けとかわからないので助かりました」
笑顔でお礼を言ったら彼女達は青い顔から赤くなり彼女達はプルプル体を震えはじめ、え?泣くのかしら?そう思った瞬間彼女達は私を見つめる。
「かっ!可愛いんですけど!」
「その笑顔反則!」
「ねえ!如月さん普段肌とかどんなケアをしてるの!?たまごみたくツルツル!」
え?え?何故か急に囲まれたわ。私、何かしたかしら???さっきまで怯えられてたわよね??会話で何か盛り上がってもなかったわ。…この世界の学生との距離感がいまいちつかめない…。
でもまあ、特に気にしなくていいみたいだわ。
「あ!王子達に見せましょう!着物姿!」
「すっごく似合って可愛いし!」
彼女達に腕を引っ張られ隣の茶室でお茶とお菓子を食べてまっていた三人に着物姿を見せに部屋に入った。
「おい、もう着物は着替え終わっ…」
弟の真斗は途中、何も言わなくてなったわ。え?似合わなかったかしら?
「あの?真斗?似合わないかしら?初めて着物を着てみたのだけど」
「如月さんとても似合うし綺麗だよ」
華道部の女子生徒さん達は頰を赤らめて西園寺さんをみつめているわ。ふふ、サラっとそんな事を言える西園寺さんはたしかに王子と呼ばれてるだけあるかもしれないわね。
真斗は顔を隠しながらまたブツブツ言ってるわね。大丈夫かしら?
「紫苑ちゃんめちゃくちゃー着物似合うじゃん」
そう褒めながら私の腰に手を回す鬼頭さん。
「鬼頭さん、馴れ馴れしく近寄らないでちょうだい。そういうのは好きな相手にするものよ」
「え?だからそうしてるじゃん?ね?」
「ふふ、あら。目は本気でないですよ?」
そう私が告げると、図星なのか一瞬ピクと少し眉を寄せた鬼頭さんはまた笑顔で誤魔化した。
「…ふーん、くくっ、なるほどね!はは!やっぱり面白くなったね!紫苑ちゃん!いやあー、着物似合うし、なんだか《極妻》としていけるよ!ばっちり俺の組にいても問題なし!」
「さて鬼頭君、もうその辺でからかうのよしたら?極妻だなんて何言ってるんだか」
冷たい笑顔で注意をする西園寺さん。
「は?おい、鬼頭。何いいだしてんだよ」
静かに睨んでいる真斗。
男性三人はなんだか揉めているようだけど
そんなことより…
「ねえ、ごくつまって何かしら?」
周りはシーンと静かになった。質問してはいけなかったのかしら?
他の華道部の女子生徒さんに聞いてみたら、アワアワと慌てて三人の方へ向いて誰かが言葉を出すのを待っていた。
鬼頭さんは笑いながら話す。
「あー紫苑ちゃん!うん、なんかごめんごめん!
極妻っていうのはなんつーかなあ、極上な奥さんって事だよ!褒め言葉褒め言葉」
極上な奥様になれるというのは褒め言葉だったのね。
また私はこの日本の言葉を学んだわ。
結局華道部見学は終わり、次は運動部へ見学に行く事にした。
真斗は私にコッソリと耳打ちをした。
「おい、色々といいたいことはあるが、とりあえず今の言葉は忘れろ」
そう注意をされた。
「黒王子と白王子二人が並んで歩いてる…やばい、写メとろ」
「鬼頭千も一緒ってどういうこと?あまり学校来ないのに、あぁでもなんか危ない男って感じで、素敵なんだけど!」
廊下を歩くたびに周りの生徒は避けて道を作ってくれる。みんなは私を見ては青ざめて金魚のように口をパクパクしていた。
「そんな三人と一緒にいるのが…」
「如月紫苑よ」
「なんつーか雰囲気変わって、めちゃくちゃ可愛いよな」
元々嫌われ者である私がこんな目立つ三人と一緒にいるんだもの、真斗はいいとして、やっぱりみんな驚くわよね。
「貴方達といると、目立つみたいね」
モテる男性の側にいると女の嫉妬とかあるし。
「いやあー多分俺らより紫苑ちゃんが一番目立ってるよ」
さり気なく私の肩を触り寄ってくる鬼頭さん。
ムスッとした顔をしながら真斗は鬼頭に膝蹴りをしたが紫苑は気付かず部活案内書を見ていた。
「如月さんはどんな部活か考えてるのかな?」
「華道部に興味あります」
華道部の部活案内書を三人に見せて説明をしていたら鬼頭さんは私の肩を掴み前へと歩きだした。
「お!華道部か!いーね!紫苑ちゃん、着物似合う似合う。よし!いこう」
「なんでてめぇが…先頭きってんだ」
ブツブツ文句を言ってる真斗とただ黙って笑顔である西園寺さん。
私達は華道部へ見学しに行った。
華道部の部長は何故か顔が赤くなったり青くなったり、他の生徒も慌てて生けていたお花がかなり乱れていました。
「きっ!きききき如月さんが華道部見学!??
えあ!?西園寺君達までいる!え?へ?」
とまあ混乱中な部長の方は怯えながら私に着物とやらを着せてくれました。ドレスとは違い、この日本の文化とやらを味わえるキッカケになったわ。ピシッと背筋も伸びていいし、着物を何着か着ているのもいいわね。
「部長さんと他の生徒さん達」
「ふへ!はい!?!」
「え、私達なんか如月さん怒らせた!?!」
何故か涙目になる彼女達。ビクビク怯えながら私がなんだか虐めてるみたいね。
「いえ?ただ素敵な着物を着させてくれてありがとうございます。着付けとかわからないので助かりました」
笑顔でお礼を言ったら彼女達は青い顔から赤くなり彼女達はプルプル体を震えはじめ、え?泣くのかしら?そう思った瞬間彼女達は私を見つめる。
「かっ!可愛いんですけど!」
「その笑顔反則!」
「ねえ!如月さん普段肌とかどんなケアをしてるの!?たまごみたくツルツル!」
え?え?何故か急に囲まれたわ。私、何かしたかしら???さっきまで怯えられてたわよね??会話で何か盛り上がってもなかったわ。…この世界の学生との距離感がいまいちつかめない…。
でもまあ、特に気にしなくていいみたいだわ。
「あ!王子達に見せましょう!着物姿!」
「すっごく似合って可愛いし!」
彼女達に腕を引っ張られ隣の茶室でお茶とお菓子を食べてまっていた三人に着物姿を見せに部屋に入った。
「おい、もう着物は着替え終わっ…」
弟の真斗は途中、何も言わなくてなったわ。え?似合わなかったかしら?
「あの?真斗?似合わないかしら?初めて着物を着てみたのだけど」
「如月さんとても似合うし綺麗だよ」
華道部の女子生徒さん達は頰を赤らめて西園寺さんをみつめているわ。ふふ、サラっとそんな事を言える西園寺さんはたしかに王子と呼ばれてるだけあるかもしれないわね。
真斗は顔を隠しながらまたブツブツ言ってるわね。大丈夫かしら?
「紫苑ちゃんめちゃくちゃー着物似合うじゃん」
そう褒めながら私の腰に手を回す鬼頭さん。
「鬼頭さん、馴れ馴れしく近寄らないでちょうだい。そういうのは好きな相手にするものよ」
「え?だからそうしてるじゃん?ね?」
「ふふ、あら。目は本気でないですよ?」
そう私が告げると、図星なのか一瞬ピクと少し眉を寄せた鬼頭さんはまた笑顔で誤魔化した。
「…ふーん、くくっ、なるほどね!はは!やっぱり面白くなったね!紫苑ちゃん!いやあー、着物似合うし、なんだか《極妻》としていけるよ!ばっちり俺の組にいても問題なし!」
「さて鬼頭君、もうその辺でからかうのよしたら?極妻だなんて何言ってるんだか」
冷たい笑顔で注意をする西園寺さん。
「は?おい、鬼頭。何いいだしてんだよ」
静かに睨んでいる真斗。
男性三人はなんだか揉めているようだけど
そんなことより…
「ねえ、ごくつまって何かしら?」
周りはシーンと静かになった。質問してはいけなかったのかしら?
他の華道部の女子生徒さんに聞いてみたら、アワアワと慌てて三人の方へ向いて誰かが言葉を出すのを待っていた。
鬼頭さんは笑いながら話す。
「あー紫苑ちゃん!うん、なんかごめんごめん!
極妻っていうのはなんつーかなあ、極上な奥さんって事だよ!褒め言葉褒め言葉」
極上な奥様になれるというのは褒め言葉だったのね。
また私はこの日本の言葉を学んだわ。
結局華道部見学は終わり、次は運動部へ見学に行く事にした。
真斗は私にコッソリと耳打ちをした。
「おい、色々といいたいことはあるが、とりあえず今の言葉は忘れろ」
そう注意をされた。
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