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【おまけ】初めて恋人が家に来ることになりまして②
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【おまけ】初めて恋人が家に来ることになりまして②
先生の家に行きたい。そう言われたのは数日前。おまけに、お家デートとまで言われて年甲斐もなく喜んだ僕がいた。
「いよいよ今日だ……!」
一日が過ぎるのは、あっという間で。そのあっという間が積み重なって、もう土曜日になってしまった。時間はお昼を過ぎた頃。予定通り、いつも通勤で使う駅で待ち合わせをした。遅れては不味いと早め家を出た結果、良いことだか余裕を持って早くについてしまった。
「遅刻しなくて良かった」
久保君と恋人同士慣れてはきたが、何だか落ち着かない。今日の服装だって、普段着よりも少し気を遣ってみたが、流行りの恰好は良く分からないし、変じゃないだろうかと今更ながら心配になる。(大丈夫であって欲しい)
(何だが、僕ばかりドキドキしてる気がするな)
久保君は、何だか余裕がある感じなのに。
そんなことを思いながら、待ち合わせに使われやすい駅だ。人通りが増えて来て、迷わないように念のため、連絡先を交換した久保君にメッセージを送る。
「ついたよ、時計の下にいるよ……っと」
すると既読の通知がつくのが早いか、それとも聞こえた声が早かったのか。
「先生」
「うあぁっ!?」
ピロンとメッセージを送ってすぐ、横から声がして驚いた。
「はは、俺です」
不覚にも、笑った顔にキュンとする。以前、百合ちゃんが「圭介の悔しいところは、顏が良い所。何しても顔がいいって許してしまう」と言っていたのを思い出し、これが顏が良いということか、と実感した。
「どっか寄ります? それとも、すぐに先生の家に?」
「久保君はどうする? 君に合わせるよ」
「すぐに先生の……いや、水野さんの家に行きたいです」
一息止めて、改めて久保君が僕を「水野さん」と呼んだ。その表情も優しくて、また胸がドキドキとする。
「水野さん?」
「わ……かったよ、圭介君」
僕も久保君に合わせるように「圭介君」と呼べば、また嬉しそうに久保君が笑った。それから僕を先頭に、後ろに久保君が続く。
「じゃあ、ついてきてね?」
「はい! あ~、でも何だろう。凄い嬉しいと緊張で俺、ソワソワしてきた!」
「ふふっ。だから大袈裟だよ」
(久保君も、僕と同じなんだな)
僕も内心緊張していたが、久保君の言葉に緊張が解れる。見慣れたはずの通勤路が、今日は特別な風景に見える。ただ、僕もなんとなく久保君と早く二人きりになりたくて、速足で前を歩いた。
(久保君に、気づかれていないといいなぁ)
僕が、浮かれていること。
********
更新しました
あと1,2くらいで終わればなあと思っています
先生の家に行きたい。そう言われたのは数日前。おまけに、お家デートとまで言われて年甲斐もなく喜んだ僕がいた。
「いよいよ今日だ……!」
一日が過ぎるのは、あっという間で。そのあっという間が積み重なって、もう土曜日になってしまった。時間はお昼を過ぎた頃。予定通り、いつも通勤で使う駅で待ち合わせをした。遅れては不味いと早め家を出た結果、良いことだか余裕を持って早くについてしまった。
「遅刻しなくて良かった」
久保君と恋人同士慣れてはきたが、何だか落ち着かない。今日の服装だって、普段着よりも少し気を遣ってみたが、流行りの恰好は良く分からないし、変じゃないだろうかと今更ながら心配になる。(大丈夫であって欲しい)
(何だが、僕ばかりドキドキしてる気がするな)
久保君は、何だか余裕がある感じなのに。
そんなことを思いながら、待ち合わせに使われやすい駅だ。人通りが増えて来て、迷わないように念のため、連絡先を交換した久保君にメッセージを送る。
「ついたよ、時計の下にいるよ……っと」
すると既読の通知がつくのが早いか、それとも聞こえた声が早かったのか。
「先生」
「うあぁっ!?」
ピロンとメッセージを送ってすぐ、横から声がして驚いた。
「はは、俺です」
不覚にも、笑った顔にキュンとする。以前、百合ちゃんが「圭介の悔しいところは、顏が良い所。何しても顔がいいって許してしまう」と言っていたのを思い出し、これが顏が良いということか、と実感した。
「どっか寄ります? それとも、すぐに先生の家に?」
「久保君はどうする? 君に合わせるよ」
「すぐに先生の……いや、水野さんの家に行きたいです」
一息止めて、改めて久保君が僕を「水野さん」と呼んだ。その表情も優しくて、また胸がドキドキとする。
「水野さん?」
「わ……かったよ、圭介君」
僕も久保君に合わせるように「圭介君」と呼べば、また嬉しそうに久保君が笑った。それから僕を先頭に、後ろに久保君が続く。
「じゃあ、ついてきてね?」
「はい! あ~、でも何だろう。凄い嬉しいと緊張で俺、ソワソワしてきた!」
「ふふっ。だから大袈裟だよ」
(久保君も、僕と同じなんだな)
僕も内心緊張していたが、久保君の言葉に緊張が解れる。見慣れたはずの通勤路が、今日は特別な風景に見える。ただ、僕もなんとなく久保君と早く二人きりになりたくて、速足で前を歩いた。
(久保君に、気づかれていないといいなぁ)
僕が、浮かれていること。
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