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■子供っぽかったのは俺の方だったようで⑤
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■子供っぽかったのは俺の方だったようで⑤
楽しかった時間はあっという間に過ぎるもので。(一応、料理は美味しかったし楽しかったぞ……!)お腹も膨れ、もう入らない。ちょっとスーツのズボンがきついくらい。今更ながら、正直やけ食い気味だった。(明日からダイエットしなきゃな)
「わ~い、ご馳走さまです! やったね、水野君」
「ご馳走様です」
ふぅ~満腹だとか、美味かっただとか。俺を置いて会話は続く。
構えとは言わないが、置いて行かないでくらいは言いたい。そろそろお開きの空気を感じ取り、とりあえず俺も帰り支度を整えようと上着を引っ張れば、「じゃあ、イケメン。水野を頼むな」と聞こえて、すぐに後ろを振り返った。
「え?」
俺、一人で帰れますけど? と眼で訴えるも田中さんと加藤先輩の会話は続く。
「あのっ!」
声でちゃんと言わなきゃと、口を開いたが時すでに遅し。
「イケメン、水野を頼むな。結構酔っぱらってるみたいだから!」
「任せて下さい。山本さんは頼みましたよ」
「勿論!」
「え?」
「よ~し、帰るか」
「え??」
「帰るぞ、水野」
「え???」
「山本は俺とな~」
「は~い」
誰も俺に分かるように話してくれない。そのままの流れで靴を履いて、お会計を済ませて。連れて来られたと思ったら、今度は帰るために外にいた。まだ夜風は冷たく、頬がツッパル。
「お疲れ様でした~!」
ビールで酔っていたのに、醒めてしまった。解散とばかりに、最後の挨拶。
目の前の田中さんと山本さんが、ブンブンと手を振りながら違う方角へと帰って行く。残されたのは、俺と先輩だけ。
「あの、加藤主任。俺、大丈夫なんで。一人で帰れるのでココで」
「水野」
突然、グッ……! と手首を握られた。
「駄目だ、俺と一緒に帰るぞ」
「なん……っ」
「水野は可愛いから、ナンパされたりたしたら、また俺が嫉妬する」
「何言ってるんですか」と言い返そうにも、先輩の目が真剣で何も言えなかった。
(何で、そんなに真剣な目で俺を見るんですか)
*******
短くてすみません><
この話か、この次くらいでシリーズ自体を終わろうかなと思っているので、もう少しだけお付き合い頂けますと幸いです
楽しかった時間はあっという間に過ぎるもので。(一応、料理は美味しかったし楽しかったぞ……!)お腹も膨れ、もう入らない。ちょっとスーツのズボンがきついくらい。今更ながら、正直やけ食い気味だった。(明日からダイエットしなきゃな)
「わ~い、ご馳走さまです! やったね、水野君」
「ご馳走様です」
ふぅ~満腹だとか、美味かっただとか。俺を置いて会話は続く。
構えとは言わないが、置いて行かないでくらいは言いたい。そろそろお開きの空気を感じ取り、とりあえず俺も帰り支度を整えようと上着を引っ張れば、「じゃあ、イケメン。水野を頼むな」と聞こえて、すぐに後ろを振り返った。
「え?」
俺、一人で帰れますけど? と眼で訴えるも田中さんと加藤先輩の会話は続く。
「あのっ!」
声でちゃんと言わなきゃと、口を開いたが時すでに遅し。
「イケメン、水野を頼むな。結構酔っぱらってるみたいだから!」
「任せて下さい。山本さんは頼みましたよ」
「勿論!」
「え?」
「よ~し、帰るか」
「え??」
「帰るぞ、水野」
「え???」
「山本は俺とな~」
「は~い」
誰も俺に分かるように話してくれない。そのままの流れで靴を履いて、お会計を済ませて。連れて来られたと思ったら、今度は帰るために外にいた。まだ夜風は冷たく、頬がツッパル。
「お疲れ様でした~!」
ビールで酔っていたのに、醒めてしまった。解散とばかりに、最後の挨拶。
目の前の田中さんと山本さんが、ブンブンと手を振りながら違う方角へと帰って行く。残されたのは、俺と先輩だけ。
「あの、加藤主任。俺、大丈夫なんで。一人で帰れるのでココで」
「水野」
突然、グッ……! と手首を握られた。
「駄目だ、俺と一緒に帰るぞ」
「なん……っ」
「水野は可愛いから、ナンパされたりたしたら、また俺が嫉妬する」
「何言ってるんですか」と言い返そうにも、先輩の目が真剣で何も言えなかった。
(何で、そんなに真剣な目で俺を見るんですか)
*******
短くてすみません><
この話か、この次くらいでシリーズ自体を終わろうかなと思っているので、もう少しだけお付き合い頂けますと幸いです
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