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正教会へご挨拶いきましょうか
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「コケコッコー!!」
そうニワトリの鳴き声が聞こえ朝がやってきた。‥‥私はというと一睡も出来ずにいた。
目の下にあるクマをなんとか隠してみたけど‥‥
「なんてことを私はしたのよ!相手はシリウスなのに!昨夜の私は何!?頭おかしくなったのかしら!あぁあ‥」
朝早く起きてしまい、外へ出てみるとマルコが一人で木刀を持って剣の練習をしていた。
「マルコは剣を習ってるの?」
「わわっ!ビックリした!姫様おはようございます!」
爽やかな笑顔ね、この子に将来恨まれるって相当私は悪だわ。それにしても‥ミルモもそうだけどこの双子は動きが素早い。
「いつも狩りにいくから、身のこなしは良いわね。‥マルコは将来、そのー‥はんら‥いや、何かなりたい事あるの?」
そう私が聞くと、マルコは照れながら答えてくれた。
「え、と‥‥僕達の亡くなった父さんは昔下級でしたが騎士だったんです!だから‥その、父のような、みんなを守れるような立派な騎士になりたいとは昔はそう思ってました」
「今は違うの?」
「んー‥‥ミルモやじいちゃんが心配だし、まわりの人達はここの村を嫌ってるしね。その理由も僕は分かってるつもり。あ、姫様の
夢は?」
「夢‥‥ごめん、なにかよくわからないの。私と三つぐらいしか違わないのに、しっかりしてるわね。少し貴方が羨ましいわ」
そう私が話すと、マルコは頬を赤らめて照れていた。
「マルコー!!あ、姫様も!おじいちゃんが帰ってきたよ!!」
そうミルモが私達を探していたようで、家へと戻ると、白髪混じりのマルコとミルモの祖父らしき人物が私を見て頭を下げて挨拶をした。既にシリウスとクラリスも一緒にいたけど、シリウスの顔をまともにみれない。
シリウスをチラッと見ると、特に気にしてないようでいつも通りのシリウスだった。
「村長、流石に我々ももう見過ごす事は出来ない。売春だけではなく、薬も売っていたのか?」
「し、しかし、ワシらは昔からそう教えられてですな。生活もあってーー」
「なら、こちらとしては処罰を与える選択を取らなければならない。言え、裏では誰かからの指示だろう。朝帰りとはいいご身分だな」
冷たい口調で話すシリウスに、マルコとミルモは怖がりつつも、無言で祖父を庇う。
シリウスは私の方を一度も見ずに、眼鏡をかけて数人引き連れた衛兵達に指示をだす。
「村長を捕らえろ」
そうシリウスの指示に従い、衛兵達は村長を捕らえた。
マルコはシリウスの方を睨み叫ぶ。
「これが国のやり方なんですか!」
「既に証拠は上がってるんだ。言い訳は通用しない。この村は再度調査し直し、罪を犯したもの全員捕らえる、そう決めていた」
「だけど‥‥好きでこんな事を‥‥じいちゃんは‥‥」
ぐっと泣くのを我慢していたマルコに私は背中をポンと軽く叩いた。
「‥‥姫様‥‥」
私はシリウスを再度見て尋ねる。
「最初から、この村の事は決めていたようね」
「そうだ」
「私は聞いてなかったわよ」
「言ってなかったからな」
「‥‥唯一の肉親であるマルコとミルモはどうなるのよ!罪を背負った村の子達も‥‥シリウス!!今ここで村長さんを捕らえても、意味ないわよ!」
そう私がシリウスに言うと、シリウスはようやく私の方を見る。
「お前は一体どうしたいんだよ。何も得策がないのに、話に入ってくるな!」
「‥‥村長さんは違うわ。シリウス‥‥あんたもわかるでしょ、正教会よ。裏で村長さんに指示だしてるの」
そう私が話すと、村長さんは怯え始まる。
「‥‥正教会からの指示した証拠はまだ見つかってない」
「ならば見つければいいじゃない。あんたが見つけた村長さんの悪事の証拠は意味がない‥‥」
私は縛られた村長さんの縄を解いて、聞いた。
「村長、あなたは誰と一緒に生きたいわけ?」
「は、はい?えと、わ、ワシは‥‥」
「この私が直接お前に聞いてるの。これ以上罪を背負いたくないわけ?」
「ワ、ワシは‥‥っ‥‥可愛い孫とただ暮らしたいです‥‥レテシア姫様‥‥」
涙を流しながら、村長さんはマルコとミルモを抱きしめる。
本当は売春も薬も、やりたくなかったと。
「‥‥‥姫様‥‥助けてください‥‥」
ポソリと呟くミルモに私はシリウスとクラリスを再度見つめる。
「シリウス、クラリス、私正教会へ挨拶しに行かなきゃならないみたいね」
かつて私を殺したマリアの後ろには正教会がいたんだもの。
「お前まさか‥‥はあ。今お前が出る番はないぞ」
「私はただ、『挨拶をする』だけよ。いくわよ!ほら!」
そうシリウスの手を握り、引っ張り出すとシリウスは呆れた顔をし、クラリスは何故か笑っていた。
そうニワトリの鳴き声が聞こえ朝がやってきた。‥‥私はというと一睡も出来ずにいた。
目の下にあるクマをなんとか隠してみたけど‥‥
「なんてことを私はしたのよ!相手はシリウスなのに!昨夜の私は何!?頭おかしくなったのかしら!あぁあ‥」
朝早く起きてしまい、外へ出てみるとマルコが一人で木刀を持って剣の練習をしていた。
「マルコは剣を習ってるの?」
「わわっ!ビックリした!姫様おはようございます!」
爽やかな笑顔ね、この子に将来恨まれるって相当私は悪だわ。それにしても‥ミルモもそうだけどこの双子は動きが素早い。
「いつも狩りにいくから、身のこなしは良いわね。‥マルコは将来、そのー‥はんら‥いや、何かなりたい事あるの?」
そう私が聞くと、マルコは照れながら答えてくれた。
「え、と‥‥僕達の亡くなった父さんは昔下級でしたが騎士だったんです!だから‥その、父のような、みんなを守れるような立派な騎士になりたいとは昔はそう思ってました」
「今は違うの?」
「んー‥‥ミルモやじいちゃんが心配だし、まわりの人達はここの村を嫌ってるしね。その理由も僕は分かってるつもり。あ、姫様の
夢は?」
「夢‥‥ごめん、なにかよくわからないの。私と三つぐらいしか違わないのに、しっかりしてるわね。少し貴方が羨ましいわ」
そう私が話すと、マルコは頬を赤らめて照れていた。
「マルコー!!あ、姫様も!おじいちゃんが帰ってきたよ!!」
そうミルモが私達を探していたようで、家へと戻ると、白髪混じりのマルコとミルモの祖父らしき人物が私を見て頭を下げて挨拶をした。既にシリウスとクラリスも一緒にいたけど、シリウスの顔をまともにみれない。
シリウスをチラッと見ると、特に気にしてないようでいつも通りのシリウスだった。
「村長、流石に我々ももう見過ごす事は出来ない。売春だけではなく、薬も売っていたのか?」
「し、しかし、ワシらは昔からそう教えられてですな。生活もあってーー」
「なら、こちらとしては処罰を与える選択を取らなければならない。言え、裏では誰かからの指示だろう。朝帰りとはいいご身分だな」
冷たい口調で話すシリウスに、マルコとミルモは怖がりつつも、無言で祖父を庇う。
シリウスは私の方を一度も見ずに、眼鏡をかけて数人引き連れた衛兵達に指示をだす。
「村長を捕らえろ」
そうシリウスの指示に従い、衛兵達は村長を捕らえた。
マルコはシリウスの方を睨み叫ぶ。
「これが国のやり方なんですか!」
「既に証拠は上がってるんだ。言い訳は通用しない。この村は再度調査し直し、罪を犯したもの全員捕らえる、そう決めていた」
「だけど‥‥好きでこんな事を‥‥じいちゃんは‥‥」
ぐっと泣くのを我慢していたマルコに私は背中をポンと軽く叩いた。
「‥‥姫様‥‥」
私はシリウスを再度見て尋ねる。
「最初から、この村の事は決めていたようね」
「そうだ」
「私は聞いてなかったわよ」
「言ってなかったからな」
「‥‥唯一の肉親であるマルコとミルモはどうなるのよ!罪を背負った村の子達も‥‥シリウス!!今ここで村長さんを捕らえても、意味ないわよ!」
そう私がシリウスに言うと、シリウスはようやく私の方を見る。
「お前は一体どうしたいんだよ。何も得策がないのに、話に入ってくるな!」
「‥‥村長さんは違うわ。シリウス‥‥あんたもわかるでしょ、正教会よ。裏で村長さんに指示だしてるの」
そう私が話すと、村長さんは怯え始まる。
「‥‥正教会からの指示した証拠はまだ見つかってない」
「ならば見つければいいじゃない。あんたが見つけた村長さんの悪事の証拠は意味がない‥‥」
私は縛られた村長さんの縄を解いて、聞いた。
「村長、あなたは誰と一緒に生きたいわけ?」
「は、はい?えと、わ、ワシは‥‥」
「この私が直接お前に聞いてるの。これ以上罪を背負いたくないわけ?」
「ワ、ワシは‥‥っ‥‥可愛い孫とただ暮らしたいです‥‥レテシア姫様‥‥」
涙を流しながら、村長さんはマルコとミルモを抱きしめる。
本当は売春も薬も、やりたくなかったと。
「‥‥‥姫様‥‥助けてください‥‥」
ポソリと呟くミルモに私はシリウスとクラリスを再度見つめる。
「シリウス、クラリス、私正教会へ挨拶しに行かなきゃならないみたいね」
かつて私を殺したマリアの後ろには正教会がいたんだもの。
「お前まさか‥‥はあ。今お前が出る番はないぞ」
「私はただ、『挨拶をする』だけよ。いくわよ!ほら!」
そうシリウスの手を握り、引っ張り出すとシリウスは呆れた顔をし、クラリスは何故か笑っていた。
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