19 / 25
人間
十八日目
しおりを挟む
今日は、家で映画を観た。
ほとんどは、小説が原作になっているものばかりだったので、もともと内容は知っていた。それでも、映画化された作品たちにはやはり、原作とは違った「面白さ」があるのだ。
例えば、原作をどのぐらい反映するのかが、作品によって全然違ったりするのだ。
ある作品は、過去の回想がメインストーリーになっている原作に、プラスアルファで登場人物たちの現在のストーリーを追加していた。新たな設定によって、原作には無かった伏線回収があったりして、映画として完成度の高いものに仕上がっていた。
もちろん、半分ぐらいの作品は、原作を忠実に再現したものだ。勝手に変更を加えて、原作よりいい作品に仕上げるというのは難しいし、それに、どんなに出来が良くても、納得出来ない一定数の原作ファンを怒らせることになるのだそうだ(テレビでそう言った話題をやっていた)。
俺にはあまり、理解が出来なかった。
いい作品、悪い作品というのも、それに対して「怒る」というのも、俺にはいまいちピンと来なかった。
単純に、小説の内容を二時間に凝縮するのだから、どこか一部はカットしなければならないのは、当たり前だと思う。
また、ある小説では闇市の雑多な感じを表現するために、「蒸し芋芋の粉団子握り飯大福」と、食べ物の名前を羅列していたりする。こういった、小説ならではの表現があったりする中で、小説と同じような面白さを求めるのは、ちょっと違うんじゃないかな、なんて思ったりもする。
同じ作品を二度楽しめるというのに、なんだか、人間はもったいない楽しみ方をしてるような気がした。
ゆうかから突然、「明日ヒマだろ? 桜をデートに誘え」と送られてきた。
デート。
それは、カップルが二人で遊びに行くことを指す。
まさか俺が、中学生になって二ヶ月経たないうちに、この単語と出会うなんて、想像もしていなかった。
とりあえず俺は、桜にデートの誘いの文章を送って、それから、デートのことについて調べてみた。
学生向けのオススメデート先で検索して、出てきたのは、
「遊園地、大型ショッピングモール、水族館、動物園、スポッチャ、etc…………」
などの地方の田舎に住む中学生が簡単に行けなさそうな場所。それか、
「カフェ、ボウリング場、カラオケ、繁華街、ゲームセンター、話題のレストラン、etc…………」
などの、俺が人生で触れてこなかった要素が入った施設。この二種類のどちらかだった。
そんな中、一つだけ、興味のそそられるものがあった。
「映画鑑賞」
ちょうど、新作の観たい映画があったところだったのだ。早速俺は桜に、映画館に行くつもりだと言うことを追加で連絡した。
「映画かぁ」
桜は、彼女は、一体どんな風に映画を観るのだろうか。
知りたい、と思った。
ほとんどは、小説が原作になっているものばかりだったので、もともと内容は知っていた。それでも、映画化された作品たちにはやはり、原作とは違った「面白さ」があるのだ。
例えば、原作をどのぐらい反映するのかが、作品によって全然違ったりするのだ。
ある作品は、過去の回想がメインストーリーになっている原作に、プラスアルファで登場人物たちの現在のストーリーを追加していた。新たな設定によって、原作には無かった伏線回収があったりして、映画として完成度の高いものに仕上がっていた。
もちろん、半分ぐらいの作品は、原作を忠実に再現したものだ。勝手に変更を加えて、原作よりいい作品に仕上げるというのは難しいし、それに、どんなに出来が良くても、納得出来ない一定数の原作ファンを怒らせることになるのだそうだ(テレビでそう言った話題をやっていた)。
俺にはあまり、理解が出来なかった。
いい作品、悪い作品というのも、それに対して「怒る」というのも、俺にはいまいちピンと来なかった。
単純に、小説の内容を二時間に凝縮するのだから、どこか一部はカットしなければならないのは、当たり前だと思う。
また、ある小説では闇市の雑多な感じを表現するために、「蒸し芋芋の粉団子握り飯大福」と、食べ物の名前を羅列していたりする。こういった、小説ならではの表現があったりする中で、小説と同じような面白さを求めるのは、ちょっと違うんじゃないかな、なんて思ったりもする。
同じ作品を二度楽しめるというのに、なんだか、人間はもったいない楽しみ方をしてるような気がした。
ゆうかから突然、「明日ヒマだろ? 桜をデートに誘え」と送られてきた。
デート。
それは、カップルが二人で遊びに行くことを指す。
まさか俺が、中学生になって二ヶ月経たないうちに、この単語と出会うなんて、想像もしていなかった。
とりあえず俺は、桜にデートの誘いの文章を送って、それから、デートのことについて調べてみた。
学生向けのオススメデート先で検索して、出てきたのは、
「遊園地、大型ショッピングモール、水族館、動物園、スポッチャ、etc…………」
などの地方の田舎に住む中学生が簡単に行けなさそうな場所。それか、
「カフェ、ボウリング場、カラオケ、繁華街、ゲームセンター、話題のレストラン、etc…………」
などの、俺が人生で触れてこなかった要素が入った施設。この二種類のどちらかだった。
そんな中、一つだけ、興味のそそられるものがあった。
「映画鑑賞」
ちょうど、新作の観たい映画があったところだったのだ。早速俺は桜に、映画館に行くつもりだと言うことを追加で連絡した。
「映画かぁ」
桜は、彼女は、一体どんな風に映画を観るのだろうか。
知りたい、と思った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
咲き乱れろスターチス
シュレッダーにかけるはずだった
青春
自堕落に人生を浪費し、何となく社会人となったハルは、彼女との待ち合わせによく使った公園へむかった。陽炎揺らめく炎天下の中、何をするでもなく座り込んでいると、次第に暑さにやられて気が遠のいてゆく。
彼は最後の青春の記憶に微睡み、自身の罪と弱さに向き合うこととなる。
「ちゃんと生きなよ、逃げないで。」
朦朧とした意識の中、彼女の最後の言葉が脳裏で反芻する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる