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第9話 誰もが祭囃子の中で踊りたいわけじゃない
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学校が浮かれている。それもそう、学校祭の時期が近づいているからだ。昔からこの手の祭り前の空気が苦手だった。お祭り騒ぎが嫌いなわけじゃない、でも参加したくないのだ。外から眺めるのが一番性にあう。でもこの空気は参加を渋る私を責め立てるように感じる。単なる被害妄想だとわかっている、でも苦手なものは苦手なのだからしょうがない。
だから今年も適当に参加してお茶を濁すつもりだった。そう、だった、だ。何を思ったのかうちのクラスはメイド喫茶をやることになったのだ。そしていつも通り、小さくなって存在感を消していた私をメイドに取り立てたのだ。やりたくはない、やりたくはないがしょうがない。ここで逃げると角が立ってしょうがない。
「いらっしゃいませ、ご主人様」
反吐が出そう。私のご主人様は一人しかいないのに、こんなのにご主人様なんて呼ばせるクラスメイトには億の呪詛を送っても足りない。
せめての抵抗で無表情でやっても逆効果になっているし、もうどうにでもなれ。
「かわいいね、名前教えてよ!」
「かわいいね!」
「すごく似合ってるよ!自奈《じな》さん!」
「自奈、めちゃめちゃ似合ってるじゃん」
うるさいうるさいうるさいうるさい。その台詞を言ってほしいのはご主人様であって有象無象のこいつらじゃない。
そんな心を飲み込んで一日目がやっと終わる。
「よお」
誰もいなくなった教室。そこで私は一人黄昏ていた。なんとか男子から逃げ、心配する女子を撒き、やっと誰もいない教室に帰ってこれたのは下校時刻のぎりぎり。メイド服を脱ぐ暇もなく、やっと一息ついたところでご主人様がやってきた。
「ご主人様?」
「おう、盛況だったみたいだな」
「ええ、まぁ」
「疲れたか」
「はい、それよりもご主人様以外にご主人様と呼ばなければいけないのが本当にストレスでした」
「そりゃ主人冥利につきるな。じゃあ、そんなお前にご褒美をあげないとな」
「え?」
確認する暇もない。そこにはご主人様の顔があって、いつの間にか私はキスをされていた。
「ご主人様・・・」
「なんだ、不満か?」
「滅相もありません。でも・・・スイッチが入ってしまいました♡」
ご主人様の熱いキスは私を疲れた女生徒から雌に変えるのに十分すぎた。
「ずいぶん軽いスイッチだな全く」
「でも、押せるのはご主人様だけですよ♡」
「全く、媚びるのは天才的だな」
「それはもう、ご主人様に愛されるのが私の幸せですから♡」
私はついさっきまで邪魔だとしか思っていなかったメイド服が急に色香を纏い始めている気がしてきた。
「ご主人様ぁ・・・」
ご主人様の膝の上に座って甘えてみる。いつもはあまりこういう恋人のようにいちゃついたりすることが無いので少し恥ずかしい。
「なんだ、恥ずかしいのか?いつもこれより布が少ない恰好も恥ずかしいポーズもしているだろう」
「それは、そうですけど」
「しかも、だ」
そう言ってご主人様の手がメイド服の中に入ってくる。太くて熱い指は今まで意識しないようにしていた場所にまで意識させるようにゆっくりとねっとりと触ってくる。
「こんなにぐっしょり濡らして今さら生娘みたいな反応をするとはな」
「だって♡ご主人様を見ていると自然と濡れてきちゃうんです♡」
「全く、慣れてきたつもりだったが、お前ほんとうに変態だ、な!」
いつの間にか胸に伸びていた手がいきなりぎゅっと乳首をつねる。
「うひゃぁっ♡」
潰すような、今までの甘さにピンを刺すような激しさが私を「雌」から「ご主人様の雌犬」にする。
「また締め付けが強くなったじゃないか」
膣の中に入っているご主人様の指を一層強く感じる。それほどに強く、狭く締まった私の顔は今どうなっているのだろうか。女か雌かはたまた雌犬か。
ご主人様の手ではもう掴み切れないほどに大きくなった胸を揉みしだかれる。指が沈む、神経の塊になったかのように揉まれるごとに声が漏れる。
「んっ、ご主人様、今日はなんだかゆったりですね」
「ここはお前の教室だからな。誰かが戻ってくるかもしれない、それに鍵もかけられないからな」
「邪魔が入るのも嫌ですもんね」
私とご主人様の蜜の時間を邪魔されるのは確かに我慢できないかもしれない。だからこそ今は前戯だけで我慢することになるのも仕方がないのかもしれない。それにこの服は買ったものだし、いつでも着ることが出来る。今はこの状況だけを楽しむべきなのかもしれない。
「ご主人様。愛しています」
ご主人様の耳元で囁く。足に当たるご主人様のちんぽが大きく膨らみ、蠢いている気がした。もう一度の熱いキスをしようとした。ここではほとんど何もできないのだから、せめてもの証にと。
コツコツ。
廊下の向こうから靴音がする。思わず反射的に離れる。ここを見られたら困るのは私よりもご主人様だ。
近づいていたはずの靴音は少しした後に離れていった。電気を消していたのが幸いしたらしい。
「また今度にするか」
「場所を移すだけでもいいですよ」
互いに苦笑する。そんな時間が無いことはどちらもわかっている。言ってみただけだ。でもあの邪魔が無ければもっとご主人様と触れ合っていられたと思うとやっぱり寂しい。きっと今日はいつもより激しく自分を慰めることになるだろうと思った。
電気が消えた、人がいない学校の中を歩きながらそんなことを思っていた。
私だけのご主人様、ご主人様だけの私。誰にも渡さないし、渡さない。
だから今年も適当に参加してお茶を濁すつもりだった。そう、だった、だ。何を思ったのかうちのクラスはメイド喫茶をやることになったのだ。そしていつも通り、小さくなって存在感を消していた私をメイドに取り立てたのだ。やりたくはない、やりたくはないがしょうがない。ここで逃げると角が立ってしょうがない。
「いらっしゃいませ、ご主人様」
反吐が出そう。私のご主人様は一人しかいないのに、こんなのにご主人様なんて呼ばせるクラスメイトには億の呪詛を送っても足りない。
せめての抵抗で無表情でやっても逆効果になっているし、もうどうにでもなれ。
「かわいいね、名前教えてよ!」
「かわいいね!」
「すごく似合ってるよ!自奈《じな》さん!」
「自奈、めちゃめちゃ似合ってるじゃん」
うるさいうるさいうるさいうるさい。その台詞を言ってほしいのはご主人様であって有象無象のこいつらじゃない。
そんな心を飲み込んで一日目がやっと終わる。
「よお」
誰もいなくなった教室。そこで私は一人黄昏ていた。なんとか男子から逃げ、心配する女子を撒き、やっと誰もいない教室に帰ってこれたのは下校時刻のぎりぎり。メイド服を脱ぐ暇もなく、やっと一息ついたところでご主人様がやってきた。
「ご主人様?」
「おう、盛況だったみたいだな」
「ええ、まぁ」
「疲れたか」
「はい、それよりもご主人様以外にご主人様と呼ばなければいけないのが本当にストレスでした」
「そりゃ主人冥利につきるな。じゃあ、そんなお前にご褒美をあげないとな」
「え?」
確認する暇もない。そこにはご主人様の顔があって、いつの間にか私はキスをされていた。
「ご主人様・・・」
「なんだ、不満か?」
「滅相もありません。でも・・・スイッチが入ってしまいました♡」
ご主人様の熱いキスは私を疲れた女生徒から雌に変えるのに十分すぎた。
「ずいぶん軽いスイッチだな全く」
「でも、押せるのはご主人様だけですよ♡」
「全く、媚びるのは天才的だな」
「それはもう、ご主人様に愛されるのが私の幸せですから♡」
私はついさっきまで邪魔だとしか思っていなかったメイド服が急に色香を纏い始めている気がしてきた。
「ご主人様ぁ・・・」
ご主人様の膝の上に座って甘えてみる。いつもはあまりこういう恋人のようにいちゃついたりすることが無いので少し恥ずかしい。
「なんだ、恥ずかしいのか?いつもこれより布が少ない恰好も恥ずかしいポーズもしているだろう」
「それは、そうですけど」
「しかも、だ」
そう言ってご主人様の手がメイド服の中に入ってくる。太くて熱い指は今まで意識しないようにしていた場所にまで意識させるようにゆっくりとねっとりと触ってくる。
「こんなにぐっしょり濡らして今さら生娘みたいな反応をするとはな」
「だって♡ご主人様を見ていると自然と濡れてきちゃうんです♡」
「全く、慣れてきたつもりだったが、お前ほんとうに変態だ、な!」
いつの間にか胸に伸びていた手がいきなりぎゅっと乳首をつねる。
「うひゃぁっ♡」
潰すような、今までの甘さにピンを刺すような激しさが私を「雌」から「ご主人様の雌犬」にする。
「また締め付けが強くなったじゃないか」
膣の中に入っているご主人様の指を一層強く感じる。それほどに強く、狭く締まった私の顔は今どうなっているのだろうか。女か雌かはたまた雌犬か。
ご主人様の手ではもう掴み切れないほどに大きくなった胸を揉みしだかれる。指が沈む、神経の塊になったかのように揉まれるごとに声が漏れる。
「んっ、ご主人様、今日はなんだかゆったりですね」
「ここはお前の教室だからな。誰かが戻ってくるかもしれない、それに鍵もかけられないからな」
「邪魔が入るのも嫌ですもんね」
私とご主人様の蜜の時間を邪魔されるのは確かに我慢できないかもしれない。だからこそ今は前戯だけで我慢することになるのも仕方がないのかもしれない。それにこの服は買ったものだし、いつでも着ることが出来る。今はこの状況だけを楽しむべきなのかもしれない。
「ご主人様。愛しています」
ご主人様の耳元で囁く。足に当たるご主人様のちんぽが大きく膨らみ、蠢いている気がした。もう一度の熱いキスをしようとした。ここではほとんど何もできないのだから、せめてもの証にと。
コツコツ。
廊下の向こうから靴音がする。思わず反射的に離れる。ここを見られたら困るのは私よりもご主人様だ。
近づいていたはずの靴音は少しした後に離れていった。電気を消していたのが幸いしたらしい。
「また今度にするか」
「場所を移すだけでもいいですよ」
互いに苦笑する。そんな時間が無いことはどちらもわかっている。言ってみただけだ。でもあの邪魔が無ければもっとご主人様と触れ合っていられたと思うとやっぱり寂しい。きっと今日はいつもより激しく自分を慰めることになるだろうと思った。
電気が消えた、人がいない学校の中を歩きながらそんなことを思っていた。
私だけのご主人様、ご主人様だけの私。誰にも渡さないし、渡さない。
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