思わず生徒に手を出してしまった話

神谷 愛

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過ぎ去りし過ち

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 唐突だが、私は教師だ。とある高校のとあるクラスの担任をやっている。押し付けられたとも言う。押し付けられたとはいえ、子供が嫌いなわけではない。高校一年生ぐらいの何者でもなく、それでも何かになろうとする子供はもはや美しいとすら言える。時折、心ない言葉を掛けられることもある。そのたびにしっかりと否定してきたし、私自身、ビックリするほど彼ら彼女らにその手の魅力を感じていなかった。
 それでも、魔が差すことはある。そう、魔が差した。学校の帰りに見た男女がホテルで何やら言い合いをしていたのだ。面倒ごとにかかわりたくない私としてはとっととその場を離れるべきだった。いや、今でも本当にそう思う。
 そこにいたのは私のクラスの二人だったのだ。最近仲がいいらしい二人だった。付き合っていたのかと少し驚いた。いや、別に驚くようなことでもない。最近は明らかに付き合ったり別れたりするサイクルが早い。驚くべきはその女生徒のほうだった。彼女はずいぶんな田舎のほうから出てきたらしく、ちょっと驚くぐらい無垢で擦れていなかった。それは高校生でも理解できるらしく、男女問わずざわついていたのを今でも覚えている。

「ちょっといいか」

 帰ろうとする彼女を放課後に呼び止めた。昨日呼び出しても来なかったのは自分がしたことを理解していたからか、そこで止まっていればよかったのだ。それでも私は彼女を準備室まで連れていった。
 ソファーに座らせた彼女はどこか落ち着かなそうに視線が揺れている。まあ、普通は教師に別室に呼び出されたら落ち着かないか。所在無さげな顔が、どうしようもなく劣情を煽る。自分が何をしようとしているのか、それがどれだけ許されないことなのか、そんな不快な不安を塗りつぶすように、彼女の顔は儚げに揺れる。そしてその顔は、私にいともたやすく禁忌を犯させた。

「これ、わかるよな」

 彼女に見せたのはあの日に思わず撮ったあの写真。二人がホテルの前にいる写真。出てくるところではないが、十分に呼び出す理由にはなる。そしてそれで反論できるほど彼女は知識も冷静さも無い。いや、冷静さという点では私も彼女のことを言えないだろうが。
 
「・・・」

 彼女の顔が青ざめていくのがわかる。特待生を目指しているらしい彼女にとってこの写真がどういう意味を持つのかがわかったのだろうか。どちらにしてももう止まれない、いや、止まるという選択肢が私には無い。無いのだ。少なくともこの時はそう思っていた。

「俺はこれを黙っていられる立場には無いんだよ。それはわかるか?」
「・・・はい」
「特退、狙ってんだっけ。これだと特待どころか停学処分だってある」
「・・・」
 左右に目が揺れる。戦慄く唇が彼女の絶望をよく教えてくれる。どうすればいいのかわからない、という顔だ。だろうな、俺もそうだった。昔のことを思い出して胸に疼痛が走る、ということはなかった。びっくりするほどなかった。自分が受けた苦痛を他者に味わわせることにびっくりするほど何も感じなかった。
「俺もこれを黙っていることはそれなりにリスクがあることなんだ。だから、ただ黙っていてほしい、というのは難しい」
「じゃあ、どうすれば・・・」
「わかっているんじゃないか?頭はいいんだし」
「・・・わかりました。一回だけ、一回だけ。それでいいですか・・・」
 あまりに必死な訴えはただ俺に頷かせた。
「・・・初めてなのでそこは許してください」
 そういってゆっくりと制服を脱ぎ始める。本当に引き返せないことをしている、そう感じるには十分だった。そしてここが、きっと、最後の分岐だった。


 ゆっくりと焦らすように、というよりは羞恥がその手を遅くさせているようだった。外されるボタンが、ゆっくりと脱がれる制服が、剥がれてゆく下着が。まるで果物の皮を剥くように一枚一枚剥がれる。
 全て脱ぎ終わったときにはそこには発達が途中で終わってしまったかのような只の子供がいた。
「・・・!」
 彼女らに魅力を感じたことはない、でもこの一度だけ、この一瞬だけはどうしようもなく彼女に魅力を、色香を、感じてしまった。
 大きく怒張した私の私が、スーツを押し上げる。きっとそれには彼女も気付いているはずで、瞳孔が開くほど開いた目がそこに釘付けになっていた。さっきの初めてという言葉は本当なのかもしれない。田舎はそういうことが早いと聞いたことがあるが当てはまらない場合もあるらしい。
 彼女の視線に促されるようにスラックスを脱ぐ。ドアにカギをかけているとはいえ、学校の中で服を脱ぐのはやはり緊張した。上を脱いでいても彼女の視線は下に向いたまま動かない。恐怖と興味で、興味が勝ってしまったらしい。
「ほら、触ってみな」
 指先が私の張りつめたそれに触れる。対照的な低めの体温がくっきりと触られた感覚を残していく。慣れていないぎこちない手つきでもそれなりに気持ちいいもので、触られるたびにぴくぴくと反応してしまう。
「・・・」
 無言でも興味津々といった様子なのは分かる。一心にさわっているうちに手の動きは段々と上下への動きへと変わっていく。まるでその動きを知っているかのように見知った動きへと変わっていく手は私の我慢汁も相まってさっきまでとは数段上の卑猥さを醸し出す。
 二人とも一言も発せずとも部屋に満ちる淫靡な空気がこれから何が起きるのかを如実に表していた。
 いきなり口は、無理か。吐き出されても面倒だし。欲望で倫理と理性が融けていても知性は残っているらしい。いや、知性を語れる状況ではないが。
「ほら、座って足開いて」
 指導室のソファーに座らせて、足を開かせる。まだ中学生っぽさの残る幼く細い足の間には年齢に不釣り合いに見えるほどの糸が引いている、真っ白な橋が足の間に掛かっている様は私の体をさらに熱くさせた。
 「・・・」
 さらに大きくなった私の様子からこれから何が起きるのかを予想したのか顔が服を脱がせた時とは比較にならないほどに真っ赤になっている。飲み込んだ唾の音は私のものか、それとも彼女のものか。そんなことを気にすることもなく私は彼女の小さい未発達の穴の中に私のいきり立った欲望をねじ込んだ。

「ふっうぅっぅぅ」

 彼女の大きく飲み込んだ息の音がやけに大きく聞こえる。私のものは特別大きくはないが、やはり彼女の体では少し大きすぎる。半分ほどしかまだ入っていないのに、すでに彼女の中は私を押し返そうとしている。このまま押し込んで痛みで叫ばれるのも困るので体勢を維持したりたまに揺らしたりしながら彼女の体に馴染むのを待つ。
 少し経てばもう痛そうな顔はしていない。静かな呼吸でゆっくりと体の中に入っている異物を感じている。
「・・・痛くないか」
 我ながらどうかと思う。ここに呼んだのも、服を脱がせたのも、私の膝に乗せて捻じ込んだのも、全部私だ。それなのにここで善人面して聞くことではない。
「もう、痛くないです・・・」
 思っていたよりもずっと静かな返事が返ってきた。そのままゆっくりと私は彼女の体を下ろす。今の10分ほどで体に馴染んだのか、さっきよりもずっとスムーズに入っていく。
 彼女の体の中に私の全てが入っていった姿はさっきに比べるとずっと背徳感と興奮を作るもので、自分のものが細かく動いているのが自分でもわかってしまう。そして彼女の中も小刻みに私を痙攣しながら抱きしめている。
 そのまま彼女をソファーに寝かせ、ゆっくりと動かし始める。私の我慢した汁と彼女の分泌した液が小さく狭い穴の中で混ざり合ってごぽごぽとした音が聞こえてくる。
 音に興奮する自分に驚きながら、ゆっくりと腰を動かす。激しく動きそうになる腰を必死に抑えつつ、ゆっくりと動かす。ゆったりとした腰の動きに合わせて、粘っこい音がゆっくりと響く。二人分の粘液が混ざった真っ白な液体が私を白く飾り立てる。
「んっんぇぅ」
 我慢したとも、我慢ができなくなったとも聞こえる甘い声が漏れ始める。何かを我慢するかのようにぎゅっとつぶった目が恐る恐るといった様子で開く。その視線はゆっくりと自分の下半身に向かっていく。
「っ!」
 声になっていない悲鳴が驚愕とともに伝わってくる。自分の体に明らかにオーバーサイズなものが入っていることが改めて理解したらしい。
 
 そして、そんな、恐怖の入り混じった表情に、私は、どうしようもなく、興奮してしまったのだ。

 気づけば、私はさっきまでの静かにするということをすっかり忘れて、激しく腰を動かしていた。静かな放課後の部屋に学校ではおおよそ聞こえるはずのない音と声が鳴る。その半分を私が発しているわけだが、そんなことはもう頭には無かった。
「せ、先生」
 掠れた声が下から聞こえてきて我に帰る。下では彼女が掠れた呼吸をしながら、私の腕を掴んでいた。彼女の下半身は軽い痙攣をしているし、足の間からは真っ白な液体がこれでもかというほど零れていて、ソファーが白く汚れている。
 我に帰るとさっきまで彼女を抱いていた記憶が少しづつ蘇る。私の生徒になってやっと一か月が経ったほどの彼女を抱きしめながら恋人のように唇を貪った記憶が、まるで玩具のように腰を叩き込んだ記憶が。


 これだけ犯してなお、私はいまだに屹立した己の分身に驚いた。時計を見れば軽く二時間は経っている。
 いいだけ発散して少しだけ頭の中が整理される。これ以上は流石にまずい。時間的にも、場所的にも、誰かが来てしまう可能性がある。なんなら今まで誰も来ていないことのほうが奇跡に近い。
 とにかく彼女を家に帰し、私も帰らねば。まだ少し怯えの残る彼女の足を部屋にあったティッシュで拭けば、とりあえず帰れるぐらいには体が綺麗になる。全身から匂い立つようなメスのにおいだけはどうしようもないが。

 彼女を帰し、私もある程度体を綺麗にし、部屋を換気してやっと帰路に就くことができた。とりあえず今後彼女とどう関わるのかは明日の自分に任せることにした。
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