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最悪な結婚式
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純白のドレスを着て、愛する人と生涯愛を誓う憧れの結婚式。
私は幸せになるんだ。大好きなアッサム様と。
それなのに‥‥なんて残酷な事だろうか。
嫌な勉強も沢山して、大好きなケーキを食べるのも我慢して、公爵家である長女の私は、令嬢としてのお手本とされなさいと常日頃気を張って頑張っていたのに‥それも全部‥‥目の前で妹と隣に座っている婚約者アッサム様の為だった。
「……今なんと?」
「……こ、子供が出来たんだ。キャンディとの」
「お、お姉様……ごめんなさい…わ、私…でも、ずっと前からアッサム様が好きだったの!お姉様を傷つけたくなくて……!」
可愛らしい顔でピンク色の髪をふわふわと靡かせている妹のキャンディはお腹を抑えながら、涙を沢山流していた。
私のお父様とお母様は頭を抱えており、アッサム様のお父様達は私に土下座をしていた。
今日は‥‥‥私の結婚式よね?
先週まで「楽しみだね」と笑いあっていたのに?頭が真っ白になった。
「‥‥‥な、なんで‥‥‥こんな‥‥よくも裏切って‥」
「リゼ、君には申し訳ない。幼馴染であり、とても愛していた君を、こんな形で僕は‥裏切って」
「っやめて!聞きたくない!」
私はそのまま外へと飛びだして馬車に引かれてしまう。
「キャァ!お姉様!!」
「リゼ!!リゼ!誰か早く!キャンディ、君は体を冷やしてはいけない!外は雨だ!」
「で、でも‥‥お姉様!!やだ‥ごめんなさい!こんな筈じゃ‥‥!」
私が血だらけで倒れていても、アッサム様は身籠もっているキャンディの方を心配している。
あぁ……貴方はキャンディの方へ行くのね…
真っ白なドレスが真っ赤に染まる。
いつから2人はそんな関係だったの?
結婚をして子供ができて、幸せな結婚を夢見ていた。なのに
‥‥‥最悪の結婚式だわ。
私は土砂降りの雨の中、空に向かって手を差し伸べる。神がいたら、一発ぶん殴りたい気分よ‥‥。
ふと温かい手が私の手を握る。
「リゼお嬢様‥!」
「……セイ…?」
この声は我が家の専属の騎士……口も態度も生意気の奴で、セイロンとはあまり話したことがないのに。
もうセイロンの顔はよく見えないけれど……手は温かい……。
「俺はなんのために‥‥」
セイロンは‥‥冷たい男だと思っていたけど、唯一私の為に涙を流してくれるのね。
あぁ‥‥本当最悪な結婚式だわ。
私は幸せになるんだ。大好きなアッサム様と。
それなのに‥‥なんて残酷な事だろうか。
嫌な勉強も沢山して、大好きなケーキを食べるのも我慢して、公爵家である長女の私は、令嬢としてのお手本とされなさいと常日頃気を張って頑張っていたのに‥それも全部‥‥目の前で妹と隣に座っている婚約者アッサム様の為だった。
「……今なんと?」
「……こ、子供が出来たんだ。キャンディとの」
「お、お姉様……ごめんなさい…わ、私…でも、ずっと前からアッサム様が好きだったの!お姉様を傷つけたくなくて……!」
可愛らしい顔でピンク色の髪をふわふわと靡かせている妹のキャンディはお腹を抑えながら、涙を沢山流していた。
私のお父様とお母様は頭を抱えており、アッサム様のお父様達は私に土下座をしていた。
今日は‥‥‥私の結婚式よね?
先週まで「楽しみだね」と笑いあっていたのに?頭が真っ白になった。
「‥‥‥な、なんで‥‥‥こんな‥‥よくも裏切って‥」
「リゼ、君には申し訳ない。幼馴染であり、とても愛していた君を、こんな形で僕は‥裏切って」
「っやめて!聞きたくない!」
私はそのまま外へと飛びだして馬車に引かれてしまう。
「キャァ!お姉様!!」
「リゼ!!リゼ!誰か早く!キャンディ、君は体を冷やしてはいけない!外は雨だ!」
「で、でも‥‥お姉様!!やだ‥ごめんなさい!こんな筈じゃ‥‥!」
私が血だらけで倒れていても、アッサム様は身籠もっているキャンディの方を心配している。
あぁ……貴方はキャンディの方へ行くのね…
真っ白なドレスが真っ赤に染まる。
いつから2人はそんな関係だったの?
結婚をして子供ができて、幸せな結婚を夢見ていた。なのに
‥‥‥最悪の結婚式だわ。
私は土砂降りの雨の中、空に向かって手を差し伸べる。神がいたら、一発ぶん殴りたい気分よ‥‥。
ふと温かい手が私の手を握る。
「リゼお嬢様‥!」
「……セイ…?」
この声は我が家の専属の騎士……口も態度も生意気の奴で、セイロンとはあまり話したことがないのに。
もうセイロンの顔はよく見えないけれど……手は温かい……。
「俺はなんのために‥‥」
セイロンは‥‥冷たい男だと思っていたけど、唯一私の為に涙を流してくれるのね。
あぁ‥‥本当最悪な結婚式だわ。
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