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第2話 狭い部屋の好妄
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彼女の手がゆっくりと私の服に伸びる。とはいえ、酔って脱いだのか、キャミソールと下着くらいしか着ていないけど。彼女の手が中に侵入してくる。お酒で手が冷たくて、火照った体にはその感触が気持ちいい。
「ん」
彼女はまるで手慣れているかのようで、気持ちいい触り方をしてくる。お腹の上を優しく優しく手が滑る。
最近ストレスで少し食べすぎたのであんまり触ってほしくないんだけど。
そんな冗談交じりの思考はとっくにどこかへ飛んで行っていて、腹部をただ押される気持ちよさに耐えるだけで精いっぱいだった。
「ふっ、んっ」
「先輩、彼氏いたって聞いたんですけど」
「そりゃ、彼氏の一人ぐらいはいたけどっ、ね」
寄せては返す快感の波が横隔膜をときおり痙攣させる。ちょっと恥ずかしい。こんなことをしているのに、変なところで羞恥心が残っている。
「こういうこと、しなかったんですか?」
「しっ、てないわね」
「ふぅん」
「あんたが変態っぽいだけよ」
「あ、そういうこと言うんだ」
精一杯の言葉も彼女には私を攻める材料にしかならないらしい。
「こんなに主張してるのに」
彼女の指が私のブラの中で硬くなった乳首を弄る。女ならではの、女だからこそわかる気持ちいい触り方をされる。
「邪魔」
私のブラだけをキャミを脱がさずに剥ぎ取る。別に全部脱がせればいいと思う。どうせ最後には全部脱ぐことになるんだろうし。
「器用ね」
「ま、先輩とは経験が違いますから」
「・・・でしょうね」
ここまで手慣れた風で私の部屋に入って押し倒しているならその毒牙にかかったのはきっと私だけではないのだろう。
「部活の子にも手を出してるの?」
「何人かは」
「節操が無いわね」
「別に付き合ってるわけじゃないですから」
「そういう問題なの?」
「そういう問題です」
肌を重ねるなら、それなりに関係があってからだと思っていたんだけど。世間は私が思っているよりずっと広いらしい。とはいえ、彼女のしていることは問題だけど。
「あんまり、節操無く食い散らかされると困るのだけれど」
部活内でそんなことをされると部活が崩壊するんだけど・・・。
「そこまで誰でも彼でも手を出してるわけじゃないですよ」
「じゃあ、なんっ」
私の糾弾の言葉は彼女の唇で無理やり止められる。いつの間にか酒をまた飲んだのか、随分と甘ったるいキスだった。
「もういいでしょ?」
「何が?」
押し倒している割には彼女の眼はもう我慢が聞かないって言っているみたいで、まるで私がこれから抱くみたいだった。
またキスをしている。キスが好きなのか、もう何回も、何分もしている。でもキスをするたびに私の中の理性の壁がだんだんと下がっているのを感じる。さっきまでは彼女の問題行動に口を出していたのに、もうキスが気持ちいい、ということしか考えられない。
「んぅ」
「はっ」
「それで、いつ抱いてくれるの?優子」
「もうちょっと・・・」
もう数えるのもめんどくさくなった何回目かのキス。口内に入ってくる彼女の舌と私の舌が絡まって混ざり合う。甘いキスと甘い味でまるで脳が蕩けそうで。
「んん」
「んんぅ」
互いの快楽を貪るだけのキス。二人の共同作業としてもキスではなく、一人と一人とが快楽を追求するだけのキス。でもそれが気持ちいい。
キスをしながら彼女の手がやっと動く。キャミしか着ていない上半身に彼女の手が蛇みたいに這いまわる。
「あっ」
押さえきれない声が漏れる。久方ぶりに聞く自分のそういう声は思ったよりも媚びた声でちょっと嫌だった。
彼女の手が私の胸をまさぐる。まさぐると言ってもかなり上手かったけど。気持ちいいところを気持ちよく、的確に触ってくる。
「んぁ」
胸を触りながら口は首元に動いていて、しきりにキスを繰りかえす。跡、残らないといいけど。
「んっ!」
そんなことを考えていると、首筋に鋭い痛みが走る。
「何したの?」
「べ、つ、に。何もしてないですよ。キスしただけです」
絶対に跡をつけられたんだろうなと思いながら仕返しに彼女の無防備に開いた胸元にキスマークをつけてあげる。
「痛いんですけど」
「たった今私にもしたでしょ」
拗ねたように顔を背けながらも、その耳はだいぶ赤かった。
照れ隠しなのかさっきまで私の胸をまさぐっていた手がパンツの中に入ってくる。
「先輩、すごいじゃないですか」
「あんたのキスが上手いからでしょ。あんなキスされたら誰だって濡れるわよ」
ぬちゃりという水音が私にまで聞こえてくる。今までの人生でたぶん一番濡れているのではだろうか。彼女の手が膣中で動くたびに新しく愛液が排出されていっている気がする。
私の中に入った指が蠢く。まるで私の弱い部分を知っているかのように正確に弱点を彼女の指がなぞる。
「ふっ、ん」
「先輩・・・けっこうわかりやすいですね」
「・・・うるさい」
「先輩弱いのここですもんね」
声とともに彼女の指にぐっと力が入る。
「う”っ、あ、んあああっ」
脳が始めるような火花が飛び散る。一瞬の浮遊感と脱力感が全身を覆う。
「はっ、はー」
思わず止まっていた呼吸が再開される。
外を走り抜ける車の音が少しだけ理性を戻す。
「ねぇ」
「・・・なんですか」
「あんたの相手は私がしてあげる。だから、とりあえず部活の子に手を出すのはやめてもらえる?」
「えー?」
「あそこは私の居場所なの。それをあんたの都合で壊されたくないの。わかってもらえる?」
「そこまで言うなら良いですけど」
とりあえず部活の崩壊だけは御免だ。
彼女の性欲についていくのは大変そうだけど。頑張れ、明日からの私。
整理された脳内が次に求めるのは睡眠欲だ。私は抗うことなく目を閉じた。
「ん」
彼女はまるで手慣れているかのようで、気持ちいい触り方をしてくる。お腹の上を優しく優しく手が滑る。
最近ストレスで少し食べすぎたのであんまり触ってほしくないんだけど。
そんな冗談交じりの思考はとっくにどこかへ飛んで行っていて、腹部をただ押される気持ちよさに耐えるだけで精いっぱいだった。
「ふっ、んっ」
「先輩、彼氏いたって聞いたんですけど」
「そりゃ、彼氏の一人ぐらいはいたけどっ、ね」
寄せては返す快感の波が横隔膜をときおり痙攣させる。ちょっと恥ずかしい。こんなことをしているのに、変なところで羞恥心が残っている。
「こういうこと、しなかったんですか?」
「しっ、てないわね」
「ふぅん」
「あんたが変態っぽいだけよ」
「あ、そういうこと言うんだ」
精一杯の言葉も彼女には私を攻める材料にしかならないらしい。
「こんなに主張してるのに」
彼女の指が私のブラの中で硬くなった乳首を弄る。女ならではの、女だからこそわかる気持ちいい触り方をされる。
「邪魔」
私のブラだけをキャミを脱がさずに剥ぎ取る。別に全部脱がせればいいと思う。どうせ最後には全部脱ぐことになるんだろうし。
「器用ね」
「ま、先輩とは経験が違いますから」
「・・・でしょうね」
ここまで手慣れた風で私の部屋に入って押し倒しているならその毒牙にかかったのはきっと私だけではないのだろう。
「部活の子にも手を出してるの?」
「何人かは」
「節操が無いわね」
「別に付き合ってるわけじゃないですから」
「そういう問題なの?」
「そういう問題です」
肌を重ねるなら、それなりに関係があってからだと思っていたんだけど。世間は私が思っているよりずっと広いらしい。とはいえ、彼女のしていることは問題だけど。
「あんまり、節操無く食い散らかされると困るのだけれど」
部活内でそんなことをされると部活が崩壊するんだけど・・・。
「そこまで誰でも彼でも手を出してるわけじゃないですよ」
「じゃあ、なんっ」
私の糾弾の言葉は彼女の唇で無理やり止められる。いつの間にか酒をまた飲んだのか、随分と甘ったるいキスだった。
「もういいでしょ?」
「何が?」
押し倒している割には彼女の眼はもう我慢が聞かないって言っているみたいで、まるで私がこれから抱くみたいだった。
またキスをしている。キスが好きなのか、もう何回も、何分もしている。でもキスをするたびに私の中の理性の壁がだんだんと下がっているのを感じる。さっきまでは彼女の問題行動に口を出していたのに、もうキスが気持ちいい、ということしか考えられない。
「んぅ」
「はっ」
「それで、いつ抱いてくれるの?優子」
「もうちょっと・・・」
もう数えるのもめんどくさくなった何回目かのキス。口内に入ってくる彼女の舌と私の舌が絡まって混ざり合う。甘いキスと甘い味でまるで脳が蕩けそうで。
「んん」
「んんぅ」
互いの快楽を貪るだけのキス。二人の共同作業としてもキスではなく、一人と一人とが快楽を追求するだけのキス。でもそれが気持ちいい。
キスをしながら彼女の手がやっと動く。キャミしか着ていない上半身に彼女の手が蛇みたいに這いまわる。
「あっ」
押さえきれない声が漏れる。久方ぶりに聞く自分のそういう声は思ったよりも媚びた声でちょっと嫌だった。
彼女の手が私の胸をまさぐる。まさぐると言ってもかなり上手かったけど。気持ちいいところを気持ちよく、的確に触ってくる。
「んぁ」
胸を触りながら口は首元に動いていて、しきりにキスを繰りかえす。跡、残らないといいけど。
「んっ!」
そんなことを考えていると、首筋に鋭い痛みが走る。
「何したの?」
「べ、つ、に。何もしてないですよ。キスしただけです」
絶対に跡をつけられたんだろうなと思いながら仕返しに彼女の無防備に開いた胸元にキスマークをつけてあげる。
「痛いんですけど」
「たった今私にもしたでしょ」
拗ねたように顔を背けながらも、その耳はだいぶ赤かった。
照れ隠しなのかさっきまで私の胸をまさぐっていた手がパンツの中に入ってくる。
「先輩、すごいじゃないですか」
「あんたのキスが上手いからでしょ。あんなキスされたら誰だって濡れるわよ」
ぬちゃりという水音が私にまで聞こえてくる。今までの人生でたぶん一番濡れているのではだろうか。彼女の手が膣中で動くたびに新しく愛液が排出されていっている気がする。
私の中に入った指が蠢く。まるで私の弱い部分を知っているかのように正確に弱点を彼女の指がなぞる。
「ふっ、ん」
「先輩・・・けっこうわかりやすいですね」
「・・・うるさい」
「先輩弱いのここですもんね」
声とともに彼女の指にぐっと力が入る。
「う”っ、あ、んあああっ」
脳が始めるような火花が飛び散る。一瞬の浮遊感と脱力感が全身を覆う。
「はっ、はー」
思わず止まっていた呼吸が再開される。
外を走り抜ける車の音が少しだけ理性を戻す。
「ねぇ」
「・・・なんですか」
「あんたの相手は私がしてあげる。だから、とりあえず部活の子に手を出すのはやめてもらえる?」
「えー?」
「あそこは私の居場所なの。それをあんたの都合で壊されたくないの。わかってもらえる?」
「そこまで言うなら良いですけど」
とりあえず部活の崩壊だけは御免だ。
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