一線を越えている兄弟の放課後の話

神谷 愛

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湿った兄弟の攻防

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 弟の部屋は暖かった。エアコンがうるさく温風を吐き出している音がする。廊下は流石に寒かったので部屋に入った瞬間の暖気が心地よい。
「あ、来た。寒くない?一応、エアコンつけたんだけど」
「お前、本当に気が利くな」
「まあな。もっと感謝してもいいぜ」
 その発言が全裸でなければ、もっと茶化したりもできたかもしれないが、なんとなく茶化すには自分も弟も興奮しすぎている。顔の赤みも、勃起も最高潮だ。学校でいいだけシただろうとか、リビングでも風呂場でもシただろうとか関係ない。今、もう、我慢の限界が来ている。
「兄貴、さっきよりもデカいんじゃない?」
「お前も、もう穴がヒクついてんじゃん。ちょっと弄っただろ」
「・・・さぁな」
「・・・」
 沈黙が部屋を満たす。こういうところで兄弟だと感じる。こういう雰囲気になるともう口を動かすなんてことが無い。気づけば、視線だけがあちこちを必死に動いたり、一点を見つめたりと、言葉がどこかに飛んで行ってしまう。
 言葉が無くても、体だけは正直だ。お互いに視線の先にはどうしようもなく固く屹立したモノに目が収斂していく。言い訳のしようもないお互いの様子に言い訳をする気はもちろんどちらもないことはお互いにわかっている。
「兄貴、きつい」
「うるさい」
 思わず抱きしめた体は細くて、でも意外と筋肉質でみかけよりもやわではない。それでもこの腕の中で弟がこれから何回も鳴くと思うと、鳴かせると思うと思わず抱きしめる力が入りすぎる。
 自分よりも整った顔をしている、意外にモテる弟は、俺だけのために抱かれる準備をして、俺だけのためにその顔をする。愛おしさで胸が爆発しそうになる。その胸には苦しそうにこちらを半目で睨んでくる弟がいるのだが。
「ん」
 今日何回目かわからない口づけをする。それでもこれまでと遜色ない気持ちよく、心地の良いキスだった。慣れた、というと違うのかもしれない。飽きることも萎えることもない溢れる愛と好意だけで構成されたキスにはそもそも慣れるという概念は無い。
「「・・・」」
 荒めの呼吸とさっきまでキスをしていたという認識が言葉を交わす意味がないことをお互いに理解させる。いつだって必要なのは高尚な理論やら理由付けじゃない。全てをかなぐり捨てられるような熱と狂気だけだ。
「あんっ」
 手は自然と弟の下半身に手が伸びていた。硬く引き締まった尻でも、穴の周りは柔らかく解れていて、今まで使い込んだ甲斐がある。その周りもひんやりとしたローションでぬるりとしていて、もう受け入れ態勢は十分に整っているようだった。
「入れるな」
「ぅん」
 指をゆっくりと中に入れていく。抵抗もなく、それでも鍛えてある大殿筋はしっかりと異物を締め付けようとする。
「もっとちから抜けって。もう今日二回目じゃん」
「・・・朝もしたから三回だろ。馬鹿兄貴」
「悪い」
 拗ねたような声を出す弟の乳首の周りに指を這わせながら、そのままゆっくりと指を中で動かす。前立腺を撫でるように内側に。動かすたびに声にならない声と、ピクリと震える方が愛おしい。少しづつ指の圧迫感が減っていく。少し緩くなったところでもう一本の指を中に追加する。もうさっきほどの抵抗もなくするりと受け入れられる。
 そのまま三本を入れたところで準備が整う。実際にはもうここまで慎重にしなくても簡単に入ったりするが、家で時間がある時はこうやってゆっくりと解すことにしている。こうやって解していくうちに自分にかかる体重が増えていくのが心地よいというのもあるが、未だに新鮮な反応で蕩ける弟の顔を間近で見たいという欲求もある。流石に本人には言えない話だが。
「もう大丈夫そうだな」
「・・・うん」
「なあ、あれ、やってくれよ」
「・・・あれ?あー、あれか。えー、なんか兄貴そういうの好きだよね」
「いいだろ?な、こんだけ綺麗に解したんだし。気持ちよかったっしょ?」
「ま、まあ、そう、では、あるけどさあ。本当にやるの?」
「お願い。あれが一番興奮するんだって」
「それは、身を以て知ってるけどさ」
「な?」
「はいはい」

 今まで立って解されていた弟をベッドで四つん這いにさせる。そのまま頭を枕につけながら、両手でさっき解されて緩み切った穴を自分で広げさせる。
「も、もう充分に解してもらったので、どうか思い切り奥まで突いてください。こ、今夜は激しく抱いてください、お兄様・・・。は、恥ずいんんだけど」
「ん」
「ちょっと、なんか。う”ぉ”っ」
 弟が何か言っているがもう正直理解できないし、理解する気もない。さっきのポーズでさっきのセリフは少し前に思いついて拝み倒してやってもらったのだが、本当にはまってしまった。今ではこれをされたら手加減が出来なくなる程度には興奮してしまう。
「ぬぁ”っ。ほ、んとうに、なん、か、言えって。馬鹿!」
「無理」
「も”-。だから、嫌だって・・。んひっ」
 先にゴムをつけておいて良かった。一度思い切り中に出してしまって、後始末が本当に大変だった。下半身に集まりすぎた血が脳の巡りを悪くしてしまう。今は、ただ、腰を動かすことしか脳内に残っていない。
「はぁ、はぁ」
「んあっ、ああ。ま、だ?」
「も、う、ちょっと」
「腰に手の痕つきそうなんだけど・・・。んんっ」
 動かすたびに弟の口から漏れる嬌声はさっきまで乳首を弄ったり、穴の中に指を入れたりしていた時とは全く違う甘さを持っている。まるで脳を甘く包んで逃がさないかのような。甘く、痺れる、抗いきれない、声。艶があるのとはまた違う。エロさとしか言いようのない声が腰の動きを止めることを許そうとしない。
「なんか、また締め付け強くなったよな。鍛えた?」
「はぁ?気づくの遅くない?学校で気づけよ」
「学校だと誰か来るかもしれないじゃん」
「それも、気づくのほとんど俺じゃん」
「そうだっけ」
「そうだよ!!」
 言われてみればそうかもしれない。シている内に誰かの足音が聞こえてきても気づかなかくて危なくなったことが何回もある。毎回その後弟に滅茶苦茶怒られるだのが。
「ちょっと。出ちゃうって」
「早く出して少し落ち着いて」
「だからって、うぉ」
 出させるから、そんな言葉になっていない宣言が聞こえた気がした。締め付けが強くなったり、弱くなったりと緩急をつけて射精感を締め上げる。こちらを向く生意気な顔が本当に射精欲を上げる。でもこのまま思い通りになるのはなんだか癪だった。
「ちょっ」
「ダダ漏れじゃん。だからそんな焦ってるのか」
 不意に気になって手を伸ばした弟の先っぽは我慢汁というには白くて粘度の高い液体が手につく。それは紛れもない静かに漏らされた弟の精液だった。
「・・・あっ」
「ふーん」
「いや、その」
「そんなに照れなくてもいいだろ。今まで何回シたと思ってるんだ」
「そうじゃないじゃん。ばか」
 さっきまでとはとは違う明らかに本心からの照れはもう外れ切ったと思っていた箍を壊してしまった。自分でもわかるほどに硬く大きく膨らんでしまったソレはもう思い切り奥に突き込むことでしかきっと解放されない欲望がつまっている。
「な、なんか、また固くなってない・・?」
「気のせい」
「気のせいの顔じゃないんだって。目据わってるし・・・」
「・・・」
「あ”っ。だから、んぅ。なんで、んひっ。なにも、い、わないんだよ。あんっ。馬鹿」
 腰を動かすほどに漏れ出す弟の声が、締め付ける中が、甘く甘く脳を蕩かす。鍛えたらしい中はきっちりと締め付けながらも、緩急で焦らす。快感に耐えるために手が開いたり閉じたりするたびにシーツのずれがまた広がる。全てが愛おしい弟。もう行動の一つ一つが絶対に孕ませたいと思わせる。
「なあ」
「ああっ。ん、なん、だよ」
「孕んで」
「は、何言って」
「もう何回も中に出したじゃん。ゴム無しでしてる日もあるじゃん。出来るって」
「で、出来るわけ」
「出来る、だから孕んで」
「うひっ。お、落ち着けって」
「今から出すから、それで、孕めよ」
「無茶を・・・」
「孕め」
「んひぃぃいっ。ま、まっで」
 そこが限界だった。話ながらもせり上がる精子を我慢するのも大変だったがもう限界だ。奥に思い切り、今日一の突き込みをして中で発射する。腰が抜けるほどの快感が腰から全身に広がる。涎が垂れている気がするけど、それをぬぐうことすら面倒に感じる。下で戦慄く弟の腰は生まれたての小鹿のように震えている。
「んふぅ」
 引き抜くときにまだ締め付けが残っているのか、少しカリ首がひっかるような感覚があったが、それも少し力を入れると引き抜ける。腸液のテカリが蛍光灯を反射する。ゴムの中にはさっき出した精液がたっぷりとたまって、萎んだ水風船みたいになっている。

「し、死ぬかと思った・・・」
「でも良かっただろ?」
「うるさい、ていうかこっちのベッドもう使えないじゃん。今日そっちのベッドで寝るから」
「我慢できるのか?」
「できるわ。ていうか兄貴もしろよ。これ以上は本当に腰おかしくなる」
「・・・」
「返事しろよ。母さん返ってくるの明日の夜でしょ?それまでならもう一回ぐらい出来るでしょ」
「まぁ、それなら」
「性欲どうなってんだよ」
 休日はまだ終わらないし、まだ性欲の底も見えない。それに一回休みを挟まなければならないのはこっちも同じだ。流石に腰が痛い。でも、まだ足りていないのは自分だけじゃない。それは弟の顔を見れbわかる。
「じゃあ、寝るか」
「うん。フリじゃないからな?」
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感想 1

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みんなの感想(1件)

椿
2025.05.17 椿

ょい〜( ´△`)
さっぱりした感じなのも好こ〜( ᵕωᵕ♡ )

解除

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