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12】客人は一体誰だ?

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12】客人は一体誰だ?

 「……うしっ! 寝癖も無いし、ちゃんとしてるな」



 今日も今日とて、訓練にいそしむ。
昨日はアラン様が訓練を見に来てくれたんだ。もしかしたら今日も来てくれるかもしれない。そんな淡い希望を持って、足取り軽く訓練場に来たわけだが俺の耳に入ったのは昨日アラン様がお会いしたというお偉いさんの話。

「なぁ、トーマ知ってるか? 昨日アラン様がお会いしたっていう、お偉いさん。前にアラン様と交流試合した人だってよ」

「ふーん」

生返事しながら、どんな人だったっけ? と思い出してみる。アラン様の交流試合は、良い席を。最前列を陣取って、観戦したのはしっかりと覚えている。相手に対して羨ましい! と思ったのも、しっかりと覚えているわけだが、一体どんな顔だったか……。

「お前、覚えてないのか? ったく……本当にアラン様以外に興味ないんだな」

「待て、今思い出してるところだ。最前列で観戦したしな、羨ましいと思ったくらいだから……今アラン様が入場されたところを脳内再生してるから、もう少し待て」

「こわ。お前、脳内再生してるのかよ」

また俺に声をかけてきた奴が、俺に引いたが気にしない。

「しっ……! 今俺の脳内にアラン様がやって来た……!」

あの日は天気が快晴で、交流試合をするにはもってこいの日だった。和平を結んでいる国のお偉いさん方が沢山来ていて、何か一興しましょうと交流試合をすることになったんだ。俺も参加したかったが、如何せん。参加者を選ぶ選考試合で負けてしまい、選手に選ばれず。悔しい思いをしながら、試合を応援していていた。
アラン様の試合は一番最後。
互いに一番強い選手をと大きな歓声と、黄色い悲鳴が響く中に選手の入場。互いに剣を一本。アラン様の綺麗な横顔が、いつも以上に真剣で周囲の声も聞こえないほど集中しているのが分かった。

『レオ殿だ!』
『はは~、相手の選手もアラン様と同じく美丈夫だな』


レオ殿。ああ、そうだ。アラン様の対戦相手は、そういう名前で……。



「お偉いさんって、あのイケメンか!!!!」


********
短くてすみません><

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