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双子達
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綺麗な金髪を靡かせながら、彼は私に色とりどりの豪華な花束を渡してくれた。
「僕は伯爵家の次男で貴女に不釣り合いです。ですが‥‥この気持ちは本物です。愛してます、レテシア」
私をまっすぐな目で見てくれたのが貴方だった。本物の愛はここにあるんだと信じていた。
『王女を殺せ!!味方になるものは容赦なく切り捨てろ!』
寂しかった時そばにいてくれたのが嬉しかった。穏やかに笑ってくれているのが、幸せだった。
泣いても叫んでも、届かなかった。
目の前に真っ赤な血を流していたのは‥‥‥
「シリウスッ‥‥!!」
「起きたか」
‥‥周りを見ると古びた部屋のベッドにいた。
あの反乱軍のリーダーとなる少年と出会って、気を失ったんだわ。そっと私のおでこを触るシリウス。
「‥‥なんで‥‥あんたはあの時助けにきたの」
辺境地へ追いやり、仕事も名誉も身分さえも奪った私を憎んでいた筈なのに、慣れない剣を持ち先頭に立って私を助けにきたシリウスに聞きたい。でも今目の前にいる、過去のシリウスに聞いたところでわかる筈ないか。
「‥‥?」
急にしおらしい態度をとるレテシアを不思議そうに見つめるシリウスだった。
コンコンとドアを叩く音がし、部屋に入ってきたのは青い髪色の双子が入ってきた。
冷や汗が出ちゃう‥だって、あの時の反乱軍であるリーダーである青年が今私の目の前にいるのだから。
「あ、あの‥‥お姫様だと知らずに‥‥お許しを!」
ポニーテールの女の子が涙目になりながら、私に土下座をして謝ってきた。いや、まって、まって!私が泣かせたの!?チラッと私は少年の顔を見ると少年も一緒に土下座をしてきた。
「いやいや、ちょっとまって!私は怒ってないわ!!むしろ助けてくれたじゃない!だから土下座はやめて!私は大丈夫よ。ありがとう、その‥助けてくれて」
そう私は二人に微笑んで、お礼を言った。恨まれたら元も子もないわ!というか、助けてくれたのは事実だもの!
「‥‥少し前のお前なら、もっと厳しい罰を言いそうだけどな」
「何よ?そりゃそうよ、でも殺されるよりかはーーいや、コホン。シリウス、とりあえず、私はひろーい心の持ち主なの」
「‥‥俺にはお礼なんて言わないくせに」
クラリスはそんな二人の話しを無視して双子達に声をかける。
「ここは村から少し外れている家だけど君達の家ー?」
そうクラリスが双子達に聞いていた。どうやら、この双子達は村長さんの孫であるが、二人でこの家に住んでるとの事。
将来の反乱軍を率いるリーダーの名前が、マルコ‥‥中性的顔立ちでまだ少し幼さもある。
私がジーッと少年を見ると、少年は私を見てパッと目を逸らす。え、何故!?まさかもう、殺したいとか!?!
あぁああ!なんとかしないと!とりあえず村の様子を見に行かないと!確か餓鬼?病気?なんだったかしら‥‥!?とにかく、目の前にいる少年は未来反乱軍にならないように気をつけないと!!どうしたらよいの!?
ぶつぶつと独り言を言っているレテシアを、
双子の姉であるミルモはマルコに話しかける。
「ねえ、そんなに露骨に顔を逸らしたら失礼だよ?」
「だ、だってさ、あんな笑顔でアリガトウって‥‥可愛いじゃんか。緊張するよ」
「噂と違って、姫様なんだか親しみやすいもんね!」
そうマルコ達が言っているのを聞いたシリウスは面白くないといわんばかりにムスッとしている。
レテシアは独り言で忙しいのか、そんな様子を見たクラリスは一人で楽しんでいた。
「僕は伯爵家の次男で貴女に不釣り合いです。ですが‥‥この気持ちは本物です。愛してます、レテシア」
私をまっすぐな目で見てくれたのが貴方だった。本物の愛はここにあるんだと信じていた。
『王女を殺せ!!味方になるものは容赦なく切り捨てろ!』
寂しかった時そばにいてくれたのが嬉しかった。穏やかに笑ってくれているのが、幸せだった。
泣いても叫んでも、届かなかった。
目の前に真っ赤な血を流していたのは‥‥‥
「シリウスッ‥‥!!」
「起きたか」
‥‥周りを見ると古びた部屋のベッドにいた。
あの反乱軍のリーダーとなる少年と出会って、気を失ったんだわ。そっと私のおでこを触るシリウス。
「‥‥なんで‥‥あんたはあの時助けにきたの」
辺境地へ追いやり、仕事も名誉も身分さえも奪った私を憎んでいた筈なのに、慣れない剣を持ち先頭に立って私を助けにきたシリウスに聞きたい。でも今目の前にいる、過去のシリウスに聞いたところでわかる筈ないか。
「‥‥?」
急にしおらしい態度をとるレテシアを不思議そうに見つめるシリウスだった。
コンコンとドアを叩く音がし、部屋に入ってきたのは青い髪色の双子が入ってきた。
冷や汗が出ちゃう‥だって、あの時の反乱軍であるリーダーである青年が今私の目の前にいるのだから。
「あ、あの‥‥お姫様だと知らずに‥‥お許しを!」
ポニーテールの女の子が涙目になりながら、私に土下座をして謝ってきた。いや、まって、まって!私が泣かせたの!?チラッと私は少年の顔を見ると少年も一緒に土下座をしてきた。
「いやいや、ちょっとまって!私は怒ってないわ!!むしろ助けてくれたじゃない!だから土下座はやめて!私は大丈夫よ。ありがとう、その‥助けてくれて」
そう私は二人に微笑んで、お礼を言った。恨まれたら元も子もないわ!というか、助けてくれたのは事実だもの!
「‥‥少し前のお前なら、もっと厳しい罰を言いそうだけどな」
「何よ?そりゃそうよ、でも殺されるよりかはーーいや、コホン。シリウス、とりあえず、私はひろーい心の持ち主なの」
「‥‥俺にはお礼なんて言わないくせに」
クラリスはそんな二人の話しを無視して双子達に声をかける。
「ここは村から少し外れている家だけど君達の家ー?」
そうクラリスが双子達に聞いていた。どうやら、この双子達は村長さんの孫であるが、二人でこの家に住んでるとの事。
将来の反乱軍を率いるリーダーの名前が、マルコ‥‥中性的顔立ちでまだ少し幼さもある。
私がジーッと少年を見ると、少年は私を見てパッと目を逸らす。え、何故!?まさかもう、殺したいとか!?!
あぁああ!なんとかしないと!とりあえず村の様子を見に行かないと!確か餓鬼?病気?なんだったかしら‥‥!?とにかく、目の前にいる少年は未来反乱軍にならないように気をつけないと!!どうしたらよいの!?
ぶつぶつと独り言を言っているレテシアを、
双子の姉であるミルモはマルコに話しかける。
「ねえ、そんなに露骨に顔を逸らしたら失礼だよ?」
「だ、だってさ、あんな笑顔でアリガトウって‥‥可愛いじゃんか。緊張するよ」
「噂と違って、姫様なんだか親しみやすいもんね!」
そうマルコ達が言っているのを聞いたシリウスは面白くないといわんばかりにムスッとしている。
レテシアは独り言で忙しいのか、そんな様子を見たクラリスは一人で楽しんでいた。
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