3 / 29
我が家に着きました
しおりを挟む
如月紫苑17歳。日本という国に生まれ育ち、この国でもこの体の持ち主さんは、それなりの令嬢みたいだわ。なんでも病院やホテル経営をしている優秀な家の子らしい。それにしても…
「……髪が黒い…」
鏡を何度見ても慣れないわね。髪が黒く、鼻は低い。あまり美人ではないようだけど、健康的なら問題はないわね。あと、この病室にある奇妙な物は一体何かしら?薄い黒い板のものやら、私の腕にチクリと変な物を刺したり…ベッドが勝手に起き上がるという…ここは、絶対魔法使い達の住処だわ。逃げられないし…。
それに、あれから毎日、この紫苑という女の子の母はお花を持ってきてくれているし、父は仕事終わりに必ず会いにきてくれている。
……この紫苑ってこはとても、愛されていたのね。
以前の私の家、シルベリア家は冷え切っていたし、夫婦仲は冷めていて厳しく育てられていた。勉強できて当たり前、令嬢として当たり前。全てはシルベリア家の為に!でしたからね。…だから、なんだか恥ずかしいのよね、こんなにも無償で可愛がってくれるのって…。
「紫苑!これシフォンケーキだ!買ってきたぞ!一緒に食べようでないか」
「紫苑ちゃん!この服紫苑ちゃんに似合うと思って買ってきたの。有名ブランドの物よー!どうかしら?」
……この二人はかなり甘いですわね。
「あの……ありがとうございます。お父様、お母様」
そうお礼を言うと、何故か、二人は驚いた顔をしたと思ってたら急に泣き出した。
「わわわたしのことをお母様と!はじめて言ってくれたわ!」
「ぼぼぼ、僕のこと、パパと!」
「パパじゃないじゃない!お父様と呼んだのよ!あ、でも私はママと呼ばれても嬉しいわよう!」
どうやら如月紫苑さんの実の父親は、育児放棄をし本当の母は亡くなったらしい。母と父の友人だった如月家が私(紫苑)を引き取っていたわけね。なるほど…。とても良い方達だというのはすぐにわかるわ。
それにしても、どうもこの以前の紫苑さんは、この家族と上手くいってなかったのかしら?…人の事はとやかく言えないわね。
あれから一週間ほど、病院にお世話になり、退院した日父と母が迎えにきてくれた。
黒い箱が目の前に止まっている。
中に人がいるようだけど…奇妙な形で正直気味が悪いわ。
「……あの…これなんでしょうか…安全ですか?やはり馬車の方が…」
「え!まさか車も知らなくなったのかい?!」
お父様はかなりビックリしています。二人は大丈夫だと手を握ってくれて、私は勇気を出してそのクルマとやらに乗った。…私は周りの景色がかつて自分が住んでいた世界とは違うんだと改めて感じた。
いや、沢山の箱があるんですもの。あまり緑もないし、平民と貴族?とかの領域もなさそうね。高い箱もあるわ。ここは箱が好きなのかしら?
不思議だわ。本当に不思議ね…。
若い女の子は裸同然で町を歩いてる。
レディとしていかがなものかと疑っているけど楽しそうな表情をしている。それと、一人でブツブツ時計とか、また小さな薄い箱に向かって話してる……病んでるのかしら。
クルマが止まり、どうやら家に着いたようだ。
あら、懐かしい感じの建物ね、私が以前住んでいた屋敷に雰囲気は似ているわ。沢山白い花が咲いてあり、お庭が綺麗でとても広い。
「紫苑が帰ってきたぞーい!」
「「おかえりなさいませ、旦那様、奥様、紫苑様」
何故か私の顔を見てビクビクしている、執事とメイド達…。なんだかその格好は馴染みがあって、先程いた病院よりこちらの方が安心するわね。
「お、お嬢様…お荷物をお持ちします」
「あら、ありがとう」
ニコッと笑あ荷物を彼女に渡すと、周りのものはまた騒ぎはじめたり、赤くなったりしていた。
何故かしら??
「…わ…ほんとーに帰ってきたんだ」
あ、以前扉の前にいた男のこだわ。
「弟の真斗だよ。紫苑。やはり記憶は……ないかな?」
私がコクンと頷くと、屋敷の者達は驚いていた。お父様は私に義弟である真斗さんを紹介をする。
ぺこりとレディらしくお辞儀をするとまた周りはザワザワし始めていた。
「あの…私何かついているんですか?」
一体なんでしょうか?そんなに珍しいことでもしたかしら。
「し、紫苑ちゃん!と、とりあえずリビングにいきましょう」
母にリビングに案内されソファに座った。
「…そういえばサッカーの試合どうだったろ」
弟、真斗は何やらボタンを押したら、大きな箱から人が写っていた!写真??!いや、動いて話しているわ!まあ、なんて凄い!これは高度な魔法使い様しか扱えないんだわ!
「真斗さん、貴方…!!」
プルプル震えて見つめる私に真斗さんは睨んできた。
「……なに?また文句あるの?」
「すごいわ!貴方、魔法を使えるのね!写真の人を動かすなんて!」
どうやら私はかなり高度な魔法の国へ転生したようだわ。本の中だけの世界だと思っていたのに!素晴らしいわね!私も使えるのかしら?
キラキラした目で真斗を尊敬する紫苑に真斗は固まっていた。
「……やばい、こいつ厨二病だ。父さん、もう一度病院連れてったほういいぞ……」
そう紫苑以外は固まっていた事に、元リリー…いや、紫苑は気づかず、サッカーというものを見て興奮していた。
「……髪が黒い…」
鏡を何度見ても慣れないわね。髪が黒く、鼻は低い。あまり美人ではないようだけど、健康的なら問題はないわね。あと、この病室にある奇妙な物は一体何かしら?薄い黒い板のものやら、私の腕にチクリと変な物を刺したり…ベッドが勝手に起き上がるという…ここは、絶対魔法使い達の住処だわ。逃げられないし…。
それに、あれから毎日、この紫苑という女の子の母はお花を持ってきてくれているし、父は仕事終わりに必ず会いにきてくれている。
……この紫苑ってこはとても、愛されていたのね。
以前の私の家、シルベリア家は冷え切っていたし、夫婦仲は冷めていて厳しく育てられていた。勉強できて当たり前、令嬢として当たり前。全てはシルベリア家の為に!でしたからね。…だから、なんだか恥ずかしいのよね、こんなにも無償で可愛がってくれるのって…。
「紫苑!これシフォンケーキだ!買ってきたぞ!一緒に食べようでないか」
「紫苑ちゃん!この服紫苑ちゃんに似合うと思って買ってきたの。有名ブランドの物よー!どうかしら?」
……この二人はかなり甘いですわね。
「あの……ありがとうございます。お父様、お母様」
そうお礼を言うと、何故か、二人は驚いた顔をしたと思ってたら急に泣き出した。
「わわわたしのことをお母様と!はじめて言ってくれたわ!」
「ぼぼぼ、僕のこと、パパと!」
「パパじゃないじゃない!お父様と呼んだのよ!あ、でも私はママと呼ばれても嬉しいわよう!」
どうやら如月紫苑さんの実の父親は、育児放棄をし本当の母は亡くなったらしい。母と父の友人だった如月家が私(紫苑)を引き取っていたわけね。なるほど…。とても良い方達だというのはすぐにわかるわ。
それにしても、どうもこの以前の紫苑さんは、この家族と上手くいってなかったのかしら?…人の事はとやかく言えないわね。
あれから一週間ほど、病院にお世話になり、退院した日父と母が迎えにきてくれた。
黒い箱が目の前に止まっている。
中に人がいるようだけど…奇妙な形で正直気味が悪いわ。
「……あの…これなんでしょうか…安全ですか?やはり馬車の方が…」
「え!まさか車も知らなくなったのかい?!」
お父様はかなりビックリしています。二人は大丈夫だと手を握ってくれて、私は勇気を出してそのクルマとやらに乗った。…私は周りの景色がかつて自分が住んでいた世界とは違うんだと改めて感じた。
いや、沢山の箱があるんですもの。あまり緑もないし、平民と貴族?とかの領域もなさそうね。高い箱もあるわ。ここは箱が好きなのかしら?
不思議だわ。本当に不思議ね…。
若い女の子は裸同然で町を歩いてる。
レディとしていかがなものかと疑っているけど楽しそうな表情をしている。それと、一人でブツブツ時計とか、また小さな薄い箱に向かって話してる……病んでるのかしら。
クルマが止まり、どうやら家に着いたようだ。
あら、懐かしい感じの建物ね、私が以前住んでいた屋敷に雰囲気は似ているわ。沢山白い花が咲いてあり、お庭が綺麗でとても広い。
「紫苑が帰ってきたぞーい!」
「「おかえりなさいませ、旦那様、奥様、紫苑様」
何故か私の顔を見てビクビクしている、執事とメイド達…。なんだかその格好は馴染みがあって、先程いた病院よりこちらの方が安心するわね。
「お、お嬢様…お荷物をお持ちします」
「あら、ありがとう」
ニコッと笑あ荷物を彼女に渡すと、周りのものはまた騒ぎはじめたり、赤くなったりしていた。
何故かしら??
「…わ…ほんとーに帰ってきたんだ」
あ、以前扉の前にいた男のこだわ。
「弟の真斗だよ。紫苑。やはり記憶は……ないかな?」
私がコクンと頷くと、屋敷の者達は驚いていた。お父様は私に義弟である真斗さんを紹介をする。
ぺこりとレディらしくお辞儀をするとまた周りはザワザワし始めていた。
「あの…私何かついているんですか?」
一体なんでしょうか?そんなに珍しいことでもしたかしら。
「し、紫苑ちゃん!と、とりあえずリビングにいきましょう」
母にリビングに案内されソファに座った。
「…そういえばサッカーの試合どうだったろ」
弟、真斗は何やらボタンを押したら、大きな箱から人が写っていた!写真??!いや、動いて話しているわ!まあ、なんて凄い!これは高度な魔法使い様しか扱えないんだわ!
「真斗さん、貴方…!!」
プルプル震えて見つめる私に真斗さんは睨んできた。
「……なに?また文句あるの?」
「すごいわ!貴方、魔法を使えるのね!写真の人を動かすなんて!」
どうやら私はかなり高度な魔法の国へ転生したようだわ。本の中だけの世界だと思っていたのに!素晴らしいわね!私も使えるのかしら?
キラキラした目で真斗を尊敬する紫苑に真斗は固まっていた。
「……やばい、こいつ厨二病だ。父さん、もう一度病院連れてったほういいぞ……」
そう紫苑以外は固まっていた事に、元リリー…いや、紫苑は気づかず、サッカーというものを見て興奮していた。
0
お気に入りに追加
432
あなたにおすすめの小説
自己肯定感の低い令嬢が策士な騎士の溺愛に絡め取られるまで
嘉月
恋愛
平凡より少し劣る頭の出来と、ぱっとしない容姿。
誰にも望まれず、夜会ではいつも壁の花になる。
でもそんな事、気にしたこともなかった。だって、人と話すのも目立つのも好きではないのだもの。
このまま実家でのんびりと一生を生きていくのだと信じていた。
そんな拗らせ内気令嬢が策士な騎士の罠に掛かるまでの恋物語
執筆済みで完結確約です。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
転生したら推しに捨てられる婚約者でした、それでも推しの幸せを祈ります
みゅー
恋愛
私このシーンや会話の内容を知っている。でも何故? と、思い出そうとするが目眩がし気分が悪くなってしまった、そして前世で読んだ小説の世界に転生したと気づく主人公のサファイア。ところが最推しの公爵令息には最愛の女性がいて、自分とは結ばれないと知り……
それでも主人公は健気には推しの幸せを願う。そんな切ない話を書きたくて書きました。
ハッピーエンドです。
美人すぎる姉ばかりの姉妹のモブ末っ子ですが、イケメン公爵令息は、私がお気に入りのようで。
天災
恋愛
美人な姉ばかりの姉妹の末っ子である私、イラノは、モブな性格である。
とある日、公爵令息の誕生日パーティーにて、私はとある事件に遭う!?
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる