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しとどに濡れた気持ち
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弟とヤってしまった。最近なんだか妙に弟を目が合うなと思っていた。でもあとから気づいた。目が合うってことはこちらから見ていることが相応にしてあるということだ。
予報外れの大雨が降った日だった。俺はぎりぎりで降られる前に家に帰っていたけど、どこかに寄っていたらしい弟は派手に濡れた鼠になって帰って来た。折り畳み傘も持っていなかったらしい。運も準備も悪かった弟はめでたく水も滴る間抜けになって帰って来た。それで終わっていれば良かった。でも残念ながらそうはならなかった。
「兄貴、・・・何」
水も滴る弟はここ最近の視線の意味を存分に理解するには十分すぎた。潤んだ瞳も透けたワイシャツも、首筋に伝う水滴も劣情を煽るには強すぎて、我慢袋の緒が切れるのにそう時間はかからなかった。
「あ、兄貴・・・」
学校で、我慢できずに俺は弟を抱いていた。あの日に箍が外れた俺たちは場所に構わずに交わってばっかりだ。学校でも家でも、それこそ通学中でも。同じ学校に行っていなければ少なくとも学校ですることは無さそうだが。それでもどこかで帳尻を合わせるだけの気がしている。俺も、弟も。
「も、もう限界・・・」
下で喘いでいる弟の声は聴いているだけで興奮が増大するような気がする。抱いている内に心なしか肉付きの良くなった尻は腰を打ち付ける度に軽く波打つ程度には柔らかい。筋肉質な男の体のはずなのに、シている時に使う場所はいつしか柔らかくてまるでそこだけが女子になってしまったようでもある。
「声、もっと抑えろって。ここ一応学校なんだから」
「誰の、せい、だとっ、うむっ」
さっきから艶のある声を漏らしまくっている弟の口の中に指を突っ込む。指で舌を挟んでやれば、もうそうそう大きい声は出せない。代わりに手も机も涎塗れになるが、まぁ弟の机だし別に良いだろう。
「悪い、もう無理、出るわ」
「は、もうひょっと、ひゃまん、ぐらい」
「うっ」
「ん”んっ」
生意気な弟の舌を弄っている内に我慢が利かなくなって結局ほとんどすぐに出てしまう。最近はずっとこうだ。もっと弟に気を使ってやりたいのだが、どうしたって抱いている内に我慢も理性もどこかへ飛んで行ってしまう。
「はぁぁ」
弟の穴から抜いたモノはべっとりとした液体で覆われており、どれだけ腸液に絡まれていたのかよくわかる。ゴムを処理して服を着る。と言っても下だけだ。弟は下はもちろんのこと、上もだいぶはだけているのでやっぱり時間がかかる。
「終わった?」
「少しぐらい待てよ。だから彼女の一人もいねぇんだ」
「お前にだけは言われたくないな。兄貴に抱かれてヨガってるくせによ」
「じゃあ、兄貴は弟を強姦するド変態だな」
「兄貴に生意気なこと言うじゃん」
「じゃあ、もう少し弟の体を気遣え。腰がいてぇよ」
「む」
「まぁ、どうせ、今日は、父さんたちも帰ってこないし、まぁ、その、今日ぐらいは、我慢してやるよ」
「・・・正直じゃないな」
「うるさい、早く帰ろうぜ。腹減った。兄貴が作れよ」
「はいはい」
流石に帰り道で襲うことは無かったけど、さっき言われたことで勃起が全く収まらなくて大変だった。今日は両親ともに帰ってこず、そして明日は土曜日。どうなるかなんて二人とも言葉にせずともわかっている。言葉でやいのやいのとお互い言ってしまうが、どうあってもお互いがいないと性活が成り立たないことがわかっている。本当にどうしようもないし、本当に兄弟なんだと思う。
家には聞いていた通りに両親がいなかった。これでいたら二人そろって不機嫌面を土日の間中することにはなるのだが。帰りに寄ったスーパーで買ってきた出来合いを二人でぱっぱとかきこむ。どうせ、何を食べたところで全部忘れるのだから時間をかけることが既にもったいない。
「んぅ」
食事が終わってまずしたことはキスだった。キスをすると互いに夢中になって周りが見えなくなる。不思議なことにシている時よりも夢中になっている気がする。二人そろってそんな感じなので互いにキスをするのは家でだけだと決めている。だからこそ、反動でキスは長く深くなりがちになる。
「・・・」
互いに塞いだ唇の端から涎が零れる。どうせまだ風呂に入っていないからと言ってどちらも気にしない。それに両親がいない人土日が重なるのはそう多くない。時間も機会も有限なのだ。
ワイシャツが涎で濡れて張り付く。どうでもいい。
そういえば歯も磨いていない。どうでもいい。
戸締り、たぶんしたような気がする。どうでもいい。
全部が、目の前以外の全てが、どうでもいい。零れ落ちる記憶のように色が褪せていく。キスを続けるほど酸素の量が減っていく。視界が白くチラつく。
「「はぁっ」」
気づけば思わず口を離していた。顔が熱い。弟の顔も赤く上気していて、酸欠か照れているのか。涎が口の端から零れながら、微妙に視点の合わない目線と荒れた呼吸に赤い頬が添えられる。
「兄貴・・・がっつきすぎ。窒息死するかと思った」
「お前に、言われたくねぇ、よ。顔から手離さなかったのはそっちだろ」
「はあ?!兄貴こそ、背中に回した手離さなかったじゃねぇか」
「お前が手離さないからだっつーの。つーかずっと当たってんだよ。がちがちにさせやがって」
「それこそ兄貴に言われたくないんだけど。学校であんだけヤっておいて何でそんなになってるんだよ」
お互いの下半身に目をやれば、お互いにズボンをしっかりと盛り上げてしまっている。外を歩くことすら出来ないほどに勃起している。キスをしているときはそこまで意識が回っていなかったが、一度ちゃんと認識してしまえば、もう目を離すことすら出来ない。でもそれはあちらも同じようで、視線が俺の下半身をしっかりと捉えている。
「・・・あほくさ。シャワー浴びるか」
「はいはい」
シャワーを浴びようと思って風呂場に向かって歩こうとすると、その後ろにアヒルの親子よろしく弟がついてこようとしている。特に照れるわけでもなく、渋々というわけでもなく、さもそれが当然かのような顔をしながらついてくる。
「・・・お前、風呂場でもする気かよ」
「なっ。んなわけねぇだろ。俺も服脱ぐだけだよ。誰かさんのせいで涎塗れで気持ち悪いんだよ」
着替えるだけ、とは言っているが、この一瞬で勃起が収まるわけもない。どうなるかなんて想像がつくし、この想像が外れたことは今までで一度もない。と言っても結局止めない俺も似たようなものだろうが。
予報外れの大雨が降った日だった。俺はぎりぎりで降られる前に家に帰っていたけど、どこかに寄っていたらしい弟は派手に濡れた鼠になって帰って来た。折り畳み傘も持っていなかったらしい。運も準備も悪かった弟はめでたく水も滴る間抜けになって帰って来た。それで終わっていれば良かった。でも残念ながらそうはならなかった。
「兄貴、・・・何」
水も滴る弟はここ最近の視線の意味を存分に理解するには十分すぎた。潤んだ瞳も透けたワイシャツも、首筋に伝う水滴も劣情を煽るには強すぎて、我慢袋の緒が切れるのにそう時間はかからなかった。
「あ、兄貴・・・」
学校で、我慢できずに俺は弟を抱いていた。あの日に箍が外れた俺たちは場所に構わずに交わってばっかりだ。学校でも家でも、それこそ通学中でも。同じ学校に行っていなければ少なくとも学校ですることは無さそうだが。それでもどこかで帳尻を合わせるだけの気がしている。俺も、弟も。
「も、もう限界・・・」
下で喘いでいる弟の声は聴いているだけで興奮が増大するような気がする。抱いている内に心なしか肉付きの良くなった尻は腰を打ち付ける度に軽く波打つ程度には柔らかい。筋肉質な男の体のはずなのに、シている時に使う場所はいつしか柔らかくてまるでそこだけが女子になってしまったようでもある。
「声、もっと抑えろって。ここ一応学校なんだから」
「誰の、せい、だとっ、うむっ」
さっきから艶のある声を漏らしまくっている弟の口の中に指を突っ込む。指で舌を挟んでやれば、もうそうそう大きい声は出せない。代わりに手も机も涎塗れになるが、まぁ弟の机だし別に良いだろう。
「悪い、もう無理、出るわ」
「は、もうひょっと、ひゃまん、ぐらい」
「うっ」
「ん”んっ」
生意気な弟の舌を弄っている内に我慢が利かなくなって結局ほとんどすぐに出てしまう。最近はずっとこうだ。もっと弟に気を使ってやりたいのだが、どうしたって抱いている内に我慢も理性もどこかへ飛んで行ってしまう。
「はぁぁ」
弟の穴から抜いたモノはべっとりとした液体で覆われており、どれだけ腸液に絡まれていたのかよくわかる。ゴムを処理して服を着る。と言っても下だけだ。弟は下はもちろんのこと、上もだいぶはだけているのでやっぱり時間がかかる。
「終わった?」
「少しぐらい待てよ。だから彼女の一人もいねぇんだ」
「お前にだけは言われたくないな。兄貴に抱かれてヨガってるくせによ」
「じゃあ、兄貴は弟を強姦するド変態だな」
「兄貴に生意気なこと言うじゃん」
「じゃあ、もう少し弟の体を気遣え。腰がいてぇよ」
「む」
「まぁ、どうせ、今日は、父さんたちも帰ってこないし、まぁ、その、今日ぐらいは、我慢してやるよ」
「・・・正直じゃないな」
「うるさい、早く帰ろうぜ。腹減った。兄貴が作れよ」
「はいはい」
流石に帰り道で襲うことは無かったけど、さっき言われたことで勃起が全く収まらなくて大変だった。今日は両親ともに帰ってこず、そして明日は土曜日。どうなるかなんて二人とも言葉にせずともわかっている。言葉でやいのやいのとお互い言ってしまうが、どうあってもお互いがいないと性活が成り立たないことがわかっている。本当にどうしようもないし、本当に兄弟なんだと思う。
家には聞いていた通りに両親がいなかった。これでいたら二人そろって不機嫌面を土日の間中することにはなるのだが。帰りに寄ったスーパーで買ってきた出来合いを二人でぱっぱとかきこむ。どうせ、何を食べたところで全部忘れるのだから時間をかけることが既にもったいない。
「んぅ」
食事が終わってまずしたことはキスだった。キスをすると互いに夢中になって周りが見えなくなる。不思議なことにシている時よりも夢中になっている気がする。二人そろってそんな感じなので互いにキスをするのは家でだけだと決めている。だからこそ、反動でキスは長く深くなりがちになる。
「・・・」
互いに塞いだ唇の端から涎が零れる。どうせまだ風呂に入っていないからと言ってどちらも気にしない。それに両親がいない人土日が重なるのはそう多くない。時間も機会も有限なのだ。
ワイシャツが涎で濡れて張り付く。どうでもいい。
そういえば歯も磨いていない。どうでもいい。
戸締り、たぶんしたような気がする。どうでもいい。
全部が、目の前以外の全てが、どうでもいい。零れ落ちる記憶のように色が褪せていく。キスを続けるほど酸素の量が減っていく。視界が白くチラつく。
「「はぁっ」」
気づけば思わず口を離していた。顔が熱い。弟の顔も赤く上気していて、酸欠か照れているのか。涎が口の端から零れながら、微妙に視点の合わない目線と荒れた呼吸に赤い頬が添えられる。
「兄貴・・・がっつきすぎ。窒息死するかと思った」
「お前に、言われたくねぇ、よ。顔から手離さなかったのはそっちだろ」
「はあ?!兄貴こそ、背中に回した手離さなかったじゃねぇか」
「お前が手離さないからだっつーの。つーかずっと当たってんだよ。がちがちにさせやがって」
「それこそ兄貴に言われたくないんだけど。学校であんだけヤっておいて何でそんなになってるんだよ」
お互いの下半身に目をやれば、お互いにズボンをしっかりと盛り上げてしまっている。外を歩くことすら出来ないほどに勃起している。キスをしているときはそこまで意識が回っていなかったが、一度ちゃんと認識してしまえば、もう目を離すことすら出来ない。でもそれはあちらも同じようで、視線が俺の下半身をしっかりと捉えている。
「・・・あほくさ。シャワー浴びるか」
「はいはい」
シャワーを浴びようと思って風呂場に向かって歩こうとすると、その後ろにアヒルの親子よろしく弟がついてこようとしている。特に照れるわけでもなく、渋々というわけでもなく、さもそれが当然かのような顔をしながらついてくる。
「・・・お前、風呂場でもする気かよ」
「なっ。んなわけねぇだろ。俺も服脱ぐだけだよ。誰かさんのせいで涎塗れで気持ち悪いんだよ」
着替えるだけ、とは言っているが、この一瞬で勃起が収まるわけもない。どうなるかなんて想像がつくし、この想像が外れたことは今までで一度もない。と言っても結局止めない俺も似たようなものだろうが。
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