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14】客人は一体誰だ?③
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14】客人は一体誰だ?③
「皆、おはよう。今日はレオ殿やレオ殿の騎士団の方々の好意により、我々騎士団との合同練習をすることになった。モンスター退治とも違う。良い経験になる交流だと思う。今日の訓練は、いつも以上に真剣にするように!」
今日もアラン様が訓練場に来てくれた。それだけで嬉しい気持ちと、訓練を頑張ろうという気持ち。ことさら、今日は目の前にズラリと並んだ他国の騎士団員が並んでいる。和平を結んでいる国ではあるが、訓練は訓練。そこに私情は持ち込まない。正々堂々、ただ自分が強くなるために。それだけのこと。アラン様の言葉が身に染みると聞いていれば、目の前でイケメンがアラン様の腰に手を置きながら言った。
「アラン殿。私とアラン殿の仲じゃないですか。そう畏まらずに。私としても、今日も一日アラン殿と一緒に過ごせると思うと役得というものですよ」
(なっ……!)
あろうことか、アラン様が話した後。イケメンが流れるようにイケメンだからこそ許されるような状況。それに何だ。その手は。アラン様の腰だぞ。
冷静に見ると、もう少し下に下ってしまえばアラン様の尻に触れるほどの距離間。
(このイケメンアラン様の尻に触るつもりか?!?!?!)
焦る俺とは別に、俺たちの騎士団員。さらにお偉いさんであるレオ殿騎士団員の連中は、二人の光景に「おぉっ……」と小さな感嘆を漏らすばかり。失礼だと憤るものでなく、良いものみたなぁ……みたいな空気に、そんなわけあるか!と叫びたくなる。
現実叫ぶことは出来ないため、隣にいた同じ騎士団員に囁いた。
「おいっ。何見惚れてるんだよ。俺たちのアラン様に、あんなにベタベタ触ってるんだぞ?」
俺の圧は大声なみだが、実際の声は小声で。
失礼だろ? と隣の奴にいえば、「顔が良ければ男同士でも目の保養」とシンプルな回答が返ってきてしまった。あとアラン様が怒っていなければ失礼にならないらしい。それも正論で、俺からは何も言えない。
「トーマ、見ろよ。あのアラン様が俺たちの前とは違って、頬まで染めてるんだぞ? 可愛いじゃねぇか」
(可愛いけどさ!!!!!)
そこは俺だけが見たいというか。あー……何だ。ただの嫉妬だ。
(もし俺が、同じ騎士団長クラスとはいわず。ちょっとでも位持ちだったが、隣に立てたりするんだろうか)
俺はただアラン様に一目惚れして、子供みたいな理由で騎士団に入団しただけ。勿論、今は国を守るという気持ちもあるが、未だにアラン様に対する気持ちは消えない。
「アラン殿は、良い匂いがしますね」
ふふっ、と笑ったレオ殿にアラン様の顔が一層赤くなったことに、この場にいる全員が気づいているんだろう。普段であれば、きりっとした表情のアラン様が滅多に見せない表情。少し砕けたような表情でお偉いさんのレオ殿と話している姿を見てまた嫉妬してしまった。
「レオ殿。もうこれ以上は……!」
「これは失礼。ついアラン様が美しく可愛らしかったので、調子に乗ってしまいました」
(本当にな!!!!!)
(だがレオ殿のおかげで、可愛いアラン様の表情が見れたのは感謝しとくぜ!!!)
とまぁ……心の中で、大声で叫びながら少しだけ感謝した。
(だが腰に触れたのは許さん)
********
久しぶりに更新しました><
繁忙でなかなか更新出来てません><
「皆、おはよう。今日はレオ殿やレオ殿の騎士団の方々の好意により、我々騎士団との合同練習をすることになった。モンスター退治とも違う。良い経験になる交流だと思う。今日の訓練は、いつも以上に真剣にするように!」
今日もアラン様が訓練場に来てくれた。それだけで嬉しい気持ちと、訓練を頑張ろうという気持ち。ことさら、今日は目の前にズラリと並んだ他国の騎士団員が並んでいる。和平を結んでいる国ではあるが、訓練は訓練。そこに私情は持ち込まない。正々堂々、ただ自分が強くなるために。それだけのこと。アラン様の言葉が身に染みると聞いていれば、目の前でイケメンがアラン様の腰に手を置きながら言った。
「アラン殿。私とアラン殿の仲じゃないですか。そう畏まらずに。私としても、今日も一日アラン殿と一緒に過ごせると思うと役得というものですよ」
(なっ……!)
あろうことか、アラン様が話した後。イケメンが流れるようにイケメンだからこそ許されるような状況。それに何だ。その手は。アラン様の腰だぞ。
冷静に見ると、もう少し下に下ってしまえばアラン様の尻に触れるほどの距離間。
(このイケメンアラン様の尻に触るつもりか?!?!?!)
焦る俺とは別に、俺たちの騎士団員。さらにお偉いさんであるレオ殿騎士団員の連中は、二人の光景に「おぉっ……」と小さな感嘆を漏らすばかり。失礼だと憤るものでなく、良いものみたなぁ……みたいな空気に、そんなわけあるか!と叫びたくなる。
現実叫ぶことは出来ないため、隣にいた同じ騎士団員に囁いた。
「おいっ。何見惚れてるんだよ。俺たちのアラン様に、あんなにベタベタ触ってるんだぞ?」
俺の圧は大声なみだが、実際の声は小声で。
失礼だろ? と隣の奴にいえば、「顔が良ければ男同士でも目の保養」とシンプルな回答が返ってきてしまった。あとアラン様が怒っていなければ失礼にならないらしい。それも正論で、俺からは何も言えない。
「トーマ、見ろよ。あのアラン様が俺たちの前とは違って、頬まで染めてるんだぞ? 可愛いじゃねぇか」
(可愛いけどさ!!!!!)
そこは俺だけが見たいというか。あー……何だ。ただの嫉妬だ。
(もし俺が、同じ騎士団長クラスとはいわず。ちょっとでも位持ちだったが、隣に立てたりするんだろうか)
俺はただアラン様に一目惚れして、子供みたいな理由で騎士団に入団しただけ。勿論、今は国を守るという気持ちもあるが、未だにアラン様に対する気持ちは消えない。
「アラン殿は、良い匂いがしますね」
ふふっ、と笑ったレオ殿にアラン様の顔が一層赤くなったことに、この場にいる全員が気づいているんだろう。普段であれば、きりっとした表情のアラン様が滅多に見せない表情。少し砕けたような表情でお偉いさんのレオ殿と話している姿を見てまた嫉妬してしまった。
「レオ殿。もうこれ以上は……!」
「これは失礼。ついアラン様が美しく可愛らしかったので、調子に乗ってしまいました」
(本当にな!!!!!)
(だがレオ殿のおかげで、可愛いアラン様の表情が見れたのは感謝しとくぜ!!!)
とまぁ……心の中で、大声で叫びながら少しだけ感謝した。
(だが腰に触れたのは許さん)
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