とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛

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隣のクラスの水瀬さん

第2話 きっとあったはずの恋模様

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 目の前にいる彼女から立ち上る淫気が教室を満たしていく。まるで彼女の気に当てられたかのように私自身もどんどん気が高ぶっていく気がする。
「どうだった?それを入れたままの生活は」
「・・・最悪の気分だったわ」
「その割には随分食い込んでるけどね」
「ずっと入れてるんだから当たりまえでしょ!」
全身から発情の匂いを振りまきながら怒られても、威厳も何も無いが。微妙に赤い顔でそっぽを向かれると彼女に対する嗜虐心がムクムクと起き上がってくる。
「そっかそっか、ごめんごめん」
そう言いながら私はディルドをいっそう奥に押しこんだ。ぐちゅり、という水音がはっきりと聞こえてくる。
「んひっ」
押し込んだままぐりぐりともっと押し込むように捩じる。
「ちょ、まっ」
押し込む私の手を掴む手にも力が入っていない。止めることも押し返すこともできないただ添えられるだけの手。なんの意味もないその手も私にとってはこの興奮にさらに燃料を投下する。
押し込むたびに漏れる彼女の吐息が私の耳にもかかる。甘くて、艶めかしい、その吐息は私の理性を溶かして、燻ぶっていた私の欲望に更にガソリンをかけた。
「ねえ」
わざと彼女の耳元で囁く。耳が敏感な彼女にこんなことをしたらいつもなら烈火のごとく暴れるものだが、この状況なら暴れるだけの元気なんてない。
「なによ」
「んーん、呼んだだけ」
そういう間にも私の手は玩具を動かす。流石に電源を入れて、大声でも出されると面倒だから入れないけど。
もう立っていることも難しくて、私の腕を必死に掴んで立っている彼女を見ていると、私は何もつけていないのに濡れてくる気がする。
彼女の腰の動きに合わせて、ゆっくりと玩具を動かす。あまり激しくしても痛いだけだし。
動かすたびに彼女の腰が前後に擦り付けるように動き始める。
「ん、イっ」
「はい、ストップ」
「んえ?」
「終わり?」
「な、なんで」
「だってほら」
私が時計を指さすのと同時にチャイムが鳴り響く。
「今イッたら授業サボっちゃうことになるもんね」
「べ、別にいいから!サボるから!」
「ダメ」
「な」
「じゃ、放課後にここね。あ、外したら駄目だよ?」
この世の終わりのような顔をしている彼女を置いて私は教室に帰ることにした。彼女にしているのは、今朝突っかかってきた仕返し、つまりお仕置きだ。そんな簡単に気持ちよくなってもらっては困る。


「あ、水瀬みなせ。お帰り、どこ行ってたの?」
「ん、優子ゆうことご飯食べてた」
「優子って譲島じょうじまさん?」
「そうだよ」
「最近仲いいよね」
「まぁ、そうかも、ね」
「何その反応。付き合ってんの?」
「な、そ、そんなわけないでしょ!ただの友達。あいつあんまり友達いないから」
「ふ~ん、そうですか」
「その顔腹立つ」


 やっと放課後になった。彼女を我慢させたけど、私も我慢していたわけで。私もそうとうムラついていた。とっくに放課後になったはずの時間なのになかなか来ない。掃除当番なのかもしれないし、何か先生呼び出されているのかもしれない。
でもそんなことが少し腹立たしく思ってしまうほどに今の私には余裕がない。
永遠にも思えるほどの時間が経ってからやっと彼女がやってくる。
「やっと来た」
「掃除してただけなのに、ずいぶんな言い草ね」
「じゃあ、連絡してよ」
「はいはい」
スカートの中に玩具を仕込んでいるとは思えないほどに済ました顔で相槌を打つ彼女は昼に比べると随分と余裕がある。
「えい」
「きゃあっ!!」
不思議に思った私は彼女のスカートを思い切りめくってみることにした。そこにはちゃんとパンツ越しに玩具があった。さっきまで饒舌にしゃべっていた口が止まって顔が昼休みの時のように真っ赤になる。
「・・・何するのよ」
スカートの裾を私から取返し、軽く整え、じっとりとした目で私を睨んでくる。なんでかはわからないけど、なんだか胸の奥がきゅっとした。
もっと大きな声で暴れるかと思ったが、そんな予想をあっさりと裏切ってシュンとした顔で、シュンとした声を出している。
正直、その声だけでだいぶすっきりした。なんか、すごい満足感がある。
「いや、実はもう入れてないのかなって」
「ちゃんと入れてるわよ。なれただけ」
「そっか。じゃあ、はい」
約束は約束。私は彼女に携帯を渡した。なんだかぽかんとした顔をしている。もしかして今朝した約束のことをもう忘れたのだろうか。
「消していいよ?今朝約束したじゃん。忘れたの?」
「・・・」
何も言わずに私の手から携帯を取って、動画を消し始める。
「ん」
すぐに消し終わったのか、すぐに携帯を返してくる。
「じゃ、それ、あげるから」
「は?」
「え?あげる、そのディルド」
「いや、そこに対するは、じゃないから」
「?」
彼女が何を言っているのかわからない。今朝した約束はこれで終わったはずだし、他人が使った玩具を誰かにあげるわけにもいかない。だからあげるだけなんだけど。
私の困った顔を不満げに見つめたかと思うと、彼女は急に自分でスカートをたくし上げた。何も言わずに、そのままパンツとディルドを外す。
なんとも言えない音とともに彼女の体から外れた玩具はぬっとりとしたテカリを以て外に出てきた。今まで入っていた場所にはぽっかりと穴が開いていて、何かを求めるように水が絡み合う音が聞こえてくる。
「はぁっ」
まるで見せつけるようにそのなんでも入りそうな穴を見せつけてくる。さっき収まった気がしていた気分が彼女の姿を見ているとまた大きく盛り上がってくる。
彼女の言いたいことはわかる、できることならそのまま彼女に襲い掛かりたいところだったけれど、何となくそれは負けた気がして、何も言えない。それは彼女も同じだったみたいでさながら我慢比べの様相を呈していた。
けっきょく根負けしたのは彼女だった。
「ここまで焦らされて、このままはいそうですかって帰れるわけないでしょ!」
私は何を言うべきか迷って一瞬口ごもった。
「んっ!」
その隙を彼女に突かれた。目の前に彼女の綺麗な瞳があって、そこに映っているのは私の驚いた間抜け顔だった。
まるで私をそのまま吸い込んでしまおうとするかのようなキスのあと、彼女はやっと口を開いた。

「なんでもしていいから、気持ちよくしてよ・・・」
私には彼女を押しのけるだけの強さも言いくるめるほどの理性も残っていない。
まるで昼と逆転した彼女との立ち位置がなんだか可笑しくて、少しだけ笑った。
ああ、そういえば気持ちよくしてあげるって言ったな、なんてそんなことを思い出していた。
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