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バレンタインは騒がしい
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この世界でもバレンタインデーというものがある。
恋する乙女が、そう‥‥甘い甘いチョコを意中に渡して告白をするイベント!!
推し様を喜ばせたいので、明日はモブ男様を我が家へ招待した!初めてだよ!
チョコレートのお菓子を沢山用意はしたけれどやっぱり手作りもいいと考えていた。
ドガン!と屋敷の厨房が爆発音が鳴るとともに、義弟のオスカーは片手にチョコレート作りの本を持ちながら呆れた顔をして私を見つめる。
「‥‥‥僕は一から十まで、分かりやすいように姉上に説明をした筈なのに、なんで厨房が壊れるのですか?」
「あはは!不思議だよね!」
「いや、自信満々な顔しないでくださいよ!これじゃあ、また怒られるじゃないですか!?そもそもチョコ作りに僕まで巻きこまないでください」
「でも美味しいチョコをお父様とオスカーにあげたかったかし‥」
「僕にもくれるんですか?」
「そりゃ家族だし。今年は手作りが良いかなって。ごめんね」
確かに弟が出来て、これから家族として仲良くしたかったからバレンタインにチョコを作って渡したかったんだよね。でも料理などしたことがない私は、オスカーに協力を求めたのが駄目だったかも!
「い、いや‥あの‥‥別に落ち込まなくても‥気持ちだけでも嬉しーですし」
「だよね!よおし!なら、まだ頑張って作るよ!大丈夫!次は爆発なんて起きない起きない!」
「‥‥‥‥」
この後、チョコ作りは成功したのに、何故か厨房に一生入るなとお母様達にひどく叱られた。
オスカーは私のチョコを見て、青ざめていた。
「‥‥姉上。あの‥‥そのままだと、誰がどうみても犬のうーーいえ、誰かが食べてしまいそうなので、早めにラッピングいたしましょう」
そう、オスカーに言われて私はラッピングをした。お父様とオスカーには早めに渡したし、あと残りは‥‥モブ男様ね!形が良いやつはモブ男様にして、あとはまあ私が食べよっかな?
バレンタイン当日、私はモブ男様に会う準備していた時だ。
「あ、遊びに来てやったぞ!」
「やあ、今日はなんの日か知ってる?」
シオン王子とアベルだった。私がチョコを持っているのを見て、シオン王子はパァと喜び自分の手をさしだす。
「なんだ、しょうがないやつだな!俺が貰ってやるよ」
「は?寝言は後にしてくださいな」
「‥‥モジャ嬢‥いや、スカーレット。お前最近俺様に冷たくないか!?それチョコだろ!誰にあげるんだよ!」
「へえ、シオン王子ではなくて僕でもなさそうだね?ねえ、誰?誰にあげるの?義弟のオスカー君?」
「それは昨日あげました。とにかく二人は早く帰ってくださいよ。私忙しいんですから!」
そう答えると二人は、オスカーの方を見てオスカーはスッと目を逸らした。
ギャーギャーと五月蝿い、シオン王子を無視しようか、もう本当に気絶させてやろうかと本気で考えていた時だ。
「スカーレット」
‥‥あぁ、このちょっと幼さがありながらも、静かで落ちついた口調とショタが混じった高音のきゃわゆいボイスは‥‥
「モブ男様!!」
私は笑顔でモブ男様の方へと行こうとした時、シオン王子とアベルに引き留められる。シオン王子は顔を青ざめながら、プルプルと震えて話す。
「‥お、おい!モジャ嬢。お前は誰と話してるんだよ!?」
「君、空想のお友達がいるの?‥‥いや、そうじゃなかったみたいだねえ」
アベルはやっぱり未来の騎士というべきなのか、気配をすぐに察知してわかってくれた。やっぱりモブ男様の存在がわかりにくいのか、シオン王子はよくわからないと言い張りながらもジッと目を堪えて目の前にいるモブ男様がいるのを見てビックリしていた。
モブ男様はシオン王子とアベルに挨拶をしているけれど‥‥シオン王子は私にコソコソと耳打ちする。
「お、お化けじゃないよな?」
「違います。失礼な」
「さて、みんなで楽しいお茶会をしようか」
「なんでアベル様が指揮してるの!?いいから早く帰れーー」
完全に嫌がらせを楽しんでるアベル様と、シオン王子はモブ男様を見てお化けかなんかと疑いビクビクしている。
私がハアとため息を出すと、くいくいっと私の袖を摘みながら話しかけてきたモブ男様。
「大勢いたほうが賑やかだよ」
そう優しい事と言うモブ男様‥‥
鼻血出そうだわ。可愛いすぎる。
「モブ男様がそういうのであれば‥」
そう話が纏まり、さあみんなでお茶会でもしようとした時だ。
「シオン王子様!いたわ!スカーレット!!あなたのくせに、沢山の男性に囲まれてるなんて!」
「うわぉ。ローズ‥」
誰よ!ローズを通してしまったのは!!?またややこしい子がやってきて‥‥面倒になってきたし、モブ男様とのお茶会だったのに!
「みんな帰ってくれないかなあ‥はあ」
攻略対象者と悪役令嬢達は何故かここに集まってきた。
恋する乙女が、そう‥‥甘い甘いチョコを意中に渡して告白をするイベント!!
推し様を喜ばせたいので、明日はモブ男様を我が家へ招待した!初めてだよ!
チョコレートのお菓子を沢山用意はしたけれどやっぱり手作りもいいと考えていた。
ドガン!と屋敷の厨房が爆発音が鳴るとともに、義弟のオスカーは片手にチョコレート作りの本を持ちながら呆れた顔をして私を見つめる。
「‥‥‥僕は一から十まで、分かりやすいように姉上に説明をした筈なのに、なんで厨房が壊れるのですか?」
「あはは!不思議だよね!」
「いや、自信満々な顔しないでくださいよ!これじゃあ、また怒られるじゃないですか!?そもそもチョコ作りに僕まで巻きこまないでください」
「でも美味しいチョコをお父様とオスカーにあげたかったかし‥」
「僕にもくれるんですか?」
「そりゃ家族だし。今年は手作りが良いかなって。ごめんね」
確かに弟が出来て、これから家族として仲良くしたかったからバレンタインにチョコを作って渡したかったんだよね。でも料理などしたことがない私は、オスカーに協力を求めたのが駄目だったかも!
「い、いや‥あの‥‥別に落ち込まなくても‥気持ちだけでも嬉しーですし」
「だよね!よおし!なら、まだ頑張って作るよ!大丈夫!次は爆発なんて起きない起きない!」
「‥‥‥‥」
この後、チョコ作りは成功したのに、何故か厨房に一生入るなとお母様達にひどく叱られた。
オスカーは私のチョコを見て、青ざめていた。
「‥‥姉上。あの‥‥そのままだと、誰がどうみても犬のうーーいえ、誰かが食べてしまいそうなので、早めにラッピングいたしましょう」
そう、オスカーに言われて私はラッピングをした。お父様とオスカーには早めに渡したし、あと残りは‥‥モブ男様ね!形が良いやつはモブ男様にして、あとはまあ私が食べよっかな?
バレンタイン当日、私はモブ男様に会う準備していた時だ。
「あ、遊びに来てやったぞ!」
「やあ、今日はなんの日か知ってる?」
シオン王子とアベルだった。私がチョコを持っているのを見て、シオン王子はパァと喜び自分の手をさしだす。
「なんだ、しょうがないやつだな!俺が貰ってやるよ」
「は?寝言は後にしてくださいな」
「‥‥モジャ嬢‥いや、スカーレット。お前最近俺様に冷たくないか!?それチョコだろ!誰にあげるんだよ!」
「へえ、シオン王子ではなくて僕でもなさそうだね?ねえ、誰?誰にあげるの?義弟のオスカー君?」
「それは昨日あげました。とにかく二人は早く帰ってくださいよ。私忙しいんですから!」
そう答えると二人は、オスカーの方を見てオスカーはスッと目を逸らした。
ギャーギャーと五月蝿い、シオン王子を無視しようか、もう本当に気絶させてやろうかと本気で考えていた時だ。
「スカーレット」
‥‥あぁ、このちょっと幼さがありながらも、静かで落ちついた口調とショタが混じった高音のきゃわゆいボイスは‥‥
「モブ男様!!」
私は笑顔でモブ男様の方へと行こうとした時、シオン王子とアベルに引き留められる。シオン王子は顔を青ざめながら、プルプルと震えて話す。
「‥お、おい!モジャ嬢。お前は誰と話してるんだよ!?」
「君、空想のお友達がいるの?‥‥いや、そうじゃなかったみたいだねえ」
アベルはやっぱり未来の騎士というべきなのか、気配をすぐに察知してわかってくれた。やっぱりモブ男様の存在がわかりにくいのか、シオン王子はよくわからないと言い張りながらもジッと目を堪えて目の前にいるモブ男様がいるのを見てビックリしていた。
モブ男様はシオン王子とアベルに挨拶をしているけれど‥‥シオン王子は私にコソコソと耳打ちする。
「お、お化けじゃないよな?」
「違います。失礼な」
「さて、みんなで楽しいお茶会をしようか」
「なんでアベル様が指揮してるの!?いいから早く帰れーー」
完全に嫌がらせを楽しんでるアベル様と、シオン王子はモブ男様を見てお化けかなんかと疑いビクビクしている。
私がハアとため息を出すと、くいくいっと私の袖を摘みながら話しかけてきたモブ男様。
「大勢いたほうが賑やかだよ」
そう優しい事と言うモブ男様‥‥
鼻血出そうだわ。可愛いすぎる。
「モブ男様がそういうのであれば‥」
そう話が纏まり、さあみんなでお茶会でもしようとした時だ。
「シオン王子様!いたわ!スカーレット!!あなたのくせに、沢山の男性に囲まれてるなんて!」
「うわぉ。ローズ‥」
誰よ!ローズを通してしまったのは!!?またややこしい子がやってきて‥‥面倒になってきたし、モブ男様とのお茶会だったのに!
「みんな帰ってくれないかなあ‥はあ」
攻略対象者と悪役令嬢達は何故かここに集まってきた。
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