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クッキーは黒い
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「答えが違う。やり直しだ」
「ちょっと!わからないからシリウスに聞いてるのよ!」
「公式さえ、わかれば解けるはずだ。もう一度その小さな脳みそで考えろ」
無性に、この陰険眼鏡男を引っ叩きたいわ。あれから、毎日学園が終わった後私に勉強を教えに来ている。
「ったく、私学園へはいつ通えるのかしら」
「文句を言う前に今出された問題を解いてから言えよ」
やはりこの男は腹が立つわ。近くにいたアルファスお兄様は笑いながら話す。
「どうして私の執務室で勉強なんだい?賑やかで楽しいけどね」
「俺だって忙しいんですよ。貴方の仕事の補佐もありますし、この馬鹿の面倒を見なければならないんですから。ここなら一気に用事が済ませる」
クイッと眼鏡を直してアルファスお兄様に紙の書類を渡すシリウスにアルファスお兄様は仕事が早いと感心していた。
「君が私と同い年で同じ学園で過ごしていたのだったら、間違いなくトップだったろうね。早く学園を卒業して欲しいな。一緒に仕事をしたいよ」
「いや、もう事実上してるじゃないですか」
ツンとした態度のシリウスにアルファスお兄様はまだ嬉しそうにしていた。
「レテシア、勉強もいいけど甘いお菓子を用意したから食べよう」
「甘いお菓子!やったわ!」
「まだ問題を解けてないじゃねえか!解けるまで食べるな!」
回帰前までの私はアルファスお兄様となるべく関わらないようにしていた。どんな人か特に気にもしなかったし、話しかけられても聞いていなかった。
ただ今わかる事はーー
「シリウス、駄目だよ。レテシアが食べたいと言っているんだから」
うん、笑っているけど目が笑っていない。
そう、最近わかったんだけど‥‥お兄様はシスコンね。激甘なのよね。
「可愛い妹には、私とシリウスの分のタルトをあげるよ」
「お兄様‥‥それは悪いわ。シリウスの分だけ貰います」
「おい、そこの兄妹、おかしいだろう。それ」
「あんたは、どうせ甘いもの嫌いでしょ。いいじゃない」
「‥太るぞ」
「太らないわ!」
ほぼ毎日顔を合わせるようになって、ある意味私に一番甘い人だった。
お父様は嫌だけど、お兄様とはもっと早く話し合うべきだったかもしれない。それに、いつ誰がお兄様に毒を入れてくるかわからないし、できる限り見張らないと!!
「そうだわ。アルファスお兄様、誕生日プレゼントは何がいい?なんでも欲しい物をいって。高くてもよいわよ!」
いつかお兄様が王となり、私は自由に遊んで暮らすのに金の一つや二つなんだってやるわ!私がそう聞くとアルファスお兄様は嬉しそうに口に出す。
「クッキーがいいかな」
「‥食べ物?なら、この国の高級店の店のーー」
「違うよ。レテシアの手作りクッキーだよ」
「‥‥‥冗談でしょう?」
「クッキーじゃなくてもいいよ。君の手作りがいいかな」
「私にメイドみたいな事をしろと?嫌よ、手が汚れるわ。見て、お兄様。私の手はこんなに綺麗でしょう?無りーー」
そう断ろとうした時だ。何故か周りにいるメイド達もキラキラした眼差しで私を見てくるし、お兄様なんて楽しみ!と顔に書かれている。
回帰前の誕生日パーティーのとき、私は何を渡したかしら。あぁ、嫌がらせに‥‥大量のカエルを入れた箱を渡したんだ。幼稚だったわね。
私は深い溜息を出して席を立つ。
「私、少し用事を思い出したわ!問題は解けたわよ!お兄様ごきげんよう!」
ササッと部屋から逃げ出すレテシアを見てアルファスは笑っていた。
「あはは、困っている顔が可愛いかったね?」
「どこがですか。あ、答え間違えてる‥‥ったく。‥‥‥‥‥はあ。あのアルファス王子。なんですかそのニヤけた表情は」
「ん?いや、最近の妹と仲良くできて嬉しいなあって。ねえ、君もそうだろう?」
アルファスがシリウスの顔をジッと見つめるとシリウスは罰が悪そうな顔をする。
「‥‥‥もう少ししたら、帰ります」
そう時間が経ち暗くなり始めたのでシリウスは執務室から出て、自分の家の馬車へと向かい歩いていると聞き慣れた声が自分に話しかけてきた。
「シリウス!」
声がする方へ向かうと、二つ結びの髪型でエプロン姿のレテシアが走ってきた。
「‥‥‥なんの仮装してるんだ」
「は?何がよ」
「エプロンなんて、絶対しないというか、する必要もないお前が何してーーむがっ!?」
レテシアはシリウスの口に黒い塊を詰め込む。
「‥‥にっが!かった!!なんだよ!コレ!」
「え?苦いの?変ね、メイド達に教えてもらったのに」
この私がクッキーを作ってみたのだ。初めて。正直作りたくはなかった。こういうのは職人かメイド達がやるものだもの。
だけど‥‥なんとなく、お兄様が望んだ物を渡したかった。今まで私は冷たく八つ当たりをしてたから‥‥‥今更かもしれないけれど‥‥優しくされればされるほど、本当にお兄様は私の事を大事に思ってくれていたのだから。
「はあ。毒味かよ、俺は」
「さっきから文句ばかりね!?‥‥もう感想なんて期待しないわ」
そう袋にあるクッキーを捨てようとした時、シリウスは焦げたクッキーを取った後、私をジーッと見つめる。
「な、なに?クッキー返してよ」
「‥‥何が目的なんだよ?最近の行動、言動はおかしい。元々おかしいけどな。‥‥‥なんというか無理にしているように見える」
チクッとなんだか痛いところを突かれた気がする。
私は‥‥今の自分が嫌いなのだ。何もかも背けて、我儘で傲慢な自分が嫌いだ。だから、少しでも変われたら‥‥‥変われたら未来は変わるのだろうか。
自分は変われるのだろうか、どうしたら変われるのかわからないから、やらなかったことをやろうとしてみただけだ。
「‥‥‥よく‥‥‥わからないから。自分が。周りが。変わらないといけない気がするからよ。じゃないと‥‥」
「我儘で傲慢で自分が世界の中心にまわっていると思っているお前が、すぐに変われるわけないだろう」
「ねえ、それ悪口よね?そうよね?!私今真剣に話してるんだけど!?!」
そう睨みつけると、シリウスの口元は笑っていた。あら?笑う姿は‥‥子供の時見て以来だわ。
「ふぅん、まあ、とりあえずクッキーとかは練習あるのみだな」
そう馬車に乗って立ち去るシリウス。
やっぱり嫌味な眼鏡男だわ!!!
馬車の中にいるシリウスは黒焦げのクッキーを一つ食べる。
「‥‥‥マズイ‥‥」
そう呟いていた。
「ちょっと!わからないからシリウスに聞いてるのよ!」
「公式さえ、わかれば解けるはずだ。もう一度その小さな脳みそで考えろ」
無性に、この陰険眼鏡男を引っ叩きたいわ。あれから、毎日学園が終わった後私に勉強を教えに来ている。
「ったく、私学園へはいつ通えるのかしら」
「文句を言う前に今出された問題を解いてから言えよ」
やはりこの男は腹が立つわ。近くにいたアルファスお兄様は笑いながら話す。
「どうして私の執務室で勉強なんだい?賑やかで楽しいけどね」
「俺だって忙しいんですよ。貴方の仕事の補佐もありますし、この馬鹿の面倒を見なければならないんですから。ここなら一気に用事が済ませる」
クイッと眼鏡を直してアルファスお兄様に紙の書類を渡すシリウスにアルファスお兄様は仕事が早いと感心していた。
「君が私と同い年で同じ学園で過ごしていたのだったら、間違いなくトップだったろうね。早く学園を卒業して欲しいな。一緒に仕事をしたいよ」
「いや、もう事実上してるじゃないですか」
ツンとした態度のシリウスにアルファスお兄様はまだ嬉しそうにしていた。
「レテシア、勉強もいいけど甘いお菓子を用意したから食べよう」
「甘いお菓子!やったわ!」
「まだ問題を解けてないじゃねえか!解けるまで食べるな!」
回帰前までの私はアルファスお兄様となるべく関わらないようにしていた。どんな人か特に気にもしなかったし、話しかけられても聞いていなかった。
ただ今わかる事はーー
「シリウス、駄目だよ。レテシアが食べたいと言っているんだから」
うん、笑っているけど目が笑っていない。
そう、最近わかったんだけど‥‥お兄様はシスコンね。激甘なのよね。
「可愛い妹には、私とシリウスの分のタルトをあげるよ」
「お兄様‥‥それは悪いわ。シリウスの分だけ貰います」
「おい、そこの兄妹、おかしいだろう。それ」
「あんたは、どうせ甘いもの嫌いでしょ。いいじゃない」
「‥太るぞ」
「太らないわ!」
ほぼ毎日顔を合わせるようになって、ある意味私に一番甘い人だった。
お父様は嫌だけど、お兄様とはもっと早く話し合うべきだったかもしれない。それに、いつ誰がお兄様に毒を入れてくるかわからないし、できる限り見張らないと!!
「そうだわ。アルファスお兄様、誕生日プレゼントは何がいい?なんでも欲しい物をいって。高くてもよいわよ!」
いつかお兄様が王となり、私は自由に遊んで暮らすのに金の一つや二つなんだってやるわ!私がそう聞くとアルファスお兄様は嬉しそうに口に出す。
「クッキーがいいかな」
「‥食べ物?なら、この国の高級店の店のーー」
「違うよ。レテシアの手作りクッキーだよ」
「‥‥‥冗談でしょう?」
「クッキーじゃなくてもいいよ。君の手作りがいいかな」
「私にメイドみたいな事をしろと?嫌よ、手が汚れるわ。見て、お兄様。私の手はこんなに綺麗でしょう?無りーー」
そう断ろとうした時だ。何故か周りにいるメイド達もキラキラした眼差しで私を見てくるし、お兄様なんて楽しみ!と顔に書かれている。
回帰前の誕生日パーティーのとき、私は何を渡したかしら。あぁ、嫌がらせに‥‥大量のカエルを入れた箱を渡したんだ。幼稚だったわね。
私は深い溜息を出して席を立つ。
「私、少し用事を思い出したわ!問題は解けたわよ!お兄様ごきげんよう!」
ササッと部屋から逃げ出すレテシアを見てアルファスは笑っていた。
「あはは、困っている顔が可愛いかったね?」
「どこがですか。あ、答え間違えてる‥‥ったく。‥‥‥‥‥はあ。あのアルファス王子。なんですかそのニヤけた表情は」
「ん?いや、最近の妹と仲良くできて嬉しいなあって。ねえ、君もそうだろう?」
アルファスがシリウスの顔をジッと見つめるとシリウスは罰が悪そうな顔をする。
「‥‥‥もう少ししたら、帰ります」
そう時間が経ち暗くなり始めたのでシリウスは執務室から出て、自分の家の馬車へと向かい歩いていると聞き慣れた声が自分に話しかけてきた。
「シリウス!」
声がする方へ向かうと、二つ結びの髪型でエプロン姿のレテシアが走ってきた。
「‥‥‥なんの仮装してるんだ」
「は?何がよ」
「エプロンなんて、絶対しないというか、する必要もないお前が何してーーむがっ!?」
レテシアはシリウスの口に黒い塊を詰め込む。
「‥‥にっが!かった!!なんだよ!コレ!」
「え?苦いの?変ね、メイド達に教えてもらったのに」
この私がクッキーを作ってみたのだ。初めて。正直作りたくはなかった。こういうのは職人かメイド達がやるものだもの。
だけど‥‥なんとなく、お兄様が望んだ物を渡したかった。今まで私は冷たく八つ当たりをしてたから‥‥‥今更かもしれないけれど‥‥優しくされればされるほど、本当にお兄様は私の事を大事に思ってくれていたのだから。
「はあ。毒味かよ、俺は」
「さっきから文句ばかりね!?‥‥もう感想なんて期待しないわ」
そう袋にあるクッキーを捨てようとした時、シリウスは焦げたクッキーを取った後、私をジーッと見つめる。
「な、なに?クッキー返してよ」
「‥‥何が目的なんだよ?最近の行動、言動はおかしい。元々おかしいけどな。‥‥‥なんというか無理にしているように見える」
チクッとなんだか痛いところを突かれた気がする。
私は‥‥今の自分が嫌いなのだ。何もかも背けて、我儘で傲慢な自分が嫌いだ。だから、少しでも変われたら‥‥‥変われたら未来は変わるのだろうか。
自分は変われるのだろうか、どうしたら変われるのかわからないから、やらなかったことをやろうとしてみただけだ。
「‥‥‥よく‥‥‥わからないから。自分が。周りが。変わらないといけない気がするからよ。じゃないと‥‥」
「我儘で傲慢で自分が世界の中心にまわっていると思っているお前が、すぐに変われるわけないだろう」
「ねえ、それ悪口よね?そうよね?!私今真剣に話してるんだけど!?!」
そう睨みつけると、シリウスの口元は笑っていた。あら?笑う姿は‥‥子供の時見て以来だわ。
「ふぅん、まあ、とりあえずクッキーとかは練習あるのみだな」
そう馬車に乗って立ち去るシリウス。
やっぱり嫌味な眼鏡男だわ!!!
馬車の中にいるシリウスは黒焦げのクッキーを一つ食べる。
「‥‥‥マズイ‥‥」
そう呟いていた。
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