私の親友は悪役令嬢!?偽りの婚約者になった私が悪役令嬢役になってしまった件

くま

文字の大きさ
上 下
5 / 9

婚約者になって欲しいと!?

しおりを挟む
「ローズお嬢様?ノア王子がご挨拶しにとこちらへ向かってるようです」

「ななななんですって!?ちょ、まっ!」

顔をまっ青にしているローズと現在思考停止中の私…ローズのご両親は嬉しそうにはりきって迎えの準備をしているようだ。

「ゲボ!ゲホゲハゲフォ!!!」

急にローズは倒れこむ(フリ)をした。

「きゃあ!ローズお嬢様が倒れましたわ!久しぶりに!」

「やはりいつも猿のように動きまわっていたのは、無理してたのでは!?」

と、執事とメイド達は話していた。ベッドへと運ばれるローズ、私はあとで時間になったら出るとメイド達に伝え、メイド達は頭を下げて部屋から出た。ようやく二人っきりとなった!

「「………」」

ガバッ!とベッドから元気よく起き上がるローズは私の肩をゆさゆさと揺さぶる。

「一体、どういうこと!?昨日の話しを聞く限り嫌われたわよね?嫌な感じの令嬢っぽいものね!?婚約者候補からハズれたと安心してたのに!強制力!?このゲームの強制力かしら!?」

「ローズ!ととととりあえず落ちついて!」

「いや、モカ。貴女が一番落ちついて!それは私ではないわ。くまのぬいぐるみよ!?」

私達はすうっと息を吸い吐き出した。


「「…なぜ!?」」

ローズは首を傾げて、私の方を見る。

「王子に何かした?…のかな。あの王子は、何か考えが会ってこちらへ来てるはずよ…!そんなキャラだもの!」

「ねえ、私カツラとかメイクしてたから大丈夫だろうけど、この屋敷にいない方がよいよね?隠れてる?」

「そ、そうだね。私は今倒れてるから、あの王子がお見舞いに来るわけがーー」

コンコンとドアが叩く音がした。

「ローズお嬢様?お身体は大丈夫ですか?ノア王子がお見舞いにと少しご挨拶に来てくださいましたよ」


「「ぴぇっ!?」」


ドア越しでノア王子の声が聞こえた。

「ローズ嬢、突然の訪問ご迷惑をおかけいたしました」

『『ほんと、それな!』』※二人の心の声

「昨日の事ですが…お詫びにきました」


そうノア王子が淡々と話してる間私達はバタバタと慌てていた。

「ちょっ!ローズがなんで隠れるの!?私でしょ!?」

「ハッ!そっか!いや、でも昨日会った《ローズ》はモカだから、モカが対応しなきゃならないんじゃない!?」

「ええ!?でも、でも!」

「ハイ!カツラ!パジャマ!」

「ちょっ!まっ!」

ローズはベッドの布団の中へと潜り込み、私はベッドへと寝た。部屋から入ってきたメイド達にバレないように、顔にタオルを巻こう!少しでも、顔バレしないように!


ドアが開くと、そこには昨日会ったノア王子が薔薇の花束を持って入ってきた。

「……タオルを顔の周りに巻くスタイルは流行ってるんですか?」

「……えっ、ええ!そうです!」


屋敷のメイド達は何故か、《お嬢様!がんば!》とそそくさと出ていった。これで屋敷のメイド達に顔バレはしないからいいけど…チラッと私は今目の前にいる王子をどうしようか汗だくになりながらも、考えていた。

布団の中でモゾモゾと、本物のローズが

「生のノア王子の声ね!声だけはイケボイス!」とかなんとかわけわからない事を呟いてるけど、ちょっぴり黙って!?バレるよ!?

モゾモゾと布団が動くのをノア王子は目に映った。

「……誰かいるのですか?」


ほらー!ローズ!バレたじゃん!?どうするのよう!?

「うはい!?いや、ちちがいます!私の猫のーあのーモカちゃんです!ハイ!」

「……ミャ…ミャー!」

そうローズは猫の鳴き声の真似をして、ノア王子は気にもせず、私の方を再度見つめた。

「昨日のお茶会の件ですが、私の失態でした。後でドレスを汚された令嬢に話しを詳しく聞きミレイ嬢の仕業だとわかり…貴女に不愉快な思いをさせてしまい申し訳ありません」

そうノア王子は誤り、薔薇の花束を私にくれた。


「いえ…あのお気になさらず」

「それで、今回急な訪問に来たのは、ローズ嬢。
貴女を私の婚約者になって欲しいと話しにきました」


私は改めて驚きのあまり硬直した。

「ミャー!?!!」

布団の中にいる、猫役のローズは鳴いていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました

宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。 しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。 断罪まであと一年と少し。 だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。 と意気込んだはいいけど あれ? 婚約者様の様子がおかしいのだけど… ※ 4/26 内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。

【コミカライズ】今夜中に婚約破棄してもらわナイト

待鳥園子
恋愛
気がつけば私、悪役令嬢に転生してしまったらしい。 不幸なことに記憶を取り戻したのが、なんと断罪不可避の婚約破棄される予定の、その日の朝だった! けど、後日談に書かれていた悪役令嬢の末路は珍しくぬるい。都会好きで派手好きな彼女はヒロインをいじめた罰として、都会を離れて静かな田舎で暮らすことになるだけ。 前世から筋金入りの陰キャな私は、華やかな社交界なんか興味ないし、のんびり田舎暮らしも悪くない。罰でもなく、単なるご褒美。文句など一言も言わずに、潔く婚約破棄されましょう。 ……えっ! ヒロインも探しているし、私の婚約者会場に不在なんだけど……私と婚約破棄する予定の王子様、どこに行ったのか、誰か知りませんか?! ♡コミカライズされることになりました。詳細は追って発表いたします。

転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。  しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。  冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!  わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?  それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました! でもそこはすでに断罪後の世界でした

ひなクラゲ
恋愛
 突然ですが私は転生者…  ここは乙女ゲームの世界  そして私は悪役令嬢でした…  出来ればこんな時に思い出したくなかった  だってここは全てが終わった世界…  悪役令嬢が断罪された後の世界なんですもの……

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活

ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。 「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」 そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢! そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。 「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」 しかも相手は名門貴族の旦那様。 「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。 ◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用! ◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化! ◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!? 「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」 そんな中、旦那様から突然の告白―― 「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」 えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!? 「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、 「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。 お互いの本当の気持ちに気づいたとき、 気づけば 最強夫婦 になっていました――! のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!

その国外追放、謹んでお受けします。悪役令嬢らしく退場して見せましょう。

ユズ
恋愛
乙女ゲームの世界に転生し、悪役令嬢になってしまったメリンダ。しかもその乙女ゲーム、少し変わっていて?断罪される運命を変えようとするも失敗。卒業パーティーで冤罪を着せられ国外追放を言い渡される。それでも、やっぱり想い人の前では美しくありたい! …確かにそうは思ったけど、こんな展開は知らないのですが!? *小説家になろう様でも投稿しています

悪役令嬢ですが、どうやらずっと好きだったみたいです

朝顔
恋愛
リナリアは前世の記憶を思い出して、頭を悩ませた。 この世界が自分の遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気がついたのだ。 そして、自分はどうやら主人公をいじめて、嫉妬に狂って殺そうとまでする悪役令嬢に転生してしまった。 せっかく生まれ変わった人生で断罪されるなんて絶対嫌。 どうにかして攻略対象である王子から逃げたいけど、なぜだか懐つかれてしまって……。 悪役令嬢の王道?の話を書いてみたくてチャレンジしました。 ざまぁはなく、溺愛甘々なお話です。 なろうにも同時投稿

処理中です...