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肉まんは美味しいけど、婚約はしません
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「来週は王妃のお茶会があるけどスカーレットならきちんと受け答えができるわ」
そうニッコリと微笑むお母様…すっっかり忘れていた!!お茶会だ!!
「あのお母様、それって私は絶対行かなきゃ…うっ…行く、んですね!」
「ふふ、絶対スカーレットなら王子の婚約者候補として選ばれる事間違いなしだわ」
…母よ。特に美人でもなく、よく食べる事しかない私を何故そんな自信をもっていえるのだろうか。それに私には愛しい推しがいるのだと話したいけど、今はとりあえず母に従ったほうがよさそうかな。お茶会かあー…ローズ達もいるよねえ。また絡まれたりしたら後が面倒だなあ。でも…
「美味しいお菓子が沢山あるかも!それは楽しみだな!」
そう私が話すとお母様はクスッと笑っていた。
お茶会当日ーー
私は薄い黄色のドレスを着て参加。マーサはなんとか髪の毛を可愛いくまとめたかったようだけどこのモジャ髪は頑固なためまとめにくそうだったからいつも通り髪をおろす形となった。
私が城へ着くと、何故か令嬢達が私を見てクスクスと笑っていた。
「ねぇみて、あのモジャモジャした髪型…せっかくのお茶会なのにアレでよく来たわよねー」
「ローズ様はお優しいからあんな陰気な子相手にしてくださったのに、無視したらしいわよ。モジャモジャ令嬢のくせに」
「母親は美人だけど、似てないわよね!実は違う家の子なのよ、クスクス」
とまあ、女子あるある陰口がわんさか状態!確かにこのモジャモジャ髪は変に目立つだろうなあ。みんな、綺麗なヘアスタイルをしているけど、私は結構このモジャ髪気にいってるんだよね!個性的なら、いつかモブ男に出会った時印象に残るだろうし!ザ・ポジティブさ!
それにしても、みんなお喋りに夢中なのかお菓子を全然食べていない。私は隅っこにあるお菓子の方へ行くと軽い軽食の物もあったので、少し小腹が空いている私にはサンドイッチとか軽食の方良いかなあと思っていたら、あの食べ物があった!そう!丸くてホカホカの・・・肉まん?!
「え?えー!肉まんだ!肉まんだよね?これ。うわあ、何故肉まん?美味しそー」
私は一人で肉まんをパクリと食べていると金髪の少年が腕を組みながら私を睨んできた。
「オイ。なんでモジャモジャ令嬢がいるんだよ?俺の婚約者候補として良い家柄だからといっても俺は絶対やだかんな」
金髪の少年…前髪がパッツンでまだ幼さはあるけど、この子はメイン攻略対象者のシオン・スタードだわ。私が最後に苦戦した攻略対象者。苦戦というのは、あまり図書館に行かないキャラクターだから、モブ男に会う確率が低くて私結構苦労してたなあとしみじみと考えていたら、シオン王子は頰を膨らませながら私に怒る。
「お前!俺の話を聞いてるのか!?」
「聞いてますよ。ハイ、僕。肉まん食べますか?」
「なんで歳上ぶって言ってんだよ!?もがっ!…んぐっ・・肉まん美味いな…」
「あはは。王子チョロい」
「チョロい言うな!俺はお前のそういう生意気な態度が昔から気に食わなーー」
私はもう一度シオン王子の大きな口に肉まんをツッコんで告げた。
「シオン王子、私は婚約者の候補すらなりたくありませんのでご安心してくださいませ」
「んぐっ!?」
「俺様ツンデレは流行りませんしねー私の好みじゃないです!大丈夫!」
「も。もがっ…?」
「ははっ!でも、この美味しい肉まんを一緒に食べれてよかったです。ではさようならっ」
私はニッコリと王子に微笑むと何故か彼は固まっていた。肉まん口に入れ過ぎたかしら?
とりあえずもう王子とはご縁なし!大丈夫!
肉まんご馳走様でした!
そうニッコリと微笑むお母様…すっっかり忘れていた!!お茶会だ!!
「あのお母様、それって私は絶対行かなきゃ…うっ…行く、んですね!」
「ふふ、絶対スカーレットなら王子の婚約者候補として選ばれる事間違いなしだわ」
…母よ。特に美人でもなく、よく食べる事しかない私を何故そんな自信をもっていえるのだろうか。それに私には愛しい推しがいるのだと話したいけど、今はとりあえず母に従ったほうがよさそうかな。お茶会かあー…ローズ達もいるよねえ。また絡まれたりしたら後が面倒だなあ。でも…
「美味しいお菓子が沢山あるかも!それは楽しみだな!」
そう私が話すとお母様はクスッと笑っていた。
お茶会当日ーー
私は薄い黄色のドレスを着て参加。マーサはなんとか髪の毛を可愛いくまとめたかったようだけどこのモジャ髪は頑固なためまとめにくそうだったからいつも通り髪をおろす形となった。
私が城へ着くと、何故か令嬢達が私を見てクスクスと笑っていた。
「ねぇみて、あのモジャモジャした髪型…せっかくのお茶会なのにアレでよく来たわよねー」
「ローズ様はお優しいからあんな陰気な子相手にしてくださったのに、無視したらしいわよ。モジャモジャ令嬢のくせに」
「母親は美人だけど、似てないわよね!実は違う家の子なのよ、クスクス」
とまあ、女子あるある陰口がわんさか状態!確かにこのモジャモジャ髪は変に目立つだろうなあ。みんな、綺麗なヘアスタイルをしているけど、私は結構このモジャ髪気にいってるんだよね!個性的なら、いつかモブ男に出会った時印象に残るだろうし!ザ・ポジティブさ!
それにしても、みんなお喋りに夢中なのかお菓子を全然食べていない。私は隅っこにあるお菓子の方へ行くと軽い軽食の物もあったので、少し小腹が空いている私にはサンドイッチとか軽食の方良いかなあと思っていたら、あの食べ物があった!そう!丸くてホカホカの・・・肉まん?!
「え?えー!肉まんだ!肉まんだよね?これ。うわあ、何故肉まん?美味しそー」
私は一人で肉まんをパクリと食べていると金髪の少年が腕を組みながら私を睨んできた。
「オイ。なんでモジャモジャ令嬢がいるんだよ?俺の婚約者候補として良い家柄だからといっても俺は絶対やだかんな」
金髪の少年…前髪がパッツンでまだ幼さはあるけど、この子はメイン攻略対象者のシオン・スタードだわ。私が最後に苦戦した攻略対象者。苦戦というのは、あまり図書館に行かないキャラクターだから、モブ男に会う確率が低くて私結構苦労してたなあとしみじみと考えていたら、シオン王子は頰を膨らませながら私に怒る。
「お前!俺の話を聞いてるのか!?」
「聞いてますよ。ハイ、僕。肉まん食べますか?」
「なんで歳上ぶって言ってんだよ!?もがっ!…んぐっ・・肉まん美味いな…」
「あはは。王子チョロい」
「チョロい言うな!俺はお前のそういう生意気な態度が昔から気に食わなーー」
私はもう一度シオン王子の大きな口に肉まんをツッコんで告げた。
「シオン王子、私は婚約者の候補すらなりたくありませんのでご安心してくださいませ」
「んぐっ!?」
「俺様ツンデレは流行りませんしねー私の好みじゃないです!大丈夫!」
「も。もがっ…?」
「ははっ!でも、この美味しい肉まんを一緒に食べれてよかったです。ではさようならっ」
私はニッコリと王子に微笑むと何故か彼は固まっていた。肉まん口に入れ過ぎたかしら?
とりあえずもう王子とはご縁なし!大丈夫!
肉まんご馳走様でした!
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