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お友達
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「きてやったわよ」
いつものように現れ、いつものように我が物顔でソファに座ってお菓子を食べる悪役令嬢ローズ。
「帰りやがーーコホン。えーと、ローズ嬢はなんのご用?」
ローズはキッと私を睨み、周りに誰もいないか確認してから話しだした。
「単刀直入に聞くわ。シオン王子様の事どう思ってるのよ?」
「シオン王子?いや、とくになんともーーってなに!?なんで更に睨むの!?」
「ならば、あのいるかいないかよく分からないあの男の子が好きなのね」
「ふぁ!?え、や、すすす好きというか、推し様というか、無限の愛といいますか、ふふふ!モブ男様は尊いかたで。へへ」
モブ男様を語る私を見て、ローズ嬢は何故か呆れていた。いや、質問をしてきたから答えただけなのに。
「あ、またシオン王子に逃げられました?」
そう私が話すと、当たっていたのか真っ赤な顔をし般若顔のローズ、君は悪役令嬢というより般若令嬢だね。私が動じず、クッキーを食べているとローズ嬢は急に立ちあがる。
ドン!と小瓶を置いた。
「え?何?香水?」
「ふん!違うわよ!貴女これがわからないの!?今令嬢で流行ってる髪のトリートメントよ!」
シオン王子の話をしにきたと思いきや、何故か今流行りのトリートメントの話をする。
「モジャモジャ髪をなんとかしなさい」
「え?‥‥つまり、私にプレゼントですか?」
ジーッと見つめると、悪役令嬢と呼ばれるローズは顔を真っ赤ににしてプイッと顔を合わせてくれなかった。
以前から嫌味やら、特に頭に怪我をしたから何をしでかすか要注意はしてたんだけど、ほんの少し今のローズ嬢が可愛く見えた。
悪役令嬢、ではないかも?
でも私はそんな優しい子じゃないから、すぐに許せないけれど‥‥
「ローズ嬢、ありがとう」
「‥‥ふん、礼はいいから早くそのみっともない髪をなんとかしなさいよ。すぐにサラサラストレートになるわ」
「へえー」
私は瓶の蓋を開けてみた。爽やかな香りで私好みだった。
そういえば、ヒロインはサラサラのストレート髪だったし、容姿も可愛いらしいんだっけ。
モブ男様もやっぱり、あーいう子が惹かれるのかな?
私はサラサラストレートになればモブ男様がビックリするかな?
今の髪型嫌いじゃないけれど、やっぱり男の子はサラサラストレート髪がいいかも‥!?
「つける!!」
「あ!そんなにつけちゃーー」
スカーレットとローズが何やら話をしていたと同時に、屋敷の外では王宮からやってきた馬車が到着していた。
馬車が到着すると義弟のオスカーが待っており、馬車からはシオン王子とアベルが降りてやってきた。
オスカーはまた何か起きるのではないかと、心配し過ぎて胃が痛いのを我慢しつつ笑顔で迎えた。
「忙しいけど、きてやったぞ!モジャ嬢は!?おい、アベルなんだその花束」
「スカーレット嬢にプレゼント。最近僕達迷惑かけてるみたいだからねえ」
わかってるなら、何故また遊びにきたんだと、義弟オスカーは呆れていた。
アベルは馬車の方を再度振り向いて声をかける。
「君も隠れてないで一緒に行こうよ」
そう話すアベルに、フッと馬車からモブ男が現れる。
「‥‥いつ気づいてたの?」
「んー途中からかな?時計台あたりから乗ってきたの?」
「‥正解」
そう話すアベルとモブ男の間にシオン王子が入ってきた。
「モブ!お前いつのまにいたんだよ!?」
「‥‥あ、申し訳ございません。急に現れて気を悪くーー」
そうシオン王子に謝ろうとするモブ男に、シオン王子は目をキラキラしたまま話しかける。
「いつも思うけど、モブ!凄いよな!大人の護衛とか気づかなったんだぞ!てか、声かけてくれよ!友達だろ!」
「‥‥‥友達‥」
「何回も一緒に遊んでれば、友達だろ?ほら、早く行こうぜ!」
少しだけ嬉しそうなモブ男といつも通りの我が道をゆくシオン王子、スカーレットが嫌がる顔をわかっていて花束をもっているアベル、そして胃が痛そうにする義弟のオスカーがスカーレットの部屋へ遊びに着いた瞬間‥‥
四人は一緒何事だと固まった。
頭がびしょ濡れのスカーレットと、戸惑っているローズ嬢がいた。
「サラサラストレートにならないなんて、なんて頑固なモジャ!」
そう嘆くローズ嬢、うん、やはりモジャモジャ髪だった。もしかしたら、サラサラストレートになるかなあと期待はしてしまった。
「はあー。サラサラストレートは難しい‥‥ハッ!モブ男様!また遊びきてくださったんですね!って‥‥モブ男様何かいいことありましたか?」
なんとなく、モブ男様が嬉しそうな顔をしていた。可愛い、尊い。
「うん、ちょっとね。シオン王子‥‥思ってたよりいい子なんだね」
クスッと笑いながら、ローズ嬢に絡まれているシオン王子を見つめて話すモブ男様‥‥
え、なに。急に。モブ男様が何故かシオン王子に興味持ったの?え?なんで?!
ま、まさか、恋とか!?
「姉上‥早く頭を乾かした方がいいですよ」
そう義弟のオスカーが話しをかけても、ブツブツ話すスカーレット嬢だった。
今日も騒がしく、アベルは「ここにくると飽きないよねえー」と笑っていた。
いつものように現れ、いつものように我が物顔でソファに座ってお菓子を食べる悪役令嬢ローズ。
「帰りやがーーコホン。えーと、ローズ嬢はなんのご用?」
ローズはキッと私を睨み、周りに誰もいないか確認してから話しだした。
「単刀直入に聞くわ。シオン王子様の事どう思ってるのよ?」
「シオン王子?いや、とくになんともーーってなに!?なんで更に睨むの!?」
「ならば、あのいるかいないかよく分からないあの男の子が好きなのね」
「ふぁ!?え、や、すすす好きというか、推し様というか、無限の愛といいますか、ふふふ!モブ男様は尊いかたで。へへ」
モブ男様を語る私を見て、ローズ嬢は何故か呆れていた。いや、質問をしてきたから答えただけなのに。
「あ、またシオン王子に逃げられました?」
そう私が話すと、当たっていたのか真っ赤な顔をし般若顔のローズ、君は悪役令嬢というより般若令嬢だね。私が動じず、クッキーを食べているとローズ嬢は急に立ちあがる。
ドン!と小瓶を置いた。
「え?何?香水?」
「ふん!違うわよ!貴女これがわからないの!?今令嬢で流行ってる髪のトリートメントよ!」
シオン王子の話をしにきたと思いきや、何故か今流行りのトリートメントの話をする。
「モジャモジャ髪をなんとかしなさい」
「え?‥‥つまり、私にプレゼントですか?」
ジーッと見つめると、悪役令嬢と呼ばれるローズは顔を真っ赤ににしてプイッと顔を合わせてくれなかった。
以前から嫌味やら、特に頭に怪我をしたから何をしでかすか要注意はしてたんだけど、ほんの少し今のローズ嬢が可愛く見えた。
悪役令嬢、ではないかも?
でも私はそんな優しい子じゃないから、すぐに許せないけれど‥‥
「ローズ嬢、ありがとう」
「‥‥ふん、礼はいいから早くそのみっともない髪をなんとかしなさいよ。すぐにサラサラストレートになるわ」
「へえー」
私は瓶の蓋を開けてみた。爽やかな香りで私好みだった。
そういえば、ヒロインはサラサラのストレート髪だったし、容姿も可愛いらしいんだっけ。
モブ男様もやっぱり、あーいう子が惹かれるのかな?
私はサラサラストレートになればモブ男様がビックリするかな?
今の髪型嫌いじゃないけれど、やっぱり男の子はサラサラストレート髪がいいかも‥!?
「つける!!」
「あ!そんなにつけちゃーー」
スカーレットとローズが何やら話をしていたと同時に、屋敷の外では王宮からやってきた馬車が到着していた。
馬車が到着すると義弟のオスカーが待っており、馬車からはシオン王子とアベルが降りてやってきた。
オスカーはまた何か起きるのではないかと、心配し過ぎて胃が痛いのを我慢しつつ笑顔で迎えた。
「忙しいけど、きてやったぞ!モジャ嬢は!?おい、アベルなんだその花束」
「スカーレット嬢にプレゼント。最近僕達迷惑かけてるみたいだからねえ」
わかってるなら、何故また遊びにきたんだと、義弟オスカーは呆れていた。
アベルは馬車の方を再度振り向いて声をかける。
「君も隠れてないで一緒に行こうよ」
そう話すアベルに、フッと馬車からモブ男が現れる。
「‥‥いつ気づいてたの?」
「んー途中からかな?時計台あたりから乗ってきたの?」
「‥正解」
そう話すアベルとモブ男の間にシオン王子が入ってきた。
「モブ!お前いつのまにいたんだよ!?」
「‥‥あ、申し訳ございません。急に現れて気を悪くーー」
そうシオン王子に謝ろうとするモブ男に、シオン王子は目をキラキラしたまま話しかける。
「いつも思うけど、モブ!凄いよな!大人の護衛とか気づかなったんだぞ!てか、声かけてくれよ!友達だろ!」
「‥‥‥友達‥」
「何回も一緒に遊んでれば、友達だろ?ほら、早く行こうぜ!」
少しだけ嬉しそうなモブ男といつも通りの我が道をゆくシオン王子、スカーレットが嫌がる顔をわかっていて花束をもっているアベル、そして胃が痛そうにする義弟のオスカーがスカーレットの部屋へ遊びに着いた瞬間‥‥
四人は一緒何事だと固まった。
頭がびしょ濡れのスカーレットと、戸惑っているローズ嬢がいた。
「サラサラストレートにならないなんて、なんて頑固なモジャ!」
そう嘆くローズ嬢、うん、やはりモジャモジャ髪だった。もしかしたら、サラサラストレートになるかなあと期待はしてしまった。
「はあー。サラサラストレートは難しい‥‥ハッ!モブ男様!また遊びきてくださったんですね!って‥‥モブ男様何かいいことありましたか?」
なんとなく、モブ男様が嬉しそうな顔をしていた。可愛い、尊い。
「うん、ちょっとね。シオン王子‥‥思ってたよりいい子なんだね」
クスッと笑いながら、ローズ嬢に絡まれているシオン王子を見つめて話すモブ男様‥‥
え、なに。急に。モブ男様が何故かシオン王子に興味持ったの?え?なんで?!
ま、まさか、恋とか!?
「姉上‥早く頭を乾かした方がいいですよ」
そう義弟のオスカーが話しをかけても、ブツブツ話すスカーレット嬢だった。
今日も騒がしく、アベルは「ここにくると飽きないよねえー」と笑っていた。
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