聖夜交錯恋愛模様

神谷 愛

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最終話 一彼女二彼女三彼女

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 火照った体を抱いて部屋に戻る。風呂に行く前にエアコンをつけていたらしい。外の寒さなんてまるで存在しないかのような温かさが私たちを迎える。
「あったかい」
「エアコンつけてから入ったからね」
「私の彼女は有能ね」
「もっと褒めてもくれてもいいよ。何も出ないけど」
「何も出ないのかぁ」
「何よ、何か出ないと褒めてもくれないの?」
「そういうわけじゃないけど」
意外とこどもっぽい拗ね方をする。身長のこともあって、いつもは必要以上に大人としてふるまおうとしているが、今日はその理性も売り切れらしい。私といるからなのか、もう疲れたからなのか、私としては前者の方が嬉しいのだけど。
「はいはい、今日も聖子は可愛いわよ」
「足りない」
「わがままねぇ。髪から良い匂いするし、いつも頑張ってるね」
「・・・もっと」
せがむ割にはもう顔も耳も真っ赤で手なんか小刻みに震えている。彼女的にはばれていないつもりらしい。随分と可愛い押しかけ強盗さんは私の腕の中でもっともっとと餌を強請る。押しかけているのは私だし、強盗というには彼女は可愛すぎるけど。

「すっっっっっごい、かわいい」

耳元で吐息たっぷりに囁く。一瞬彼女の全身が戦慄いたかと思うと、まるで糸が切れたかのように力が抜ける。
「イっちゃったの?」
「イ、イってないし・・・」
紅潮した顔と小刻みに震える身体でいったい何をごまかそうというのか、頑なに認めようとしないけれど、それでも身体を走る痙攣と甘い声は本物で、私の中の理性を大音声で揺さぶる。
ふぅっ、と彼女の耳に息を吹きかけてあげれば、まるで捕食される小動物のようにぴくぴくと身体を震わせる。
「バスタオル、脱ご?」
「・・・」
耳元で囁かれる言葉に抗えもしない可愛い私の彼女は必死に首を縦に振るだけで、もう声を聞かせてくれない。とはいえ何も言わないだけで、黙々とバスタオルを外す。未だに少し恥ずかしそうなのが得も言われぬ興奮を感じさせる。
「・・・いつまで見てるのよ」
「はいはい」
一緒にお風呂なんて何回も入ったことがあるのに、そこまで恥ずかしがる必要はないと思うんだけどな。急かされるように私もバスタオルを外す。
「相変わらず正子のは無駄にでかいわね」
「別に好きで大きくなったわけじゃないよ」
「半分ぐらいもらいたいんだけど」
「あげられるならあげたいけどね。部活で邪魔だし」
「・・・」
無言で私の胸をわしづかみにしてちぎろうとして来る。目が本気だったので少し怖かった。
「きゃっ!」
「聖子もそんな色っぽい声出せるのね」
いい加減に焦れて彼女の足の間に手を滑らせる。あの日は聖子にいい様にされてしまったので、少し悔しかったのだ。秘裂を触った手はぐっしょりと濡れていて、既に彼女の準備が万端であることを示している。
濡れそぼったはまるで餌に餓えた小鳥のようにパクパクと口を動かす。開閉のたびに淫猥な糸が引かれ、淫靡な音が鳴る。蜜壺という以外に形容しがたいは私の目線も意識も奪う。
「聖子、何も言われないとなんか恥ずかしいんだけど」
「・・・私はもっと恥ずかしいわよ!そんなにまじまじと見つめるから!」
「ごめんって。ちょっと見入ってただけ」
「そんなところ見つめないでよ」
拗ねるのではなく、ただ目線を下げられると、何だか一等に罪悪感が湧き上がる。
「ん」
誤魔化しているわけじゃない、聖子はキスが好きだから、慰めているだけ。そんな言い訳じみた思考をしながら、聖子に口づける。あの日以来のキスは神社で飲んだ甘酒の味がした。
口の中に入れた舌を甘酒と彼女の混ざった味を堪能しながら振り回す。今後誰とキスしても私を思い出せるように、マーキングとも言えるキスを彼女の中に刻む。絡まる舌と水をかき混ぜる音が私の脳内のまだ残っていた理性や倫理の在庫を一掃していく。いつしか互いの手を首に回していた。背中に回した手が彼女の古傷を撫でる。少し触れる度に彼女の体が跳ねる。あんま触ると彼女の逆鱗を撫でるどころか、踏み詰ることになる。私はまだ命が惜しい。
やっと離した口を彼女の下半身に向かわせる。仰向けになった聖子はいっそう欲情を掻き立ててたまらない。全身から襲ってほしそうな匂いを立てる彼女のふとももに舌を這わせる。
「あっ」
彼女の口から漏れた声を気にする余裕もなく私は彼女の女淫に舌を這わせる。彼女の体を触っている間に自分のも随分と湿り気を帯びている。彼女には絶対にばれるわけにはいかないけど。
「正子」
「何。ちょっ」
いつの間にか聖子の手が私に伸びている、その先は私の随分と水っぽい秘部だ。しっかりと触られては言い訳のしようもない。
「何よ」
「別に?好き放題私のをいじくりまわすわりに自分は随分な濡れようだなって」
「う」
「ちょっとあんたが下になってよ」
言われるがままに仰向けになる。次は彼女のターンということなのだろうか。今夜は私のターンのままにするつもりだったのに。
「よいしょっと」
思わず言葉を失う。目の前にあるのはさっきまで私が舐めようとしていた場所。私の顔の前に秘部を曝け出してしたいことなんて一つしかない。
「先にイった方が負けね」
それだけ言うと私の有無なんて確認することもなく、彼女の指が私のそこに遠慮なく入ってくる。
「んぅっ!」
思わず声が漏れる。このままだと今日も彼女のペースに持ち込まれる。今日こそは私が勝つ、そう思って彼女に舌を伸ばす。
舌で彼女の中に入っていく。割れ目を舌で無理やり開いて中にねじ込んでいく。みっちりと詰まった膣中は脈動するたびに私の舌を追い出そうとするかのように蠢く。追い出されないように必死に舌を動かしても、彼女には遠く及ばない。
意識して考えないようにしていた下半身も、彼女の舌でぐずぐずに蕩かされていて、何で今イっていないのかが不思議だ。彼女の舌が触れる度に絶頂の階段を一歩上り、彼女の指が入る度に絶頂一歩手前の声が漏れる。ドキドキと爆発しそうな心臓が自分の絶頂が目の前にあることを必死に訴える。
「正子」
「・・・何よ」
「お願いしてくれたら、イかせてあげる」
「別に、いいし」
「ふぅん」
「んんんんぅっぅ」
私の強がった返事を取り消させるかのように彼女の小さい唇が私の陰核を吸い上げる。さっきまで周りを触られて敏感になっていた突起は醜くも一瞬で限界を迎える。それでも私自身は絶頂を迎えられない、彼女の掌の上でただ踊っただけだ。
「お願いしてくれたら、イかせてあげる」
もう一度同じ言葉が繰り返される。それは私が絶対に言うと思っている自信から出てくる言葉だったし、事実私にはもう彼女の言葉に従う以外の道があるわけではない。
「イ・・・。・・・」
「聞こえない、もっと大きな声で言って?」

「イかせてください!!もう限界なの!お願いだから、イかせてください!!」

思わず叫ぶように言ってしまった言葉は盆には返らない。そしてそれは私と彼女の変わってしまった関係の始まりの言葉でもあった。
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