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結婚なんぞ人生の墓場!
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「久しぶりにリゼ様が学園へ来てみんな嬉しそうにしていたのに、貴女の変わりように戸惑っているみたいですね」
今日は我が家にエリザベス様は遊びにきて、二人で約束のお茶をしていた。
学園での私は居眠りやら、率先して何かやろうとしていなかった。次期生徒会長とも言われていたけど、グータラ令嬢を目指しているしね。
「エリザベス様も以前の私の方がよろしかったですか?」
そう私が質問をするとエリザベス様は少し困った顔をしながら、テーブルの上に置いてあるチョコレートを一口食べた。
「‥‥私は、リゼ様が羨ましかったですわ。社交性もあり、令嬢達の憧れでしたもの。本来そういう役目は王太子の婚約者である私がやるべきでした」
「エリザベス様は可愛いらしですよ!?」
「‥‥こんなキツイ顔の眼鏡の女など可愛いくなどありません。でも、リゼ様はやっぱり何をしても目立ちますね。良くも悪くも、ですけど、私は今のリゼ様も前のリゼ様でも、素敵な方だと思いますよ」
リスのように、チョコレートを美味しそうに食べるエリザベス様が本当に可愛いらしいんですけど!?眼鏡のせいでわからないけれど、顔立ちも綺麗なのよね。
私達が話をしているとピンク色の髪を靡かせて笑顔を向ける妹のキャンディがやってきた。
「エリザベス様!ご機嫌よう
「‥‥‥あら。ご機嫌よう。キャンディ嬢は相変わらず元気ですわね」
「えー?エリザベス様も、えーと、ピシッとされてますね!へへ」
うぉい!!!いやいやいや、妹よ!王太子の婚約者だよ!?挨拶きちんとしようよ!ご機嫌ようだけじゃないから!挨拶とか習ってないの!?私が顔を青ざめていると、エリザベス様は私の方を見て、気にしていないと目を合わせてくれた。
いや、まあ‥これから我儘グータラになる私がいちいちこれしきの事気にしてはいけない。そう、気にしてはいけない。
妹のキャンディは、まだ何も言っていないのに、私達に断りもなく勝手に座り、テーブルにある沢山のお菓子を見て驚いていた。
「え、お姉様!甘いものなんて嫌いなのに、何故食べてるんです?!」
「「‥‥‥」」
「こんなに沢山食べて、太りますよ!?エリザベス様も王太子の婚約者であるならば、チョコレートを食べるより‥‥。あの、もう少しドレスなどに気を使うべきですわ。あ!私おすすめのお店を紹介しますね!」
「「‥‥‥」」
言いたい事を言うだけ言って、嵐のように去る妹のキャンディにずっと黙って聞いていたエリザベス様はようやく口を開く。
「‥‥私にも妹や弟がいるんだけど‥リゼ様は苦労が多そうですわね。その、、今度は私の家に遊びに来てくださいな」
「‥‥そうします‥すいません」
そう私達はどっと疲れ、エリザベス様を馬車まで見送り私も屋敷の中へ入ろうとした時、沢山の薔薇の花束を持ったアッサム様が現れた。
「やあ、リゼ。久しぶりだね。君が学園に通い始めたのになかなか会えないから会いにきたよ」
「アッサム様」
アッサム様は笑顔で私に花束を渡す。流石に花には罪がないから、「こんなのいらんわ!」と投げれないよね。
「リゼ、僕との婚約を考えなおさない?僕はリゼをずっと前からーー」
「この際、きちんと申し上げますけど、私はアッサム様と結婚をするつもりありません」
そう、私がキッパリと話すとアッサム様は傷ついた顔をしていた。いや、なんで私が悪者みたいな感じなわけ??キャンディが好きなら、キャンディに申し込みをしなさいよ?
「‥‥僕は‥‥昔から君と一緒にいたから、いつも頑張っている君も愛おしいと感じてたよ」
「それは多分、気のせいですね」
「僕の君を想う気持ちが信じられないなら、これからわかってもらえるよう頑張るから。だから僕と結婚を前提にーー」
「結婚は人生の墓場です!!!」
「‥‥え?リゼ?」
「無理です!私は一生独身を貫きますから!」
「あ!ちょーーまっ」
リゼがアッサムから逃げるように屋敷へと戻る姿を、少し遠く離れたところにセイロンは見ていた。
それとは別に妹のキャンディも屋敷の窓から、リゼを見つめていた。
今日は我が家にエリザベス様は遊びにきて、二人で約束のお茶をしていた。
学園での私は居眠りやら、率先して何かやろうとしていなかった。次期生徒会長とも言われていたけど、グータラ令嬢を目指しているしね。
「エリザベス様も以前の私の方がよろしかったですか?」
そう私が質問をするとエリザベス様は少し困った顔をしながら、テーブルの上に置いてあるチョコレートを一口食べた。
「‥‥私は、リゼ様が羨ましかったですわ。社交性もあり、令嬢達の憧れでしたもの。本来そういう役目は王太子の婚約者である私がやるべきでした」
「エリザベス様は可愛いらしですよ!?」
「‥‥こんなキツイ顔の眼鏡の女など可愛いくなどありません。でも、リゼ様はやっぱり何をしても目立ちますね。良くも悪くも、ですけど、私は今のリゼ様も前のリゼ様でも、素敵な方だと思いますよ」
リスのように、チョコレートを美味しそうに食べるエリザベス様が本当に可愛いらしいんですけど!?眼鏡のせいでわからないけれど、顔立ちも綺麗なのよね。
私達が話をしているとピンク色の髪を靡かせて笑顔を向ける妹のキャンディがやってきた。
「エリザベス様!ご機嫌よう
「‥‥‥あら。ご機嫌よう。キャンディ嬢は相変わらず元気ですわね」
「えー?エリザベス様も、えーと、ピシッとされてますね!へへ」
うぉい!!!いやいやいや、妹よ!王太子の婚約者だよ!?挨拶きちんとしようよ!ご機嫌ようだけじゃないから!挨拶とか習ってないの!?私が顔を青ざめていると、エリザベス様は私の方を見て、気にしていないと目を合わせてくれた。
いや、まあ‥これから我儘グータラになる私がいちいちこれしきの事気にしてはいけない。そう、気にしてはいけない。
妹のキャンディは、まだ何も言っていないのに、私達に断りもなく勝手に座り、テーブルにある沢山のお菓子を見て驚いていた。
「え、お姉様!甘いものなんて嫌いなのに、何故食べてるんです?!」
「「‥‥‥」」
「こんなに沢山食べて、太りますよ!?エリザベス様も王太子の婚約者であるならば、チョコレートを食べるより‥‥。あの、もう少しドレスなどに気を使うべきですわ。あ!私おすすめのお店を紹介しますね!」
「「‥‥‥」」
言いたい事を言うだけ言って、嵐のように去る妹のキャンディにずっと黙って聞いていたエリザベス様はようやく口を開く。
「‥‥私にも妹や弟がいるんだけど‥リゼ様は苦労が多そうですわね。その、、今度は私の家に遊びに来てくださいな」
「‥‥そうします‥すいません」
そう私達はどっと疲れ、エリザベス様を馬車まで見送り私も屋敷の中へ入ろうとした時、沢山の薔薇の花束を持ったアッサム様が現れた。
「やあ、リゼ。久しぶりだね。君が学園に通い始めたのになかなか会えないから会いにきたよ」
「アッサム様」
アッサム様は笑顔で私に花束を渡す。流石に花には罪がないから、「こんなのいらんわ!」と投げれないよね。
「リゼ、僕との婚約を考えなおさない?僕はリゼをずっと前からーー」
「この際、きちんと申し上げますけど、私はアッサム様と結婚をするつもりありません」
そう、私がキッパリと話すとアッサム様は傷ついた顔をしていた。いや、なんで私が悪者みたいな感じなわけ??キャンディが好きなら、キャンディに申し込みをしなさいよ?
「‥‥僕は‥‥昔から君と一緒にいたから、いつも頑張っている君も愛おしいと感じてたよ」
「それは多分、気のせいですね」
「僕の君を想う気持ちが信じられないなら、これからわかってもらえるよう頑張るから。だから僕と結婚を前提にーー」
「結婚は人生の墓場です!!!」
「‥‥え?リゼ?」
「無理です!私は一生独身を貫きますから!」
「あ!ちょーーまっ」
リゼがアッサムから逃げるように屋敷へと戻る姿を、少し遠く離れたところにセイロンは見ていた。
それとは別に妹のキャンディも屋敷の窓から、リゼを見つめていた。
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