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姉と妹
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「なんでよ!私は悪くないわ!全部、全部リゼお姉様のせいなんだから!‥‥っ、なんで、私だけ‥‥ぐすっ‥」
キャンディは別な牢に移動させられ、夜中に叫んでも誰も彼女を同情するものはいなかった。カツンとヒールが鳴り響く音がし、キャンディはその音の方へと目を向けるとリゼがやってきた。
「‥‥ハッ、リゼお姉様、私をまた馬鹿にしにきたの?」
「馬鹿にしにきてないわ。ただ私は貴女に聞きたい事があってきたのよ。何故そんなに私を目の敵にするの?‥‥小さい頃は仲良くできてたはずよ」
そう、お父様が直ぐに再婚し妹が出来たとしても、私は新しい家族と迎えいれた。ジッとキャンディを見つめるとキャンディは私の顔を見て笑う。
「‥ふふ、ははは!ねえ、お姉様って本当に悪い人よね。私はなんでも出来て、理解ある子でしょっていうところが本当に腹が立つわ!‥‥本当大嫌い!なんで、過去に戻っても上手くいかないのよ!!!」
そう騒ぐキャンディに私は固まってしまった。
今‥‥過去に戻ったと‥‥言った??
「キャンディ‥‥貴女‥‥何を‥」
「前回は私は当主となったのよ!なのに、みんなお姉様と私を比べるわ!!それに愛しあっていたのに、【ロン様】に裏切られた!!殺されたのよ!ぐすっ‥‥あぁ‥ロン様‥何故私を殺したの」
鉄格子から手を出して別な方へと顔を向けて話すキャンディに私は後ろを振り向くと、セイとダージリン王太子がいた。私と同じくダージリン王太子もキャンディの発言に驚いていた様子だった。
ダージリン王太子とはまた違う反応をしたのは、意外にもセイだった。セイは無表情ながらも、キャンディを見て首を傾げる。
「‥‥以前から、少し気にはなっていたのですが、何故ロンという名前を知っているのでしょうか」
そう不思議そうに話すセイに、隣りにいたダージリン王太子は質問をしていた。
「あー、その、つかぬ事を聞くけどさ、ロンって名前はセイロンの事なのか?」
「いえ違います。そうですね‥て正確には、貧民街にいた頃の偽名で使っていた名前です。もう知る者などいない筈ですが‥‥とにかくリゼお嬢様、ここは空気が悪いのでもう出ましょう」
私とダージリン王太子はセイのその話を聞いて固まってしまった。‥‥ダージリン王太子の話では、彼の一度目の人生のとき、反乱軍としてのリーダーが‥‥『ロン』という男性だった。
そして、二回目では‥‥セイロン‥‥貴方‥
「お嬢様?何故泣いて‥‥」
「‥‥いえ‥‥ごめんなさい。なんでもないわ」
私が何を察したのかダージリン王太子だけは、全てセイロンが繋がっていたんだと理解していたようだった。
私は牢にいるキャンディの方へ振り向いた。
「キャンディ、貴女を家族とは思えない。一時は本当に可愛い妹だと思っていたけど、
もう会う事はないわ。さよなら」
そう私が告げるとキャンディはまた騒ぎ出す。
「お姉様はまた、死ぬ運命なんだから!どうせロン様も裏切って殺されるわ!」
そう叫んでいた。
キャンディは死刑になるその日まで、光もなく暗闇の牢獄へいる事となる。
牢から出ると、晴れ晴れとした庭が見えてきた。
セイは私が涙を流していたのが気になっていたのか、手をぎゅっと握ってくれている。
「セイ、私はもう大丈夫よ」
「‥‥しかしリゼお嬢様‥」
「ふふ、お嬢様はもう無しでしょう」
そう私達が見つめ合っていたけれど、ダージリン王太子の事を忘れていたわ。
ダージリン王太子は呆れた顔をしていた。
「俺の存在は無視なのか。そんな事より、セイロン!お前に聞きたいんだけどさ、反乱なんて起こさないよなー?なっ!?」
ダージリン王太子、何を聞いてるのよ。私の方が呆れてしまうわ。そんたダージリン王太子にセイは意地悪な顔をして笑う。
「さあ、それは貴方の行動次第ですね」
「ちょ、マジで怖いって!前回のお前ーーあ、いや、とにかくだ!それだけはやめてくれよ?エリザベスとこれから俺はー」
セイとダージリン王太子の言い合いの姿を見て私は笑った。
もう一度牢があった方へと私は振り向いた。
私は‥‥今度こそ幸せになるわ。
キャンディは別な牢に移動させられ、夜中に叫んでも誰も彼女を同情するものはいなかった。カツンとヒールが鳴り響く音がし、キャンディはその音の方へと目を向けるとリゼがやってきた。
「‥‥ハッ、リゼお姉様、私をまた馬鹿にしにきたの?」
「馬鹿にしにきてないわ。ただ私は貴女に聞きたい事があってきたのよ。何故そんなに私を目の敵にするの?‥‥小さい頃は仲良くできてたはずよ」
そう、お父様が直ぐに再婚し妹が出来たとしても、私は新しい家族と迎えいれた。ジッとキャンディを見つめるとキャンディは私の顔を見て笑う。
「‥ふふ、ははは!ねえ、お姉様って本当に悪い人よね。私はなんでも出来て、理解ある子でしょっていうところが本当に腹が立つわ!‥‥本当大嫌い!なんで、過去に戻っても上手くいかないのよ!!!」
そう騒ぐキャンディに私は固まってしまった。
今‥‥過去に戻ったと‥‥言った??
「キャンディ‥‥貴女‥‥何を‥」
「前回は私は当主となったのよ!なのに、みんなお姉様と私を比べるわ!!それに愛しあっていたのに、【ロン様】に裏切られた!!殺されたのよ!ぐすっ‥‥あぁ‥ロン様‥何故私を殺したの」
鉄格子から手を出して別な方へと顔を向けて話すキャンディに私は後ろを振り向くと、セイとダージリン王太子がいた。私と同じくダージリン王太子もキャンディの発言に驚いていた様子だった。
ダージリン王太子とはまた違う反応をしたのは、意外にもセイだった。セイは無表情ながらも、キャンディを見て首を傾げる。
「‥‥以前から、少し気にはなっていたのですが、何故ロンという名前を知っているのでしょうか」
そう不思議そうに話すセイに、隣りにいたダージリン王太子は質問をしていた。
「あー、その、つかぬ事を聞くけどさ、ロンって名前はセイロンの事なのか?」
「いえ違います。そうですね‥て正確には、貧民街にいた頃の偽名で使っていた名前です。もう知る者などいない筈ですが‥‥とにかくリゼお嬢様、ここは空気が悪いのでもう出ましょう」
私とダージリン王太子はセイのその話を聞いて固まってしまった。‥‥ダージリン王太子の話では、彼の一度目の人生のとき、反乱軍としてのリーダーが‥‥『ロン』という男性だった。
そして、二回目では‥‥セイロン‥‥貴方‥
「お嬢様?何故泣いて‥‥」
「‥‥いえ‥‥ごめんなさい。なんでもないわ」
私が何を察したのかダージリン王太子だけは、全てセイロンが繋がっていたんだと理解していたようだった。
私は牢にいるキャンディの方へ振り向いた。
「キャンディ、貴女を家族とは思えない。一時は本当に可愛い妹だと思っていたけど、
もう会う事はないわ。さよなら」
そう私が告げるとキャンディはまた騒ぎ出す。
「お姉様はまた、死ぬ運命なんだから!どうせロン様も裏切って殺されるわ!」
そう叫んでいた。
キャンディは死刑になるその日まで、光もなく暗闇の牢獄へいる事となる。
牢から出ると、晴れ晴れとした庭が見えてきた。
セイは私が涙を流していたのが気になっていたのか、手をぎゅっと握ってくれている。
「セイ、私はもう大丈夫よ」
「‥‥しかしリゼお嬢様‥」
「ふふ、お嬢様はもう無しでしょう」
そう私達が見つめ合っていたけれど、ダージリン王太子の事を忘れていたわ。
ダージリン王太子は呆れた顔をしていた。
「俺の存在は無視なのか。そんな事より、セイロン!お前に聞きたいんだけどさ、反乱なんて起こさないよなー?なっ!?」
ダージリン王太子、何を聞いてるのよ。私の方が呆れてしまうわ。そんたダージリン王太子にセイは意地悪な顔をして笑う。
「さあ、それは貴方の行動次第ですね」
「ちょ、マジで怖いって!前回のお前ーーあ、いや、とにかくだ!それだけはやめてくれよ?エリザベスとこれから俺はー」
セイとダージリン王太子の言い合いの姿を見て私は笑った。
もう一度牢があった方へと私は振り向いた。
私は‥‥今度こそ幸せになるわ。
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