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3】そっくりさんじゃなくて本人だった②
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3】そっくりさんじゃなくて本人だった②
女王・グレイスになった私の前に現れた部長。(部長も今日、定時上がりしたんですか?)
内心焦りながら、仕事は仕事だ。この場所では私は女王・グレイス。目の前の猫ちゃんを、どうやって可愛がってあげようかと気持ちを切り替えようとする。オンオフの切り替えが出来る女なのだ、私は!
「私は女王・グレイス。お好きにお呼びになって。貴方は何と呼ばれたいのかしら? といっても、生憎私は豚なんて呼ぶ趣味がなくて。下僕も好まないので、私が相手をする時は皆猫ちゃん扱いなの。良い? 私とプレイ中は、貴方は猫よ」
さて! 今部長は会社の部長じゃない。この場ではお客様。つまり、恐るるに足らずと意気込んでいたのに。
「にゃ……にゃぁ……」
(もぉぉぉ! 部長~~!)
私の方が、調子が狂いそうだった。
若くして部長に抜擢されているんだ。きっと仕事に限らず、何事にも真面目なんだろう。現に早速私の指示に従う部長に、違った意味で心配になる。
(猫だとは言ったけど……だからって、すぐに返事をにゃあで返す?)
真面目なうえに、天然なのかもしれない。それでいてM?
(部長、いろんな才能が有り過ぎるのでは????)
まだ部長のMらしい姿は見てはいないが、健康的ながら色白な頬が、ほんのりと色づく。
「緊張しているの? 大丈夫よ、私は優しいから。痛いことは何もしないわ?」
コツコツとヒールの音を立てながら、部長を吟味するように一周回りながら言った。コツッ……と再び脚を止め、肩に触れる。そのまま耳元で囁いた。
「気持ち良いことだけしてあげる」
「……ッ!」
ビクッ、と部長の身体が震えた。両手は私に触れないように、両側に固定しているかのよう。昨今のコンプラなんかが抜けないんだろうなと思う。(本当に真面目なんだな)
「軽々しく私に触れようとしないなんて、良い子ね」
素直に褒めてあげる。そのまま私は部長。もとい、猫の手を引いてベッドの上へ。もう一度いうが、私は跪かせて鞭で打ったりなんてしない。
「にゃ、にゃぁ……」
部長がまた、猫のように鳴いた。
ゾクゾクゾク……♡。
焦りこそあったが、次第に私もいつものペースを取り戻してきた。何なら、いつも以上に楽しい気がする。
(私しか知らない、部長の姿が見れるかもしれない)
既に、上半身裸の下着一枚という段階で大分私しか知らないかもしれないけれど。
「ふふっ……」
「さぁ、猫ちゃん。ここにゴロンして? 可愛がってあげるからね……♡」
ニコリと口角が上がるのが分かった。
*******
女王・グレイスになった私の前に現れた部長。(部長も今日、定時上がりしたんですか?)
内心焦りながら、仕事は仕事だ。この場所では私は女王・グレイス。目の前の猫ちゃんを、どうやって可愛がってあげようかと気持ちを切り替えようとする。オンオフの切り替えが出来る女なのだ、私は!
「私は女王・グレイス。お好きにお呼びになって。貴方は何と呼ばれたいのかしら? といっても、生憎私は豚なんて呼ぶ趣味がなくて。下僕も好まないので、私が相手をする時は皆猫ちゃん扱いなの。良い? 私とプレイ中は、貴方は猫よ」
さて! 今部長は会社の部長じゃない。この場ではお客様。つまり、恐るるに足らずと意気込んでいたのに。
「にゃ……にゃぁ……」
(もぉぉぉ! 部長~~!)
私の方が、調子が狂いそうだった。
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(猫だとは言ったけど……だからって、すぐに返事をにゃあで返す?)
真面目なうえに、天然なのかもしれない。それでいてM?
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まだ部長のMらしい姿は見てはいないが、健康的ながら色白な頬が、ほんのりと色づく。
「緊張しているの? 大丈夫よ、私は優しいから。痛いことは何もしないわ?」
コツコツとヒールの音を立てながら、部長を吟味するように一周回りながら言った。コツッ……と再び脚を止め、肩に触れる。そのまま耳元で囁いた。
「気持ち良いことだけしてあげる」
「……ッ!」
ビクッ、と部長の身体が震えた。両手は私に触れないように、両側に固定しているかのよう。昨今のコンプラなんかが抜けないんだろうなと思う。(本当に真面目なんだな)
「軽々しく私に触れようとしないなんて、良い子ね」
素直に褒めてあげる。そのまま私は部長。もとい、猫の手を引いてベッドの上へ。もう一度いうが、私は跪かせて鞭で打ったりなんてしない。
「にゃ、にゃぁ……」
部長がまた、猫のように鳴いた。
ゾクゾクゾク……♡。
焦りこそあったが、次第に私もいつものペースを取り戻してきた。何なら、いつも以上に楽しい気がする。
(私しか知らない、部長の姿が見れるかもしれない)
既に、上半身裸の下着一枚という段階で大分私しか知らないかもしれないけれど。
「ふふっ……」
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