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24】予定のない週末⑧
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24】予定のない週末⑧
窓口で映画のチケットを確認して、該当のスクリーンへ。真ん中の列より少しだけ後ろの席。貰ったチケットの番号を探せば、僕たちの近くには誰もいないらしい。
「映画って久しぶりだから、楽しみだな」
「俺もです」
「そうだんだ」
他愛のない話をしながら、スクリーンへ入ってくる人たちが少なくなっていく。だんだんと照明が暗くなって、いよいよ始まるといった雰囲気。久保君が小さなバッグから携帯を取り出して、マナーモードに。それを見て僕も急いでマナーモードに設定した。後ろの席も、空いているらしい。良い感じに人が近くいないので、ゆっくりと椅子に座って映像が映し出し始めたスクリーンを見つめた。照明が完全に消えて真っ暗。大きなスクリーンに最初に映し出されたのは他の映画の宣伝だったり、映画館のメニューだったり。
(あ、今度見る時はポップコーン食べたいな。でも、ホットドックでも良いなぁ)
なんて。さっきドーナツを食べたばかりだというのに、もう食べ物を考えていてしまった。
(久保君は、どうだろう?)
隣の席は、暗くても顔が見える。チラリと横目で見れば静かにスクリーンを見つめる綺麗な横顔が見えた。
────ドキン。
何度目かの静かに脈打ったような音は、映画の音に消え。僕もスクリーンへと顔を動かして、始まった映画を静かに見ることにした。
映画の内容は、ごく普通の恋愛映画だったと思う。悲恋とかじゃない、ハッピーエンド。主人公が恋する相手に告白するけれど、何度もフラれ。それでも諦めないと、何度も告白し。気づいたら相手も好きになって…‥という感じ。
時間はあっという間に過ぎて、最後のエンドロールと主題歌を聞き終えて。本当に最後と、メインの二人の笑顔で締めくくったあと、ゆっくりと照明が点灯した。
「良い映画だったね」
そう言って、始まる前に見た久保君の横顔を見れば、「そうですね」と久保君が返事した。
「そうですね。面白かったし、何か俺も頑張らなきゃなって思いました」
「頑張る?」
「俺も誰にとは言いませんが、何度フラれてもめげずに頑張るってことです」
「!?」
ニコッと分かった顏は、自身に満ちていると言うか。言葉通り前向きに考えているというか。眩しい笑顔に僕は何とも答えることが出来ず。
「フーン、ガンバッテネ」
と、妙にカタコトで返事することしか出来なかった。
それからは、退場してもう一度ラウンジへ。もう引き留めることは無いと、久保君が頭を下げた。
「水野さん。今日は有難うございました。楽しかったです!」
「僕も楽しかったよ、有難う」
「水野さんが良ければなんですけど、また一緒に映画を見れると嬉しいです」
「そうだね、また何か機会があれば」
「是非!」
久保君が、あんまりにも嬉しそうな顔をするものだから僕も悪い気はせず。
(またデートするかもしれないな)
なんて。
僕の方がうっかり意識しそうになって、「じゃあ、またね!」と急ぐようにラウンジで別れたのだった。
(特に予定は無い週末だったけれど、久保君と過ごせて楽しかったなぁ)
**********
詰んでしまったので、次はちょっと更新未定になるかもしれません><
窓口で映画のチケットを確認して、該当のスクリーンへ。真ん中の列より少しだけ後ろの席。貰ったチケットの番号を探せば、僕たちの近くには誰もいないらしい。
「映画って久しぶりだから、楽しみだな」
「俺もです」
「そうだんだ」
他愛のない話をしながら、スクリーンへ入ってくる人たちが少なくなっていく。だんだんと照明が暗くなって、いよいよ始まるといった雰囲気。久保君が小さなバッグから携帯を取り出して、マナーモードに。それを見て僕も急いでマナーモードに設定した。後ろの席も、空いているらしい。良い感じに人が近くいないので、ゆっくりと椅子に座って映像が映し出し始めたスクリーンを見つめた。照明が完全に消えて真っ暗。大きなスクリーンに最初に映し出されたのは他の映画の宣伝だったり、映画館のメニューだったり。
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────ドキン。
何度目かの静かに脈打ったような音は、映画の音に消え。僕もスクリーンへと顔を動かして、始まった映画を静かに見ることにした。
映画の内容は、ごく普通の恋愛映画だったと思う。悲恋とかじゃない、ハッピーエンド。主人公が恋する相手に告白するけれど、何度もフラれ。それでも諦めないと、何度も告白し。気づいたら相手も好きになって…‥という感じ。
時間はあっという間に過ぎて、最後のエンドロールと主題歌を聞き終えて。本当に最後と、メインの二人の笑顔で締めくくったあと、ゆっくりと照明が点灯した。
「良い映画だったね」
そう言って、始まる前に見た久保君の横顔を見れば、「そうですね」と久保君が返事した。
「そうですね。面白かったし、何か俺も頑張らなきゃなって思いました」
「頑張る?」
「俺も誰にとは言いませんが、何度フラれてもめげずに頑張るってことです」
「!?」
ニコッと分かった顏は、自身に満ちていると言うか。言葉通り前向きに考えているというか。眩しい笑顔に僕は何とも答えることが出来ず。
「フーン、ガンバッテネ」
と、妙にカタコトで返事することしか出来なかった。
それからは、退場してもう一度ラウンジへ。もう引き留めることは無いと、久保君が頭を下げた。
「水野さん。今日は有難うございました。楽しかったです!」
「僕も楽しかったよ、有難う」
「水野さんが良ければなんですけど、また一緒に映画を見れると嬉しいです」
「そうだね、また何か機会があれば」
「是非!」
久保君が、あんまりにも嬉しそうな顔をするものだから僕も悪い気はせず。
(またデートするかもしれないな)
なんて。
僕の方がうっかり意識しそうになって、「じゃあ、またね!」と急ぐようにラウンジで別れたのだった。
(特に予定は無い週末だったけれど、久保君と過ごせて楽しかったなぁ)
**********
詰んでしまったので、次はちょっと更新未定になるかもしれません><
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