6 / 9
偽物悪役令嬢と王子のデートの約束をしてしまった…
しおりを挟む
固まっている私に布団の中にいる猫、いや、ローズはペシペシ!と叩いてハッ!と我に返った。
「あの……ノア王子様…」
「はい、なんでしょうか?」
いや、なんでそんな淡々としているのだろうか。将来自分の妻になるかもしれないというのに、考えてることがよくわからない!
「む、無理です!」
そうキッパリハッキリと伝えると、ノア王子は少し考えていた様子だった。
「……私との婚約はマクリエッタ家としては喜ばしい事では?」
「それは家の事ですよね!?私は病弱で王家の婚約者なんて務まりませんっ…ケホケホ」
チラッとノア王子がどう反応するか見たけど、なあんも反応なし!
「私は第二王子で王太子ではありませんし、気負いせずとも大丈夫ですよ」
駄目だ!この堅物王子!通じない!
「…あの、私の好みじゃありません!」
「はい?」
「全然好みじゃないんです!なんかジャガイモみたいで!」
ぶはっ!と布団の中で笑いを堪えてるローズは後でお説教だね。
ノア王子は目をまんまるにして、今度はノア王子が固まっていた。あれ?どうしたのかしら?
「………ジャガイモ…いや。そうですか。では、お互い知る為にローズ嬢の体調がよくなりましたら、デートをいたしましょう」
「…いや、全然わかってないじゃないですか」
「いえ、お互い知らない事ばかりだからです。王都に新しくチョコレート専門店がオープンしたのでそこへ行きましょう。女性は甘いものが好きかと」
「え!チョコレート!」
「はい、チョコレートです」
「………チョコ…」
「チョコレートが好きなのであれば、是非行きましょう。ではまた連絡いたします」
「あ、はい」
ノア王子は、ニコと笑って部屋をでた。作り笑顔っぽいけど…。
バッと汗だくのローズが布団から出る。
「いや、何デートの約束をしてるの!?」
「ハッ!そうだった!」
ジーッとローズは腕組みをしながら私を見る。いや、これは…私のせい?チョコレートは、月に一度の贅沢品なんだよ。それが今日チョコレートケーキも食べて更にチョコレートの専門店があると聞くと…私の悪魔が行けと騒いでいた!
「…えっと…けしてチョコレートに釣られてるわけじゃないよ?」
「そう見えたわよ?」
私達二人は見つめ合い、抱き合ってから深い溜息を出した。
馬車の中で城へと帰るノア王子はボーと景色を眺めていた。そんな王子に執事のリアムは話しかけた。
「ノア王子。どうしましたか?マクリエッタ家の屋敷へ顔を出してから少し変ですよ?」
「……私は…ジャガイモらしい」
「はい?」
「ローズ嬢が好みでないと。ジャガイモに見えるらしい」
「ブハッ!…し、失礼しました!」
必死に笑いを堪えてるリアムを見て苛立つノア王子はリアムに更に仕事を増やした。
「……え!?また明日中にですか!?…うぅ…胃が痛くなってきた」
どよんと肩を落としながら、胃薬を飲むリアムを無視してまた景色を見始めるノア王子はジャガイモと言われたことに少し腹を立っていた。
「あの……ノア王子様…」
「はい、なんでしょうか?」
いや、なんでそんな淡々としているのだろうか。将来自分の妻になるかもしれないというのに、考えてることがよくわからない!
「む、無理です!」
そうキッパリハッキリと伝えると、ノア王子は少し考えていた様子だった。
「……私との婚約はマクリエッタ家としては喜ばしい事では?」
「それは家の事ですよね!?私は病弱で王家の婚約者なんて務まりませんっ…ケホケホ」
チラッとノア王子がどう反応するか見たけど、なあんも反応なし!
「私は第二王子で王太子ではありませんし、気負いせずとも大丈夫ですよ」
駄目だ!この堅物王子!通じない!
「…あの、私の好みじゃありません!」
「はい?」
「全然好みじゃないんです!なんかジャガイモみたいで!」
ぶはっ!と布団の中で笑いを堪えてるローズは後でお説教だね。
ノア王子は目をまんまるにして、今度はノア王子が固まっていた。あれ?どうしたのかしら?
「………ジャガイモ…いや。そうですか。では、お互い知る為にローズ嬢の体調がよくなりましたら、デートをいたしましょう」
「…いや、全然わかってないじゃないですか」
「いえ、お互い知らない事ばかりだからです。王都に新しくチョコレート専門店がオープンしたのでそこへ行きましょう。女性は甘いものが好きかと」
「え!チョコレート!」
「はい、チョコレートです」
「………チョコ…」
「チョコレートが好きなのであれば、是非行きましょう。ではまた連絡いたします」
「あ、はい」
ノア王子は、ニコと笑って部屋をでた。作り笑顔っぽいけど…。
バッと汗だくのローズが布団から出る。
「いや、何デートの約束をしてるの!?」
「ハッ!そうだった!」
ジーッとローズは腕組みをしながら私を見る。いや、これは…私のせい?チョコレートは、月に一度の贅沢品なんだよ。それが今日チョコレートケーキも食べて更にチョコレートの専門店があると聞くと…私の悪魔が行けと騒いでいた!
「…えっと…けしてチョコレートに釣られてるわけじゃないよ?」
「そう見えたわよ?」
私達二人は見つめ合い、抱き合ってから深い溜息を出した。
馬車の中で城へと帰るノア王子はボーと景色を眺めていた。そんな王子に執事のリアムは話しかけた。
「ノア王子。どうしましたか?マクリエッタ家の屋敷へ顔を出してから少し変ですよ?」
「……私は…ジャガイモらしい」
「はい?」
「ローズ嬢が好みでないと。ジャガイモに見えるらしい」
「ブハッ!…し、失礼しました!」
必死に笑いを堪えてるリアムを見て苛立つノア王子はリアムに更に仕事を増やした。
「……え!?また明日中にですか!?…うぅ…胃が痛くなってきた」
どよんと肩を落としながら、胃薬を飲むリアムを無視してまた景色を見始めるノア王子はジャガイモと言われたことに少し腹を立っていた。
0
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説

婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました
宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。
しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。
断罪まであと一年と少し。
だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。
と意気込んだはいいけど
あれ?
婚約者様の様子がおかしいのだけど…
※ 4/26
内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。

気だるげの公爵令息が変わった理由。
三月べに
恋愛
乙女ゲーの悪役令嬢に転生したリーンティア。王子の婚約者にはまだなっていない。避けたいけれど、貴族の義務だから縁談は避けきれないと、一応見合いのお茶会に参加し続けた。乙女ゲーのシナリオでは、その見合いお茶会の中で、王子に恋をしたから父に強くお願いして、王家も承諾して成立した婚約だったはず。
王子以外に婚約者を選ぶかどうかはさておき、他の見合い相手を見極めておこう。相性次第でしょ。
そう思っていた私の本日の見合い相手は、気だるげの公爵令息。面倒くさがり屋の無気力なキャラクターは、子どもの頃からもう気だるげだったのか。
「生きる楽しみを教えてくれ」
ドンと言い放つ少年に、何があったかと尋ねたくなった。別に暗い過去なかったよね、このキャラ。
「あなたのことは知らないので、私が楽しいと思った日々のことを挙げてみますね」
つらつらと楽しみを挙げたら、ぐったりした様子の公爵令息は、目を輝かせた。
そんな彼と、婚約が確定。彼も、変わった。私の隣に立てば、生き生きした笑みを浮かべる。
学園に入って、乙女ゲーのヒロインが立ちはだかった。
「アンタも転生者でしょ! ゲームシナリオを崩壊させてサイテー!! アンタが王子の婚約者じゃないから、フラグも立たないじゃない!!」
知っちゃこっちゃない。スルーしたが、腕を掴まれた。
「無視してんじゃないわよ!」
「頭をおかしくしたように喚く知らない人を見て見ぬふりしたいのは当然では」
「なんですって!? 推しだか何だか知らないけど! なんで無気力公爵令息があんなに変わっちゃったのよ!! どうでもいいから婚約破棄して、王子の婚約者になりなさい!! 軌道修正して!!」
そんなことで今更軌道修正するわけがなかろう……頭おかしい人だな、怖い。
「婚約破棄? ふざけるな。王子の婚約者になれって言うのも不敬罪だ」
ふわっと抱き上げてくれたのは、婚約者の公爵令息イサークだった。
(なろうにも、掲載)



転生悪役令嬢は冒険者になればいいと気が付いた
よーこ
恋愛
物心ついた頃から前世の記憶持ちの悪役令嬢ベルティーア。
国の第一王子との婚約式の時、ここが乙女ゲームの世界だと気が付いた。
自分はメイン攻略対象にくっつく悪役令嬢キャラだった。
はい、詰んだ。
将来は貴族籍を剥奪されて国外追放決定です。
よし、だったら魔法があるこのファンタジーな世界を満喫しよう。
国外に追放されたら冒険者になって生きるぞヒャッホー!

その国外追放、謹んでお受けします。悪役令嬢らしく退場して見せましょう。
ユズ
恋愛
乙女ゲームの世界に転生し、悪役令嬢になってしまったメリンダ。しかもその乙女ゲーム、少し変わっていて?断罪される運命を変えようとするも失敗。卒業パーティーで冤罪を着せられ国外追放を言い渡される。それでも、やっぱり想い人の前では美しくありたい!
…確かにそうは思ったけど、こんな展開は知らないのですが!?
*小説家になろう様でも投稿しています
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
21時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる