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自分の立場
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「リゼお姉さまぁ!待ってください!どうして先に学園へ行くの!?」
小走りをしながら私の後を追うキャンディは私の腕を絡めて一緒に歩く。
義母様に嫌われたくもなく、お父様に迷惑をかけたくなかったからキャンディのお願い事は良く聞いていたなぁ。無邪気に私を慕うのが可愛いと思っていたけれど、なんというか‥‥
「あっ、そうだ!あのね、いつものようやに私の宿題をお願いしてもいいかな?」
「嫌よ」
「なな、なんでぇ!?お姉様本当にどうしちゃったのぉ!!」
「貴女の頭がどうしちゃったのよ?自分の宿題くらい自分でしなさい」
そうキッパリと断ると頬を膨らませるキャンディは涙目になる。
「なんでもお願いを聞いてくれてたのに‥‥何処で変わったの‥‥やっぱり、あの汚い男でしょ!最近あの汚いやつと話してるし、全然並んでも釣り合わない!」
そう大きな声を出すキャンディに、朝からきた学園の生徒達は何事だと注目をしていた。
私はそのまま無視をして自分の教室へ向かった。
一人で突っ立っているキャンディに、生徒達はコソコソと話す。
「またリゼ嬢を困らせているぞ」
「あぁ、あの‥‥。リゼ様はあんなに立派なのにーー」
キッと睨むキャンディに、生徒達はそそくさと立ち去る。
「キャンディ」
「アッサム様ぁ!!お姉様がおかしくなったわ!いつも私の味方だったのに!」
「大丈夫だよ。キャンディ、君は心配しなくても僕が以前のようなリゼを取り戻してみせるよ」
以前は当たり前だと思っていた事がとても面倒で馬鹿くさいと感じる。フと仲良く歩く男女の生徒達を見つめる。親が決めた婚約者同士だろうけど、私から見てもお互い大好きなんだなあと感じる。
「‥‥‥いいなぁ‥‥」
そう呟いて自分のクラスの教室へと向かおうとした時、タイミングが悪かったのか、セイがいた。さっきの独り言聞こえたかな!?
セイは私の視線の先を見てどう思ったのかよくわからないけれど、何故か私に飴玉をくれた。
「‥‥なんで飴玉?」
「最近甘いものを持ち歩くようにしてるんです。仕えているお嬢様が甘いもの好きなようなので」
いつも通りに接するセイだから、さっきの独り言は聞こえてなかったのかな?聞こえてたら、なんか嫌味言われそうだものね!
「あはは!飴玉持ち歩くなんて、大阪のおばちゃんーーいや、なんでもない。ありがとう」
私はそうセイにお礼を言って立ち去る。
飴玉を食べるリゼの様子を見つめるセイロンの肩を掴むアッサムは声をかける。
「また君か?キャンディに聞いたけど、リゼとはあまり関わらないでくれ。今のリゼはおかしいんだ」
「‥‥‥本当にリゼお嬢様を大事に思うならば、今のリゼお嬢様ときちんとお話をされてはどうです?」
「‥‥なっ‥‥!言われなくても話しあうつもりだ!リゼと結婚したら真っ先に君はクビにするからな!」
「お好きにどうぞ」
淡々とした態度のセイロンが気に食わないのか、アッサムは顔を真っ赤にして拳を握りながら睨む。
「‥‥確か君も剣術大会に参加するんだろ?まあ、君みたいな者でも一応参加する資格はあるさ。ただ、リゼは特別な子だ。君とは似合わない!」
そう言いアッサムは去っていく。
「‥‥自分の立場くらい理解しています」
グッと堪える声で呟くセイロンの姿を、木の上で寝ていた赤い髪色の少年が話を聞いていた。
「ふぅーん?」
小走りをしながら私の後を追うキャンディは私の腕を絡めて一緒に歩く。
義母様に嫌われたくもなく、お父様に迷惑をかけたくなかったからキャンディのお願い事は良く聞いていたなぁ。無邪気に私を慕うのが可愛いと思っていたけれど、なんというか‥‥
「あっ、そうだ!あのね、いつものようやに私の宿題をお願いしてもいいかな?」
「嫌よ」
「なな、なんでぇ!?お姉様本当にどうしちゃったのぉ!!」
「貴女の頭がどうしちゃったのよ?自分の宿題くらい自分でしなさい」
そうキッパリと断ると頬を膨らませるキャンディは涙目になる。
「なんでもお願いを聞いてくれてたのに‥‥何処で変わったの‥‥やっぱり、あの汚い男でしょ!最近あの汚いやつと話してるし、全然並んでも釣り合わない!」
そう大きな声を出すキャンディに、朝からきた学園の生徒達は何事だと注目をしていた。
私はそのまま無視をして自分の教室へ向かった。
一人で突っ立っているキャンディに、生徒達はコソコソと話す。
「またリゼ嬢を困らせているぞ」
「あぁ、あの‥‥。リゼ様はあんなに立派なのにーー」
キッと睨むキャンディに、生徒達はそそくさと立ち去る。
「キャンディ」
「アッサム様ぁ!!お姉様がおかしくなったわ!いつも私の味方だったのに!」
「大丈夫だよ。キャンディ、君は心配しなくても僕が以前のようなリゼを取り戻してみせるよ」
以前は当たり前だと思っていた事がとても面倒で馬鹿くさいと感じる。フと仲良く歩く男女の生徒達を見つめる。親が決めた婚約者同士だろうけど、私から見てもお互い大好きなんだなあと感じる。
「‥‥‥いいなぁ‥‥」
そう呟いて自分のクラスの教室へと向かおうとした時、タイミングが悪かったのか、セイがいた。さっきの独り言聞こえたかな!?
セイは私の視線の先を見てどう思ったのかよくわからないけれど、何故か私に飴玉をくれた。
「‥‥なんで飴玉?」
「最近甘いものを持ち歩くようにしてるんです。仕えているお嬢様が甘いもの好きなようなので」
いつも通りに接するセイだから、さっきの独り言は聞こえてなかったのかな?聞こえてたら、なんか嫌味言われそうだものね!
「あはは!飴玉持ち歩くなんて、大阪のおばちゃんーーいや、なんでもない。ありがとう」
私はそうセイにお礼を言って立ち去る。
飴玉を食べるリゼの様子を見つめるセイロンの肩を掴むアッサムは声をかける。
「また君か?キャンディに聞いたけど、リゼとはあまり関わらないでくれ。今のリゼはおかしいんだ」
「‥‥‥本当にリゼお嬢様を大事に思うならば、今のリゼお嬢様ときちんとお話をされてはどうです?」
「‥‥なっ‥‥!言われなくても話しあうつもりだ!リゼと結婚したら真っ先に君はクビにするからな!」
「お好きにどうぞ」
淡々とした態度のセイロンが気に食わないのか、アッサムは顔を真っ赤にして拳を握りながら睨む。
「‥‥確か君も剣術大会に参加するんだろ?まあ、君みたいな者でも一応参加する資格はあるさ。ただ、リゼは特別な子だ。君とは似合わない!」
そう言いアッサムは去っていく。
「‥‥自分の立場くらい理解しています」
グッと堪える声で呟くセイロンの姿を、木の上で寝ていた赤い髪色の少年が話を聞いていた。
「ふぅーん?」
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